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株式会社パートナーズリンク、藤崎敏郎社長 TOPから学ぶ

藤崎敏郎/株式会社パートナーズリンク 代表取締役社長。大手流通企業チェーン企業に入社後、パチンコ業界へ転職。その後独立し、数多くのパチンコホール企業の人事労務コンサルティング、研修を行っている。著書『パーラー従業員Q&A』

今週はパチンコホール業界で、人事労務のコンサルタントとして、研修講師としてご活躍されている藤崎社長へのインタビューです。まずは様々な企業をみてこられた藤崎社長に、伸びる会社の特徴や今後の展望を語っていただきました。

本日はよろしくお願いします。まずはご経歴からお聞かせいただけますか?

大学卒業後新卒でイトーヨーカドーに入社しました。最初は現場からだったのですが、のちに本部付になりました。本部に5年間在籍して、様々なことを学んだ後に、パチンコ業界に入ったのですが、様々なギャップを感じましたね。入ってからはその企業の中で全店舗回りましたし、良い体験ができたと思います。その後独立し、パートナーズリンクを設立しました。

現在複数の会社の経営コンサルティングをされていますが、伸びる会社やそうではない会社の違いはありますか?

まずは社長です。伸びるかどうかの要素の99%は社長が占めていると思います。例えば研修中、社長や取締役の方もオブザーバーとして受講されるケースがありますが、本当に真摯な気持ちで受講されているかどうかが判断材料になります。それから経営者が社員1人1人の人間を大切にしているかどうかです。人の話を聞くのが上手で、それに対してプラスの言葉を社員に向けられるような社長の会社は伸びていきます。

そして最も重要なのは、経営者としての芯があるかどうかです。信条や経営理念を持っていない経営者は、会社が伸びないというよりも、経営が難しいと思います。店長に向かって、数字を上げろと短絡的な指示しか言わず、何のためにそれが必要なのか、会社をどうしていくのかを考えていないような経営者は、絶対に駄目ですよ。例え間違っていたとしても、ビシッと方針を定めていないといけません。最も社員が困るのは、会社の方向性がわからない場合です。売上高1兆円を目指している会社の研修をしていますが、そういう会社は方針がしっかり決まっています。それに全員が付いていくという気持ちが見えます。

その方針が正しいとか間違っているとかではないです。「俺はこうするんだ」という信念を、社員にしっかり伝えていますよね。それができていれば、社員に対してちょっとくらい厳しいことを言っても平気です。何故ならば、それに耐えられないようならば、会社には要らない人間だということを、きちんと言えるからなんです。大きな表現をすると、同じ船に乗ってはいるけども、皆で船を漕いでいるときに、お客さん気分でいるならば降りてもらうしかない。つまり会社には必要とされないということです。

パチンコ業界の会社に数多く携わっていて、良い意味で変化を感じることは多いですか?

20年前にはパンチパーマで鍵を振り回しているような従業員がいましたが、今はいなくなりましたね。10年程前からは女性従業員も働くようになり、最近では当たり前になってきていますよね。しかも、若い子たちばかりでしょ。昔だったら女性従業員が入っても、50代のおばちゃんでしたもんね(笑)

ホールの見た目も変わってきていますし、何より経営者が2代目、3代目となって変わってきていますからね。高学歴な経営者の方も多いです。昔は、大卒自体がほとんどいなかったですから。

「ありがとうカード」という取り組みをされていると伺ったのですが、作ろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

伸びる会社にするためには、働いている社員が伸びていくことが必要だと思います。社員を育てていくためには、まずは、感謝の気持ちが大切だと思っています。それは20代の無職の方向けのセミナーを行った時がきっかけです。その方たちと話しているうちに、なぜ会社を辞めたのか、辞めさせられたのかという理由がわかったんです。1つは「はい」という返事ができない。もう1つは、「ありがとう」が言えないんですよ。そもそもその習慣が無いんですね。

僕が教えても無表情。当然感謝の気持ちも無いんです。そこで、「はい、の返事ができない人」「ありがとうが言えない人」「すみませんが言えない人」は成功しないということを教えました。それがありがとうカードを作るきっかけですね。

