企業の担当者に聞いた「中途採用をしない理由」は大きくわけて3つあります。

「中途採用をしない理由」

①人が足りているので、採用する必要がない
②過去、中途で採用した人材との間にトラブルや何らかの嫌な思い出があり、いいイメージがないから採用したくない

③新卒採用やアルバイトからの社員登用で入社したプロパー社員しか欲しくない


今週は②についてケーススタディをしています。

中途採用についてネガティブな考えをもつ企業様のほとんどが過去の失敗例が原因。

多くの企業様が「中途社員」そのものが悪いとか、
「うちに合わない」とおっしゃいますが、それは違うと思います。

企業側の採用フローが甘い、もしくは間違っている結果、
「採用をしてはいけない人を採用している確率が高い」だけの話だと、私は思います。

それを中途採用はよくない、とか、定着しないと結論付けている企業は、
自社の成長を自ら阻害しているに過ぎず、
非常にもったいないことをしていると私は考えています。

さて前回までに、組織力が非常に高く、
営業面においても頭一つ抜けているような「強い」企業は
中途採用を非常に巧く活用している、というお話をしましたが、
ここでそんな企業の一つであるS社の中途採用フローをご紹介しましょう。

1次面接(人事担当部長)
・・・その人の経歴、得意分野、人間性を確認し、
S社でどんなことをして欲しいかを伝える。
また、企業理念や方向性を伝え、共感できるのであれば2次に進んでもらう。

2次面接(代表取締役社長)
・・・社長自らが、ビジョン、想いを伝える。
この社長のもとでやってみたい、と思えた人には3次に進んでもらう。

3次面接(現場の役職者)
・・・入社後共に働くことになる人から、リアルな現場の話をする。
細かい仕事内容や、質疑応答を通して、ここでやっていきたいかどうか、判断してもらう。

同時に、面接者本人にも、直接現場の話を聞いたり雰囲気を感じて、やっていけそうかどうか判断してもらう。
※社長が採用と言っても、現場が拒否すれば不採用となる。

いかがでしょうか?

会社としてのスタンスから、実際の仕事内容、共に働く人がどんな人なのかというところまで見せた上で、入社をしてもらう、という手法をとっているS社。
全国から優秀な社員を集め、数多くの中途社員が店舗責任者、営業幹部として活躍されています。

もちろん、新卒採用にも力を入れており、
新卒採用と中途採用を非常に巧く使い分けて組織作りをされています。

しかし、入社した方の全員が活躍しているわけではありませんし、
残念ながらすぐに退職してしまった人もいます。

でもそれは当たり前のこと。

そもそも中途採用とは、企業の経営戦略上で自社に足りない必要な人材を外部から不定期に採用するもの。

外部で育った人を無理やり自社に取り込む訳ですから、全員が全員うまくいく、なんてことはどんな優良企業でも有り得ません。
中途採用に必要以上の定着率の高さを求めること自体がナンセンスなのです。

それでも、採用フローが充実しており、受け入れ体制が整っていれば、入社したうちの何割かはしっかりと組織に馴染んで定着し、外部のノウハウなどを自社に落とし込む事ができます。

その結果、既存の組織に良い影響を与えることができます。
それこそが中途採用のメリットなのです。

従って、その為にいかに人材と企業、双方にとっていい採用が出来るか。
その確率を上げるためには、数多くの人と出会う(面接)機会を積極的に作らなければいけませんし、細やかで想いのこもった採用活動が中途採用にこそ必要だということです。

S社のように、厳しい環境の中でも目覚しい成長を遂げている多くの企業が手間をかけてまで中途採用をするのはなぜなのでしょうか。

そこには、純血のプロパー社員だけで作った組織では、企業として限界、行き詰まりが生じるという背景もあります。

次回「中途採用こそ真の企業力バロメーター3」では純血のプロパー社員にこだわったD社の事例をご紹介します。

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