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株式会社ジョイパック、内田大介採用マネージャー 採用の現場から

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内田大介さん/株式会社ジョイパック 人事部係長兼採用マネージャー。2002年に新卒で株式会社ジョイパックに入社。店舗勤務を経て、2006年に人事部へ異動し、新卒採用を10年担当する。

御社ではこれまで新卒採用を20年以上行われていますが、中途採用に力を入れ始めたのはいつ頃からなのでしょうか?

中途採用に力を入れ始めたのは、4年程前からです。新卒採用は、年々採用が厳しくなっています。新卒採用だけでは人材の確保が難しいのではないか、と考え、中途採用にも力を入れるようになりました。

ですので、基本的に中途採用も新卒採用と同じように、ある程度ポテンシャル採用をしています。年齢層も18歳から30代前半までがほとんどです。また、新卒社員と教育面などで差がでないよう、中途採用入社のタイミングは年に2回にしています。

中途社員の入社のタイミングを、年に2回にしていることで、どのようなメリットがありますか?

複数人を同じタイミングで入社させることで、定期的にフォローアップの集合研修をすることができます。現在は、入社後3カ月、6カ月、12カ月、24カ月のタイミングでフォローアップ研修を行っています。

また、新卒社員でも同期がいるのといないのではモチベーション維持や定着率に影響があり、働きやすさに違いがでてきますが、中途社員でも同じことが言えます。中途社員の場合、同期の年齢層は幅広いですが、同じように研修を受けるうちに絆も生まれ、年齢の壁を感じないくらいに関係性も深まってきます。

当社は異動も多いですが、各店に同期がいることも多いので、仕事がしやすいようです。

中途採用の採用活動も、年2回の入社のタイミングに合わせて行われているのでしょうか?

採用活動自体は通年行っています。正社員としての入社までの期間は人によって様々ですが、まずは正社員の入社の条件としてアルバイトとして入社してもらっています。

アルバイトからのスタートもメリットとして大きいです。中途採用は1回の面接で合否を決めることがほとんどです。そのため入社してみたら、お互いマッチングしないということもあります。

しかし、アルバイトで働く期間があるので、その期間中に合わないと思う人は辞めていきます。いきなり正社員として入社するよりは、お互いのリスクは小さいのではと思います。

アルバイトからのスタートということに抵抗感がある方もいらっしゃいますか?

そうですね、やはり正社員として転職したい方がほとんどなので、アルバイトからのスタートに抵抗がある人もいます。ただ、理由をきちんと説明して納得してもらっています。また、アルバイトといっても、手取り月収は20万円以上になりますし、社会保険や様々な福利厚生等も完備しているので、働く環境としては悪くはありません。

アルバイトからのスタートにデメリットがあるとすれば、そのままアルバイトとして働きたいという人がいることですね。特に女性に多いです。キャリアアップを目指さないなら給与面は一般社員とアルバイトでそれほど差はありませんし、転勤がないので働きやすいという人もいます。ただ、今はアルバイトの採用も厳しくなっているので、そのまま働いてくれるのであれば、問題ないですし、それ程課題には感じていないです。

新卒採用と比較して、中途採用にはどんなよさがあると考えられますか?

中途採用のメリットは様々ありますが、ひとつは採用コストです。採用単価は新卒採用と比較すると半額くらいです。その大きな要因は、労力がかからないことです。

新卒採用の場合は、パチンコ業界を志望する学生は非常に少ないため、まずはパチンコ業界で働くことに興味を持たせることに労力がかかります。選考の回数も中途採用と比較して多いですし、内定を複数もっている学生も多いので、入社までのフォローも欠かせません。

一方中途採用の場合は、最初からパチンコ業界で働きたくて応募する人が多いので、興味を持たせることにそれ程、労力が必要ありません。他業界を経験している人からは待遇面に魅力を感じてくれる人も多く、志望度も高いです。

また、現状では新卒社員と中途社員を比較すると、中途社員の方がキャリアアップが早いです。社会人経験がありますし、他社を経験している分、覚悟が違います。家庭を持っている人もいますし、ここでがんばりたいという強い意志を持っている人が多いですね。

では一方で、中途採用のデメリットを感じられることはありますか?

