パックエックス通信

グランド興業株式会社、福田浩明社長 TOPから学ぶ

福田浩明社長/グランド興業株式会社 代表取締役社長。岡山県を中心に「OMEGA」の屋号で6店舗を経営。パチンコ店のほかにも飲食店、イベント企画・制作・運営管理・実施、Web製作など多岐に渡る事業を経営している傍ら、ぱちんこ情熱リーグ情熱サポーター委員会委員長も務めている。

今週のパック・エックス通信は、グランド興業株式会社の福田社長へのトップインタビューです。社長就任までのお話や福田社長の想いがつまった企業理念について、そして今後の展開についてのお話をお伺いしました。実はパチンコに対してあまりいいイメージを持っていなかったという福田社長。実家が経営されるパチンコ店を継ぐこととなり、最初のモチベーションはどこにあったのでしょうか。

本日はよろしくお願いします。まずは入社の経緯から教えていただけますか?

入社11年目、社長に就任して3年目です。僕は学生生活がすごく長くて、アメリカに8年、ソウルに1年いて、日本に帰ってきたのが28歳の時なんです。その後1年間叔父の経営しているパチンコ店で修行をしてからサブチーフとして入社しました。

家業を継ぐことに対して抵抗はありませんでしたか?

すごくありました。僕は小学校の頃から将来の夢を聞かれると「パチンコ屋さんじゃないこと」と言っていたらしいんです。店舗の2階が自宅で、母は僕をおんぶしながらや、カウンターの中に箱を置いてその中に僕を置いて仕事をしていました。小学生になって学校から帰って来ると店舗の前で大人が喧嘩していたりして、そういうのを見ているのがすごく嫌だったんですね。夜寝るときに蛍の光が聞こえたり、友達の家のように庭がなくて代わりにあるのは駐車場だったり、嫌なことがいっぱいありました。そういう積み重ねから、跡を継ぐとはこれっぽっちも思っていませんでした。

現会長である父も昔から「継がなくてもいいから好きなことをやれ」と言ってくれていて、僕はそれを本気にしちゃったんですね(笑)

そのような考えだったのが、なぜ継ぐことにしたのですか?

実はアメリカの生活が楽しくて大学を2つ卒業したんです。勉強がすごく難しかったですね。そしてむこうで内定も貰って就職先も決めていました。父は、大学卒業後3年間やるから方向付けをしてきなさいと言ってくれて、でも結局卒業寸前になるとやっぱり1年だ、と言われて内定を辞退しました。卒業後、日本に帰ってくることなくそのままソウルに行きました。自分のアイデンティティである韓国語すら話せないなと思ったんです。ソウルで1年暮らして、観念して日本に帰ってきました。それでもやっぱりまだ嫌で、喧嘩もたくさんしました。特に大きなキッカケがあったというよりは流れでしたね。

なるほど。そんな中で業界に入って、最初のモチベーションは何でしたか?

この業界自体にずっと不満みたいなものがあったんです。もっと幅広い楽しみ方があるのに、お客様も社員さんも楽しそうじゃない。お金を使うのはゴルフとお酒だけ。もっと楽しいことが世の中にはいっぱいあるのになんでだろうと。全部がマイナスに見えた。そして逆にそれが一番最初のモチベーションでしたね。みんなが気づいていないことを僕が見せてあげられるって上から目線で思っていたんです。

でも、現実を見ると、一般企業に出しても恥ずかしくないくらいみんな勉強していることを知りました。僕が思っていたよりもみんな前を向いているし。そこに気づいたことで見る目が変わりましたし、尊敬の念を抱くようになりました。そこからはもう、僕らはパチンコ屋さんじゃない!エンターテイメント集団だ!という想いでいろいろと取り組みました。自分たちが楽しめばお客様も楽しいはず!と思って、僕がイベントを発明したんじゃないかっていうくらいイベントをやったり、音楽を変えたり、店長も世代交代させました。パチンコ屋さんっぽくないパチンコ屋さんを作りたい、というのが原動力でしたね。

今でも当時の想いは忘れてないです。先日の居酒屋甲子園でも言っていたんですが、「やり方ではなくあり方を問われている」という言葉がすごく響きました。あり方っておとなしい様で結構攻撃的に出来ると思っているんです。アメリカでの生活が僕の中で成功体験として残っているので、それをみんなに見せたいというのが強いです。絶対楽しいですから。

「共により豊かな社会をつくる」という御社の企業理念を創られたときのお話を聞かせていただけますか?

私が社長に就任した際には、企業理念や人材育成の風土がなかったんです。同じ方向を向いた仲間たちと仕事がしたいと想っていたので、見よう見まねで自分で創りました。 一番最初に「共に」という言葉をつけましたね。

僕は、長男なんです。お兄ちゃんだから、と育てられてきたので自然とやってあげるほうが好きなんですね。やって頂くのももちろん嬉しいんですけど。人の幸せが自分の幸せだと感じられる仲間がいたらいいなというのが根底にあります。自分の一番近い存在である家族や彼氏彼女、そして社員さんとその家族、お客様、お客様の家族…という風に自分の身近な人から大切にしていく、幸せにしていく、という風に伝えています。

なるほど。では「豊か」とは?

