パック・エックス通信を御覧の皆様、こんにちは!
編集長のまつしまでございます。

本日の『TOPから学ぶ!』は、株式会社マルハンの韓社長(第3部)です!

マルハンと言えば、「人のマルハン」というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
実際に韓社長も人のマルハンは揺るがない。とおっしゃっていますし、
マルハンを象徴するのは間違いなく「人」だと思います。
ただ、そのソフト面の裏には、
マルハンの強さを支える非常にシステマティックな一面があることをご存知でしょうか?

日々、全店+競合店のデータを集積・分析し、お店へフィードバックするという営業戦略部の存在。
玉一つ分もおろそかにしない、ロス管理の徹底。
今存在するものに共感して入社する人ではなく、
今ここにはない未来・ビジョンに共感し、自ら参画できる人材を採用するための仕組み。
あまり知られていない一面をたっぷり聞かせて頂きました。

そして、韓社長が店長に求めるものは?ビジョンの終わりはあるの?
等の、リクエスト質問にもお答え頂いております。

今回のテーマは「マルハンの組織力」。
必見です!

・・・その前に第1部、第2部を
もう一度読みたい方はコチラを御覧下さい!↓↓

第1部 『マルハンイズムの源泉~ビジョンの成り立ち~』
第2部 『マルハンイズムの源泉~マルハンの強さ~』

では第3部をどうぞ!

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第3部■マルハンの組織力

―第2部で、260人の店長それぞれのあの手、この手が、マルハンの営業の厚みだというお話をお伺いしましたが、店長の経験値を集積する仕組みがあるのですか?

システムというより、営業戦略部という部署があり、その部署で全国のマルハンの強み、弱みの抽出を行っています。また、他店を研究してレポートし、全店に配信をしています。
今この部署の部長をやっている社員が、店長だった頃に私にプレゼンしにきたんです。業界のホールコンピューターが1店舗用の時代の頃です。当時我々は約100店舗を展開していて、本来であればその全店、あるいは全設置台を、きちんとネットワークをしてデータを蓄積していく、それをマルハンの武器にしていくことが必要だ、と独自に研究していたものを見せてくれたんです。これが素晴らしかった。
そして、現在では自社コンピューターを開発して、マルハンオリジナルコンピューターを使っています。
例えばスロットでいうと、現在、260店舗で約3万6千台以上が日々稼働しています。
全店分のデータを集積すると、機種ごとの傾向値などの数値が出ます。それらを蓄積、分析することで、シミュレーションができて、予測を立てることができるのです。このように、データ活用をしなければいけません。

また、オーイズミフーズが展開する居酒屋「わん」に招待されたときの話です。
大泉社長と食事をしたのですが、わんの料理が、とても美味しかった。どうやって作っているんですか?と聞くと、本部に、和食、中華、イタリアンなど、それぞれのジャンルのプロフェッショナルを集めているんだそうです。
それこそ有名ホテルの総料理長だとか、一流レストランのシェフだとか。
そして、一つの食材に対して、そのプロ達が徹底的にレシピ作りをするそうです。味付け、盛り付け、ネーミングなど、徹底的に研究して1品を創り上げ、それを店舗で出しているのだそうです。

この仕組みは、飲食では当たり前のことかもしれませんが、聞いていてふと思いました。
パチンコの新台が出たとき、その新台に対してうちの260人の店長は、全員が素人です。
新台導入1週目は好評。2週間目、だんだん利益もとれるようなります。
3週間経つと、高稼働の店舗もあれば、半分くらいの稼働になっている店舗もあるわけです。
新台を食材に例えると、この素材を260人の職人が、全部違う味付けにして、自由に調理していたんですね。
これではよくないということで、今は営業戦略部が新台導入前に、全てデータ取りをし、初日、二日目、三日目にどのようにしたら良いか、いわばレシピ作りをしています。お客様に喜んでいただくために準備をします。

このロス管理を徹底的にやるスペシャリストが、営業戦略部です。今では各メーカーに新台作りのアドバイスをやることもありますよ。
また、マルハン店長アカデミーとして、店長になるための研修を行っています。ホールコンピューターの使い方、シミュレーションの組み方、イベントの考え方など、を教える、いわば営業の頭脳集団です。
この部署が無かったらマルハンはどうなってたかな、というくらい重要部署です。

―先ほどロス管理という言葉が出ましたが、かなり徹底されているのでしょうか。

玉1個4円ですね。例えば1回大当りして、玉が10個多い、少ない、はお客様にとってはあまり関係のないことです。1000発出ようが、1010発出ようが、気にされるお客様はほとんどいらっしゃいません。
だけどその10個は、例えば機械台10万台で考えると、10万台×10個×4円で400万円、10日で4000万円、30日で1億2000万円。・・1年間だと?すごい額になりますね。
だけど、たった10個、なんです。
そこを徹底して突き詰めていく、ということはものすごく大切です。
これもある意味、我々の商品作りなんです。
マインドを持ってお客様に向き合っていくということのみならず、データ分析も商品作りだし、そこからアウトプットする出玉も同じくそうですね。

