パックエックス通信

株式会社ワールド、石川 直史社長 TOPから学ぶ

石川直史/株式会社ワールド 代表取締役社長。創業である父の跡を継ぎ、株式会社ワールドの代表取締役に就任。京都府でパチンコホールを5店舗経営。他にもカフェやカラオケ・ビリヤード店も経営している。

今週は株式会社ワールドの石川直史社長に登場いただきました!
大学院卒業後、設計士の仕事をされていた石川社長。二代目社長としてワールドを継ぐまでは、パチンコもやったことがなかったそうです。そんな石川社長が、どのようにして会社を発展させてきたのか。これまでの経歴をお聞きするとともに、石川社長の人となり、新卒採用を始めた経緯、そして今後のビジョンをお聞きしました。

本日はよろしくお願いします。まずは御社に入社されるまでの経緯を伺えますか?

現在入社して16年目で、今年46歳になります。それまでは設計士として建築業界で仕事をしていました。大学で建築を学び、卒業後は設計事務所に入り、資格も取得しました。設計士として、大阪各地の集合住宅や公共事業に関わる都市計画の仕事を本格的にやっていたんです。

設計士というのは昔からの夢だったんですか?

いえ、そういうわけではなく、偶然に近いんですよ。私は韓国籍なんですが、当時は「就職できないから独立する」という考え方を持つ人が多くて、よく「手に職をつけろ!」「医者になれ!」という声を聞いていました。そんな中、最終的に独立できる可能性がある設計士を目指すことになりました。

―設計士としてご活躍されていた頃の一番の思い出は何ですか?

今は設計士と聞くと、おしゃれで華やかなイメージを抱きがちですが、当時はそうでもありませんでした。期日を守るために2週間も事務所にこもり、家に帰れないなんてこともありました。なので、結構大変でしたね。でも私が勤めていた会社は、集合住宅や公共施設だけではなく、商業施設や医療・福祉施設など多角的に事業展開していたので、いろいろなことに携われることは楽しかったですね。パチンコホールの店舗設計もお手伝いしていました。

設計の仕事からパチンコの仕事を継ぐことになった経緯は何ですか?

父親から戻って来いと声がかかったためです。もともと継ぐ予定はなく、正直パチンコに興味はなかったし、パチンコをやったこともありませんでした。弟がいるし、自分は跡を継がなくてもいいかなと考えていたんです。当時の私は普通に生きていければいいなと思っていたので、経営者になるなんて夢にも思っていませんでした。私はどちらかと言うとグループよりも一人でコツコツ仕事をこなしていくタイプの人間だったんです。

それまでとはまったく異なる業界に入られたわけですが、当初はどのような仕事をされていたのですか?

最初は経理総務の仕事をメインにしていました。父である会長に指示されたわけではないのですが、当時経理担当者がいなかったので、だったら自分がやろうということでやっていました。

設計士のときは金銭業務とは無縁だったので、知らないことばかりでしたが、戸惑いはありませんでした。新しいことをやるのが好きだったので、むしろ楽しかったんです。こんな世界もあるのだと発見にもなりました。

でもやっぱり知識がないので、それを補う点では大変でしたね。周りには事務処理仕事をする18歳ぐらいの女の子達しかいなかったので、実務を教えてくれる人は誰もいませんでした。だから、大手企業で財務担当をしている大学時代の友人に教えてもらっていました。時には銀行に直接問い合わせをしたり、自分とは面識ない友人の知人にも教えてほしいと言って、バンバン電話したりしていました。そのおかげで経理業務をこなせるようになったし、すごく勉強になりました。

これまでの経歴の中で、石川社長ご自身のターニングポイントとなった出来事は何かありますか?

