
京都府に本社を置く株式会社ジョイナス(以下ジョイナス)は、滋賀県に4店舗、石川県に1店舗を経営する企業である。
西日本最大級となる508台のスロット専門店へと改装した「アネックススロットステージ」や、ジョイナスにとっては新天地である石川県に新規出店した「ラッキー」が好調だ。
そんなジョイナスを率いるのは、パチンコ業界では珍しい女性社長である、高山愛子氏である。実は社長になる前は専業主婦。
『何もわからないけれど、毎日会社に来ることにした』そんなスタートから現在、どのような想いで経営を行っているのか、インタビューを行った。
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高山愛子氏※
株式会社ジョイナス
代表取締役
高校卒業後、化粧品会社に入社。結婚後は専業主婦となる。
2005年に株式会社イルコーポレーション(2000年設立)の代表取締役に就任。同年、株式会社ジョイナスへと社名変更。
現在は滋賀県に4店舗、石川県に1店舗を経営する。
※文字化け防止のため「髙」の字は高と表記しています。
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新規会員数が驚異的に増加!
新規会員獲得を目標としたジョイナス塾1期生は、高山氏も驚く程の成果を見せた。
始まった当初は、1カ月に200人の新規会員を獲得することに必死だった店舗が、現在では毎月1,000名を目標にする程だという。
具体的にはどのようなことを行っていったのか。1期生の一人はこう語る。
「本当に様々なことを行いました。1期生だけで情報を共有する掲示板を作り、毎日その日の成果を報告しあいました。よかったことを共有したり、うまくいかなかったらアドバイスをもらったりしていました。
全員で声かけを徹底したことで、以前と比べて何十倍もお客様と接する機会は増えました。
自店だけでなく、会社全体の目標数字を休憩室に貼り出し、現在の達成率をわかりやすくしました。そうすることで、アルバイトスタッフたちの中でも、自店の達成はもちろんですが、他の店舗にも手伝いに行きたいと言ってくれる人も出てきました。
これまで何度も今月は目標達成が難しいんじゃないかと思うこともありました。タイミングは違えど、メンバーそれぞれ壁にぶつかったこともありました。そんなときは、お互い助け合いました。
社長や常務からも『やればできる!』と励まされ、なんとか達成させることができました。
これまで、未達成だった月はほとんどないくらいです」
共に楽しいこと、苦しいことを経験し、成長した
ジョイナス塾が好調な要因は様々あるが、メンバーの構成もそのひとつであると、高山氏は語る。
「店舗の中では中間層にあたるメンバーを選出したこともよかったのかもしれません。
店長とも、他の社員やアルバイトスタッフともコミュニケーションを円滑に取ることができ、周りを巻き込んで動くことができました。
会議で決めたことは、自分の言葉で店長に伝えるように言っています。
私や常務から店長に伝えれば、動いてくれるとは思いますが、どこかやらされている感が出てしまうと思うんです。自分からやろうと思ってやらないと、いい結果には繋がりません」
現在では順調なジョイナス塾だが、最初から全て順調だったわけではない。
始まったばかりの頃は、メンバーの中でも積極性にばらつきがあったという。
「最初は私や常務が会議の議長は誰がやるか聞くと、はい!と手を挙げる人、黙っている人様々でした。
目標達成に関しても、最初の頃は達成できないこともありました。タイミングが合わず会議ができなかった月には、少しだれているような印象もありました。
『前までできていたのにできないわけない!』と一喝すると、次の月からは達成できるようになっていました。
そうして続けていくうち、いつの間にか自分たちで会議を仕切るようになり、議長や、書記といった役割分担を決め、課題を洗い出して解決策を考えていました。
目標達成が難しそうな店舗があると、全員で達成したいからと言って、率先してその店舗にヘルプに行き、最終的には達成させました。
回を重ねる毎に顔つきが変わっていく彼らをみていて、とても感心しました。
何よりも、楽しそうに取り組んでくれたことがよかったです。彼らが楽しそうだから、私や常務も毎回すごく楽しみでした」
このように、苦しいこと、楽しいことを共有することで、徐々にチームとしてのまとまりができていったという。
なぜここまでがんばることができたのか、これまでを1期生の一人はこう振り返る。
「経営理念にLet’s join usとありますが、みんなでひとつのものをつくっていくという雰囲気がある会社です。
ですから、会社というよりも家族のような存在。社長はみんなの母親のような存在です。会議では厳しいことも言われるのですが、いつも『期待しているから厳しくする』と言ってくださいます。
これだけ一致団結してがんばれているのは、社長の想いに応えたいというのが強いです。それは親孝行したいという気持ちに近いんじゃないかなと思います」
本社で行われる会議
会議後の懇親会
役職・社歴・年齢ばらばらのメンバー。最初のうちは意見を出すことを躊躇する社員もいたが、今では意見を出し合い議論しあえる「仲間」になっているという。
シンプルでわかりやすいチームづくり
ジョイナス塾が好調な理由は様々あるが、「目的への理解度の高さ」が大きかったのではないだろうか。
新規会員獲得は、稼働を上げるという目的を達成するための、手段のひとつである。
手段が目的になってしまい、うまくいかないというケースは多い。
しかし、ジョイナスでは皆の理解度が高いために、達成意欲も非常に高く、「新規会員獲得に前向きでない人は浮いてしまう」程だという。
その要因となっているのは、高山氏の伝え方によるものも大きい。
シンプルながら、本質を捉えており、わかりやすいいため、納得度も高い。
高山氏がジョイナス塾メンバーに、メンバーから社内へと、目的をわかりやすく伝える。
そんなよい流れができていたことで、全社一丸となって、「新規会員獲得」に取り組むことができたのではないだろうか。
現在、ジョイナス塾は新たな段階を迎えている。
2期生がスタートし、今後は彼らが中心となって新規会員獲得を目標に動いていくことになった。
そして1期生はジョイナス塾を継続し、貯玉促進を目標に動いている。
高山氏自身も驚く程の成果を出すジョイナス塾。
そこには、高山氏の想いを受け、それに応えようとするメンバーの姿があった。
-完-

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