株式会社シティコミュニケーションズ、三田大明社長 TOPから学ぶ前編
三田大明社長とパチンコ店経営の縁は何ですか?
父がパチンコ店を1店舗運営していたことですね。私のキャリアは大学を卒業して入社した、株式会社セガ・エンタープライゼスのゲームセンタースタッフがスタートです。
その頃、父は横浜の小さな土地でパチンコ店を中心に事業展開しましたが、バブルがはじけ多額の借金を背負っていました。後に、この会社へ入社しますが、パチンコ業のノビシロに目を付けて店舗展開していきました。
なぜ、パチンコ業に注目したのですが?
「バグジー」という映画の影響を受けていまして。これはラスベガスが作られた実話なのですが、映画を見て強い衝撃を受け、私も日本にラスベガスのような街を作りたいと思うようになりました。
それで、日本のエンターテイメントの中心であるパチンコに注目したのです。
だから、シティというブランドなんですね。
そうです。エンターテイメントのコンテンツを集約した街にする、という想いが込められています。当社はパチンコ以外にも様々なビジネスを展開していますが、最終的には街、シティをつくるため。言い換えると、最初から複合化を視野に入れています。
三田大明/株式会社シティコミュニケーションズ 代表取締役社長。1995年3月に慶応義塾大学を卒業後、株式会社セガ・エンタープライゼスを経て、1998年4月にザシティに入社。2002年12月に株式会社シティコミュニケーションズの代表取締役社長に就任
パチンコ店を店舗展開するにあたって、どんな苦労がありましたか?
一番は人の部分で、さらに言うと礼儀、礼節ですかね。私が入社した頃は、社員がゴミを拾わなかったり、挨拶をしなかったり、当たり前のことが出来ない。私がゴミを拾えば「ゴミを拾うのは清掃員の仕事だからやらなくていい。」と言われることもありました。
サービス業なんだから「おはよう」「ありがとう」と挨拶しようと言っても、「挨拶で稼働が上がるなら苦労しない。」と言われる始末。パチンコ店を始めた多くのオーナーさんが経験していると思いますが、私も一緒でした。
私だったら心が折れるかもしれません・・・
色んなことがありましたけど今は感謝しています。色々と経験した土台の上に、今のシティグループがありますから。大きな前進には、必ず小さな1歩があるということです。
いい時もいい気になってはいけません。どんな時も諦めてはいけません。全てが上手く行き続けることはないと考えています。だからこそ「KEEP CHALLENGING」これは当社の社是なのですが、諦めないということを大切にしています。
逆に、上手く行っている時はどういうことを考えていますか?
次の一手の準備することを心掛けています。勝ち続けている会社は、勝っているときに新たな仕込みをしているものです。驕らず、粛々と準備することが大切でしょう。
もちろん、運もありますが、運だけで勝ち続けるのは難しい。あの時にやっておけばよかった・・・と後悔しないように常に準備することが重要です。
KEEP CHALLENGINGというマインドを浸透させるために三田社長がしたことは何ですか。
最初の方はお酒を飲みながら語っていましたね。プロジェクトとして運営し始めたのは、6、7年前から始めた「社長塾」です。
社長塾もKEEP CHALLENGINGの考えがベースですが、私が会社運営で大切にしている想いを共有する場として生まれました。
参加メンバーは選抜制ですか。
いいえ。自由参加ですので役職関係無く、参加したい人だけで行われます。人前で話すのは緊張しますよね。話すことに慣れていなくて、いざ発表となると頭が真っ白になって固まってしまう子もいますが、それでいいんです。
勇気を振り絞って発表する努力をする。言いたいこと伝わらなかったという結果よりも、プロセスを大切にしながら、本音で語り合う場にしています。
語り合った後は?
終わったら一緒においしいご飯とお酒を囲んでみんなで楽しみます。私が一番好きなお酒の時間です。
想いを教える、浸透させるコツはありますか?
話し合う以外は無いと思います。
アルバイトやパートにも浸透しているんですか?
「社長塾」には、パートナー(アルバイト)も出席しています。全員ではありませんが、徐々に浸透していっていると思います。
その結果、自ら考え、行動する集団になった。
そうですね。多くの部分を自分たちで決めて好き勝手やっています。誰に与えられたわけでもなく、自分で発言して、行動して出会った困難に自分で立ち向かって乗り越えていく。これが一番成長します。
周りから言われたことだと、もういいやって逃げちゃうかもしれないけど、自分が言ったことなら責任感もあるし、納得感もありますから。
―後篇に続く