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株式会社ミナミ・エンタープライズ、吉原純浩社長 TOPから学ぶ

株式会社ミナミ・エンタープライズ、吉原純浩社長

吉原純浩/株式会社ミナミ・エンタープライズ 代表取締役。立命館大学大学院を卒業後、株式会社日本エル・シー・エーに入社。その後株式会社MS&Consultingを経て株式会社ミナミ・エンタープライズへ入社。2016年5月に代表取締役に就任。

ミナミ・エンタープライズは、MAXの屋号で福島・栃木・千葉にパチンコホールを展開しているアミューズメント企業である。2013年に新たなミッションである「Fun to Fan~喜努会楽~※」を掲げ、プロジェクト・マックスに取り組んでいる。

プロジェクト・マックスとは、CS(顧客満足度)とES(従業員満足度)もMAXなグッドカンパニーを目指す、というものである。

そんなミナミ・エンタープライズの代表取締役に2016年5月に就任した吉原純浩氏は、幼少期よりいずれ家業を継ぐことを意識してきたという。

人とは違う視点を持ちたい

「『継ぐ』という意識は小さい頃からあったように思います。兄弟の中で男子は私一人でしたし、それが当たり前のことのように思っていました。なんとなく大人になったら父の後を継いで社長になるのだろうと考えていました。自分の意志で明確に『継ぎたい』と思うようになったのは高校生の頃だったと思います」

いずれ経営者になるという目標を持った吉原氏は、大学、大学院に進学し経営について学んでいった。そうして大学院卒業後に入社した会社は、あえてパチンコ業界とは異なる業界を選んだ。

「今思えば生意気な話なのですが、人と同じことをしたくはなかったんです。パチンコホール企業の二代目や三代目の方は、同業他社や販社で修行するということが多いように思いました。だからあえて自分は他の人とは違う道を進むことにしました。その方がオリジナリティのある視点や考えを持てるようになるのではないかと考えたんですね。そうして入社したのが、株式会社日本エル・シー・エーでした」

株式会社日本エル・シー・エーは、現場主義を大切にしている経営コンサルティングを行う企業である。

「経営を極めるためにも、たくさんの経営者に会えて、経営の現場を共に改善していけるような仕事がしたかった」という吉原氏は、外食事業部に配属され、貴重な経験を積んでいった。その後所属の事業部が分社独立した、株式会社MS&Consultingでの勤務も含め5年半、経営コンサルティング業に携わった。

入社後人事面の改善へ

吉原氏がミナミ・エンタープライズに入社したのは2010年のことだった。

「経営企画室長の役職で入社しました。私が社長から言われたミッションは、人事と財務面を管轄し、改善していくことでした。入社後すぐは、現状を把握すること、社内の人たちとの信頼関係を構築していくことに努めました。入社から半年程経った頃から徐々に人事面の改善を行っていくようになりました。

まず始めたのは評価制度の改善です。当時は新店ができない限り副店長は店長にはなれないという認識の社員が多かったです。ポストが空いていないからがんばっても、今以上昇格しないという考えです。そういった認識を持っているとモチベーションが低下します。ですから、私はその認識を変えたいと思いました。

店長になったらずっと店長でいられるというわけではなく、他にふさわしい人がいるなら交代もあり得ます。社歴や年齢に関係なく実力主義であり、下剋上もありということを知ってほしかった。その第一段として、店長には「理想の店長像」、副店長以下には「理想の店舗像」というテーマでレポートを書いてもらい、それを基に新しい評価制度を構築していきました」

こうして始まった改革から数年が経ったミナミ・エンタープライズでは、採用にも力を入れるようになっていった。

「2014年より新卒採用活動を始めました。新卒は他社のカラーに染まっていないため、やはり自社の風土になじみやすく、伝えていきたい企業文化の担い手になってくれるのだということを実感しています。これまではアルバイトからの社員登用がほとんどだったので、入社時にパチンコのことや業務内容を知っているのが当たり前でした。しかし、最近の学生はパチンコで遊んだことがない人も多く、パチンコについての説明から始める必要があります。

こうしたことが、改めてパチンコの魅力や、ミナミ・エンタープライズで働くことの魅力を考えるきっかけにもなりました。また、新卒採用を行うことで、これまでの組織によい刺激が加わり、制度や風土の改善につながっていったと思います。やはり、異質なものが混ざり合うことでイノベーションは生まれるのだと感じました。

現場でマネジメントする立場の人からすれば大変なことも多いとは思いますが、いろんなバックグラウンドを持った人が、それぞれの考えやアイデアを出し合うことは、組織の活性化になります。今後も新卒採用や、中途採用など、外から人を採用するということは積極的に行っていこうと考えています」

※Fun to Fan~喜努会楽~

「私たちは、人に喜んで頂ける人づくり・環境づくりを常に追求し、改善・創造に努めます。
私たちは、仕事を通して生まれる様々な出会いを大切にし、遊ぶ楽しさ・働く楽しさを広げます。」

