株式会社昇喜、小田教浩社長 TOPから学ぶ
愛知県と三重県でタイキ1212港区木場店、タイキ1010四日市泊小柳店の屋号で2店舗を運営している株式会社昇喜の小田教浩社長のトップインタビューです。
まずは経歴からお伺いしたいと思います。
大学を卒業後に大手パチンコメーカーの技術部門で3年間働き、その後に家業である株式会社大喜興業に入社したという形です。
小田社長は次男ということですが、家業としてパチンコ店を経営していたのは小さいころから知っていたのですか?
知っていました。元々繊維工場を営んでいましたので、その工場を改装してパチンコ店の経営を始めて、小学生の頃はお店の島の中で遊んだりしていましたね。
その頃は家業を継ごうという気持ちはありましたか?
次男だったので、継ぐということは全く考えていませんでした。大学卒業後どうしたいという具体的な夢もなかったので、パチンコ業界でまずは働いてみようと思ったのです。大喜興業に入社しても次男なので、ずっとフォローする立場だと考えていたくらいです。
入社した当時は戸惑うこと、大変だと感じることはありましたか?
いろいろ思うことはありましたが大変ではなかったですよ。ただ、私が入社して3年でその時いた社員がほぼ全員が辞めてしまったのです。
それはどうしてでしょうか?
まずは普通の、基本的なことを浸透させようとしただけで、退職者が増えました。
今では考えられないことですが、お客様の前でタバコを吸っているスタッフもいて、そういう部分を変えていかなければならないと思ったのです。その結果、複数の社員が辞めてしまった。
データ管理に機械を導入したら、やり方が変わってついていけないと言われてしまうこともありました。
状況としては大変だったと思うのですが、小田社長としてはそれほど大変だとは感じなかったのですか?
そうですね。あまり気にせずに働いていました。私が入社したのは25歳で、その頃の社員はだいたい40代~50代だったので全員年上です。やっぱり社長の息子ですし、私よりも周りのほうが気を遣っていたのかなと思います。
株式会社昇喜を設立したのはいつですか?
昇喜は2005年にタイキ1010四日市泊小柳店を立ち上げるタイミングで設立されましたが、その時私はまだ大喜興業で部長として店舗開発に携わる仕事もしていました。
1年に1店舗の出店を目標に掲げ、その時々のタイミングでリニューアルオープンをしたり新店を出したりという仕事です。その後、2014年に当時14店舗だったのを分社化して、今の形になっています。

小田教浩/株式会社昇喜 代表取締役社長。大学を卒業後、大手パチンコメーカーに入社し、退職後は家業であるタイキグループ入社する。部長としてグループの店舗開発に携わり、2014年の分社化に伴って株式会社昇喜の代表取締役に就任。
これからの出店は考えていますか?
それはもちろん、物件は毎年探しています。今は2店舗のみを運営しているので、居抜きで低玉専門店をやってみたいだとか、いろいろ考えてはいますね。今はいいところが見つからないので、無理はせずにしっかりと将来を見据えて、ベストな物件を探していきたいと思っています。
新しい店舗をオープンするとしたら、場所はやはり三重県か愛知県ですか?
既存社員のことを考えれば、やはり三重県・愛知県のエリアかなとは思っていますが、東京や大阪にも物件は見に行っています。駐車場のない小さい店舗なんかも見ていますね。
小田社長は店舗開発以外にも、現場の営業も見られているのですか。
いえ、私は店舗開発がメインです。現場のことはもう若いスタッフに任せていますので、特にすることがない。
新しい広告宣伝の仕方やSNSにも詳しくないので、今営業で一番必要なものを現場のスタッフに提案してもらって進めています。私がやるよりもその方がずっとスムーズに進みますから。
小田社長が初めて自分の会社を持つにあたって、一番にどんなことを感じましたか。
とにかく良い会社にしたいと、それだけでした。人を大切にする会社にしたいし、社員のことを考えたら傾けるわけにはいかないので、今まで以上にしっかりやっていきたいと身が引き締まる思いでした。

