こんにちはパック・エックス通信編集部のとみおかです!

 

企業の担当者に聞いた「中途採用をしない理由」は大きくわけて3つあります。

「中途採用をしない理由」

①人が足りているので、採用する必要がない
②過去、中途で採用した人材との間にトラブルや何らかの嫌な思い出があり、いいイメージがないから採用したくない

③新卒採用やアルバイトからの社員登用で入社したプロパー社員しか欲しくない

今週は③についてケーススタディをしています。

数年前、とある企業様(以下、F社)から「新卒社員と中途社員の比率を5:5にしたい」というご相談を受けました。

その時点での比率は新卒7:中途3。
社員数で言うと、40名以上の中途社員が必要になる計算です。

時間をかけて徐々に増やしていく、という考えは全くなく、一気に採用する、というのがF社オーナーの考えでした。
「2ヶ月以内に40名以上の役職経験のある中途社員を採用する」
とんでもないプロジェクトが始動したのです。

当時のF社人事部長は、あらゆる手段を駆使した凄まじいハードスケジュールで、見事50名弱の採用に成功。

私も、人材紹介担当としてこのプロジェクトのお手伝いをさせて頂きましたが、あれほどハードな採用は後にも先にもあの1回だけ。
それはそれは大変なプロジェクトでした。

その後、F社がどうなったのか?
皆さんお察しの通り、社内は大パニックです。

新卒7割の統制のとれた組織に、得体の知れない人たちが次々と入ってきたわけですから。

しかも、当時は低玉貸営業が一気に加速し始めた頃で、営業的にも色々と厳しい情勢でもありましたので、余計に大混乱です。

しかし、そんな大混乱を乗り越えた結果、F社はものすごく強い組織になりました。

会社が生まれ変わったといっても過言ではないでしょう。
恐らく今でも、過去最高益を更新し続けていると思います。

一体どうして、こんなことが起こったのでしょうか?

当時の、新卒7割の組織だった頃のF社は、前述のD社ととてもよく似た組織でした。

真っ白な新卒から会社の純粋培養ですくすくと育った新卒店長達。
会社の考えが分かり過ぎて、いつでも「正解」を用意し、常に右に倣え状態。
新たな意見も出ないし、無難な仕事しかせず、仕事というよりも仲良しクラブのようで、競合店と戦ってやる、という気概のある店長が本当にいなかったそうです。

その当時の組織を、オーナーはこう表現されていました。
「自ら武器を持って闘える戦士がいない。」

このままでは会社が潰れる。
そう思った社長は、戦う店長を外に求めたのです。

求める人物像も「アクの強い」「自己主張のできる」「やる気満々」の店舗責任者候補でした。

もちろん、既存の新卒組の中にも、戦える優秀な人材はいたと思います。

しかし、人間というものは、同じような人々の中にいると、どうしても同化してしまうものです。

もう一度、闘志を呼び覚ましてもらうためにも、刺激が必要でした。
それも、ものすごく大きな刺激が。
そしてそれは、「戦えないヤツは去れ。」というメッセージでもあったのです。

結果として、戦う意志を持った人だけが残り、とても強い組織が出来上がったわけですが、早くから新卒採用に取り組み、それをしっかり定着させることの出来る組織を創り上げ、それだけでも大変なことだと言うのに、さらにはそれを根底からひっくり返してまで次のステージに進んだそのオーナーの先を見る目には、驚かされるばかりでした。

こう書くと簡単なことにように思えるかもしれませんが、当然そこに至るまでのF社のご苦労は並大抵のものではなかったと思います。
組織の変革には、覚悟と決断に加え、ものすごいパワーが必要なのです。

最後になりますが、これまでに何度も、新卒採用はある意味では当たり前で、中途採用をうまく使いこなし、自社の企業力へと転換できる企業こそが「強い企業」だと言ってきました。

外の力を自社の力へと転換できる力を、「転換力」と呼ぶとするならば、強い企業=転換力の高い企業と言えます。
そして、これは何も採用だけの話ではありません。

営業面、財務面、あるいは開発や企業のブランディングにおいても、他業界からよいものを見つけ、それをパチンコ業界風にアレンジして、自社に落とし込む力。
これも転換力だと言えるでしょう。

強い企業は、常に自社に取り入れられるものを探し、アプローチをしています。
アンテナを張り、探求し、勉強を欠かしません。
だから、強いのです。

決して採用だけの話しではなく、あらゆる場面で発揮されるこの転換力こそが、企業の力だと言ってもいいのではないでしょうか。

全6回にわたってご紹介した中途採用は、企業の転換力の有無、高低を表す一例だと思います。

読者の皆さんの企業力、転換力はどうですか?
業界の低迷が叫ばれる今こそ、企業の転換力を磨く時かもしれません。

―以上、「中途採用こそ真の企業力バロメーター3」でした!

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