ですので、講義の始まりは「よろしくお願いします」から始めます。50分の授業が終わったら「ありがとうございます」と言わせる。そのルールを3ヶ月の間、徹底的にやらせました。無職の方々の就職支援講座の講師をして、こういう単純なところの改善が大切だとわかるようになりました。

習慣を身に着かせるために、カードを書かせるようになったのですね。

指示をするだけでは、絶対に「ありがとう」の言葉を言いません。具体的に行動に移らせなければいけません。まず書かせて、そしてそれを渡すことを決意させていくという流れです。ここまで徹底させるとやるんですよね。後始末まで面倒をみることが大事なんだと思います。得てして、上司というのは言うだけなんですよ。営業部長などが店長に、お前は部下をちゃんと育てていないと、毎月同じ説教をしている。

でもそうじゃない。営業部長が店舗に行って、マネージャーへの指導を見せてやれば良い。1回2回とやれば、わかるものです。店長が困るのは、モデルが無いから知らないんです。だからやって見せればわかるんですよ。「やって見せ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば、人は動かじ」という言葉のとおりに、部長が教えてあげれば良いのですから。人を育てるというのは、このような良いモデルケースをたくさん積み重ねて、良い風土づくりをすることが基礎になると思います。

新入社員研修では、あなたたちは現場で働くためだけに採用されたのではない、良い風土を作り、幹部になってもらうために採用されたんだという話をします。新入社員には周りに好かれる人になってほしいと思っています。そのためにありがとうカードを使って、感謝の気持ちを伝えることを徹底的に教えます。上司に教えてもらった時に、ありがとうがちゃんと言えれば上司に好かれますし、また教えてもらえるんですね。また、感謝の言葉を言えるように、カードを書いて親に渡せと指導しています。親に出来ない人間が、他人には出来ないので。親に出来れば、他人にも出来るようになります。

これが出来ない人は、いつの間にか辞めているんですよ。せっかく縁があって入社したんですから、好かれる人になってほしいんです。ただ、研修の内容は忘れてしまうので、1年後、2年後にもう一度研修を行っています。フォローアップ研修です。最初良い研修をやっておくと、みんな変わってきます。こういうことの繰り返しが、人が育つというところにつながっていくと思います。

ホール企業からはどのような相談が多いのでしょうか?

相談内容は様々ですが、例えば、昨年は3社で就業規則の作成と社員ハンドブックを作成しました。社員ハンドブックは、社員規則を読まない社員が多いというお話から、わかりやすく作り直して、且つ行動理念方針とか入れて、加えて身だしなみ等のチェックリストを作ったものです。

就業規則や労務関係については、なかなか自社では作れない企業様も多いので、相談が多いですね。

今後はどのようなことをやっていきたいとお考えですか?

経営理念にも書いているのですが、誰にでも親切、人柄が良い、素直で誠実、といった人たちと仕事がしたいですし、そういう人を増やしていきたいです。社員研修やクレド作成、ハンドブック作成、規定の作成などで、それが実現できます。自分だけ良ければ良い、ノウハウを教えない、人に対して奉仕しない、数字だけしか考えていない人を私は評価しません。誰かのために頑張るということが大事ですし、その対象は社長や部下でも良いです。

Facebookでも自分に対する覚悟と宣言のために、あえて「たくさんの人を幸せにするぞ!」と書いています。言っていることが大きすぎるという人も、中にはいるかもしれません。しかし、書くことで周りに影響を与えることが出来ると思っています。

人と接する時に、この人を幸せに出来ているのかを自分に問いながらやっています。そうすることで、まず怒ることがなくなりますね。叱るのは良いですが、怒るのは何も良いことがありません。誰かを幸せにするという覚悟をたった1人に教えるだけで、その周りの友人や家族、とても大勢の人が幸せになる可能性があります。1人に教えてその人の周りの100人が幸せになるとしたら、100人に教えたら1万人の人が幸せになりますよね。いつもそういうことを考えながら仕事をしています。それって日本や世界の平和に貢献しているということですよね。それくらいのプライドでやっています。

社会貢献は仕事を辞めないと出来ないという人がいますが、そんなことはまったくありません。今の仕事の中で、自分が幸せに出来る人は誰かと言ったら、そばにいる人たちですよね?ではいつやるのかと言ったら、今なんです。それを本気でやっていますよ。今を諦めて、未来はありません。今のキャリアが未来につながるので。そういうことを、店長や現場の人に話をしています。

