新入社員に最初に教えるべきこと 後編

今週は新入社員に最初に教えるべき「仕事の基礎力」について。
後編では事例を交えながら新入社員を一人前にするための「価値観の共有」についてお話します。

B社
東海地方 3店舗経営

実績を上げた社員がマネージャー、幹部へと昇格していく実力主義。企業理念や行動指針はあるものの唱和するのみ。社長の想いが現場に浸透し、社員の判断・行動基準となっているレベルではありませんでした。
3年前に新卒採用を開始していますが、新卒社員と既存社員との間で様々な問題を抱えるようになりました。

新入社員は入社後3日間の集合研修を受けます。そこでビジネスマナー、基本的な接客を学んだ後、店舗に配属されます。その後は現場の社員が教育を行いますが、店舗、人によって指導内容がバラバラという問題が起こりました。
実力を認められ、役職者となった既存社員達は、それぞれが自分なりの成功体験を持ち、仕事の価値観・軸が形成されています。そのため、部下の指導にもそれが大きく反映されます。
新入社員は上司から教わったことを常識であると捉えるため、異動などで上司が変わった場合に混乱を生じることになります。

極端な例ですが、Cマネージャーは接客を重視し、Dマネージャーは出玉を重視するとします。

Cマネージャーの部下になった新入社員は、お客様に喜ばれる接客をすることで評価されますので、笑顔の練習や、対応スキルの向上に励みます。
しかし、異動でDマネージャーの部下になった場合。それまでと同じようには接客面を評価されなくなり、モチベーション低下の要因となりえます。

会社が小さい内は社長の想い=会社の考え方を現場に伝えることは難しいことではありません。しかし、大きくなるにつれ、何かしらのしくみを作らない限り、スタッフの価値観を揃えることは難しくなっていきます。
価値観の共有がされていない職場では、何が評価されるのかがわからず、自ら考える意欲が低下してしまうスタッフも少なくありません。

新入社員に社会人の基礎力を教育するのは、早く一人前になったほしいから。つまり、自ら考えて行動できる人になってほしいからのはず。そういった意味でも、価値観の共有は重要なのです。
現在B社では、まずは役職者に企業理念を理解させるという動きをしています。理念には社長のどんな想いが込められているのか。B社では何を重視するのか。
そして今度は役職者から若手社員へと伝えていけるよう取り組んでいます。
前編でも取り上げた下記問題点をもう一度みてください。

■社内のコミュニケーションが取れない
■リーダーが育たない
■昇進したくない
■受け身の社員が多い
■何度言っても出来ていない
■会議の発言も少ない
■部下の言うことが的を得ていない発言が多い

これらは新入社員が悪いのではありません。新入社員を会社が求める人材へと育成できていない、組織に問題があるのです。

なぜ若手社員が昇進したくないと思うのか、なぜ受身なのか、その原因が何か、今一度考えてみてください。
それらの多くは、会社の価値観が共有できていないことによるものが大きいのではないでしょうか。

―以上、「新入社員に最初に教えるべきこと」でした!

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