先達に訊くとは…
パチンコ業界で約20年以上働いてきた「先達」にインタビューする新企画です。
パチンコ業界でも新卒採用が活発に行われるようになり、若手人材が多く入ってくるようになりました。そんな若手人材に向け、これまでのパチンコ業界の歴史を先達のリアルな体験談を交えながら語り継いでいきたいという想いを込めています。

profile
武田幸久さん
株式会社マルハン
人材開発部 部長
1975年生まれ、香川県出身。大阪体育大学卒業後、1997年に株式会社マルハンの新卒5期生として入社。
2002年にマルハン貝塚堤店で店長に就任。2004年に兵庫エリアのエリア長に就任。その後中国・四国エリアのエリア長を経て2010年に人事本部に異動となり、人事部を経て現在に至る。

その後はどのようなキャリアを積まれていったのでしょうか?

入社5年目の2002年1月に店長になった後、その半年後の2002年6月にスーパーバイザー部ができることになり、立ち上げメンバーになりました。

スーパーバイザーとしての私の役割は17店舗の状態管理やマルハンイズムの伝承を行うことでした。毎日様々な店舗を見るうち、店長によって店舗に個性が出るものなんだなということがわかりました。同じマルハンでも、雰囲気や価値観が全然違うんです。
自分が店長のときはそれがあまりわからなくて、自分のやり方が会社の方向性に沿っていると思っていたので「マルハンイズムじゃなくて武田イズムや!」と思っていたんですけど(笑)。
様々な店舗を見たことで、ぶれない軸となるマルハンイズムの重要性を改めて感じましたし、個人の価値観を押し付けるのではなく、会社の価値観を共有することが大切だとわかりました。

その後スーパーバイザー部が解散することになったため2003年1月に店長に戻り、2004年4月までに店長として3店舗経験しました。短期間で3店舗経験できたのは、各店に異動して3カ月で業績を上げたからです。

3カ月で業績を上げた秘訣は何だったのでしょうか?

スーパーバイザーの経験を活かし、私が講師となって店舗スタッフ全員にマルハンイズムの研修を行いました。お客様に店が変わったと思ってもらうためには、スタッフが変わる必要があります。研修で方向性をひとつにし、モチベーションを上げるようにしました。

それから異動して1カ月間は課題を100個以上見つけることに専念し、2カ月目はその解決策を考え、3カ月目で解決策を実行し課題を全て解決しました。

課題はお客様目線で店舗を見て探すことが多いのですが、例えばイスの座り心地が悪いとか、ここは空調が直接当たるから居心地が悪い、などです。

そうやって見つけた課題を、徐々に変えていくのではなく、3カ月目に一気に変えるのもポイントでした。
一気に変えると、店が変わったことがお客様にわかりやすいので、「新しい店長やり手やな」と思ってもらえるんです。
そうやって3カ月で業績を上げることに成功してきました。

2002年に店長に就任した後は順調にキャリアを積まれていった武田さんですが、その後のお仕事はどうでしたか?

2004年4月、29歳の時に兵庫エリアのエリア長になりました。
その頃の兵庫エリアは経験豊富なベテラン店長が多く、全員私より年上でした。私は店長として業績を上げてきた自負があったので、ある意味“天狗”の時です。自分のやり方が正しいと思っていましたし、自分のやり方でやってもらいたいと思っていました。年上の店長にも平気で「予算を達成できないなら店長を降りた方がいい」といったことも言っていました。店長への指示ではなく、店長を飛び越えてマネージャーに直接営業の指示をすることも多々ありました。1年目は業績が上がったのですが、2年目には下がってしまいました。エリア長は、店長をモチベートしなければならないのに一番モチベーションを下げるアプローチをしていました。当時は、そのことに気付いていなかった。

この頃が3回目の辞めようと思った時ですね。私の上司である営業部長は私がやりやすいように店長を替えていくと言ってくださったのですが、もう心が折れてしまっていて、自分から「降ろしてください」と言いました。こうして2006年4月に店長に降格しました。

その後再びエリア長になられていますが、どういった経緯があったのでしょうか?

店長に戻った後、本社でエリア長会議があるから来るように言われ、参加しました。そこで中国・四国のエリア長をやってみないかと声をかけてもらい、再挑戦することになりました。

中国・四国エリアも経験豊富なベテラン店長ばかりだったので、これまでのやり方ではだめだと思い、半年間専属のトレーナーについてもらってコーチングの勉強をしました。

コーチングを学んだ後の周りの方との接し方はどのように変わっていったのでしょうか?

年上の方に対して指示するときに、それまでは「〇〇〇をやってください」と伝えることが多かったのですが、「〇〇〇と思うのですが、どう思いますか?」と伝え方を変えたり、「相談に乗ってくれませんか?」と声をかけるようになりました。店舗は、店長が主役です。店長がやりがいをもって働き、店舗で輝く存在にするためにエリア長は黒子のような存在と考え行動していきました。

こうして最初にエリア長になったときはなかなかうまくいかなかった年上の先輩店長たちとのコミュニケーションも徐々にうまくいくようになりました。
中国・四国エリアでのエリア長は2010年まで4年間務めましたが、信頼関係を築くことができ、チームワークがよく、日々楽しく仕事ができるチームでした。

▼エリア長時代の武田さん

-最終回へ続く

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