―店長に求めることを教えてください。

トップレベルのマネジメントを求めています。
私が業界に入ってきた頃は、サービス産業の中でいうと、パチンコの店長というのは一番末席にいました。自分達自身でも、パチンコをサービス業だと思っていなかった頃ですから、必要以上に卑下していた部分もあり、パチンコ業界を辞めた人は、パチンコ業界で働くしかない、潰しがきかない。という状況でした。
先日、ゲーム業界の人と話をする機会があったのですが、「ゲーム業界はいま、従業員のモチベーションがとても低く、活気がない。マルハンの社員達が、うちの会社に50人くらい入ってくれたら活気付くんだけど。」と言って頂きました。それを聞きながら、
「この10年、20年のチャレンジの中で、我々は末席じゃなくなってきているのかな。」と思いました。順番は付けられないけれど、少なくとも地位は段々上がってきています。

トップレベルというのは、パチンコ業界の中でトップということではなく、他業界から、パチンコの店長が欲しい、その中でもマルハンの店長、エリア長クラスに来て欲しい。なぜなら、組織の行き先を指し示し、モチベーションの高い組織を作り上げ、戦略的にも最も秀でた人材が、あの業界にいる。
そう言われるぐらいのレベルを目指して欲しいと思っています。
つまり、サービス産業全体の中でのトップマネジメント。これを店長に求めています。

店長達はマルハンイズムの伝道者であり、体現するリーダーです。組織の中心にいつも店長がいます。

マルハンも1万人を超える組織になりました。それでも、本社で働いているスタッフはわずか400人程度。1万人の中の、約96%に近い人達が、店長の部下としてマルハンにいるのです。店長は、部下から見ると、マルハンそのものです。

店長が、マルハンの象徴であり、成長のエンジンであり、そのエンジンが、常に力強く、常に新しく創造的であって、自分自身が成長し続けている。

そういう姿が最も重要です。成長し続けるためには目標が必要で、その目標というのが、全サービスレジャー産業の中で、最も高いレベルのマネジメント集団の一員である、ということなのです。

そして、マルハングループが第二、第三の柱をつくったときに、違う領域でもそれらを牽引できる。そういう目標設定を店長には求めています。

―ビジョンとして「パチンコ業界でES・CSの日本一になる」ということを掲げていらっしゃいますが、それらを図る指標はどのようなものでしょうか。

CSはOJT推進部で店舗のお客様への対応を定期的にチェックしています。

またESに関しては、モチベーションサーベイを実施しています。一昨年実施したものでいうと、全従業員に136の質問に答えてもらい、例えば会社に対する信頼度、経営者、理念に対する信頼性等、さまざまな角度からESを図りました。

マルハン従業員は中でも、モチベーション対する意識が非常に高かったんです。色々な業種の1200社中95位、従業員が1万人を超える会社の中では1位という結果で、マルハンの組織は他業種に比べても、モチベーションがものすごく高い集団だということが分かりました。

当然課題も出てきました。例えばチャレンジ精神が減退している、本社と現場との溝、本社部門間でのコミュニケーションが希薄になっているなど、これから課題になっていくんじゃないかということも含めて、全店長をはじめ、マルハンのリーダーが集うリーダーフォーラムでその分析結果を共有した結果、昨年マルハンイズムに3つの【組織理念】を付け加えました。

―1位とは素晴らしいですね。逆に課題として出てきたことで、最も懸念されたのはどういうことでしたか?

最も見直さなければならないことは、採用でした。

私はずっと共感型採用、と言い続けてきましたが、昨今現場の方から、「新卒の線が細い」という声が聞こえてきており、ずっと気になっていました。

そして、ある時ふと気が付いたんです。

20年前私が改革のスタートメンバーである5人を採用した時には、見せるものが何もありませんでした。

店舗は恥ずかしくて見せられない。研修制度もなければ、自慢して見せられるものが何一つなかったのです。唯一彼らに見せることができたのは、ビジョンでした。こういう会社を作りたいんだ。俺達は力をあわせれば絶対できる。そこには可能性がある。と、今無いものを見せて、採用をしていました。

ところが会社が発展するうちに、見せるものが沢山生まれてきたんです。学生と採用メンバーの会話を聞いていると、「渋谷のパチンコタワー、業界でも話題になったんですよ。」「伊東に立派な研修施設があります。」と説明し、学生は、「それはすごいですね、やっぱり業界で働くならマルハンですね。いい会社ですね。」と共感している。

同じ共感でも、目に見えない将来に対する共感と、今あるものに対する共感とでは、ものすごい違いがあります。結局今あるものに共感をするということは、会社に依存する、乗りかかることでしかなく、線が細い、という現場の声の真意に、ハッと気付かされました。

10年のチャレンジの中で、確かに色々なものを創り上げてきました。だけど、我々はビジョンによって結ばれているんじゃないのか。将来を指し示していないんじゃないか。

そこで、今一度、これからのビジョンを作ることに着手しました(チャレンジ2020)。それから、採用においては夢とかビジョンとか、将来のものにたいして結ばれる必要がある。そこに自分の意思で参画する。これがマルハンの共感型採用だということを、改めてみんなで確認しました。

―最後に聞かせてください。「業界を変える」というビジョンに終わりはあるのでしょうか?

終わりはありません。

「業界を変える」ということは、売上が上がればいい、というものではなく、もっと多くのお客様に来ていただくとか、世の中からどう見られているかだとか、社会的な地位を上げるとか、そういうことだと思います。

エンドレスであるけど、一定のところまでは早く持っていきたいですね。この前就職のランキングで99位にランクインし、一つの結果として出てきたという実感もありましたが、一方ではまだまだ遠い道のりだと思います。

やり続けなければと思っています。

―ありがとうございました!

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