目的の大切さを再確認した

現在ミナミ・エンタープライズで新卒採用を任されているのは、加賀秀氏である。

「新卒採用に携わるのは初めてのことだったので、手探りの状態で始めました。採用活動を行うようになり、吉原と関わることも増えたのですが、人の採用や育成に力を入れる人なのだというイメージが以前よりも強くなりました。

現在社長を務める吉原が入社した当時は、結果の数字にこだわる人かと思っていましたが、結果だけでなく、どうしたいのか?どう考えているのか?っといったプロセス面や「あり方」にもこだわる人なのだとわかりました。

以前のパチンコホールは人気の遊技台を設置して、イベントを開催することで集客してきましたが、現在はそういった営業スタイルができなくなってきています。
そうなると接客などによる居心地のよい環境を提供することが他店との差別化になります。以前から社長はこういったことを考えていたのだと思いますが、その考えと時代がマッチしてきたのかなという印象があります。

プロセスには特にこだわりを感じます。私が社長によく言われるのは『その目的は何?』ということです。もう、何回言われたか数えきれないです(笑)。

PDCAを行う上で大切なことはPlanであって、Pがない状態で行動(D)しても、評価(C)することも改善(A)することもできません。これまでの自分には、目的を意識することが足りていなかったと思います。社長に指摘されることで、目的を意識することができるようになってきたと思います」(加賀氏)

パチンコの価値をわかりやすくする

吉原氏はパチンコの持つ価値をもっと単純化してわかりやすくすることも必要だと語る。

「最近のパチンコ業界にはたくさん課題があると言われています。ですが、課題を羅列しているだけでは解決しません。もっとパチンコの魅力を伝えていくためには、パチンコの持つ魅力をわかりやすくすることが必要なのではないかと考えました。

投資した金額や時間に見合うだけの楽しさが得られれば顧客は満足します。規制の対象となった射幸性の高い遊技台は、投資金額が多い分、得られる結果も多い機械でした。短期的な業績を考えると、この規制は厳しいですが、長期的にみれば、喜ばしいことなのではないかと思います。

これからは投資時間をどう楽しくすごせるかが大切になってきます。そうなるとやはり、スタッフが提供するサービスの価値を高める必要があります。そのためにも、優秀な人材の採用や、入社後の研修に力を入れていきたいと考えています」(吉原氏)

女性の働きやすさを改善したい

ミナミ・エンタープライズでは、女性の働きやすさについても取り組みが進んでいる。

「日本の男女の比率は半々くらいです。当社はというと、女性が28.4%くらい。女性が少ないのは不自然だなと感じます。不自然な状態を自然にしていきたいので、そのために女性だけのプロジェクトチームを立ち上げて女性の働きやすさを改善しようとしています。リーダーは女性の副店長に務めてもらっています。彼女が現在の当社内で最上位の役職に就く女性です。私もマネジメントとして加わっていますが、会議には出席せずに、リーダーに進めてもらっています。

現在課題として挙がっているのは、ワークライフバランスとキャリアアップの2つです。同じ女性でも、ワークライフバランスとキャリアアップへの考え方は人によって違います。それぞれが望む働き方をするために解決すべきことは何かをプロジェクトチームで話し合っています。

例えば産休や育休に関してですが、当社では出産後に復職した社員はまだあまり多くないため、『前例がないから産休や育休を取りづらい』という声もあります。そもそも、産休や育休などの制度の取得の仕方などの認識が不十分な人もいるかもしれません。ですから、社内通知も徹底していかなければいけないと感じています。

また、休暇だけでなく復職後に育児をしながら働くためには、周りの理解や協力が不可欠です。小さい子供は急に体調を崩すこともあるので、遅刻や早退、欠勤することもありえます。そんなときに役職者が受け入れられるかも重要です。プロジェクトチームの会議では、男性の役職者にも話を聞く機会を設けるなどして、相互理解を深めて課題を解決していこうとしています」

目標は、プロジェクト・マックスの達成

最後に、採用、育成、働きやすさなど、人の面に力を入れている吉原氏の現在の目標について伺った。

「以前のインタビューでも同じように答えましたが、経営者になると、個人の目標と会社の目標はほとんどイコールになってきますね。

2013年に掲げたミッションには「私たちは、人に喜んで頂ける人づくり・環境づくりを常に追求し、改善・創造に努めます」という文言を入れました。人に喜んでもらうためには、当社で働く人の質を高めていかなければいけないと考えています。そうすることが、CS(顧客満足度)とES(従業員満足度)もMAXなグッドカンパニー」というプロジェクト・マックスの達成につながっていくのではないかと思います。

これまではなんでも自社内でなんとかしようと思っていましたが、外部の力も借りながら、採用や育成に力を入れていきたいと思っています。私の立場からは、社員の成長を促す環境も整えていきたいと思います」

おわり

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