こんにちはPX通信のとみおかです。
またさり気にブログデザインかわっています。
秋っぽくチェックに・・・。
変わらない方はブラウザの更新ボタンを押してみてください!

それでは本編どうぞ~

■■■■■

活気ある職場にするための、メンタルヘルス対策 後編

厚生労働省の調査によると、うつ病の患者数は年々増えています。
うつ病の要因の多くは仕事のストレスといわれ、企業にとってうつ病を含むメンタルヘルス対策は必須となっています。

後編では就業規則を見直すことによるメンタルヘルス対策について、事例を交えてお伝えします。

A社(東京都)での事例

A社では、副店長をしていたY氏(35才、勤続11年目)の休職期間が問題になっていました。
Y氏は副店長に昇進した半年前から体調不良で休むことが多くなり、3ヶ月前から休職することになりました。休職の理由は仕事のストレスによる「うつ病」。
Y氏の上司が定期的に連絡を取っていますが、復帰の目途は立っていません。

Y氏がいつ復帰できるかわからないため新たに社員を採用することもできず、Y氏の業務を他の社員で分担して行っています。
また、休職中なので給与を支払う必要はありませんが、社会保険料は会社が負担し続けなければいけません。
Y氏の月収は40万円なので、社会保険料は月額110,233円(都道府県によって保険料率は異なります)。この内会社が負担する金額は55,425円です。本人負担分も一旦会社が立て替えて払うことになるので、社員からの入金がなく、未入金となるケースもあります。幸いにもY氏からは毎月会社に保険料分の入金がありますが、それが滞るという可能性も考えられます。

さらにあと2ヶ月すると4月になり、新入社員が入ってきます。
新入社員の受け入れ体制を整える必要があり、今のままでは人員不足です。

A社からの相談は、「Y氏が4月から復帰できないようであれば系列の店舗から1名異動させたいので、Y氏を3月末で解雇したいが、それは可能か」というものでした。

その答えは『ノー』です。解雇はできません。

なぜならA社の就業規則には、休職期間を『勤続満10年以上の従業員は1年』と定めているからです。ですので休職中の社員を解雇すると不当解雇となります。

休職制度は法律で決められたものではなく、会社が任意で導入するものです。
『うちは就業規則があるから大丈夫』と、安心している方が多いのですが、それは間違いです。
労働基準法には必ず守らなければならないものと、会社の判断に任せているものがあります。それを知らずに、ネットで見つけたものや、行政や各団体が作成したモデル就業規則をそのまま使用していると、A社のような問題が起きてしまいます。

また、Y氏が復職となった場合でも、新たなリスクが出てきます。

それは、Y氏が自身の判断で復職をしてしまうということです。
「早く復帰しないと自分の仕事がなくなるのではないか」といった不安から、完全に回復する前に、本人が復職を希望するケースがあります。しかし、復職直後は元気な様子だったものの、1週間で様子が急変し、遅刻や休みを繰り返し、休職することになってしまうというケースが少なくありません。
この場合、本人の負担だけでなく、他の社員のモチベーション低下にもつながりかねません。

このようなリスクを回避するために、就業規則では以下のことを明確にする必要があります。

***

1.休職期間
休職期間は会社が自由に決められるものです。
一般的には下記のように定めている企業が多いようですが、現実的に考えると勤続年数に応じて1ヶ月から長くても1年が妥当な期間です。

勤続1年以上5年未満  6ヶ月
勤続5年以上10年未満 1年
勤続10年以上 1年6ヶ月

また、うつ病は休職を繰り返すこともあります。「同じ傷病による休職の場合はその期間を通算する」と明記しておく必要もあります。

2.復職に関する規定
「社員が復職を申請する時には、会社が指定する医師の診断を受けなければならない」という規定を設けておけば、社員が自己判断で復帰することを防ぐことができます。

***

また、就業規則の見直しだけでなく、うつ病を発症させない職場環境を作ることも大切です。

相談窓口の設置、上司と部下のコミュニケーションの場を月に1回以上設ける、健康診断を受診させるなど、日常的に健康状態を確認することも必要です。

特に健康診断は、労働安全衛生第法66条で、「従業員に年1回を実施しなければならない」と定められています。もし会社が年1回の定期健診を行っていなかったとしたら、労働安全衛生法を違反となり、罰金50万円以下の罰則となります。
最近では、本人や家族から会社に対して、損害賠償請求されるまでに発展するケースが増えてきています。

「遅刻が多い」、「体調不良で休みがち」といったことは単なる怠慢ではなく、うつ病である可能性があります。本人が辛いだけでなく、周りのアルバイトや社員は「あの人が休みがちだから自分の仕事が増える。」「なんであの人は遅刻を繰り返すのにクビにならないんだろう??」といった不満を持つことにもなり、モチベーション低下にもつながります。

社員ひとりひとりがハイパフォーマンスを発揮できる会社にするためにも、企業にとってメンタルヘルス対策は必須課題です。

管理者がうつ病の知識を身に付ける、1人に負担をかけすぎないようにする、心身の健康状態を日常的に確認できる職場環境にする、就業規則を見直すことで従業員がうつ病になった場合の対応を行う、など、様々な対策がありますが、まずは今回ご紹介した注意点を踏まえ、皆さんの会社の労働環境と、就業規則を再度確認することから始めてはいかがでしょうか。

―以上、「活気ある職場にするための、メンタルヘルス対策」でした!

関連記事