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株式会社一六商事、酒井良太マネージャー 採用の現場から

ichirokushoji

酒井良太さん/株式会社一六商事 人事部人材開発課マネージャー。大学卒業後、株式会社パック・エックス入社。パチンコホール企業への採用コンサルティング営業などを経て、株式会社一六商事に入社。現在は北関東エリアのアルバイト採用を管轄している。

アルバイトの人材不足がここ数年続いています。

厚生労働省が2016年8月に発表した「一般職業紹介状況[季節調整値](パート)」では、2016年7月の有効求人倍率は1.74倍となりました。2015年7月と比較すると0.2pt増となっており、上昇傾向にあります。今後も求人倍率は増加していくとみられています。

アルバイト採用においても、必要な人材を適性なコストで採用していくために、あらゆる面で工夫が必要となってきています。

今回は、アルバイトを採用する上で大切なことを紹介していきます。また、アルバイト採用に関する取り組み事例を株式会社一六商事(以下「一六商事」)の人事部人材開発課酒井良太マネージャーにお話を伺いました。

厚生労働省 一般職業紹介状況[季節調整値](パート)

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計画的に採用する

「人材余り」のときは、繁忙期などの目前に採用活動を行っても採用することができていました。しかし、現在のように「人材不足」のときは、採用したいと思ってもすぐには採用できないこともあり、計画的な採用活動が必要です。計画的に採用するためのステップは以下の通りです。

1.必要な人材数の把握 2.採用が必要な時期の把握 3.1、2を踏まえての年間の採用計画の立案

1.必要な人材数の把握

どのような業務があり、その業務はどのレベル(アルバイトスタッフなのか?一般社員なのか?役職者なのか?等)の人材が行うのが適性か、などを把握すること。そこから時期、曜日、時間帯による来客数や業務量の変化に応じて必要な人材数を算出します。また、必要な人材数は変化することもあるので、定期的に確認することも重要です。

「当社ではこれまで店舗ごとにアルバイト採用を行ってきましたが、現在北関東エリアの18店舗は一括で採用を行うように切り替えました。計画的に採用をするために、毎月各店舗から現在のアルバイト・一般社員・役職ごとの人材数、アルバイト・一般社員・役職ごとの採用したい人材数(=不足している/する可能性のある人材数)を報告してもらっています」(酒井さん) 2.採用が必要な時期の把握

学生アルバイトが卒業して退職する時期にあわせての採用など、どの時期に採用が必要かを計画します。

3.1、2を踏まえての年間の採用計画の立案

必要な人材数、採用が必要な時期を把握したら年間のスケジュールにしていきます。どの時期に採用活動をするのか、予算はどれくらい使うのか計画を立てます。

ただ、外部環境(近隣に大型商業施設がオープンするなど)によっても採用環境は変化するので、その都度柔軟に対応していくことも必要です。

「北関東エリア一括で採用活動をするにあたり、どのくらいの予算が必要かも把握する必要がありました。そこで、各媒体の応募人数と採用人数を店舗でも管理してもらい、毎月報告してもらっています。そこから媒体毎の採用コストを算出し、予算を立てています。北関東エリア一括で管理するようになってからコストは随分抑えられました」(酒井さん)

アルバイト採用を店舗毎に行うのか、本部一括で行うのか。一六商事の場合は、北関東エリア一括での採用活動を行っていますが、それによるメリットはコストの削減だったそうです。スケールメリットを生かして媒体掲載費を抑えることもでき、全体的にコストを抑えることになりました。

一方で本部一括採用のデメリットは、スピード感です。急きょ人材が不足した場合などにスピーディーに対応することが難しい場合もあります。そこで一六商事では、毎週各店舗に人材のニーズをヒアリングするようにしているそうです。

打ち出し方の工夫

アルバイト採用において、広告の工夫も重要です。一六商事ではどのような工夫を行っているのか。

「広告では『見せ方』に気をつけています。近隣店舗の広告も参考しながら、他店と差別化できるようにしています。例えば、『有給休暇取得率100%』や『オープニング特別手当1カ月3万円』などです。」(酒井さん)

有給休暇取得率100%

当社ではアルバイトスタッフが有給休暇を取得できるよう本部で管理を行っており、有給休暇の取得期限が迫っている際は、本部から取得を促すこともあります。このような取り組みを行ってきた結果、ほぼ全員が有給休暇を取得できる体制になりました。アルバイトスタッフでも有給休暇が取れるということを知らない人もいるので、アピールポイントとして使用しています。

オープニング特別手当

グランドオープンスタッフに対し、入社一カ月後に3万円、二カ月後に3万円、三カ月後に3万円と、合計9万円をオープニング特別手当として支給しています。以前はオープニング時給として、入社後の時給を通常よりもupさせる制度を導入していました。しかし、特別手当の方がまとまった金額が支給されるため「もらった実感がある」とスタッフから好評でした。広告にした場合ももらえる金額が明確で、わかりやすさがあります。

また、オープニング時給よりもコストを抑えることもできますし、早期離職の防止にもつながっています。

その他に、広告では、写真のクォリティにもこだわっています。写真によって反応がまったく違います。明るく、楽しそうな雰囲気が伝わるような写真を使用しています」

 

アピールポイントがわかりやすいようデザイン。写真のクォリティにもこだわっている。

アルバイト採用では、採用後の早期離職の防止も重要です。早期離職の原因の多くは、人間関係ともいわれています。

普段から声かけをおこないコミュニケーションを取る、店長が定期的に面談を行い話を聞くといったことも有効です。一六商事でも、店長面談を行うなどで、早期離職を防ごうと取り組みを行っているそうです。

今後も人材不足は続くとみられています。広告の打ち出し方、コストコントロールの仕方、採用後の早期離職の防止など、様々な工夫を行っていくことが必要です。