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今週のパック・エックス通信は、株式会社ニラク・ジー・シー・ホールディングスの大石専務です。
株式会社ニラク・ジー・シー・ホールディングスは、2014年4月にパチンコホール企業としては2社目となる香港市場にて上場を果たしました。上場申請まで約半年、上場まで約10か月弱という短期間での上場でした。大石専務はこの香港上場準備の責任者でした。
後編では、上場後の社内外の変化などを伺いました。

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大石明徳氏
株式会社ニラク・ジー・シー・ホールディングス 執行役専務
株式会社ニラク 取締役 財務担当 経営企画室 室長
大学卒業後、専門商社にて経理や財務等を経験。その後大手パチンコホール企業での勤務を経て、チェーンストア経営のコンサルタントなどを経験。2010年に株式会社ニラクに入社。

―御社はダイナムさんに続いて香港市場で上場しました。なぜ上場をしようと考えられたのでしょうか?

上場の最大の目的は従業員の社会的地位の向上、これが割合にすると9割以上です。これは間接的にではありますが、この業界で働くすべての方々にも少なからず影響はあると思いますし、この上場がパチンコ業界をよりよい方向に変えるきっかけになってくれればと良いと思います。

もちろん資金調達という目的もありますが、資金調達だけが目的ならこの上場は割に合いません。
上場準備には時間、労力、特に香港上場においては多くの費用がかかりますし、上場後は維持費もかかります。

―上場準備において、大変だったことはどんなことでしょうか?

タイトなスケジュールの中でチームをまとめながら進めて行ったので、体力的に大変だと思うことはありましたが、社内外のチームメンバーにも恵まれて楽しい時間でもありました。

実はダイナムさんが上場を目指すというタイミングで、弊社も上場を検討していました。
本来は日本での上場が最も望ましいのですが、現実的にはなかなか難しいです。そこで、海外での上場を考え、香港の他にシンガポールや韓国、台湾、アメリカなどについて研究していました。

実際に弊社が上場を目指すことを決断したのは、2014年1月頃でした。
その後、会計におけるIFRSへの変換作業を5月頃から先行して始め、7月初めに正式なキックオフを行いました。その半年後の12月下旬に上場の申請をし、2015年4月に正式に上場しました。正式なキックオフから上場申請までのは半年でしたので、非常にタイトなスケジュールでした。

日本での上場では通常は2年間ほどかけますが、香港での上場審査は一種の「入学要件」のようなもので、基準となるレベルにその会社が十分に達していれば上場申請をすることができます。ただ、これが非常に厳しい基準ですので大変です。この基準に達しているかどうかを、様々な分野のプロフェッショナルチームがあれやこれやと診断していきます。当社の場合、会計の透明性という点では、長年にわたって大手会計事務所のPwcあらた監査法人の監査を受けていた事も短期間での上場にプラスに働いたとも思っています。

また、ダイナムさんが既に香港で上場していたので、香港証券取引所では「パチンコがどういうものか」は知られていました。そのためパチンコの説明をする時間に多くを割く必要はなかった事も有利に働きました。しかし一方ではその分さらに詳しい情報を求められるということがありました。
目論見書は600ページ以上になり、それを英語で書かなければいけないので、この面では社内のプロジェクトメンバーのほとんどは当初は全く英語ができなかったので、苦労しました。英語については毎日接していたので、社内のメンバーも次第に読み書きは慣れて、ある程度のメールでのコミュニケーションができるようになってきました。

上場準備の社内プロジェクトメンバーは6名。毎日本当によくやってくれました。このメンバー以外にも、何だかんだと最終的には総動員という様相になっていきました。社外のチームは、全体の軸であり「スポンサー」という言われる証券会社チーム、香港の弁護士事務所がスポンサー側チームと会社側チーム、日本の弁護士事務所もスポンサー側チームと会社側チームの5つが中心となって共同で仕上げていきます。またこれに監査法人のチームが加わっていきますが、他にも多くのプロフェッショナルなチームが関わります。香港の弁護士チームも含め外部チームメンバーは20~30代と若かったので、全体を一つのチームとしてまとめていく必要もあり、それが大変でした。
また、毎日朝から夜遅くまで仕事をするという日々が半年間以上も続き、体力的にもしんどかったです。
本当にみんなよく頑張ってくれました。上場の目的が明確でなかったら耐えられなかったと思います。ある意味「何のために」という「志」が必要であり、これが非常に重要です。
会社がこの目的をぶらさずにいてくれたので、チームメンバーも目的に向かう事ができたと思います。また、この意志を長年持ち続けていることは、ニラク弊社の最大の強みでもあります。

―上場後の社外の反応はいかがでしょうか?

