パックエックス通信

ウインググループ、李浩宰社長 TOPから学ぶ

李浩宰/ウインググループ 代表取締役。創業30年以上の実績を持ち、現在では岡山県を中心に広島と九州地方に13店舗を展開している。地域一番店を目指すべく、「快適な空間造り」と「地域密着型店舗」を追求するポリシーを持ち経営を行っている。

今週はウインググループ李社長のトップインタビューです! 現在プロジェクトチームを組んで「キャッチフレーズ」作りをすすめられていますが、そのきっかけのひとつとなったのが店長とスタッフとの個人面談だったそうです。

それではどうぞ~!

本日はよろしくお願いします。まずは入社の経緯から教えていただけますか?

大学卒業後、1年間は広島で在日同胞活動をしており、その後に入社しましたから15年くらいになります。

最初はやはり現場からですか?

私はずっと現場に入ったことがなかったんです。会長が早く私に任せたかったのでしょう。会長は毎日営業後に事務所でデータをみながら、現場の店長に雷を落としていました。私にそれを聞かせて、「今、私が言ったことを繰り返し喋ってみろ」と言われ、ちょっとでも言葉が足りない場合は、もう1度言わされていました。4~5年はそういう帝王学を学んでいました。

会長が自分の父親ということもありましたし、矛盾を感じる面もあり、反発したこともありました。最初は創業者に対して未熟者が言っても仕方ないと思い、黙っていたのですが、徐々に思った事を言うようになりましたね。もちろん言ったから正しいわけではなく、それもダメ出しされ全却下なんですが、最後の方は言い合いになるくらいになっていました。

2年前に代表に就任されたとのことですが、何かきっかけがあったのでしょうか?

会長自身が構築してきた体制が整った事が大きなきっかけだったと思います。我々としては、とてもやりやすい環境で引き継がせてもらいました。

代表に就任される以前はどのような立場だったのでしょうか?

営業本部長でした。営業全般と経営理念に加え、経理部長と一緒に資金繰りの勉強もやっていました。営業本部長をやっていた最後の2年程はエリア長体制を作る作業を行っていたので、営業面はほとんど弟に任せていました。

企業としてのキャッチフレーズを作っているとお伺いしたのですが、それについてお話いただけますか?

キャッチフレーズとしては「挑戦を楽しもう」を掲げていこうと思っています。創業31周年目になるのですが、今まで会長が「地域1番店」、「自己成長」、「プラスアルファの発想」「チャレンジ」といった言葉をずっと訴えていました。その中で見つけたキーワード「挑戦」と言う言葉です。

私も業界のパイオニアになりたいと思い、挑戦は続けていますが、例えば昨日入ったばかりの社員に「挑戦」を訴えてもピンとはこないと思います。会社のためにここで働いていて楽しい、挑戦していきたいと感じてもらえるよう、キャッチフレーズに選んだのですが、この「挑戦」と言う言葉は難しいですよね。辞書で調べたのですが、「難題を乗り越える」と書いています。そんな難しいことをやろうと意気込んでも良いとは思わないので、「楽しむ」という言葉を入れて「挑戦を楽しもう」となりました。

まだ大きなキーワードはそれしかないのですが、それを1つ1つ噛み砕いてやっている最中です。それをアウトソージングではなく、自分たち自身でやっていこうと思っています。

キャッチフレーズを作ろうと思われたきっかけはありますか?

特に無いのですが、知り合いの社長に、社員たちと作り上げたノートを見せてもらって感銘を受けたのはきっかけの1つです。社員たちにも共感してもらえるなとは思いました。

各店長がスタッフと個人面談で、会社の企業理念を聞かれて答えられなかったということが何回かあったというのもきっかけの1つですかね。その報告を聞いた時に、確かにその通りだなと。もちろん店舗がある各地域に「ウィングがあって良かった」と思われる店にしたいという理念はあります。でもそれは、私は言えるにしても、社員達に言わせる事が出来ていない。それを明文化していないせいでもあると思います。もちろんこの考えは社員たちも持っていると思いますが、それを言葉に出来ていないと思います。正直私に対して「企業理念は何ですか?」と聞ける雰囲気ではないんですね。それは各店長もそういう雰囲気ではないと思います。

特にパチンコ店の社員は、他業種の一流企業の社員のように、会社のために働いている、自身の成長のために働いているという方が少ないと感じています。これは業界全体で少ないと思います。

その中でも経営者の考えを理解して、成長出来そうな社員を作り上げていると感じる会社はあります。しかし、恥ずかしながら弊社ではまだそこまで到達していない。そのためにも企業理念やキャッチフレーズが必要なのではないかと考えています。「企業理念を作るのに終わりはない」という言葉があります。でも始めなくては始まらない。トップが動かないと共感もしてくれませんしね。エリア長や宣伝部長とプロジェクトチームを作ってやっている最中です。

プロジェクトチームのメンバーの選抜のポイントはどのような部分でしょうか?

