前編ではピーくんステーション誕生までのお話でした。
後編では10銭パチンコ(テン・パチ)を始めた経緯から、これまでの様々な施策について伺いました!

-10銭パチンコを始めたきっかけは何だったんですか?

加藤執行役員-銀座店で始める前に、足立区のピーアークジョイタイムというお店で50銭パチンコをしていたんです。
そこは年配の方がたくさん来られて、『こういうのを待っていたよ』とか、『50銭だから遊びに来れる』といったお声もたくさん頂き、好評を得ていました。完全に時間消費型の商品ですよね。
それで銀座店も50銭をやろうとなったんですが、「100円1,000玉で20、30分遊べる」とした方がわかりやすいだろうということで、10銭になりました。

中川さん-最初お店には「10銭パチンコ」という看板を出していましたが、「100円で遊べます」という表現に変えてから認知度が上がりました。まったくパチンコをしない方にとっては1玉10銭と言われても、高いのかお得なのか、あまりピンと来ないみたいです。

奥谷ディレクター-よく本当に100円でできるんですか?とか、この台は置いてますか?といったお問い合わせを頂きます。

中川さん-いろんなところで記事にもなりました。その頃1円パチンコも浸透してきていたので、「4円から1円になって次は10銭」といった風に値下げ合戦といった書かれ方もしましたが、そうではないんです。
私たちが10銭を始めたのはそういうものに対抗するわけではなくて、本当にやったことがない人がいくらだったらその垣根を越えて楽しんでやってくれるかを考えて、出したのが10銭だったんです。
これで経営は大丈夫なんですか?という質問をよくされますが、ピーくんステーション単体でみたら、大丈夫ではないです(笑)。ただ、そういう直接的な利益のためにやっていることではないんです。遊び方の提案とか、次の業態を見つけるための研究開発費だと思っているので、コストをかけられるんですよ。

-10銭から1円や4円の方に移るお客様はどれくらいいらっしゃいますか?

加藤執行役員-それもお客様の履歴管理を突き詰めて、データの採取をしてみないといけないと思っているんですが、遊び方や時間消費の枠の中で、使い分けをされてきていることが、少しずつですが見え始めています。
銀座店の常連のお客様で、『パチンコは自分の健康法だ』とおっしゃっている方もいるんですよ。先日詳しくお話を聞いてコーポレートブックに掲載させていただいたんですけれど。

中川さん-70歳くらいの女性のお客様なんですが、遊びに行くためには午前中に家事を終わらせなきゃいけないと思うと生活にメリハリが出るし、歩いてくるから健康にもつながる。お店の中でわくわくできるし、パチンコは私の健康増進法なのよっておっしゃって頂いたんですよ。

加藤執行役員-元PTAの会長さんを務められた方でした。PTAの会長さんと言えば、私達にとっては、近寄りがたい存在でもありますけど…。
お子様達が巣立って、そういう方たちにもパチンコを楽しんでもらえていることを知れたのは、ピーくんステーションがあるからだと思っています。
パチンコというとどうしても依存症の話になっちゃいますが、そうじゃない効用もあるんですよね。
我々としてはその部分にもっとスポットライトを浴びせたいと思っています。
お年寄りが若い人たちと並んでできるスポーツはないけど、パチンコはやれるでしょ。隣のお兄ちゃんに「今日勝ったよ!」って話をしたり。
パチンコはお年寄りがガッツポーズできる場所ですよ。そういう場所って他にはないと思うんです。のめりこみには注意しないといけないですけどね。
今後はもっと健康と遊びを融合させたものができないかと今研究をしています。

-無料で体験パチンコをされているホールさんもあると思うのですが、なぜ有料にしているんでしょうか?

加藤執行役員-タダでできないかという話も出ましたよ。その頃ちょうど「FREE」という本がベストセラーになっていて、近くの播磨屋さんが無料カフェを作って話題になったりもしていたので。
でもやはり0円というのは難しかったですよね。営業なのか、そうでないのかというのもあるし。

中川さん-でもきっと、無料だとパチンコの本当のおもしろさってわからないですよね。
台を選んで玉を借りて、当たりを出して、それを自分で景品に替えるというのがあってパチンコじゃないですか。だからちょっとだけでもお金をもらおうということで10銭にしたんです。
10銭なので大当たりしてもそんなに大きな景品にかえられるほどではないですけど、やったことないという方は、この方がパチンコの面白さが体感できると思いました。

