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三恵観光株式会社、杉本潤明社長 TOPから学ぶ後編

京都府福知山市でダラム800、滋賀県でダラムS-1を運営する三恵観光株式会社の杉本潤明社長のトップインタビューです。後編では独自の表彰制度や社員への想い、会社のビジョンや杉本社長ご自身の夢についてお聞きしました。

(前編はこちら 三恵観光株式会社、杉本潤明社長 TOPから学ぶ前編)

御社は新卒採用を行っていますが、新卒入社で現在活躍されている方も多いですか?

新卒で入社して7年目の社員は、現在、ゲームセンターの副店長として活躍しています。新卒で入社した社員が店長になれば次のステージへステップアップするという感覚はありますね。活躍しているなかには女性の副店長もいます。

女性で副店長はまだ多くはないと思いますが、女性が活躍できる仕組みがあるのですか?

仕組みというわけではないですが、男女問わず何かやってみたいと思ったら口にしやすい環境があると思います。例えば雑談のなかで物作りが好きだと話していた女性社員は、広報課が新設された際に抜擢されました。副店長として活躍している女性社員は出産してから復帰しています。復帰してからしばらくの間は早番固定にするなど、フレキシブルな対応はしていました。ルールとして決まっていない事でも、個々に合わせた対応は比較的柔軟に行っています。

男女関係なく一律に評価することで女性の役職者が誕生したのですね。

12月に毎年、当社のキックオフミーティング(社員総会)を開催しているのですが、活躍してくれた社員や部署をそこで表彰しており、モチベーションに繋がっているのではないかと思います。賞は6つあって、個人に与えられる「グッドスマイルアワード」「フォトコンテスト」「ストックキング賞」「ええねん!表彰」、チームに与えられる「爆アゲで賞」「みっちゃん大賞」です。

面白い名前の賞が多く非常に気になります。それぞれどのような賞か教えてください。

グッドスマイルアワードは笑顔が素敵な社員に贈られる賞で、社員投票で決定します。フォトコンテストは全社員から一押し写真を募集して部長会議の中でグランプリ、準グランプリを決めています。これはセンスを磨いてほしいという想いから。ストックキングは1年を通して株取引のシミュレーションアプリでの増加金額が1番多い社員がキングです。ええねん!表彰はいわゆる、「永年勤続表彰」。爆アゲで賞は売上・経常利益の実績なので、数字での評価、みっちゃん大賞は、社長賞なので、私が独断で決めています。全ての賞は部署問わず会社全体で競っています。

株取引のアプリというのは、初めて聞きました!どのような意図があって行っているのですか?

このアプリは実際の株式相場と連動しているので、経済についての勉強にもなるし、社会で起こったことが株式にどう影響するかという視点も持つことが出来ると考えて導入しました。1千万を元手に1年間でどれだけ資産を増やせるかを競って、増やした資産金額×0.3%が賞金になります。

楽しそうな企画ですごくワクワクします。

やっぱり、楽しいことを提供する会社が楽しくないと駄目だと思うので。楽しいことを知らないと、お客様に提供することもできないじゃないですか。だから社員にはきちんとプライベートも楽しんでほしいと伝えています。感情をゆさぶられるような経験を通じて、人として成長してほしいですね。それが会社の成長にもつながるので。

楽しくて成長できる会社が一番ですよね。

あとは、委員会制度というものも行っています。社会貢献、5S、レクリエーション、リクルーター、フレッシャーズキャンプと5つの委員会があり、35歳以下の社員が所属部署の垣根を超えて活動しています。経営者がやりたいけど優先度、緊急度が高くない、という案件が主な活動内容です。具体的には、採用関連の仕事をサポートしたり、研修を行ったり、社員旅行の計画を立てたりと多岐にわたります。

 杉本潤明/三恵観光株式会社 代表取締役兼CEO。大学を卒業後、不動産会社やIT企業での就業を経て2002年に家業である三恵観光株式会社に入社。2010年に代表取締役に就任。

ここまで社員に対して様々な取り組みを行っている会社はあまりないと思います。

ただ、楽しいからというだけではなくて、帰属意識というか、古い言葉をつかえば愛社精神、この会社で働いていて良かったと思えることや誇りを持たせてあげるのも経営者の役目なんじゃないかと思うのです。社員にもお客様にも三恵観光で良かったと感じてもらえたら嬉しいですね。

前回のインタビューで10人の経営者を輩出したいと言っていましたが、候補はいますか?

