パックエックス通信

TOPから学ぶSPvol.4 株式会社アット 尹 未宇社長 中編

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株式会社アット(アット)は神奈川、東京にて3店舗のパチンコホールを経営する企業である。
社長である尹氏が経営を任されることとなった当時は決して経営状況は順調とは言い難いかったものの、様々な工夫で組織を成長させてきた。
前回のインタビューから2年が経った今、尹氏が特に力をいれているのが、人材育成であるという。

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プロフィール
尹 未宇 氏
株式会社アット
代表取締役社長
1981生まれ。アメリカ留学後、2003年父が経営する株式会社アットに入社。2007年に代表取締役就任。現在は神奈川と東京で3店舗を経営する。
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情熱の火を点けるタイミングと方法

経営者は自然型であり、可燃型(前編参照)に火を点けるための“マッチの擦り方を知っている”点火型でなければいけない。
尹氏は社員教育には、情熱の火を点けるそのタイミングと、点け方が重要であると考えるようになる。

「Aの事件でいうと、退職も考える程落ち込んでいましたが、これが彼にとっては火が点くきっかけになりました。

『このままでは辞めるに辞められない。会社に貢献してから辞めます』と宣言して、それまで以上に意欲的に仕事に取り組むようになりました。それをきっかけに非常に成長したんです。

何がきっかけになるのかは人によって違います。
“やりたいことが見つかった”、“後輩が入ってきた”、“結婚した”、そしてAのように“ミスを挽回したいと思った”など様々です。

きっかけを意図的に作ってやることはなかなか難しい。だからこそ、社員が成長しようとしている瞬間を見逃してはいけないと思いました。
つまり、火を点けるタイミングの重要性を感じたのです」

火を点けるタイミングの重要性

タイミングを見逃さないために、尹氏が行ったのはそれまで以上に積極的なコミュニケーションだった。

「それまでも当社では社内の風通りはよい方だったと思います。ですがさらに意識的に行うようにしました。
普段の何気ない会話ができるような関係性を築くことで、ちょっとした変化にも気づけるようにし、気持ちが高まっていると感じたらどんどんチャンスを与えたいと考えたんです」

尹氏は1店舗あたり、週に数回は必ず顔を出すようにしているという。

「店舗に行ったら仕事以外の話をすることも多いです。だからスタッフみんなの趣味もだいたい把握しています。
気軽に話ができる関係性だからこそ、意見も出してくれる。
こういうことをやりたいと言ってきたら、よく話を聞いて、任せてみるということをやっています」

情熱の火の点け方

スタッフとのコミュニケーションの中で尹氏が気を付けているのは、コンセンサスを得ることである。
様々な立場からの意見を出し合い議論をした結果、コンセンサスを得ると社員の納得度が高い。そのため、社員がモチベーションアップを高く取り組むことができる。
これが情熱の火の点け方の工夫のひとつである。

「私自身、昔は父と議論になることが多くて、散々自分の言いたいことを言っていたから。今自分がスタッフたちから言いたいこと言われても気にならないです(笑)。むしろもっと言ってほしい。私はみんなで会社をよくしていきたいという想いが強いです。
だからこそ、思ったことをどんどん発信し、みんなで議論していきたいんです」

そんな議論がより活発になるのが、他社店舗の視察後である。

「自分の頭の中にあるものだけで考えたのではだめ。いろんなことをインプットしながら考えていくことで新たなアイデアは生まれます。
考えるきっかけを与えたいし、自分のアイデアを実現し、それに対してよい反応を得ることでのやりがいを感じてほしい。
そのために店舗視察を行っています。そこで得たヒントを自社に活かしていることはたくさんあります。

例えば石神井店に置いてある大きいダルマ。
以前の石神井店の内装はスッキリとシンプルでした。でも街の雰囲気やお客様層を考えたら、もっとワイワイ楽しい内装にしたいと考えていました。
そんなときに島の上にダルマが並んでいる店舗を視察させてもらったんです。それを見たとき衝撃を受けて、これだ!と思いました。

さっそく店に戻ってみんなでどのように自店に活かせるかアイデアを出し合いました。
最初は同じようにダルマを並べようと話していたのですが、あるスタッフが『調べたらけっこう重いですよ、ちゃんと設置しないと落ちてきたら危ないです』と意見を出してくれました。

その後の議論で、最終的にはマスコット的に店頭に大きいダルマをひとつ置こうという案でまとまりました。
そうやってみんなでアイデアを出し合うという過程もとても大事だと思います。

先日も大阪にいいお店があると聞き、全社員を連れて視察に行ってきました。
営業を休むわけにはいかないので分けて行ったのですが、そのときこんなことがありました。

今スタッフ数が少ないので、視察を勤務扱いにすると営業の方に影響が出るのではという懸念がありました。社員にはきちんと休みを取ってほしいけれど、現実的には休日扱いにしないと難しく、参加は任意にしようと考えていました。
そうしたら社員の方から『休み扱いで構わないから行きたい』と言ってくれて。ほとんどの社員が参加することができました。
何のために行くのか、ちゃんと理解して共感し、みんなで会社をよくしていこうと思ってくれているからだと思います。これは本当にうれしかったです」

―後編(1/6公開)につづく―


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