株式会社ジェネシス、島崎秀夫社長 TOPから学ぶ後編
前編はこちらから(株式会社ジェネシス、島崎秀夫社長 TOPから学ぶ前編)
従業員に求めるエンターテイナーは、実現されていますか?
日々感じることがありますので、一人ひとりの行動には感心しています。それに加え、地元への愛、恩を表現してくれていることには感激です。
カウンターの景品を十勝一色にしたり、桜の時期には今の見どころを撮影して紹介したりと、自分達だけ楽しむのではなく、お客様にも知ってもらって、ひいては地元を繁栄さえようと行動してくれています。
この辺りも日本全国の地方都市と同じく過疎化が進み、商業物件にも空きが増えていますが、私たちが十勝の元気印、旗振り役として行動すれば、多少なりとも貢献できると思っています。それを従業員が自発的に考え、行動してくれているのが嬉しいです。
従業員はほとんどが地元の人ですか?
そうですね、ここで生まれ育った人が多いです。ずっとここにいると故郷を感じにくいですが、地元を大切にしてほしいですね。営業においても一緒です。奇をてらったことをする必要はありません。
十勝で十勝らしいことをする、その積み重ねが結果に表れます。設置台数の差がありますので集客人数で1番になるのは難しいですが、ジェネシスの各店が集客率で1番になることは珍しいことではありません。トップ3を独占することもあります。
これは北海道があって、十勝があって、帯広があって、自分たちが運営できるという事をしっかりと理解しているからでしょう。
島崎秀夫/株式会社ジェネシス 代表取締役会長兼社長。1946年生まれ。中学卒業後に様々な仕事を経験し、1990年に帯広市でオペラをオープン。現在では帯広市に2店舗、音更町に1店舗のパチンコ店を経営。帯広組合の組合長も務める。
地域社会の活性こそ集客に繋がるんですね。
自分があって、お店があって、帯広があって、十勝があって、北海道があって、日本があると捉えている人が多いですが、私からすれば全て逆。
地球があって、日本があって、北海道があって、十勝があって、帯広があるからお店があって、あなたがいるのだと思います。
お店や従業員は地域で育ち、実ります。その実を地元に返すことで共存共栄させていただく。ジェネシスは地域に生かしてもらっているのです。こういった価値観や精神を忘れずに働いてほしいと願っているし、それを行動に移せる従業員が多いのが、他社さんとの違いかもしれません。
島崎社長の哲学は大きな共感を呼び、組合の集まりでは100人以上集まると聞きました。
帯広組合には20年以上前から参加しています。前組合長の臼井さんから引き継いだ時、「これからは人の輪を大切にしていきなさい。」とお話しいただき、これは自分の務めだと感じ、行動してきました。
パチンコ業界には、同じ地域の同業者は敵だと思ってしまう人たちが多くいますが、これは違うと思います。私は組合のみなさんに「皆さんは敵ではなく仲間です。そして、自分を育ててくれる良きライバルです」と伝え続けています。
十勝は大手と中小が混在する地域ですが、どこかが威張ったり、遠慮したりすることなく、皆が平等に発言して行動してほしい。これが真の組合です。これを20年以上言い続け、今ではその輪が浸透し、広まっています。
帯広組合は企業関係なく皆仲が良い。集まると毎回賑やかな時間が過ぎます。転勤などで他の地域組合から異動してきた人たちには毎回驚かれますね。私にとっても帯広組合はハッピーになれる場所です。
これから会社はどういう方向に成長させて行きたいですか?
会社のビジョンとして、数字などの目標はありませんが、私はエンターテイメンツカンパニーというジェネシスの思いを受け取ってくれる人を探し出し、次の時代に繋げていくのが今の私の使命だと思います。
エンターテイメンツカンパニーは楽しく仕事をして、その楽しさをお客様に伝えるのが根源。バトンを受け取った人が、これからのジェネシスをどうやってデザインするかが大切です。今までコツコツと積み上げたものを途絶えさせたくないので、できれば想いを理解してくれる人に受け継いで行きたいと考えています。
後継者の課題はいつ頃から考えていましたか?
20年前くらいからですね。71歳になりましたが、60歳以降は徐々に体の衰えや精神力の衰えを感じます。今、お店の運営のほとんどは従業員に任せられるようになりましたが、営業を任せるのと、経営を任せるのは全く別物です。
経営ができるからリーダーになれる、リーダーができるから経営ができる、どちらも異なります。まだ時間はありますから、焦らず行動して行こうと思っています。
最後に、従業員に対する想いを教えてください。
今のジェネシスは従業員が一生懸命に努力してくれているお陰で、本当に良い会社になりました。私自身、生まれ変わったらジェネシスに入社したいって心から思います。ジェネシスにいると元気をもらうし、楽しいです。これからも自分のため、地域のためにできることを精一杯取り組んでほしいですね。
また、他の業界をたくさん見て、しっかり勉強してほしいと思います。私がトランプタワーやディズニーの影響を受けたように、外の世界も大きく、広いですよ。パチンコ業界の未来の形も、外にたくさんのヒントがあると思いますから。
ありがとうございました。
中学卒業時に、本田モーターズの他にも、当時まだ大きくなかったソニーやキャノンに目をつけられていらっしゃり、その理由がこれから伸びる会社だと思ったからなど、先見の明を持っており、社長になるべくしてなった方なんだなと思いました。 島崎社長は会社や組織、従業員のことをとても褒めていて、周りへの愛が溢れています。道を継ぐ方は、偉大な社長の跡で苦労もあると思いますが、十勝を盛り上げる会社としてより繁栄してほしいです!(インタビュー米谷)