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株式会社アット、尹未宇社長 TOPから学ぶ後編

東京都、神奈川県に@!アットの屋号で3店舗を運営する株式会社アットの尹未宇社長のトップインタビューです。後編では尹未宇社長の人材育成の考え方や前回のインタビューで語っていた夢の実現についてお伺いしました。

(前編はこちら 株式会社アット、尹未宇社長 TOPから学ぶ前編)

個人的に社員が相談に来ることがあるのですか?

何かあったときは、有難いことに相談されますね。こういうことがあって、自分はこうしたいと思っていますという話が多いのですが、大筋で合っているか間違っているかというよりも、理不尽じゃなければだいたいオッケーを出すので、そこはずっと同じスタンスですね。

今の尹社長のスタンスは部長や店長にしっかり伝わっていると感じます。長く一緒に仕事をしていく中で、最初からそうだったわけではないと思いますが、教育の面で苦労したことはありますか?

私の場合、やっぱり最初はキツイことを言うので嫌われますね。今いる社員は全員一度は私のことを大嫌いになっていますから(笑)上に上がりたいという人には、役職になったら厳しくするけど大丈夫?と聞きますし、実際厳しく指導してきました。その時は目も合わせてくれなくなりますが、しばらくすると大丈夫になっていくので、不思議です(笑)

言われたことが腑に落ちるタイミングがあるのでしょうか?

私が最も大切にしているのが褒めたり叱ったりするタイミングです。どちらもその一瞬を逃すと意味のないものになりますから、そこは見逃がさないように常に気を付けています。なので、腑に落ちるというよりも、認めるところは、しっかり認めているということが相手に伝わった時なのかなと思います。

タイミングとバランスですね。

褒めるだけも叱るだけもダメだと思います。特に叱るだけというのは、上に立つ資格がないと思っていますから。その点から言うと、アットの社員は褒め上手叱り上手だと思います。

尹社長は、人を育てるという分野はどういう方法で学んだのですか?

主に本ですね。それを実践し、また本を読んでという繰り返しです。

実践してみて、上手くいかなかったことはありますか?

無限にあります。一番多いのは言い方を間違えたなというのと、言いそびれたなという2つ。

先ほども言いましたが、そのタイミングを逃すと相手に伝わらないという場面は本当に多いです。こちらのタイミングで言っても、相手が身構えていたり、ナチュラルな状態じゃないと話は入ってこない。重要なのは5秒です。5秒を経過してしまったら叱らない方がいい、次の機会にしようと思いますし、その時は言い方にも気を付けますね。

1981生まれ。アメリカ留学後、2003年父が経営する株式会社アットに入社。2007年に代表取締役就任。現在は神奈川と東京で3店舗を経営する。

御社はどのような社員が多いのですか?

個性派が多いですね。個人的に、普通の人よりも変わった人が好きなので、もしかしたら普通の人はあまり採用していないかもしれません。世間一般では変わった人でも、アットではしっかり働いて周囲からの信頼を得ているという状況というのは、会社全体にも良い影響を与えますし、全社員の成長にも繋がっていくと思って採用をしてきました。

個性的な人が集まって、組織が強くなっていくのは面白いですね。

様々なタイプの人を育成することは大変ですが面白いですね。私は元々人間観察が好きなので、例えば相手が極端に自分に自信を持てない人であれば、その人のバックボーンを知って、どうしてそう思うに至ったかを考えて、だからこうすれば、もっと自信を持てるようになるのではないか?という視点から教育方法を考えていきます。

なので、今まで誰一人同じ教育をしたことはないですね。大きい会社じゃないからこそ出来ることですし、今後会社が大きくなって一律の教育体制になった時にも役立つ視点だと思います。

2013年のインタビューでは、学校を作りたいと言っていましたがその夢は実現しましたか?

学校は作れていませんが、それに近いことに携る機会はありました。2013年のインタビューの後にボランティア団体に所属したのですが、その際にSDGs(エス・ディー・ジーズ)という取り組みに携わりました。

このSDGsは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、世界をより良くするために、17の目標を掲げて今起こっている貧困や環境破壊など様々な問題をなくしていこうというものです。

それはとても意義のある活動ですね。

この活動の画期的なところは、今までは利益を取ってはいけないボランティア活動だったものを、利益をとっても良いとしたことにあります。お金を稼げてその結果世界が良くなる仕組みを考えるというのは、とても面白かったですね。

私自身も、例えば何か支援したいときにどこに募金するのが一番早く届きやすいか、どんな風に申請したら良いかということも知ることが出来て勉強になりました。

学校建設というピンポイントではなくて、多岐にわたる活動をしていたのですね。

学校については、今もう既に作っている人がいるので、そこに支援や協力をした方が良いかもしれないと考えています。

尹社長が外に目を向けられようになったのも、やはり社員の方々の成長あってのことだと改めて感じました。今後、新店については考えていますか?

それはずっと考えていて、新店を出すためにも採用もどんどんしていきたいと思っています。新しいこともしたいのですが、このような状況で新しいことをしても上手くいかないと思うので、今は手だけは止めずに日々を過ごしていきたいと思っています。

最後に、尹社長の夢を教えてください。

夢はたくさんありますが、やはり中小企業の星になりたいという夢は変わらずにあります。会社をただ大きくしたいのではなくて、たくさんの人がまずアットを見に行けと言う会社になって、リサーチに来た方が「これならうちのお店でも出来るかもしれない」と取り組みをたくさん持って帰ることができる店舗にしたいです。あとは、地域のお客様の記憶に残るお店になって、アットが生活の一部になれたらと思っています。

本日はありがとうございました。

―インタビューを終えて

社長が社員の皆様の成長を感じたエピソードを、1つ1つ嬉しそうに笑顔で話されているのが印象的でした。人を育てることに関して、とことんインプットを積み重ねて、失敗を繰り返したからこそ組織が強化されてきたのだと思います。指導方法に関してのお話では、私もいずれ部下を持った時に参考にさせていただきたい!と感じました。ありがとうございました。(インタビュアー小川)