今回は9月9日に行われたぱちんこ情熱リーグ主催の「情熱セミナー」で行われた株式会社エム・アイ・ディジャパン(店舗名:玉三郎)代表取締役三井慶満氏、株式会社鳥海(店舗名:パチンコ富士)取締役副社長恩田泰久氏によるパネルディスカッションの後編です。

前編では “地域密着型営業”などについてお話いただきました。
三井社長、恩田副社長のお店ではどちらも“地域に密着した営業”を大切にされています。お2人が考える“地域密着型営業”と、そのための具体的な施策はとても興味深いお話でした。
後編では実際に地域密着型のお店を運営していくスタッフの育成などについてのお話です。

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―お2人のお店では、経営理念、お店のコンセプトなどをどのようにスタッフの方に伝えていますか?
三井社長:

パチンコ店の存在意義を伝えるようにしています。以前に比べれば業界のイメージはよくなったものの、まだよくないイメージを持たれている方もたくさんいます。ですので、何のために僕らは存在しているんだろう?という問いかけから存在意義、理念の話をするようにしています。

恩田副社長:
経営理念を全社員の共通認識にすることはすごく難しいことだと思います。その中で私が心掛けている事は、中堅幹部の理解度を高める事です。中堅幹部の方がどれだけ経営理念を理解して、スタッフに対して日常の業務がどのように企業理念に通じるのかを落とし込めるかがポイントです。具体的には、朝礼・終礼、業務報告書などを工夫して行っています。他には週に1度、パートアルバイト含む全構成員が集まって2時間議論する場を設けています。情勢と週のありのままの事実から理念方針に基づいての総括を40分、残りの時間でグループ討論を行い、班会で来週の意思統一をします。委員会活動として週に1時間、理念方針を抜きにして、どうすればお店がもっと良くなるか議論しています。なによりも軸にしてきたのは中小企業家同友会での学びです。「経営者と社員が共に、よい会社、良い経営環境をつくるためにどうあるべきか」「自主民主連帯の実践」などを、異業種交流から学びあう中小企業家同友会を徹底活用しています。

―想いを形にしていく現場スタッフ。このスタッフの方のモチベーションを上げるためにはどうしたらいいと思いますか?
三井社長:
難しい質問ですね(笑)。でもスタッフをやる気を出させるには、経営幹部がちゃんと現実をわかってあげるということが大切なんだと思います。
この2、3年は業績が上がるというよりも、下がるほうが多い時流です。結果が悪いとモチベーションが下がったまま上がってこない。お店側のスタッフは当然、“今の立ち位置はこれぐらいで、顧客の信頼度はこれくらいで、競合店の入れ替えの台数はこれくらい”というのを把握しているんですが、経営幹部は把握していなかったりします。
その現状や環境を把握しないまま、無理して目標を高く設定してしまうと、お店側はより一層何をやっていいかわからなくなり、モチベーションが下がる。これは非常に生産性の上がらない状況だと思います。
だからここ最近はあまり結果を問わないようにしています。また、どう考えても前年とは状況が違ってきているので、より現実的な戦略を取る為に、マーケティングに対して徹底的に力を入れてしています。
今回の広告規制もそうですけど、一番の問題はリズムを崩すことなんですね。リズムが崩れると優先順位がズレてきちゃいますから。こういう過渡期のときにはリズムを崩さないようにしてあげないといけないと思います。

恩田副社長:
周りから認められ、自分がやりたいことを周りが応援してくれている。周りがやりたいことを自分が応援している。これがやる気の源泉だと定義しています。つまり、“みんなでつくる”ということが大切です。
みんなで決めたことはみんなで責任を取ろうよということが非常に大事で、これが社風としてできれば、持続的に燃え上がる集団になると思います。
パチンコ富士では勉強会で基礎学力を向上させる事でモチベーションを上げるという施策も行っています。月に1回2時間、人間的な成長を目指す為の基本学習が主です。知らないことを知ることに喜びを見出し、満足感を得ることは誰でもあると思います。パチンコ富士は中卒の方が半分以上ですが、その様なインプットを行うことで、得たことに対するプラスのモチベーションを仕事にも活かして欲しいと思っています。
目の前の目標をクリアすることがどう自分の将来と結びつくのかということを理解させてあげる事も重要で、中堅幹部の人がそれを部下に伝えてあげられるかどうかも大切な要因であると考えています。

―三井社長と恩田副社長自身が、スタッフの方と接する際に気をつけていることなどはありますか?
三井社長:
私のポリシーは、友情と人情と愛情です。幸せかどうかっていうのは身近な人との関係性がほとんどだと思っています。私は毎朝、その日会う人のことを思い浮かべて、よりよい関係を築けるように心がけています。不幸せな人が多いと絶対に売り上げは下がるし、企業は存続できないと思っています。成功するとか出世する人を増やすよりも、幸せそうな人を増やしていった方が会社は発展するのだと考えています。

恩田副社長
社員と話をするときには、「認める」ということを大切にしています。悪意がないという前提に立ったならばですが、とことん相手を信じ、認めます。ただし、盲目的には信じたり認めたりしません。徹底してありのままの事実を洗い出します。人間というのは、ちゃんと自分の都合のいいようにフィルターをかけて表現するものなので、トラブルがあったときは言葉で聞かず、起こったことを目の前で再現してもらいます。でも正直に言った方がお互い楽ですし、そのことに気づいた社員の人はものすごく自由になれていますね。

スタッフの方たちとの間に、考え方などのギャップを感じることはないですか?
三井社長:
社員とのズレはもちろんあるんでしょうが、心の中のズレはあんまりないという感じですね。ものすごく仲いいですよ。会社に友達が多いというか。私みたいな経営幹部、店長さんたちは多いと思います。会社の中に本当の友達がいる。だから私や会社に不満があっても、友達が会社にしかいないから会社を辞められない(笑)。昔テレビで私が灰皿投げてるシーンが流れて、怖いイメージもたれてるんですが、逆にがんがん言われますね(笑)。ですから私も本音で応えていかないといけないんで、あんまり壁はないですね。よく経営者は孤独だといわれますが、孤独感はゼロですよ。

恩田副社長:
細かいところではいっぱいズレはあるんでしょうけど、大きなところで一致できていれば、若干のズレは修正していけると思います。パチンコ富士は1店舗だから出世も出来ないし、お金もそんなに払えない。
でもパチンコ富士の大きな目標は函館を豊かにすることです。人それぞれに価値観の違いはありますが、大きな目標が一致できていれば小さいズレは修正していけると思います。

三井社長、恩田副社長ありがとうございました!
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後編はスタッフの方との接し方がメインのお話となりました。
特にスタッフの方のモチベーションを上げるための施策はとても興味深く聞かせていただきました。人それぞれ価値観が違うので、これをやれば必ずモチベーションは上がるという正解はないのだと思います。しかし、お客様からの支持が高いお店には、必ずといっていいほど、優秀なスタッフの方がいて、そして優秀なスタッフに育てるためのその店独自の施策があるのだと思いました。

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