一つは競合店が同地区に進出してきた時です。

もともと出店が多くある地域ではなかったので、競合店ができたことでお客様も真新しいホールにどんどん惹かれていきました。初めは競い合ったのですが、早々に「これは無駄だ」と気付きました。強かったですし…。でもこの気付きは、今の理念につながっているんです。「どうしたら競合店に勝てるのか?」一度原点に返って考えていました。そこで改めて気づいたことは、我々が提供しているモノは「遊び」であることです。深く考えずに、お客様が求めている遊びを提供すればいいのだと再認識しました。

それまでは地域1番店から4番店まですべてワールドでした。だからプライドも高かったですし、今思えば井の中の蛙状態でした。競合店が進出してきたことで、全国のパチンコホールを視察し、いろんなヒントを得て、戦略立て直すきっかけになりました。そのとき何も行動に移していなかったら、今会社はどうなっていたかわかりませんし、大手企業の動きを知る機会にもならなかったです。

御社では現在新卒採用をされていますが、新卒採用を始めるにあたっては、大きな決心と本気が必要だったと思いますが、そのキッカケはどのようなものでしたか?

よく新卒採用に踏み切ったのはすごいと言われますが、会社が生き残るには、新卒採用しかなかったんです。当時の亀岡市は田舎ということもあってイメージが悪かったんです。なので、そもそも採用自体が全然うまくいきませんでした。たとえ面接に来て頂いても、志の低い方ばかりでした。

だから今後の会社を考えると、もはや新卒採用以外に選択肢はありませんでした。新卒採用しないとダメになる、経営実務をこなさないとダメになる、営業部長にならないとダメになる…私も会社も、「経験をしないと成り立たない」つまり、絶対にやらないといけない状況におかれていたんです。でも後回しにせず、これらを経験してきたからこそ、今の会社、今の私があります。

新卒採用開始当初は学内セミナーに行っても学生は来てくれず、全く採用できませんでしたけどね。新卒生が入社に至るまでに時間はかかりましたが、辛いというよりむしろ、すごく楽しかったです。

新卒採用の開始などで会社がどんどんと変わっていく中、社員のみなさんは不安に思っている部分もあったのではないでしょうか?

私がいろいろな職務に関わりあいながらリーダーとしてというより、同じ歩幅で一緒に歩んでいくよう努めました。

例えば低貸については色々な考え方を持つ者がいましたが、「遊びの方向性を決めるのは私達ではない、お客様が決めるんだ」と言って納得させていきました。その時その時で遊びのニーズが変わっているのですから、それに応えてあげられる提案をすることが、私達の役目であり、信念であると伝えていき、皆から賛同を頂きました。

しかし、新卒採用については組織的な不安がありましたね。年間で1,2名採用できるようになってくると、組織が若返り、いい傾向にありましたが、人材育成の面は重点的な改善が必要でした。社風として協調性が高く、ファミリーのような会社だったので、しっかりとした育成制度というものがありませんでした。上司部下という関係ではなく、家族同然でしたから。ここは変えないていかないといけないと感じ、今も取り組んでいます。

人材育成は具体的にどのようなところを意識されて、改革されていますか?

目標は「一人でも生きていける人間に育てること」です。つまり、人間力を高めるよう努めています。

例えば愚痴を言う人はどの会社にもいるかと思います。でも上司が部下に対して会社の愚痴を言っている姿を見せてはいけないと考えています。人徳を持って部下に接してほしいんです。

上司となる社員には指導力・育成力を身に付けてもらわなければ、会社の将来はありません。

特に、高卒採用をしていると、この部分は顕著に表れます。上手くいくサイクルができあがれば、かなり成長します。逆にできなければ離職につながってしまいます。ですから、以前は私自ら新入社員の教育担当をしていました。でもそうすると、上司の存在が軽薄になり、上司を飛ばして何でも私の所に相談に来るようになりました。なので今は後方支援のような立場で見守るようにしています。

私は設計士時代、上司にとてもお世話になりました。仕事の話だけでなく、プライベートの事まで親身になって相談に乗ってくださり、教え、導いてくれていました。パチンコ業界にも「人に興味がある」「人材育成は得意だ」と言う方は多いと思います。しかし、しっかりその人に興味持って、将来までの支援をしてあげられている人は少ないと思います。でも、それに気づくのはかなり難しいです。現実、部下を自分の手足や奴隷のように扱う者は多いでしょうしね。

人間力を高めることは、今後の会社に有益になると確信しています。「実現できない夢はない」という信念を持って、会社の発展のため、人材育成のところはこれからもがんばっていきます。

石川社長ご自身の今後の夢や目標はありますか?

