
今週のパック・エックス通信「TOPから学ぶ」は、株式会社三慶物産の植本宰亨専務です。
新卒でパチンコメーカー企業に入社し、現在は株式会社三慶物産の専務取締役を務められています。
「顧客満足と従業員満足を最も大事にしていきたい」と話す植本専務。
後編では、顧客満足と従業員満足にかける想いについてお伺いしました。
―約5年前から顧客満足や従業員満足について考えるようになったということですが、どのような取り組みを行われたのでしょうか。
私自身、これまでずっと数字第一主義だったので、人について真剣に考えたことはありませんでした。だから、何からすればいいのか、何が正解なのかが全く分からず、とにかく色々なことを行いました。
例えば、休日数を増やし、お給料を上げました。休憩中の飲み物・食事を無料で提供するといったことも行いました。
定期的にセミナーを開催して顧客満足に対する想いを従業員に伝える機会を増やし、教育に力を入れるようになりました。3年前には教育部も立ち上げました。
―それらの取り組みを通じて感じられた効果はありましたか。
現在試験的に2店舗で従業員満足度向上を強化する取り組みを行っているのですが、先日満足度に関するアンケート調査を実施したところ、2店舗とも、90%の従業員が満足しているという結果となりました。ここ3年間、離職率がほぼ0%の店舗もあります。
面白いことに、従業員満足度の高い2店舗は、毎年増収増益なんです。収益はお客様からの支持の指標として、見ることもできると思います。そう言った意味では、これまでの教育が功を制している結果なのではと考えています。
教育部を立ち上げた当初は、何もない状態からのスタートだったので、様々な苦労がありました。
会社自体、教育部って何?というような空気すら流れていました。しかし、3年経った今では、株式会社三慶物産においてなくてはならない部署へと成長を遂げました。人という部分で、会社として新たな強みができたと感じています。しかし、これで十分だと思ってはいません。より顧客満足に関しては、2015年からは、お客様のためにどれだけできるかということをテーマに事業を進めていこうと考えています。
―今後、人材の教育という点で行いたいと考えている取り組みはありますか。
言葉で説明するだけでは、なかなか伝わりきらない部分もあるので、会社のルールを作り、徹底していこうと考えています。その一つとして3年かけてマニュアルを作成しました。少しずつ浸透してきていると感じています。このマニュアルを作成したことにより、遅刻者がいなくなるなど、効果も出てきています。
―共に働く従業員には、どのような人になって欲しいとお考えですか。
株式会社三慶物産で働く従業員には、パチンコ業界という枠の中ではなく、広い社会で見て、優秀な人になってもらいたいと考えています。
まずは、社会人としての基礎をしっかりと築き上げ、その上で人間力の向上を図り、豊かな人になってもらえればと思います。そのためにも、人間力が育つような環境を提供していきたいですね。
―今後、新卒採用などはお考えですか。
いずれは新卒採用も行いたいと思いますが、私はきちんと体制が整った上で始めたいと思っています。
せっかく優秀な人材を採用できたとしても、仕組みや体制が整っていなければ、その人の良さを最大限に引き出すことは難しいです。
採用することをゴールにするのではなく、良い人材を採用し、活かすことを重要視していきたいと考えています。ですから、まずは準備をしっかりと行い、体制が整ってから新卒採用にも着手していきたいと考えています。
―パチンコ業界に対する想いについてお聞かせください。
この「TOPから学ぶ」を拝見させて頂いて、パチンコ業界の経営者の方々は、みなさん人のことを大事に考えていらっしゃるんだなと思いました。特に30代の若い次世代経営者の方々のお話を読ませて頂いて思ったことは、人の部分でまだまだ成長していく業界であるということです。もちろん、表現の仕方の違いはありますが、スタッフ、そしてお客様を大事にしたいと考える人が多いのが、このパチンコ業界です。私自身も周りの経営者の方から刺激を受けながら、常に上を目指していきたいと考えています。
―最後に植本専務の夢について教えてください。
従業員が活躍できる場を提供し続けていくことが夢です。
これは、ただ店舗数を増やしていくということではありません。やるべきことをやっていれば自然と店舗数は増えていくと思うので、そのやるべきことは何なのかという道標を、私自身が広い視野を持って学習し、吸収していく中で従業員に伝えていくことができればと思います。そして、結果的にお店だけでなくスタッフのことを支持してくださるお客様が増えてくれれば大変嬉しいですね。新しい株式会社三慶物産の強みである人による付加価値によって稼働率を上げていきたいです。
―ありがとうございました!