
3年後に独立。
年収1000万円。
生意気でも、面白がってくれる社長を探した。
ITベンチャーが次々に生まれ、その経営者の多くがメディアで取り上げられるような時代に、私の就職活動はスタートしました。大学では情報工学を専攻していたため、周囲にはSEやプログラマーといった技術職を志望する友人が多くいました。父が理系大学に進学しSEになったと聞いていたため、私もいつか同じ道を歩むのだろうと漠然と考えていたのですが、どうもその考えに違和感を覚えていました。技術職に就くことは、本当に自分の可能性を広げることに繋がるのだろうか? もしかしたら、技術という枠に縛られず、ありのままの自分で勝負する方が、より大きな可能性を拓けるのではないか。私は熟考した結果、技術職の選考は受けず、ベンチャーの営業やコンサルなどの職種ばかり受けることに決めました。
せっかく社会に出るのだから儲けたいという気持ちもありました。面接時には、あえてそんな意図が伝わるよう、「3年で独立しますが良いですか?」「20代で年収1000万円稼ぎたい」といった質問や発言もした記憶があります。それを面白がってくれる社長がいる企業で働きたいと思っていたからです。そして、その企業がパック・エックスでした。
いま思えば、ただの生意気ですが、あそこで興味を持ってもらえたから今の僕があるのは、言うまでもありません。
目の前のことにガムシャラになり続けた結果、直面した、
自分にどんな価値があるのかという壁。
新人の頃から、目の前に仕事が転がっていたら、それがやるべきことかどうかはあまり関係なく、何でも引き受けてきました。与えられたポジションで実績を上げてきた自負もあります。就職活動の頃には、どこかで「独立」を考える自分もいたけれど、パック・エックスで任されるさまざまな仕事の面白さに取りつかれていき、気がつけばキャリアも積み上がっていました。どんな状況でも周りと比較せず、自分の理想を追い求めて貪欲に仕事に打ち込んでいたのです。
いくつもの新規事業を立ち上げ、不振部門の立て直しも数多く手がけてきました。全力で駆け抜けた結果、年間表彰上位賞(MVP、準MVP、MVM)の受賞率は歴代最高という記録も残しました。
しかし、仕事である程度のことができるようになると、なんとも言えない疑問が湧いてきました。それは「自分は何のために頑張っているんだろう?」「自分が頑張る理由はなんだろう?」という、根源的な問いでした。

私のキャリアを加速させた
新たなモチベーションの源泉
新規事業として「パチンコの求人」を立ち上げた当初は、自己実現への野心的なモチベーションで取り組んでいました。しかし、事業が軌道に乗り同じ仕事をする仲間が増えるにつれ、その気持ちは薄れていきました。代わりに、苦楽を共にした仲間たちの仕事や人生に、自分も介在価値のある人間でありたいと考えるようになったのです。
事業を立ち上げて以来、周りで結婚、出産、マイホーム購入といったライフイベントを迎える仲間たちが増えました。これは、事業を通じて関わる人が増えたことの表れだと感じています。
狭い範囲ではあっても、自分が新しい経済を作り出すことで、自分の周りで幸せや豊かさの総量が増えている。この価値観に気づいてから、新規事業へのモチベーションはさらに高まりました。一つの領域に留まらず次々と事業を立ち上げられたのは、この価値観が後押ししたからです。
個人的に今、一次産業に興味があります。スーパーで売られている食べ物が、どこかで誰かの手によって作られているように、自分で作った野菜を料理し、家族と食べる時の幸福感は格別です。 それは単なる値段以上の価値があり、子どもが「おいしい」と言ってくれたら、その価値は何倍にも膨れ上がります。
自給自足がしたいわけではなく、自分ができる範囲の事は何でも経験してみたいと思っています。その結果、人生がさらに豊かになっていく。そういった人生を送りたいです。


経歴
新卒入社。法人営業を含むプロモーション部、WEB事業部の事業責任者に従事。多くの新規事業の企画立案、事業化を手掛ける。
執行役員着任。
常務執行役員チーフ・ストラテジー・オフィサー 経営企画部部長、グループ会社の株式会社シューテクノロジー取締役CEO就任。