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株式会社ダイナム、並木康行氏 採用の現場から

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並木康行さん/株式会社ダイナム 人材開発部採用担当。2002年、株式会社ダイナムに新卒入社。店舗勤務を経て2012年に人材開発部へ異動、現在に至る。

新卒採用において、インターンシップを実施する企業が増えています。企業側からすれば、インターンシップは早期に学生と接触することができるチャンスです。インターンシップでの出会いをきっかけに、採用にまでつなげたいという狙いがあります。

17卒採用は16卒採用につづき、採用活動期間が3月に集中しました。大手企業や人気企業に学生が集中し、それ以外の企業はこの期間に母集団を形成するのが難しい状況でした。

そこで、3月以前にインターンシップなどを通じて学生を接触しておきたいと考える企業が増えているのです。早期に活動する学生は比較的優秀層が多いことも、企業がこの時期にインターンシップを行う理由のひとつです。

今回は17卒採用ではインターンシップ参加者224名中、50名が内定出しまでつながっている株式会社ダイナム様(以下「ダイナム」)でのインターンシップ事例を紹介します。

16卒採用で行ったこと

ダイナムがインターンシップに本格的に力を入れ始めたのは16卒採用からでした。夏期に宿泊型インターンシップを実施後、秋~冬期(12~2月がメイン)に実施しました。計196名の学生が参加し、そのうち7名が入社に至りました。

16卒採用での経験から、早期は採用したい層の学生と出会えることを感じ、17卒採用ではより力を入れて取り組むことになりました。

17卒採用で行ったこと

17卒採用でのインターンシップは、16卒採用の参加人数を超えるという目標でスタートしました。プログラムは以下の5つをメインに、一人の学生が、複数のプログラムに参加できるようにしました。

○開催時期
2015年8月~2016年2月

○プログラム
・娯楽の林間学校…2泊3日の宿泊型インターンシップ

・ダイナム甲子園…学生が考えた企画をプレゼンし、順位を競うコンテスト形式。企画のテーマは、“パチンコの人口を増やすためには?”。

・広報担当の体験…ダイナムグループ公式キャラクターの“モーリーズ”が世界キャラクターさみっとin羽生に参加。その企画運営を行うインターンシップ。主に女性学生がターゲット。

・ルーキーズラボ…分析力、コミュニケーション力を養う1DAYインターンシップ。

・ビューティーズラボ…働く女性の働き方を考える1DAYインターンシップ。

○参加実績
トータル参加人数 224名(男性125名、女性99名)
このうち、内定出しまでつながったのは50名(男性18名、女性32名)。

並木さん
「参加者の男女の割合は半々でしたが、内定出しまでつながった人数をみると、女性の方が多いです。

女性の採用は難しくなっています。インターンシップでは女性を積極的に参加してほしいと考え、女性が魅力を感じやすいプログラムも用意しました。
実際にインターンシップの満足度自体が高く、関係性が築けている女性は、『お世話になったから説明会にも行ってみよう』と考えてくれる傾向があり、内定までつなげることもできました」

「娯楽の林間学校」宿泊型インターンシップ

次に、それぞれのプログラムを詳しく紹介していきます。
17卒採用の宿泊型インターンシップは、8~9月に3回開催されました。
1回あたり2泊3日のインターンシップは、
・グループワークやロジカルシンキングなど、どんな業界や職種でも役立つ能力を養える
・ダイナムの研修施設を利用した本格的な研修を受けられる
といったことをアピールし、学生を集めました。

並木さん
「当社は以前から社員教育に力を入れているので、教育担当にも協力してもらいながら、プログラムを組み立てています。
学生が、このインターンシップに参加してためになった、楽しかったと思えるようにするために、特にプログラムの流れや人の組み合わせは気をつけました。

例えば初日にグループワークなどの、人となりやコミュニケーション力が把握できるプログラムを行い、それぞれの特性を把握した上でチーム分けを行うなどしました。

また、研修では“講義を受ける(インプット)→実践する(アウトプット)→フィードバック→再度挑戦”という流れで行い、学生自身が成長を感じられるようにしました。
あえて厳しいフィードバックを行うこともあります。失敗を経験することで、成功したときの嬉しさや満足度は上がるからです。

プログラムを作る過程は、パチンコホールの営業戦略と同じです。
パチンコホールでも、お客様の感情がどう動くかを考えながら戦略を立てていきます。インターンシップでも、学生に感じてほしいことをゴールとします。インターンシップ中にどんなことを感じながらゴールに向かっていくのかストーリー立てて考えていきました」

広報担当の体験

埼玉県羽生市で2015年11月に開催された世界キャラクターさみっとin羽生にダイナムグループ公式キャラクターの「モーリーズ」が参加。その企画運営体験ができるインターンシップです。

イベント当日のブースでどんなことをすれば人がたくさん集まるか、ステージパフォーマンスでは、どのようなことをするかなど企画段階から体験できます。

並木さん
「このプログラムは、当社の広報と連携しながら行いました。
募集開始から締め切りまであまり時間がなかったのですが、それでも20人の学生が集まりました。特に女性の反応はとてもよかったです。