加藤執行役員-ただ、0円パチンコという言葉はいずれ使っていきたいとは思っています。
単純にタダで遊べるのではなく、お金は使っていただくんですが、例えばチャリティーのようなものにするとかですね。
0円とかいて「おーえん=応援」とも読めますよね。パチンコが世の中の何かを応援できるようなことをしていきたいですね。
『パチンコを、その先へ。』という言葉をよく使っているんだけど、100円募金するんじゃなくて、100円でパチンコを楽しんだ分を寄付してもらうような、私の楽しいが、社会の楽しいにつながる循環サイクルが出来れば、また違ったかたちで世の中とパチンコが接点を持っていけるのではと思います。

-ではこれまでに様々な取り組みをされてきた中で、これは失敗した!というのはありますか?

加藤執行役員-20年前に禁煙もやっていますし、2円パチンコもやったんですよ。失敗・・・というか勉強させてもらいました。時代が早すぎたのかな(笑)。

2 円パチンコを始めた頃、ちょうどいわゆる連チャン機の射幸性が問題になっていたんですよ。遊技単価が1.5万円から3万円くらいまで上がった時代で、だったらその半分にしてしまおうという単純な考えで4円から2円にしました。そこから営業を組み立てるのは大変でしたけどね。

そこのお店はいろんなトライアルをやったんですよ。
最初は会員限定のお店だったんです。当時は『パチンコ屋が会員制って・・・』と言われることの方が多かったですが、安心して遊べると言ってくださるお客様もいらっしゃいました。
お客様がみんな穏やかで、お店の中でのトラブルはほとんど起きなかったですね。

禁煙だったから土日はご主人とご懐妊されている奥さんのストレス解消のために車で40分かけて来てますという方が、何組もいました。禁煙を望むお客様が確実にいるということがわかりましたし、間違ってはいなかったと思いましたね。ただやはり絶対数は少なかったので、3年くらいで会員制も禁煙もはずしました。

中川さん-他にも色々チャレンジしました。外装がトムソーヤのマークトゥエイン号みたいになっているお店があったり。

奥谷ディレクター-景品に爬虫類置いていたこともありましたね、景品が逃げ出すんですよ(笑)。

加藤執行役員-景品コーナーにアメリカの輸入雑貨を1000アイテムくらい置いて、99ショップにしたこともありますよ。100円ショップのような感覚ですね。1997年のことです。
100円ショップって、アイテムをああしたら、こうしたら・・・と考えて楽しむ時間消費型のビジネスなんですよね。「これとこれを組み合わせたらこれに使えるんじゃないか」とか、想像の遊びができる場所なんです。
そういう遊びの提供をパチンコホールでも端玉でできないかと考えて始めました。

最初はよかったんですよ。楽しそうでしょ。
でも商品の回転率が問題で・・・。1店舗でやっているので1つのロットがなくなるのに時間がかかるし、でもボリューム感をだそうと思うと結構な商品数が必要だし、さらにそれが変化していないと飽きますよね。それとアイテム数があまりにも多くて管理が大変でした。

中川さん-でも楽しいと思いますよ。カウンターで指差して選ぶのと、自分で景品コーナーを歩いて選ぶのは違いますよね。

-新しい企画を中心になって進めているのはどなたですか?

加藤執行役員-お客様ですよ。スタッフからの声というのももちろんあるし、企画を中心になって進めていくメンバーもいるけど、やっぱり主役はお客様です。こんなこと出来ないのを形にしてあげる。当社のカスタマーセンターにも色々な意見が届きますね。それを具現化してあげる。「業界初」だったり、パチンコと違う何かを融合して、新しい価値創造につなげていく、そういう社風というか、好きですしね。こだわっています。『0から1をつくる』とよく言っています。
1から100にするのはあんまり得意じゃないんですけど(笑)。産みの苦しみを楽しむ社風があるんですね。

中川さん-ピーアークにとって会社の成長ってなんですかって聞かれたらやっぱりここだと思います。

加藤執行役員-そうですね、規模じゃないんですよ。小さくてもいいから純度が高いダイヤモンドのように業界の中でキラっと光るような存在でいたいというのはあります。それが恐らくピーアークのCorporate Identityなんですよ。それが失われたらピーアークじゃないですね。

いろんなトライアルをこれまでやってきたから今があるんだと思います。

-本日はありがとうございました!

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