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株式会社TRY&TRUST、山田孝志社長 TOPから学ぶ

山田孝志/株式会社TRY&TRUST 代表取締役社長。大学卒業後、遊技機メーカーでの修業を経て、家業のパチンコホール経営に携わる。1986年に株式会社ティーアンドティーを創立(現在の株式会社TRY&TRUST)。現在は愛知・岐阜・三重・東京で17店舗を経営する。

本日は株式会社TRY&TRUSTの山田孝志社長に登場いただきました。これまでのご経歴、新卒採用を始めたきっかけ、それによってどのように会社が変わったか、社長が経営上心がけられていること、そして決起大会やフィロソフィの策定などの取り組みについて伺いました。

山田社長、本日はよろしくお願いいたします。まずはこれまでのご経歴から伺いたいと思います。

父がパチンコホールの経営を始めたのは、私が高校生の頃でした。いずれ「家業」を継ごうという意思があったので、大学卒業後は修業のために名古屋の遊技機メーカーに入社しました。

修業時代はどのようなことをされていたのですか?

まずは営業から始めて、工場の仕事も経験させていただき、そのメーカーが経営するホール全3店舗を回って現場の仕事も経験させていただきました。

ご実家に戻られた当初、一番苦労されたことはなんですか?

まずはわからないことが多かったことです。私が戻ってすぐに任された仕事は、2店舗目をオープンさせることでした。ホールでの修業経験はあるとはいえ、現場で働くことと、店長として店を経営していくことは違います。まずは仕事を覚えるために、朝から晩までできることは全て自分でやるようにしていました。

当時のパチンコ業界は、フィーバー機の登場などの影響で、転換期を迎えていました。店舗自体は居ぬきの物件だったため、古く、決して恵まれた環境ではありませんでした。そのため集客には非常に苦労しました。

最初は大変ご苦労されたと思うのですが、店舗を経営するということにご自身として手ごたえを感じられるようになったのはいつ頃ですか?

初めて一から手がけた新規店舗の経営が軌道に乗りだした頃ですね。全台がほとんど埋まった状態で、まさに理想的なお店にすることができ、自信につながりました。

当時はスクラップアンドビルドの狙いもあり、私が実家に戻ってから10年の間に8店舗を立ち上げ、一番多い時で5店舗を同時に経営していました。店舗を立ち上げることはもちろん大変でしたが、社員みんなの力で立ち上げた店舗が繁盛すると、やはりとても嬉しかったです。

現在の株式会社TRY&TRUSTという会社をつくられたのはどういったタイミングだったのでしょうか?

父から独立することになり、1986年に設立したのが、株式会社TRY&TRUSTの前身となる株式会社ティーアンドティーでした。以前から独立の話は出ており、銀行とも話を進めていました。当時はバブル期だったこともあり、「その気持ちがあるなら早めにした方がいい」と銀行からアドバイスされたこともひとつのきっかけになりました。

独立にあたっては、父の会社から1店舗目を買い取る形で事業をスタートしました。その頃にはバブルも崩壊の直前で、新しい土地を買うことは大きなリスクになりかねないと考えてのことでした。

御社では2000年から新卒採用を始められていますが、始めたきっかけは何かあったのでしょうか?

10年先を一緒に語れる人が欲しいと思うようになったことです。

その頃から大手を中心に、パチンコ業界にも新卒採用が広まりつつありました。当社も10店舗にまで拡大した頃で、果たして上手くいくのかという思いもありましたが、やってみなければわからない、と採用に踏み切ることにしました。同じタイミングで東京にも初出店を遂げ、何かと会社が大きく動いた年でした。

新卒採用を行ったことで、会社にはどのような変化がありましたか?

やはり組織体制ですね。新卒採用を始めたものの、新卒社員を「ゼロから教える」という経験はほとんどなかったため、新人教育については全社で助け合いながら取り組むようになりました。

また、若手をどんどん抜擢して、経験を積ませることで育成していくようにもなりました。そうすることで、3年で店長を任せられるような人財を育てることもできました。

新卒採用を始められて10年以上が経ちますが、始めたきっかけでもある「10年先を一緒に語れる人がほしい」について、いかがですか?

私としては達成できたのではないかなと思っています。15年間で400名を採用することができ、さらに新卒1期生が今も残っていて、そのうちの2人はそれぞれ5店舗を統括するエリアマネジャーをしています。他の社員もそれぞれが会社にとって重要な役割を担ってくれています。10年先を一緒に語ってきた社員たちが、今はこれからの10年を一緒に語り、作っていける人財へと成長してくれたことがとても嬉しいです。

社長が経営される上で心がけていらっしゃることはなんですか?

