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株式会社晃商、新井丈博専務 TOPから学ぶ前編

 

パチンコ店「スーパードーム」をメインブランドとして全国に18店舗運営している株式会社晃商の新井丈博専務取締役にインタビューしました。前編では現在の取り組みや成果についてお聞きしました。

インタビューは7年振りです。7年間で起きた変化について教えてください

言い出せばキリがないくらい色々変化したのですが、社内の大きな変化で言えば新たな企業理念を制定し、2017年4月に全社発表したことですかね。

新たに制定した理由は何ですか?

以前にも企業理念というか、ミッションはあったのですが、残念ながらあまり浸透していなくて。会社としても理念浸透に向けた施策も乏しかったところがありました。でも店舗展開系のビジネスにおいて、同じ価値観、理念の共有というのは必須だと考えていましたので、改めて浸透施策をする上で、今の時代、会社、社員にフィットし、今までもこれからも大切にしていきたい当社の考え方を整理し、再度発信しようと考えました。

新しい理念はどうやってまとめられましたか

2016年7月に、晃商という会社をもう一回考えるという意味で「Re-KOSHOプロジェクト」という理念再構築・再浸透プロジェクトを幹部メンバーで立ち上げました。

月2、3回メンバーが集まり、まずは晃商という会社がどういう会社であったかを分析するところからスタートし、大切にしたい価値観などを中心に話を進めていきました。

Re-KOSHOプロジェクトで特に議論された部分はどんなところですか?

以前のミッションは社員に馴染まなかったことに課題がありましたので、どのような言葉が親しみやすくて、社員の耳に残り、そしてみんなの心に響いて大事にしてもらえるかを念頭に熟考されました。

最終的には、ここは平仮名、ここはカタカナ、点を付ける、丸はいる、いらないなど、細部にわたって話し合われました。非常に良いものが出来たと感じています。

新たな内容は総会で発表されたと聞きました

2017年4月に行った全社発表というのが総会のことです。社員はもちろん、1年以上勤めているアルバイトの方たちにも声を掛けて、希望者は参加していただきました。新たな企業理念と行動指針の発表、店舗やスタッフの表彰も行いました。

店舗を休まず行ったので総会を同じ内容で2回に分け、参加人数はそれぞれ200名ほどでした。

非常に大きな規模で行われたのですね

そうですね。2日目が終わった時にはヘトヘトでした。ただ、それ以上に充実感があって、得たものも大きかったです。

新井丈博/株式会社晃商 専務取締役。大学を卒業して入社後、総務勤務、営業課長を経て、2010年に専務取締役就任。

総会は毎年行っていくのですか?

理想を言えば年1回くらいできればいいのですが。次は設立50周年を迎える2020年に行えたらいいなあと考えています。ただし、開催する事を目的とはせず、発信したい内容や意義が重要なので、そこが固まったら実施ということになります。

新井さんが専務に就任されて2020年で10年ですね。これまでに力を入れてきた取り組みを教えてください。

色んなことに取り組んできましたが、パチンコ事業部皆で取り組んできたことで1つ挙げるとするならば接客力の向上ですね。覆面調査を軸に改善に取り組んできましたが、私が役員になる少し前からなので、だいたい取り組んで10年ほどになります。

根気強く続けた甲斐あって、前と後では接客レベルに雲泥の差がありますね。調査の仕方は違いますが、パチンコ事業部だけでなく飲食事業においても定期的に導入しています。

接客力が向上しているということですね

そうですね。当社が目指しているのはお客様にいつご来店いただいても、どのスタッフの対応を受けても安心していただける、明るくて親しみやすい接客です。瞬発的に良い接客をするのではなく、どこを切っても標準以上のパフォーマンスをする、スタミナのある接客力ではそうそう負けることはないのではないかと自負しています。

その分現場はかなり苦労してきましたし、今も日々頑張ってくれています。

どのような部分に気を付けて進めてこられたのでしょうか。

接客に丁寧さを求めるとどうしても対応に時間がかかってしまう。でも現場ではスピーディーな接客も肝心。この丁寧さとスピードは相反する部分があります。

じゃあどうすればいいんだ!という現場のジレンマに対して、経営サイドからの理想を一方的に押し付けるのではなく、対話しながら道筋を定められたことが早い段階でできたのが良かったと思っています。

なるほど

接客調査を始めた頃は、まだドル箱を積むスタイルでしたし、箱の上げ下げという重労働と求められる接客対応とで大変だったと思います。現在では各台計数機を導入する店がほとんどになり、以前にも増して接客の重要性が高まっていますが、苦しい時間を乗り越えたからこそ今の時代にスムーズにフィットできているのではないかと思います。

他に取り組まれたことはありますか?

そうですね、例えば、前回インタビューの半年後に社内報を創刊しました。弊社は飲食事業も古くから続けていますが、基本的に事業間での人事異動はありませんし、交流が頻繁にあるわけではないため、お互いの情報を共有する術がありませんでした。会社からの発信も少なかったですしね。

社内報はそれぞれの事業部がどのようなことを取り組んでいるのか、どんな人がいるのか、今とこれからについて会社はどう思い、動いているのかを伝える内容になっています。ワンシーズンに1回、年4回の発行ですが、社内報を通してもっと会社に興味を持って欲しいし、知って欲しいと思っています。

これから進めて行きたい取り組みは何ですか?

会社組織をもっと筋肉質にしていきたいですね。4年ほど前からエンゲージメントサーベイを導入して組織の問題点の洗い出しと改善を繰り返しています。その過程の中で前述の総会もありましたし、全社員が日常の業務を通じてお互いを承認し、情報発信できる社内SNSが生まれたり、理念に沿った人事制度を再構築したり。

今進めているのは全社をあげての人材採用力の強化。教育システムのブラッシュアップも進めたいですね。

多くのプロジェクトが進んでいるんですね。

そうですね。これからの取り組みは人材開発課の頑張りが必要な領域です。人材確保と教育はますます必要だと思いますし。まだ立ち上げて5年ちょっとの部署ですが、従業員の考えや気持ちを尊重してプロジェクトを推進してくれています。

社員の声を大事にという事ですね。

私が直接聞いたり伝えたりする方法もありますが、経営者を目の前にすると、思ってなくても首を縦に振ってしまうこともあるでしょう。勿論、そうではないケースもありますが。従業員の本音を聞くには、経営的かつ第三者的な目線で組織と向き合う存在は重要だと考えています。

先ほどあった、教育システムのブラッシュアップについて詳しく教えてください。

OFFJTがまだ揃いきっていないのが課題です。日々の業務とリンクするような研修制度や理念体現へ繋がる行動の促進、自身の課題を見つめながら日々目的意識を持って自己成長してもらえるような教育システムを組みたいと思っています。

日々の目的意識ですか

そうです。人材の成長と会社の成長はリンクすると思いますし、でも会社の発展と同じくらい大切なのは従業員のそれぞれの人生の成功です。そのためには人生において何を果たしたいのかを逆算して短期的な目標達成を繰り返していくことが大切なのではないかと。

何かの縁があって晃商という会社に入社した人達です。会社側もその縁に応えて入社して良かったと思ってもらうために社内制度を整えていかなければならない。

勿論、社員の望みを何でも会社が叶えるという意味ではなく、会社と社員、お互いの想いを叶えあって努力し合える関係性が理想ですね。

後編に続く