当初はやりがいだったり、目標に向かっている、ちゃんと自分の人生をコントロールできている、といった精神的な意味が強かったです。でも最近は経済的な豊かさの話を多くしていますね。4月の新年度からは、もっと全社員に浸透しやすい言葉に編集していこうという話が出ています。変えることが目的ではなくて、どこまで浸透しているのかということも含めて現状把握をして、必要ならば言い回しを変えていこうという感じです。プロジェクトの中でみんなの本音を聞いて、みんなの内から出てくるもので火をつけたいんです。

「みんなの本音を聞きたい」という想いが、会議やプロジェクトにすごく表れていますよね。社長に就任する前からそういう想いが強かったのですか?

そうですね。社長に就任する前から感じていましたが、就任してからのほうが強く感じるようになりました。

それはなぜでしょう?

僕は、入社後7年間はずっと現場にいました。弊社はずっと「現場中心」なんです。僕自身、今でもたまに現場を走り回ります。みんなと一緒に汗水たらして現場にいた自分だからこそ、絶対良い会社を作れる!と思っていたんですね。でも、社長に就任した途端にみんなの見る目が変わったんです。いつもどおりに現場に行って、鍵を持って走り回って、インカムを飛ばしても、現場が盛り上がらなくなった。あれ?と思いましたね。自分の思っていた空気感がもうそこにはなかった。寂しかったですね。それがずっと続いているというのがきっかけのひとつです。

立場が変わることで、ささいな変化が生まれてしまったんですね。

そうですね。現場にいた頃は即決即行動ができていたと思うんです。僕は社長っぽくなるよりは、みんなと一緒にプレイングマネージャーをやりたくて。僕と一緒に現場でがんばってきていた仲間たちが、どんどん昇格して指示を飛ばしてバリバリやってくれていて、一緒にミーティングしてこうして行こうぜって言っても、なんだか彼らに響かないんですよね。毎日一緒にいた頃と違って、僕の判断にズレが出てきているのかもしれないし、毎日一緒にいる人から指示されるのとそうでない人とでは全然違うんだなというのを感じています。

寂しさがありますか?

ずっと寂しいです。よく経営者の方々がおっしゃるので、お前もか、という感じはするんですけど。特に僕の場合は弟が副社長で、彼のほうがより現場に近いんですよね。動きも僕より活発なので、みんなと一緒に動いている感じがする。もちろん良いことなんですけどね。そこで僕が「俺も俺も~!」って入っていくと、「いやいや社長は…」って言われる(笑)。本来イメージしていた社長像と違うので自分自身への不満もありますし、大人のしがらみが出てきたのかな、と思うと寂しいですね。

そのような想いが様々な取り組みを生み出しているんですね。

そうですね。みんなを連れて行きたい方向というのは僕の中ではずっと変わっていないんです。「共に豊かな社会をつくる」という理念だけでは説明が足りないので、「GRAND WAY」という、この道筋で一緒に行こうよという行動基準のようなものをつくりました。そしてGRAND WAY推進委員会という形で月1以上集まっています。アルバイトさんから社員さんまで全員自由参加で、ディスカッションをしたり落とし込みをしたりしています。

今後どのようなことを実現させていきたいですか?

「家族」が見える商売をしたいという想いがずっとあるんです。最近子供が生まれたこともありますが、もともと母を早くに亡くしていて兄弟家族がすごく仲が良いので、家族という単位を考えるのが好きなんです。働いている方ももちろんそうですし、家族全員が来店というのはパチンコ店では難しいですが、お客様の家族が幸せだな、面白そうだなと思ってくれる内容であれば、パチンコに限らずやりたいと思っています。

そこに向かっての第一段階として、仲間の家族が本当に最高の生活ができるように、というプロジェクトが進められているのでそれはすごく嬉しいですね。あとは経営者を増やして行きたいと思っています。もっともっと地盤固めが必要ですが、店長という肩書きではなく経営者にしていきたいです。

ありがとうございます。では最後に業界で働く方へメッセージをお願いします。

成熟したように見えるわれわれの業界は、まだ閉塞的で発展がとまってしまっているように思います。競争はますます激化し、今後淘汰される企業も多数でてくるでしょう。

今われわれがすべき事は、今後の業界の明るい未来をともにつくっていくことだと思います。現場でお客様の日々変化するニーズに気づき、それをホール企業同士で共有するときだと思います。経営者同士についても同様、ぱちんこ業界はまだまだ発展の余地が無限にあります。

今あるものには先人に感謝をし、これからの進化を創造していきたい。たしかに目先や足下はとても大切、しかしそれだけではもう生き残れないでしょう。ひとりの経営者や、一企業の考えだけでは限度があります。この時代を勝ち抜き、永続していくためには、今までのような自社のことだけを考えるだけではなく思考をぐっと広げ、ともに業界の未来をつくる、そんなアツい仲間集めを今年はしていきたいですね。

ありがとうございました!

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