モーリーズを積極的に使うようになったのはここ2年程ですが、やはりキャラクターは女性の反応がいいです。
合同企業説明会ではモーリーズのショッピングバッグを配布していますが、それだけもらいに来る学生もいる程です。

18卒採用でも広報体験は実施予定です。学生の反応もいいですし、参加した後の満足度も高いです。
もっと早い段階から募集を開始すれば、さらに学生を集めることができるのではないかと考えています」

イベントの様子
2015年広報インターンシップ「世界キャラクターさみっとin羽生さみっと」参加者

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©DYJH 2015

1DAYインターンシップビューティーズラボ

女性社員と交流しながら働くことについて考えるインターンシップ。
女性限定とはしていませんでしたが、結果的に参加学生はすべて女性だったそうです。

並木さん
「このプログラムは当社の女性管理職からの以下のような意見をきっかけに作りました。

『なるべくなら仕事をするよりも専業主婦になりたいと考える女性の学生も一定数はいるはず。
まずは就労意欲を高めることも大切なのでは』

そこでこのプログラムは、働くことについて考える機会にしています。
結婚後も働き続けるか、専業主婦になるかで生涯年収の差を実際の数字で見せ、『働く方がお得』と思わせます。
その後、せっかく働くなら結婚や出産を経ても働きやすい職場がいいのではないかという話をし、当社の労働環境や福利厚生の話をしています。

学生は社会人からすると意外なことに不安を感じていたり、悩んでいたりすることもあるので、女性社員との質疑応答タイムも設けています。
不安を取り除くだけでこの会社で働いてみようかなと思ってくれる学生もいます。

質問としては、
『帰りが遅くなるのは怖くないですか?』『一人暮らしってさみしくないですか?』『社内恋愛はあるんですか?』『全国に転勤して、知らない土地で働くってどうですか?』
といったことも出ますね。

どんな質問が出てくるかで、その学生の人となりも知れますし、話すうちに本音を聞けることも多いです。

ただ、このプログラムは女性の反応はいいですが、欲しい層の女性を採用するのには不十分だとも感じました。
当社では男女に関係なく仕事に向き合える学生を採用したいと考えています。このプログラムだけでは不十分ではありますが、あらゆる学生との接点をいくつか持つことが必要だとも感じました」

他部署との連携

ダイナムのインターンシップでは、様々な部署と連携しながら実施されています。

並木さん
「インターンシップでは本物を見せるということを大切にしています。そのためには他部署との連携は必須です。
学生はSNSやネットなどで様々な情報を得ているので、小手先では通用しません。『ネットで見たことあります』と言われかねません。
そうならないためにも、職業体験ではそれぞれの部署の人に企画段階から協力してもらっています。

営業部に協力してもらい、新しいプライベートブランドの企画というインターンシップを行ったこともあります。
企画の審査は、実際に営業部でプライベートブランドの企画に携わっているメンバーに審査員として協力してもらいました。
プロの目線でのフィードバックを行うことで、学生は『やはりプロはすごい!』と思ってくれますし、『プロに意見をもらえてためになった、参加してよかった』とも思ってくれます」

他部署との連携において大切にしているのは、参加学生だけでなく、協力する他部署にとってもメリットがあること。win-winの関係であることだと言います。

「本業と並行して協力してもらうことになるので、協力してもらう側にも何かしら得られるものがあるように工夫しています。

例えば世界キャラクタ―さみっとでは、学生がスタッフとして関わってくれたことで運営をスムーズに行えただけでなく、学生ならではの意見を得られたのがよかったと広報から言ってもらえました。
学生は固定概念に捉われない意見を出してくれるので、アイデアが広がったそうです」

インターンシップを行う意味

17卒採用でのインターンシップでは、早期に学生と接触できるメリットを強く感じたそうです。

並木さん「3月になると学生は本格的に就活モードになるので、ある程度志望業界や職種を絞っています。17卒採用では3月に多くの企業の会社説明会が集中したので、学生は大企業や人気企業の会社説明会に優先的に参加する傾向がありました。
そうなるとパチンコ業界を視野に入れる学生は少なく、3月以降に母集団を作るのは難しいと感じました。
一方で3月以前に行うインターンシップでは、まだ志望業界を絞っていない学生も多く、プログラムが魅力的であれば参加してくれます。
インターンシップでの満足度が高い学生は、会社説明会にも参加してくれることが多かったです」

18卒採用に向けて

17卒採用では、採用につなげにくいという理由から、夏期はあまり予算をかけて行いませんでした。
しかし、つなげにくいからやらないではなく、どうしたらつなげられるのかを考えて実施しないといけないのだと感じました。

18卒採用ではすでに6月に開催された合同企業説明会に参加しました。そこで約100人の学生と会うことができました。
17卒採用の経験を元に、各プログラムをブラッシュアップしながら進めていきたいと思います。

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