会社としても、私自身にとっても、採用活動は転機になりました。これからはもっと注力して取り組んでいきたいと考えています。私の夢は、ワールドの社員が、ワールドに入社したこと、ワールドで働いていることを誇りに思い、同世代の中でも社会人として、人として秀でているような人材に成長してくれることです。

パチンコ業界はマイナスイメージを持たれがちなため、採用活動をしても学生が集まらず苦労されている企業様は多いですよね。

少しずつよくはなっているものの、パチンコ業界へのマイナスなイメージはまだありますね。働くことを親が反対したり、結婚式に社長も上司も呼ばなかったり、結婚したら子供のことを考えて退職したりする人がいます。

でも私はパチンコ業界は魅力にあふれていると思うんです。例えば、方程式が通用しないことも、この業界の良いところです。ゲームセンターには流行の方程式があります。大型店で、きれいで、台数が多くて、他よりも長く安く遊べるといった、最低限のお店繁盛条件があります。しかしパチンコは、大型店でも経営に失敗する場合もあれば、小型店でも大成功する場合もあります。パチンコ業界には「絶対的ノウハウ」が存在しないのだと思うんです。だからこそ、やりがいもあるし、いろんな面でこの業界にはまだまだ魅力があります。それを伝えるのも経営者としての役目だと思っています。

石川社長は、業界のイメージを向上させるためには、何が必要だと思われますか?

パチンコ業界全体が結束していかなければ業界のイメージは変わらないと思います。そして、それよりもまず、一企業の価値を高めることが大切だと考えます。私はダイナムさんのCMを見て、私達の見本だと感じたんです。

街と生きるパチンコ。「母への手紙~社会貢献~」篇 http://youtu.be/LM_oEJFqK7A

このCMからは、業界を変えようというより、まずは自社を変えようというダイナムさんの想いを強く感じました。1社1社がどこよりも価値ある企業になれば、自ずと認められる業界となると思います。

私も、ワールドという会社に働いていることも、働いていたことも、各個人の中で価値を見出してくれるよう色々なものを提供していこうと考えています。「私、ワールドで働いていたんだ」そう言ってもらえたら最高じゃないですか。さらに、その家族・友人に幸せを与えられた時、あるいは地域に幸せを提供できた時、それが会社にとっての幸せです。 そのためには、従業員にも地域住民にも、しっかりとメッセージを伝え、信頼関係を築いていくことが必要です。

そうすることで、企業価値が高まっていき、夢や目標の実現にも近づくと思います。ワールドで言うと、採用活動を続けていくことで、雇用を生んでいることが地域に貢献していると築けた時が、価値創出できた時だと思います。

では、その従業員に向けたメッセージをお願いします。

もっともっとお互い成長していきたいですね。共に歩んでいく仲間なのだから、同じように感じ、同じように成長していって欲しいと強く願っています。そして、その立場を十分理解し、企業経営に参加しているという意識を持ち、企業の成長と社員の成長がリンクし続けてほしいです。

未来の自分に自信を持って会う!そんな自分になれるよう高い視点を持っていけば、ワールドは今よりももっとより良く、もっと早くステップアップできると思っています。

最後に、今同じパチンコ業界で働く仲間に向けたメッセージもお願いします。

この先どうなるかはわかりませんが、パチンコは内需特化型ビジネスモデルとして一番大きな産業であることは事実です。みんなが誇りを持ち、堅実・真摯にしていけば、絶対に万人に認められる業界になると信じています。お互い切磋琢磨して頑張っていきましょう。

ありがとうございました!

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