現在ではそれ程デメリットには感じていませんが、ひとつは年齢層が幅広いということです。

これまで当社の採用活動は、新卒採用が中心でした。そのため新卒入社すれば上司は年上で、同期も多くは同じ年齢です。ですが、中途採用の場合は18歳から30代前半までの社員がいます。同期の年齢層も幅広いですし、既存社員からすれば年上の人が部下になることもあります。

その辺りのやりづらさのようなものはあるのかなと思います。中途社員にも、入社したら年下の上司がいるし、同期にも年下がいるということは、きちんと説明するようにしています。今は中途採用を始めて4年経つので、徐々に現場も受け入れに慣れてきたようには感じます。

もうひとつは、今後のキャリアアップがどうなるかです。というのも、中途採用の場合は学卒かどうかを問わずに採用しているので、それがどう影響するのかはあと5年程みてみないとわかりません。

学卒だから優秀というわけでもありませんし、新卒社員と中途社員で幹部になれる確率はそんなに差はないとは思います。ただ、まだみえていない分、どうなるか、という感じです。

中途採用の母集団形成においては、どのようなことがポイントだと考えられていますか?

中途採用の場合のポイントは大きく分けると2つです。1つは、どの採用媒体を使うかです。

採用媒体の選び方としては、どのような人材を採用したいかどうかを軸にするとよいと思います。当社の場合は、欲求が強くて人間力がある人です。学歴にはこだわっておらず、人物重視です。

そのため、主にFromAやタウンワーク、求人ジャーナルなど、アルバイトの求人も掲載されているものを使用しています。中途採用というと、リクナビやマイナビなどの大手転職サイトに掲載するのが主流かと思いますが、大手の転職サイトに登録している人は、パチンコ業界を志望している人は少ないです。ですから、新卒採用と同じように、まずはパチンコ業界で働くことに興味を持ってもらうことからスタートするので、労力がかかります。

一方で、前述したFromAなどの媒体は、アルバイトの求人も多いことから、応募者の学歴でいうと、中卒~高卒も多いです。前職の業種では、同じパチンコ業界や、製造業、サービス業からの転職が多いです。

パチンコユーザーである確率も高く、社会人経験をしており厳しい現実を経験している人も多いので、パチンコ業界で働くことに抵抗がなく、待遇面に魅力を感じてくれる人が多いです。そういった人に興味を持ってもらえるよう、媒体では、給与や福利厚生などの労働条件面のよさを打ち出しています。中途入社で管理職になったロールモデルの社員もアピールポイントにしています。

もう1つのポイントは、媒体の掲載時期です。私は掲載し続けることが大切だと思います。採用しにくい時期もありますが、どんなタイミングで応募があるかはわかりません。

掲載し続けていると、人材不足というイメージを持たれるのではないか、という意見もありますが、単発で掲載した場合と比較すると、掲載し続ける方がトータルの費用対効果がよいです。媒体毎に、単発と継続で分けるのもいいかもしれません。通年で掲載をすると、費用をディスカウントしてもらいやすいです。

御社では新卒社員と同様に中途社員にもフォローアップ研修を実施されていますが、どのような研修をされているのでしょうか?

中途採用の場合も、入社後3カ月、6カ月、12カ月、24カ月のタイミングでフォローアップ研修を行っています。

入社後は1週間、入社6カ月後にも宿泊型研修を行っています。入社後の新入社員研修は、ほとんど寝られないようなハードな研修です。研修を通して業界理解や同期の繋がり、また企業理念を伝えていきます。

6カ月後の研修は入社当時に教育担当になった先輩社員も同行させます。先輩社員に感謝の気持ちを伝えることによって、縦の繋がりも醸成させていきます。

入社12カ月後も集合研修となりますが、会議室にこもりっきりの研修ではなく、体験型の研修を実施します。例えば、地域のお祭に研修という形で参加させています。お祭に来場された地域の方にタオルを配ったり、神輿を担いだりしています。この日は宿泊し、お祭が終わった後はみんなでお酒を飲みながら打ち上げをしています。

このお祭りには、店舗の常連のお客様も遊びに来られることも多く、ビールを差し入れしてくださる方などもいて、愛社精神も生まれます。また、ずっと店舗の仕事ばかりだと視野も狭くなってしまうので、外部と接触し、視野を広げるという面でもよい効果があります。

中途社員の研修にこれ程力を入れられている企業は少ないのではないかと思いますが、研修の目的はどのようなものなのでしょうか?

目的は会社へのロイヤリティを高め、離職を防ぐことです。

そのためにポイントとしているのは、会社がどれだけやってくれたか、を感じられるかどうかです。知識をつけるような研修をしたとしても忘れてしまいますし、モチベーションが高まったとしても研修後に維持することは難しいです。それよりも会社が自分たちの教育に力を入れてくれていると感じてもらうことが重要です。

特に中途社員は、他社を知っている分、研修を実施すると「会社にここまでやってもらった」と感じてくれる人が多いです。

採用において今後の課題などはありますか?

これまで4年程中途採用を行ってきましたが、おおむねうまくいっていると思います。新卒採用とのバランス、中途採用自体の費用対効果のバランスも今がちょうどいいのではないかと思います。

今後はここ4年程で入社した社員がどれだけ成長してくれるか、経過をみていきたいと思います。

ありがとうございました!