仕事がしっかりしているのはもちろんですが、一番はメンバーのバランスです。エリア長のうち2人は理論派で頭も非常に良いタイプです。もう1人は情熱派で気合い系の人間ですね。色んな性格を持った人間がいることは良いですね。

その中でも特に私は宣伝部長のことを、ひと味違った会社の宝だと思っているんですよ。周りと少しタイプが違うというか、違う視点が持てるんです。私は社員によく“人在”と“人財”の違いを語ります。 前者はただそこにいるだけの人材、後者は会社の財産になりうる人材。彼は間違いなく後者の人材です。

どのような場面でひと味違うな、と感じられますか?

まず、何も言わないでも自分でどんどん仕事をやっていく。事後報告になるのですが、例えば九州電力が最近高くなったから、この機械に変えた方が良いといって、かなり細かい電気量データを調べて、メールですごく濃い内容を送ってくれるんですね。あまりにも莫大なデータなので実はそのデータをほとんど見てませんけど…(笑)ほんとに会社の利益のためと思ったら惜しみなく動いてくれる。

私のモチベーションが低く、現場に出ていなかった時もあるのですが、その時でも「現場に顔を出して下さい」と言ってくるのは彼だけです。良い意味で距離が無いんですね。それが好きなんです。

常に会社のために何をすれば良いのかを考えているんですね?

そうですね。ですので、彼ほどトントン拍子に昇給した社員はめずらしいです。それほど価値がある人材ですから。その代わり、役職としては店長より下に設定しています。しかし、良い意味で空気を読めないので、店長にもどんどん進言しますし、店長もそれを分かって対応しています。

経営陣が頑張って、彼が会社にもっと魅力を感じるようになれば、会社はもっと伸びていると思います。幸いにも頭の良い社員が多く働いてくれているので、後は私がどうやってコントロールしていくかだと思います。

日頃心がけていることを教えてください。

いつも謙虚と感謝という言葉を意識しています。その中で私が常に心がけていることは 『8つを聞いて2つだけ話す』ということ。

私が本部長の頃は私の独自の感覚で意見を通そうとした事や社員と建設的な意見交換をしていても、ちょっと違うと感じたら私の意見ばかりを主張してしまう時期がありました。 いい意味で取れば経営者としての悲壮感でしたが結局、会議が終わった後に私が間違っていると感じてもフォローもできずに、店長たちに悪いなと思った時期もありました。ですので、今は日頃1番気をつけているのが、「8」を聞いてから最後に「2」を話すと言う事です。最近では3時間の会議で「1」しかしゃべれなかったこともありますけどね(笑)

今後御社をどのような会社にしていきたいと思われていますか?

採用情報に「ほしいのは部下ではなく、一緒にタッグを組めるパートナー」と書いているんです。クサいでしょ?(笑)。でもこういうクサいキャッチフレーズを、恥ずかしがることなく出せる企業になりたいんです。

先程申し上げた、私が心がけている「謙虚であれ」というのは、会社は縦社会ですが、それを守りながらも部下とは呼びたくない。もう1回言うのも恥ずかしいのですが、「ほしいのはパートナー」という事で(笑)。

店長たちはあれを見ているのですが、どう思っているんでしょうね。ただ、そんなに距離のある会社ではないよ、というのは日頃の行動で感じてくれていると思います。社長にこれを聞いたら怒られるとか、そういう考えは一切ないと思います。会長の時は鶴の一声という事もありましたが、今はエリア長体制も作って、意見を吸い上げるという事をやっていると自負しています。とは言え、まだまだ発展途上ですから、もっと社員の事を理解しないといけないと思いますが。

「一緒にタッグを組めるパートナー」を増やしていくために、どのようなことをされていますか?