まずは経営基盤の箱が必要だと思っています。経営者になることがゴールではなく、その会社を永続的に続けていかなければ意味がないので、まだまだ先は長いですね。

今後のビジョンや夢を教えてください。

実は2018年に企業理念を「三恵フィロソフィー」に変更しました。これは、ミッション、ビジョン、バリューの3つで構成されます。

ミッションは『明日を今日より、ハッピーに。』、ビジョンは『多角経営を推進し10人の経営者を輩出する』とし、バリューは『魅力的な人になる』『日々の仕事を愉しむ』『常に変化を意識する』『今の自分に挑む』『スピードの価値を知る』の5つです。

どうして変更しようと思ったのですか?

三恵観光ではそれまで、喜びや安らぎを提供する総合レジャー企業を目指すという企業理念を掲げてきたのですが、それでは収まらないところまで事業が広がってきたと感じていました。自分の言っていることに事業内容や行動は沿っているのに、企業理念からはみ出ることが多くてチグハグな感じがすると。

そのタイミングで、社員からも1度整理した方が良いのではないかと声があがってきたので変更することを決めました。

社長にそういった提案があること自体、成熟した会社だと感じます。

そう言って頂けるととても嬉しいです。最近はあまり会社に来ないようにしています。

それはどうしてですか?

社長がいなくても成り立つ会社が理想ですから。例えば私が3か月間海外旅行に行ったとして、育っていない会社だと、帰国した時になくなっているか、ぐちゃぐちゃになっているか、乗っ取られているか、わからないなと思うんです(笑)

でも、三恵観光はそうじゃなくて、社長がいなくても会社は順調です!と言ってくれるような、そんな会社にしたいと思っています。

杉本社長も30代で物凄く働いてきて今があると思いますが、30代の時に一番大変だったことは何ですか?

今となれば全てが糧になっているので、30代を思い起こしても苦労したという印象はありません。ただやっぱり人との関係に悩むことはありました。裏切られることも、結果的に裏切る形になってしまうということも、それは一番嫌だと思っていましたね。

人間関係という点で、特に心に残っていることはありますか?

4年前に新入社員の女性が急病で亡くなられたことがありました。入社2ヶ月弱でこれからという時でしたし、三恵観光の仲間として迎え入れた方だったので、つらかったですね。今でも、順調にキャリアアップしていれば副主任くらいになって活躍していたんじゃないかなと思うことがあります。話すことはもう出来ないけれど、その方に何かを投げかけて自問自答できることは私にとって大切なことかもしれません。

杉本社長は入社当初から組織作りに注力していこうと考えていたのですか?

良いチームをつくりたいと1つ1つ積み上げた結果が組織改革になったという感じです。入社して18年目、社長になって10年目ですが、少なくとも10年間会社は続いているという事実があるので、自分がしてきたことは正解だったと思えるのです。

入社してすぐに組織作りに目を向け、急速に変えていけたのはどうしてだと思いますか?

自分のことを凡人だと思っているからだと思います。仕事ができて優秀だと自分で思っていたら出来なかったですね。4番のエースじゃなくて、スーパーサブだと自己分析していますから、レギュラーじゃないけど困ったときに一通りのことができる人間。そういうタイプが甲子園にいくなら強い組織を作るしかないよねと。本来トップの座につくタイプではないのですが、仲間の力を借りて、一緒にこの先も進んでいきたいと思っています。

個人としての夢はありますか?

今年45歳ですが、58歳になるときに会社が創業80周年を迎えます。そのタイミングで引退して、その先はコンサルタントとして年商3億~5億の会社を30億にするようなイメージで将来を思い描いています。ずっと組織を作ることをしてきて、13年後はもっと人に伝えることも上手くなっているんじゃないかなと。

明確なビジョンですね。

そのために、ここ1.2年で書籍の出版も考えています。

そうなんですね、楽しみにしています!

そういう反応されますよね(笑)こうやって口にすることによってまた自分を追い込んでいるのです。これは実現させたいですね。

本日はありがとうございました。

―インタビューを終えて

4年ぶりにお話を聞かせて頂きました。非常に和やかな雰囲気で、様々なお話をしてくださいました。その言葉の端々から非常に社員を大切にされている事が感じられ、杉本社長のような経営者がいる企業だからこそ皆さん活き活きとやりがいを持って働けるのだろうなと思いました。(インタビュアー宮武)

 

 

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