社外の反応は変わりました。特に金融機関は上場企業として見てくれるので、メリットも大きいです。

一方で見られ方が厳しくなったとも言えます。上場したということは、ある意味公に認められた会社になったということです。ステークホルダーも増えるので、社会での責任も増します。身が引き締まります。

上場による影響というのは、今後じわじわと浸透していくものだと思います。

―社内の反応はいかがでしょうか?

正直なところ、持株会はあるものの、上場したことによる従業員への実利はほとんどありません。かえって、ガバナンスだコンプライアンスだと管理体制が厳しくなり窮屈に感じているのではないでしょうか。
しかし、上場の目的の一つである、従業員の社会的地位の向上には必ずつながっていると確信しています。

ニラクで働いている従業員が実感するのは、恐らく実家に帰省した時などの周りからの反応や、取引先からの反応を聞いたときだろうと思います。

―採用面では変化はありましたか?

採用の面ではアドバンテージになります。
新卒採用だと親に反対されるということもまだ少なくありません。そういったときに上場企業だとわかれば、親御さんの見る目も変わるのではないかと思います。

中途採用ではよりはっきりとアドバンテージとなります。
弊社の場合は専門性のある人材を管理部門などで採用することがあるので、上場企業であることは、求職者にとって魅力になります。関心を持ってくれる人材の質も高くなったように思います。

―御社には労働組合がありますが、どのようなきっかけで作られたのでしょうか?

組合ができたのは10年以上前ですが、きっかけは同業他社ですでにできていた事が大きいです。それは労使が対等かつそれぞれの立場で、経営の問題から待遇問題などの様々な問題を議論し、会社の発展と共通の目標に向かって共に歩んでいくという意思表示にもなりました。ある意味従業員の社会的地位の向上ともなります。
それから日本での上場を考えていたことも目的のひとつです。やはり組合があるのとないのではまったくもってその印象が違います。

―労働組合のメリット・デメリットはどのようなところに感じられますか?

経営者の考え方にもよりますが、弊社の場合はデメリットは感じていません。

労働組合は他社の組合や上部団体と連携をとり、同業のみならず、他社との比較で自社の状態や待遇はどうなのかという意見を率直に言ってくれます。
組合と会社は対等ですから、会社側へのけん制にもなりますし、よい会社にするための議論ができるというのは、メリットであると思います。

また、組織が大きくなると、マネジメント層が従業員全員をみることはできないので、労働組合が従業員の細かな意見をまとめてくれるという点もメリットです。

―大石専務はゲーミング(カジノ等)も研究対象にしているとのことですが、カジノに対してはどのようにお考えですか?

私はカジノ推奨派です。これはある意味パチンコ業界が変わる千載一遇のチャンスだと思います。

カジノができることによって、パチンコ業界にとって若干の影響はあるでしょうが、当初カジノを含めた大きなIR施設が1つや2つできるくらいでは業界全体に対する影響は限定的だと思います。
しかしながら、将来的に各地方にいくつかできるという事になると、これは影響が出てくるのは必至でしょう。
パチンコ業界は、過去その市場は長期トレンドで見れば好調だったこともあり、これまで様々な問題を先送りにしてきました。
カジノができることで、当然にその法律を含め、この業界の存在意義が問われてきます。
そのような意味において、外圧を利用するのはどうかとは思いますが、パチンコ業界全体にとってはそれは危機となるのではなく、業界が一体となり、法律論も交えて変わることができる、本当に千載一遇のチャンスだと思います。

―それでは最後に大石専務の今後の目標を伺えますか?

せっかくこの業界に携わってきたので、この業界をよくしていくという方向において少しでも貢献していきたいというのが正直な気持ちです。
これは会社としても、個人としても同じです。

今後は業界の再編というのも進んでいくのではと考えています。
小売業など、他業界においても、発展していく中で再編は行われてきました。ですからパチンコ業界に再編の流れが来るのは自然なことです。

そうなったときには、同じ志を持った人たちとでなければうまくいきません。そのためにも、今後は同じような志の人たちと出会い、また一方では様々な考えの人たちとよく話していくことが大切であり、必要なことだと思います。

―ありがとうございました!

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