「大家族経営」をすることです。ただの職場ではなく、ここに最高の人間関係を築きたいと思っています。会社の全員が結束することで、可能性は無限に広がる。そんな会社を目指そうと、常に社員たちには伝えています。

初めから最高の職場なんてものはありません。最高の職場は自分たちでつくっていくものです。ひとりひとりが歯車としてではなく、責任と誇りを持って仕事をし、自らの成長で会社も成長させていく、そんな生き方の方が楽しいはずです。ですから、私も経営者として社員たちが楽しく生きられるチャンスやステージを提供していきたいと思っています。

「大家族経営」という考えを持つ、きっかけは何かあったのでしょうか?

以前当社では「100店舗構想」というプロジェクトの元、積極的な出店、採用を行っていました。しかし、それによって「お金のため」だけに働く人が増え、昔からいた「会社のため」に働いてくれていた社員たちと衝突するようになりました。

会社の規模は大きくなりましたが、肝心の中身はバラバラな状態になってしまいました。それは紛れも無く経営者である私のせいだと感じました。

そうこうしているうちに、業界では5号機問題などが起こり、このままではいけないと考えました。

それからは社員は何よりも大切な「家族」として、みんなの想いをひとつにしていこうと「大家族経営」を社員たちにも伝えていくようになりました。

「大家族経営」では、どのようなことに取り組まれたのでしょうか?

10年前から、決起大会の場で毎期の経営方針を全社員に向けて発表するようになりました。全員が想いをひとつにするためには、家族の長である私の考えを出さずして経営は成り立ちません。

また、家族ですからお互いのことを知るということを非常に大切にしています。決起大会では、パートの方も含めた全社員にできるだけ参加してもらうようにし、毎回約500人の会となります。新入社員の入社式も同時に行っており、全員で新入社員を迎え入れるという場になっています。また、正社員約200人分の顔写真と名前などを掲載した、社員手帳(OFFICIAL HANDBOOK)もつくっています。

T&Tオフィシャルハンドブック

決起大会を行うようになり、社員の方々に何か変化はありましたか?

やはり士気を高めるという意味ではとても効果があると思います。

例えば、各部門の長から方針や決意を発表する場があるのですが、これは全社員に知ってもらうという意味もありますが、発表する側としては自分がやってきたことの振り返りをするいい機会になっています。全社に向けて発表するので、必ず実現しなければいけないという責任感も生まれますし、実現できたときは成長を感じられているようです。

また、以前はプロの司会者にお願いしていたのですが、司会をやってみたいと手を挙げてくれる社員もでてきました。主体的に仕事に関わろうとする社員が増え、会社にとてもよい一体感が生まれていると思います。

今後のビジョンについて伺えますか?

2025年までに会社の規模を3倍に、業界トップ5に入ることです。その実現に向けて、会社の一体感をより高め、社員が目指すべき方向性をひとつにしようと、新経営理念と、 「T&Tフィロソフィ」というものもつくりました。

「T&Tフィロソフィ」とはどのようなものでしょうか?

弊社で働く上で大切にすることを81項目にまとめたものです。

策定の中心となったのは、立候補制で集まったメンバーで発足したプロジェクトチームです。策定には全員が関わるということが重要であると考え、警備の方や清掃、飲食部門の方も含めた全従業員で、私の経営方針や、私がこれまで経営の教本としてきた稲盛和夫さんの本の中から大切だと思うことの中から自分たちが大切にしていきたいものを投票しました。その結果をまとめたものが「T&Tフィロソフィ」です。

経営理念の一新や、「T&Tフィロソフィ」など、新しいことに対する社員のみなさんの反応はいかがですか?

社員たちは皆、これからの私たちの展望に非常にワクワクし、意欲的です。しかし、今はようやくそのスタート地点に立っただけの状態です。これからビジョン実現のために具体的にどう行動するか、一緒に考え、進めていきたいと思います。

T&Tフィロソフィ

最後に、業界の方に向けたメッセージをお願いいたします。

私は社会人になってから今までこの仕事一筋でやって来ました。ですからこの仕事が全てですし、仕事を通して、新たに気づかされることばかりです。これからもこの業界で多くを学び、学んだ分を業界に貢献していきたいと思っています。この業界に魅力を感じ、頑張って行きたいと思っていらっしゃる方と、是非一緒によりよい業界をつくっていきたいです。お互いに良い影響を与えて高め合いましょう!

ありがとうございました!

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