最初はどのような営業方針を掲げられていたのでしょうか?
あまり営業の部分は考えていませんでした。それよりも、会社は人が全てだという考えだったので、まずは教育をしっかりしようと思っていたし、今でもそうです。
従業員教育はどのような形で行っているのですか?
昇喜になってから外部の研修をしたことは一回もありません。
それよりも先にやらなければいけないことがたくさんある。昇喜では「基本」という年間目標を掲げているのですが、それも挨拶や笑顔という基本的なところが一番大切だという私の考えを反映させたものです。
有難いことに、その他の部分は皆自発的にやってくれています。
小田社長も講師として社員向けの研修を行うのですか?
それはないですね。話すのはそれほど上手い方ではないですし、私が言うとしたら人としての基本の部分だけです。その基本が駄目だと全部崩れてしまいますからね。
人を大切にする会社にしたいと仰っていましたが、どのような取り組みを行っているのですか?
そうですね、具体的な例を挙げると、有給休暇の取得率は100パーセントです。
御社は福利厚生が非常に整っていますよね。
自分ができるところはそういったところだけなので、福利厚生はしっかりと整えていきたいと思っています。
小田社長は株式会社昇喜ができる前から人を大事にしたいという想いはずっと持っていたのですか?
そうですね。友達はとても大事にしてきました。絶対に裏切ることはしないし、お世話になっている先輩や友達に対しても誠実でいたいと思ってきました。
それは大げさなことではなくて、人が嫌がることはやってはいけないというシンプルな考えです。経営者になるにあたって、人を大事にするということは特に誰かから教わったということではないですね。
確かに人間関係の築き方や、人に対する接し方は学校や家庭を通じて個人個人が自然と学ぶものですから、小田社長には特に人を大切にするということをきちんと学ぶ環境があったのですね。お話を聞いていて、社員を大切にしている会社の経営者の方は皆そうなのかもしれないと感じました。
そうですね、それだけは変わらずに貫いていきたいですね。
外部研修はしていないと仰っていましたが、内部研修や勉強会などは定期的に行っているのですか?
内部研修はやっています。現場のスタッフがみんな頑張ってくれていて、自分たちで研修カリキュラムを作って、その研修で全員が一定以上のレベルの仕事ができるようにしてくれているのです。
全て自分たちで作っているのはすごいですね。月間目標などはあるのですか?
あります。グループの各店舗で月間目標を立てているので、その月間目標を達成するためにどうするか、会社全体の年間目標を達成するために何をしなければならないかというのを考えて社員が自発的に取り組みを考えています。なので、目標を常に頭に置いて仕事をする環境が当社にはあります。
先月はどのような目標だったのですか?
仕事中の「表情」を意識することが目標でした。昇喜では基本的なことをしっかりやろうというスタンスなので、逆に難しい目標案が出てきたときに、もっとシンプルにしなくていいの?と聞くようにしています。先月も非常にシンプルですが、大切な課題です。
小田社長は店長以外のスタッフと話すことありますか?
毎月全社員と接する機会はあります。今は体制が変わって社員までですが、それまではアルバイトスタッフにも給与明細を手渡しして、直接お礼を言っていました。それだけはずっと続けています。
素敵な取り組みですね!それを始めようと思ったきっかけがあったのですか?
最初はテレビ番組で取り上げられた他社の取り組みを見て感銘を受け、取り入れることにしました。私の経験上、何か問題が起きるときはほとんどの場合がコミュニケーション不足に起因しています。
ですから、社員一人一人とのコミュニケーションを大切にしていきたいのです。実は私も、そういったことは苦手で、握手をして感謝を伝えることに気恥ずかしさもあるのですが、それでも続けていけば気持ちが伝わると自分を奮い立たせている状況です(笑)やっぱり良い会社は社長が社員としっかりコミュニケーションをとっていると思うんです。
もっとたくさんの取り組みをしている仲の良い先輩もいて、実際にそのような会社は確実に伸びている。だから、本当はもっと色々な取り組みをしていかなきゃならないと思っているのです。

小田社長は社員との食事会も定期的に行っていると聞きました。
会社全体の食事会、店舗だけの食事会、あとは誕生日の月に2人ずつくらいに声をかけて食事に行っています。
それは社員の人たちは嬉しいと思います!食事会の場ではどのようなことを話すのですか?
あまりしゃべらないです(笑)皆が楽しそうにしているのを見ているといった感じですね。
それでも、何か言いたいことがあれば、社長と直接お話ができる機会が定期的にあるということですね。
そうです。ですから、誕生日の食事会は出来るだけ少人数で行くようにしています。ただ、仕事や会社についての話は、賞与が支給されるタイミングで行う個人面談で意見を貰うことが多いですね。
食事会や個人面談の中で、何か心に残ったエピソードはありますか?
個別のエピソードではありませんが、入社当初は個人面談で何時間も話していた社員が、在籍期間が長くなるにつれてどんどん話す時間が短くなっていくことが多いというのは、面白いなと感じます。
それはどうして短くなるのですか?
長い時間話をする社員は会社や仕事に不満を持っていることが多いので、必然的に長くなるのです。
その中には他責になってしまう人もいて、じっくり話を聞いてから、別の考え方を提案することを続けていくうちに、だんだん矢印が内側を向いて、自分自身と向き合って成長していく、そういった姿を見るのはとても嬉しいですね。
現在、正社員やアルバイトの採用については積極的に行っていますか?
もちろんそうです。ただ、これは皆さん同じだと思いますが、なかなか厳しい状況です。アルバイトの採用に関しても、昔は募集を出すと数名は面接に来てくれましたが、今は面接というところまで繋げるのが難しくなってきています。
最近は現場のスタッフが工夫して取り組んでくれているので助かっている部分が大きいのですが、会社としてもやれることは最大限やっていきたいと思っています。

どのような方を採用したいとお考えですか?
真面目な方であれば歓迎します。嘘をつかない、約束は守るというような、人としての基本ができている人であれば採用したいですね。その基本があれば全く問題ありません。仕事に関しては現場のスタッフが一生懸命指導してくれますから、まずは昇喜で働いてみたいと思ってもらえるだけで嬉しいです。
最後に、今いるスタッフの方に何か求めることはありますか。
それが、何もないんです(笑) やりたいことがあれば言ってくれれば、会社はできるだけサポートしますし。強いて言えば、今のままでいてほしいですね。全員がそのまま真っすぐに成長していってほしい。
そう言い切れるのはすごいですね。
私も現場の様子は見ているのでわかるのですが、今のスタッフは凄く一生懸命やってくれていて、いつも感謝しています。これからも力を合わせて一緒に頑張っていきたいですね。
本日はありがとうございました!

―インタビューを終えて
“人を大事にする”という想いを持ち続けて、社員の皆様と普段から接する機会を自ら積極的に創り出し、一緒に働く仲間一人一人の声に耳を傾ける社長の取り組みを知り、とても感銘を受けました。 皆様とコミュニケーションを取りあうことが多いからこそ、日々の関わり合いの中で成長を感じることもあると笑顔でお話されていた姿が印象的でした。 (インタビュアー小川)
