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株式会社晃商、新井丈博専務 TOPから学ぶ後編

 

パチンコ店「スーパードーム」をメインブランドとして全国に18店舗運営している株式会社晃商の新井丈博専務取締役にインタビューしました。後編では、世代交代や今後のビジョンについてお伺いしました。前編はこちら(株式会社晃商、新井丈博専務 TOPから学ぶ前編)

社内の改革を行うと、それに伴う離職が増える傾向にありますが、御社の場合はいかがでしょうか

はい、恥ずかしながらそれはありました。でも結局は残るべき人が残っているという印象です。社内の雰囲気が変わったことで肌が合わない人は離れてしまいました。もちろんそれを寂しく感じる気持ちもありますが、組織には新陳代謝が必要ですからある程度は仕方のないことと割り切らないといけないと考えています。理想は考えがフィットしない人が新しい考えに共感して、歩み寄ってくれることですけどね。

会社のこれからの考え方に共感して、より一層頑張ろうと言ってくれている社員が増えているのはとても有り難いことですし、私自身のモチベーションも上がります。

社員の士気が上がっているのですね

そうですね。まだまだ立ち上げフェーズに過ぎませんが、社員が少しずつ会社に興味関心を持ってきてくれているのはじわじわと感じています。

社員が会社に興味を持つというのは、たとえばどのよう時に感じますか

そうですね。事業部間交流は少しずつ増えてきているように思います。

たとえば、今当社の社内報では全社員対象で、部下が上司を誘って対談をするという企画があります。例えばパチンコ事業部の一般社員が飲食事業部の部長を誘っても良いわけです。実際に事業部や役職を越えた交流がそこでは成されています。

そういう企画がなくても年齢や社歴、事業部は違えど同じ社員同士なので、遠慮せずに何でも聞けというのは言うのは簡単ですが、実際はきっかけがないとなかなか出来ないことです。弊社の場合は社内報や社内SNS、社内ポータルサイトといったツールが潤滑油になっています。

部門間交流が活性化しているのですね

弊社の場合はパチンコ事業と飲食事業がそれぞれ大きな組織なので、会社は同じでも空気や文化が少し違います。

そのため、以前は晃商という会社に勤めているというよりか、パチンコ事業の社員はスーパードームに勤めている、飲食事業の社員は天壇に勤めているという感覚が強かったと思います。縦割りの組織運営だったのを、今後は組織を横軸でも連携させていきたいですね。

社内報をはじめとしたツールがそれぞれの部門を繋いだんですね

そうですね。より活性化できるよう、また色んなことを提案していきたいですね。

新井丈博/株式会社晃商 専務取締役。大学を卒業して入社後、総務勤務、営業課長を経て、2010年に専務取締役就任。

話は変わりますが、今後の事業展開について教えてください。

弊社はパチンコと飲食の2本柱で運営を行っていますが、この方針は今後も変わりません。今のパチンコ事業は足場を固める時期なので、組織をもっと強くしていきながらにタイミングを見て成長させていきたいですね。

飲食事業は始めて既に50年以上が経ちますが、まだまだ大きくなる可能性を秘めています。パチンコ事業であれば国内での出店が前提ですが、飲食であれば世界に目が向けられますからね。もちろん、まずは国内で店舗数を増やしていければと思いますが、出店に関しては物件ありきではなく、組織や人ありきで進めていきます。

事業拡大も人ありきだと

そうです。今一番重要なのはパチンコと飲食、それぞれの組織を強くすること。組織は人ありきですから、人材の質と量の向上が必須なんです。だから会社として採用力強化も人材教育も大切です。教育と言っても業務スキルだけではなく、社会人、組織人としてのマインドレベルを育てていくことも重要と考えています。

どれも会社にとって重要な戦略ですが、これらは社長も深く関わっておられるのですか?

いい意味で丸投げしていただいています。笑

役員になった際に、これからの組織は専務の組織になっていくんやから、自分が先頭に立って自由にやったらいいと言っていただきました。進捗報告は定期的に必要ですけどね。

信頼して任せてもらっているのだと思います。

全権を持って進めることに怖さや悩みはありませんか

それはありますよ。漠然と不安に思う事もあります。でも社長が最後の砦というか、私が何か間違ってたら正してもらえるという安心感があるので、神経質になり過ぎずに進めることが出来ています。悩んだら相談できる環境なので、ありがたいですよね。

若くして専務に就任し、次の晃商を担う準備が着々と進んでいるように見えます。

でも、実は最初に専務をやれと声を掛けてもらった時は無理ですって言ったんですよ。笑

これ前回のインタビューにも載ってますけど、当時はまだ20代後半で、複数店舗の営業管理を担っていましたが、そこから一気に全社を見る実力も経験もないし、早すぎると感じていたんです。でも結局いつかはやらないといけないことですし、周りの方たちからもいけるでしょって後押ししていただいたので、受けることにしました。

そんなことがあったんですね

でも、今考えるとこれで良かったのだと思います。早い時期から経営に携わることで広い視野を持ち、目の前のことばかりではなく、中長期にこだわって考えられるようになりました。

立場が人を作ると言いますが、自分自身の経験を通じて本当にそうなんだと実感しました。社会人人生として大きなターニングポイントでしたね。

今の歳かそれ以上で急にこのポジションになってたら、逆に柔軟な対応ができずに大変な思いをしていたかもしれません。

今後のビジョンを教えてください。

人で勝つ組織を作ることですね。

人が集まるような魅力的な会社にして、中にいる人達が高いモチベーションを持って仕事に取り組むことで上質なサービスを世の中に提供していきたい。

縦の風通しは今まで以上に良くなるように、横の繋がりは今までよりも柔軟に、私自身はもっと現場との接点を増やしていきたいと思います。

社員とはどんな話をするのですか?

特に決まった内容は無いですし、それぞれの社員に寄り添った言葉をかけることを意識していますが、最近よく言っていたのは今の環境に慣れたらダメだという話です。

人は環境に慣れ過ぎると、それが当たり前と思ってつい自分の弱さが出てしまうものです。強い気持ちをもって自分で自分を律する自律心を高めて欲しいと。

なるほど

会社の考え方に共感して、どういうことを目指しているかを理解していただいている人はかなり増えてきたように思いますが、まだまだ私の考え方を表現するには自分自身で動かないといけないなと思っています。全責任者が会社の目指す方向性を理解して、その想いを完璧に代弁できるようになるまでは諦めずにやりきらないといけないですね。

ありがとうございました。

-インタビューを終えて
7年前にインタビューした時と比べると、今まで以上に新井専務自身が組織や人への意識が高まっているように感じました。
これまで以上に大きな仕事を任され、新井専務体制へ舵を取る晃商。今日掲げて、明日から完璧に出来ることはない。今は5年後、10年後に繋がる種を撒いた状態だ、と話されていたのも印象的でした。(インタビュアー西山)