今の仕事はやりがいがないとか、夢がないと言う人がいますが、そうではありません。そばにいる人を幸せにすることで、その人の家族を幸せにすることが出来る。それを見ている家族の友人たちも幸せにすることが出来るし、こんな素晴らしい仕事は無いじゃないかと思います。

今の仕事に夢がないという人たちに言いたいのは、夢は自分で作っていくべきだということです。そして、仕事をどんどん覚えて、偉くなろうと伝えています。そうすれば幸せにできる人が増えていきますからね。せっかくパチンコ屋で働いているのであれば、せめて店長くらいにはなって幸せな人を増やしていこうということを話しています。店長にならないで、途中で仕事を辞めてしまったらもったいないということに気付いてほしいですね。

世界で1番大切な人」という言葉をよくお使いになっていますが、いつ頃から使うようになったのですか?

3年前からです。簡単に幸せになれる方法は、目の前の人が世界で1番大切な人だと思って話せば良いんだ、というお話を聴いたことがきっかけですね。世界で一番大切な人と話している時にメールを打ったりしませんよね? そういうことを意識することが、幸せになる秘訣だとお話だったんです。それを聞いた時に目からうろこでした。

実際に大切なのは家族かもしれません。しかし、仕事中に実際目の前にいるのは、会社の人間であり、お客様です。その人たちを幸せにすることが、自分が幸せになる秘訣なんです。

非常にわかりやすいお話ですね。

そうなんです。とてもわかりやすいのですが、それこそが重要なのです。自信の無いコンサルタントほど、簡単な話を難しく言う傾向がありますからね。

座右の銘はお持ちですか?

「義を見てせざるは勇無きなり」です。中学生の頃から変わっていません。電車に乗った時にお年寄りがいたら、絶対に席を譲るようにしています。重い荷物を持っている人がいれば持ってあげますし、負担がある人を見つけたら絶対に助けます。疲れた顔をしている人がいれば、どうしたのか聞いて、私が幸せにすると伝えています。それが私の存在意義だと思っています。

本当は言う必要が無いかもしれませんが、気がついたことがあれば、つい言ってしまいますね。それが、朝5時に起きて受講者レポートにコメントを書くことにもつながっていると思います。頼まれたことは一生懸命やりますし、目の前でその人が求めているものがわかると、本気になってしまいます。さらに相手の顔をみたらもっと本気になりますよね。

もしかしたら、そこまで言われたくないという人もいるかもしれませんが・・・・。厳しいストローク、マイナスのストローク、否定的なストローク。否定的というのは叱ることですが、これはOKなんですよ。研修の中では時々パーンと叱るのですが、叱られた人のうち100人中99人には伝わらない。でも放っておいたら、気づく人が1人もいないんです。

研修講義の時に叱らないのはセオリーなので、ほとんどの講師はそれをやりません。私はやります。100人中1人でも、私が言うことで伝わる人がいるなら良いと思います。その1人のために、その人が世界で一番大切な人、私の家族と思って叱っています。それで嫌われるかもしれませんが、いつかわかると思っています。

ただ、それが良くない場合もありますので、必ずその後は経営者や役員の方に報告はしています。

では最後に夢を教えてください。

いつか僕の夢として、業界以外もターゲットにした世の中をもっと幸せにする活動をしたいです。飲食業界の店長研修の活動を開始しています。小売業はもともと従事していたので、小売業にも活動の場を広げます。

そして、家族・夫婦・親子間の幸せを促進する活動にも手をつけます。これはいつか時間が出来た時にやるのではなくて、今の活動と並行してやりたいなと思っています。家族間の幸せを促進する活動は、色眼鏡で見られないように実現するためにも、NPO法人としてきちんと社会貢献を打ち出してやっていこうと思っています。

そのために1年間勉強するために専門の講座を申し込んでいます。中途半端ではなく、1年間徹底的にインプットをやっていくつもりです。こうした活動を実現して、世の中を幸せにしていきますよ。愛とまごころと感謝を伝える人を数多く輩出する“幸せ製造機”になることが私の使命ですから。

ありがとうございました!

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