今年最後のパック・エックス通信は、トップインタビューの番外編として、居酒屋甲子園の松田理事長に登場いただいています。

松田理事長が考える「成功」とは?
そして面接に10時間かけるという、採用へのこだわりとは?

それでは後編どうぞ~!

TOPから学ぶ!番外編
居酒屋甲子園 松田真輔三代目理事長

松田真輔さん
株式会社OHANAグループ代表取締大将
NPO法人居酒屋甲子園三代目理事長

―松田さんが考える成功とはなんでしょうか?

成功って、その人それぞれの価値・判断基準の中でしかないから、いろんな答えがあっていいと思っています。ただ僕自身、極論を言ってしまうと訪れないのではないかと思っているんです。生きているうちには訪れないんじゃないかなって。目標達成してこれで成功したんだっていうのもひとつだし、やってて良かったとか、やってきて良かったとかに関しては、すごく思いたいしずっと思っていたい。でも真の成功って、どんな環境でもどんな状況でも、心の底からすごく幸せでしょうがないって言い続けられることだなと思うんです。事業が上手くいったいかないとか、仲間がたくさんいるいないに関わらず、心の底から本当に幸せでどうしようもないって言い続けられる時間をとれる。これが僕は本当の成功かなと思います。あとは他人が評価するものですからね、その人の成功は。

―ではご自身は成功しているとは思ってない?

全く思っていません。周りから見たら、ある部分では成功しているように見えるかもしれないけど、自分では全く思いません。まだやりたいこともいっぱいあるし、やらなきゃいいけないこともいっぱいある。できていないことだらけですよ。でも、成功したいともあまり思わないかな。幸せでしょうがない人生にはしたいけど。

―幸せでしょうがない人生にするために一番大事にしていることはなんですか?

「人を幸せにすること」ですね。「人を喜ばせ続けること」。僕は元々目立ちたがり屋だし、負けず嫌いだけど、ここまでになったのは周りの人が担ぎ上げてくれて、だから実力以上の力がだせたと思うんです。理事長をやるって手を上げたのも、みんなの想いを形にしたいという気持ちが先だった。「綺麗に咲く花よりも、その花を咲かせる土になりたい」という言葉があって、どちらかというと僕はそのタイプなんです。そしてその花が散って土に還り、みんなのその土が、より大きな花を咲かせられるような循環をつくりたいんですよね。だから人の成長が垣間見えたとき、人が変わる瞬間、本気に触れたとき、がすごく幸せなんです。

―自社の採用方法にもこだわりがあるんですよね?

面接をすごく大事にしています。一番の入り口ですからね。9割泣きますよ、僕も泣くし(笑)。アルバイトはだいたい2時間。社員は10時間くらい面接します。入るかどうかわからない子の面接。長いでしょ(笑)。どういう親の元に生まれて、幼少期はどう育って、どういうことが好きで、どうしてその学校に入って、学生時代は何をやって、一番輝いた時期はいつで、一番挫折した時期はいつで…というのをひきだして掘り下げます。そうするとその子の人となりが見えてくる。そしてその子の働く目的を一緒に見つけてあげるんです。お金だけ欲しかったら他のとこ行けって言いますね。そして全部掘り下げた上で、うちの会社の想いとかを説明するんです。だから離職率がすごく低い。最初から信頼関係が出来上がるんですよ。僕は毎回、一生付き合う覚悟で面接に臨む。だから「OHANAに入って人生が変わった」ってよく言われます。それは本当にすごく幸せ。本気の関わりの中でしか生まれないものですからね。

―今後の夢を教えてください。

いっぱいありますよ。仲間の想いをもっと形にできる会社にしていきたいし、OHANAがあって本当に良かったって心の底から言ってもらえる人を世界中に増やしたいし、もっと細かいことを言えばきりがない。でも一番は、OHANAに関わってくれている全ての人が心の底から幸せだって感じられる生き方ができること。ビジネスをしている、というよりは、ビジネスを通じて幸せな人をつくっていく、という感じです。そのための手段と方法がこの業態でありこの業界なだけ。僕は、仲間の想いを聴いて、それを理念にするんです。想いを形にして、いい涙を流して、心の幸せの壺にいっぱい幸せを入れて、その壺が溢れたときに初めて人を幸せにできる。そういう人を増やしていきたいし、そんな感性の人間を増やして生きたい。本当に心の底から幸せだっていえるような人を育てたいんです。

―座右の銘はありますか?

「我以外皆師也」と「一燈照隅 万燈照国」です。あとは「死ぬこと以外はかすり傷」も好きだし、「永遠に生きるがごとく夢を見て、今日死んでしまうがごとく生きろ」っていうのも好き。好きな言葉はいっぱいありますね。

―若い世代に伝えたいことはなんですか?

ひとつは、耐え忍ぶ力をもっと身につけたほうがいいとすごく思います。今、責任を果たせない子たちがすごく増えている。アルバイトでも社員でも、自分とは合わないって思ったらすぐ辞めてしまったり他に合うことがあるんじゃないかって探し始めてしまったり、今に一生懸命になれなかったり。今、与えられている役割があってそこにいさせてもらっているのに、その役割と責任を果たさずして次は無いと僕は思っているから。強い精神力とか、耐え忍ぶことからこそ見えることもあるからさ。簡単に合わないって決めてしまうと見えてくるものも見えてこないし、自分を褒めてあげることもしにくくなる。自分を褒めてあげることってすごく大事なんですよ。できていることがあっても、できてないことがあっても、自分を認めて褒めてあげることはすごく大事。

そしてもうひとつ。自分にとって「今が最高」とか「今が最適」って思えるかどうかがすごく大事だと思います。どういう状況でも、どんな夢があっても、ホップ・ステップ・ジャンプの三段跳びってありえないじゃないですか。ほんの小さな石ころにつまづくこともあるんです。でもそれは、そこに行くための「最適な今」で「今が最高」だって思えるかどうか。結局自己を高めていくことしかないんですよ。小さい階段の積み重ねの先にしか、夢の実現や目標の達成はないですからね。

―ありがとうございます。では最後に、経営者の方々にメッセージをお願いします。

それぞれが描く、それぞれの明るい未来を創るための今を、共に楽しみながらがんばりましょう、と伝えたいです。特にサービス産業はこれからもっと苦しくなる。価値が無いとみなされたものはあっという間に淘汰され、本物しか残らなくなります。本物は何かといったら、消費者の方々から心底ありがとうって言ってもらえる企業やお店だろうと思うんです。そして30年後50年後、俺たちがんばってきたよねって言えるときが来ればいいなと思います。先はわからない。でもわからないからこそ描くことが必要なんです。心に抱いた想いや理念の軸はぶらさずに、まっすぐにいけたら良いですよね。

―松田真輔さん、ありがとうございました!!

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