信頼関係を築くために、縦社会を守りつつ壁を作らない事ですかね。若いスタッフが多いですが、店長などは歳が近いので、やりやすいです。パートナーになり得るというか、難しくないと思います。トップダウン方式でもないので、色んな意見を聞きながらやれているとも思いますし。ただ、店長が考えている事を100%言えているのかどうか、会社として扉を開いていない部分もあるかもしれません。

10名の店長とお会いする機会も多いのですか?

2~3年前までは新春ゴルフや店長会議の時に会っていましたが、最近はなかなかタイミングが合わず、現場をまわった時に会う機会を設けています。最近は本社で仕事をするのを意識的に減らして現場に行くようにしています。 スタッフもそろそろ私の顔を覚えてくれたかと思います(笑)。

現場に出て例え何をしないでも、社員たちと話す事は大事だと思います。同じ境遇の知り合いのオーナーもやっていて参考にしている事があるのですが、半休日や週末などお客様が多い日を選んで店に顔を出しに行くんだそうです。それで社員はモチベーションが上がりますからね。 私も悪い日は行きたくないのが本音ですけどね。誰だってモチベーションの低い顔を見られたくないでしょ?

最近は一緒に食事に行く機会が少ないかなとは思います。店長たちは夜まで仕事ですし、休みの日に呼び出すのも気を使うんですよね。ただもう少し飲みニケーションを増やしていきたいとは思っています。私が代表になってもう2年、「挑戦を楽しもう」という企業理念を一緒に作っていく中で、仕事場だけでは駄目だと思います。すべて私1人でやるわけでは無いですし、幸いうちには頭が良くて気合いが入っている幹部がたくさんいますから。

幹部の方や社員の方に、どういう人間になってほしいですか?

1番は「謙虚」と「思いやり」です。厳しい競争社会の中で、こんな生温い事を言うなという経営者もいるかも知れませんが、私はこの考えが最優先です。特に厳しく言っているのは、取引先の業者様が来た時は、いくら仕事中であっても席を立って挨拶する事。これは徹底させています。やはり人付き合いで重要なのは、横柄になってはいけないこと。また、一緒に働いている人たちには思いやりを忘れないことです。

それと、創業者がずっと訴えてきたのは、経営幹部として、経営者としての認識を持って欲しいというのと、プラスアルファの発想力を持って欲しい、それとチャレンジですね。そういう意味では、他の競合店とはちょっと違う事を出来るような、プラスアルファの発想を持った幹部になって欲しいですね。同じ機械を買ったとしても、他の店とは何か違う事を1つでも考えて欲しい。もちろん、私自身が先頭に立ってやらなくてはいけないと思います。

あともうひとつ。個性を発揮してほしいですね。正直言って、個性が無い幹部もいるでしょうし、その個性に気づいていない人材もいるのではないでしょうか。そんな中、私は悪いところを直す事も重要ですが、それよりも良いところを伸ばしていきたいと考えています。個性を発揮出来るような環境を作りたいと思います。

人の潜在能力は、開花すればすごい伸び方をすると思いますし、先程から話に出ている宣伝部長もよく個性を見つけられたと思います。パソコンの知識や経費削減の能力は特筆しています。それを見つけられたのは、1つ会社の成果だと思っています。もっと引き出す能力があるかどうかは、会社の力次第だとも思っています。

今後、どのような経営者になっていきたいですか?

私の一言を聞いて、社員たちが、「間違い無い」と思えるような社長になりたいですね。

社長がそう言うのなら、きっとそれなりの事があるから言っているわけで、社長を信じてそれに従おう!と思ってもらえるような経営者になりたいと思いますね。もっと言えば、失敗したとしても社長を信じたから悔いはない、次!次! と思ってもらえるような…

そこにはかなりの深い信頼関係が必要ですが…。あとは我が社で働く社員の声を少しでも多く拾いあげれる経営者になりたいと思っています。100%の声を拾いあげるのは難しいかもしれませんが、100%わかってあげられない経営者には絶対になりたくないですね。

最後に、パチンコ業界で働く読者の方へメッセージをお願いします。

正直、パチンコバッシングなど直接耳にしたりもしますけど、震災での寄付や、各地域での施設への援助など社会に貢献できることはたくさんしてきていますし、これからもできるはずです。 日本国最大の娯楽産業であるパチンコ業界はまだまだ必要とされていますし、これからもファンや地域の皆様の憩いの場として存在し続けなくてはいけないと思います。

業界全体で力を合わせてもっともっと多くのファンや国民の皆様に愛される、未来明るい業界を目指してがんばっていきましょう!

ありがとうございました!

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