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株式会社オークラ 大倉虎相社長 TOPから学ぶ

大倉虎相/株式会社オークラ 代表取締役社長。 石川県内に6店舗を展開。2005年3月に代表取締役社長就任後、コーポレートブランドを一新して変革を宣言する。

、本日の『TOPから学ぶ!』は、株式会社オークラ(本社:石川)大倉社長にお話をお伺いしました。「社員全員に対して、申し訳ないという気持ちが、私の原動力です。」創業47年という歴史を振り返り、創業社長を始め諸先輩方が創り上げて来たものを守りつつも、2005年に代表取締役社長に就任した際、自社に足りないこと、必要なことを実感し、変革を進めて来られました。徐々に良くなってきたとはいえ、お客様のために、社員のために、もっと向上したい、とおっしゃる大倉社長。一見クールに見える方ですが、内なる熱い想いを感じました。

大倉社長、本日はよろしくお願いします!まずは御社のことについて教えていただけますか?

当社は創業1963年。今年47周年を迎えました。かつての当社は、創業時代からずっと、自他ともに認める石川県業界ナンバーワンで走り続けてきた企業でした。かつては業界の景気もよく会社の業績も良かった。時代が良かったんですね。

ただ、当時伸びている企業は、現在もっともっと伸びているんですよね。例えば業界トップのマルハンさん。創業は当社と2年ほどしか違わないんです。かたや260店舗を率いる2兆円企業。当社はというと、ここ4~5年、石川県ナンバーワンではありません。この差はなんなのか。

当社の過去、ナンバーワンであったころを振り返ると、営業的には強かったのですがちょっと偏った部下への仕事のさせ方をしていたと感じます。企業の目的やビジョンに共感してもらって、人対人で向き合い、絆でつながって共に働く、というものではなく、強要する、監視する、というような仕事のさせ方が主だった時代がありました。人のつながり、心が通わない職場で、給料のためだけに一生働けるのか?と考えると、それは違うのではないか、と考えるようになりました。

マルハンさんのような企業と、かつての当社の一番の違いは、『何を目指したか』ということだったと思います。そして、そこに共感した社員とともにお店を作り上げてきたかどうか、そこには大きな差があります。

このことを考えるといつも、入社してから24年間、私は何をしてきたのか。社内全員のスタッフに申し訳ない。という思いでいっぱいになります。この思いが私が現職に就くきっかけでもあり、今の私の原動力でもあります。

そんな状況や、思いを踏まえて、大倉社長がTOPとして心がけていることは何でしょうか?

2005年に代表取締役に就任して以来、ずっと心掛けて取り組んできたことがあります。それは上司から部下、部下から上司に、遠慮しないで意見を言い合える人間関係、雰囲気を作ることです。創生期はある程度トップダウンで構わないと思いますが、組織が大きくなってくると、いくらスーパーマンのような社長でも、一人の力で全員が社長の旗振りに従うのか、末端までトップの考えを伝播できるのか、というと無理がありますよね。全員と話しをするのは難しいですから、トップと現場の間にいる幹部が社長に共感し、それを幹部から現場へ伝えることで、皆が同じ方向を向くのだと思います。

当社はまだ150名程の小さな会社です。私がスーパーマン社長であれば、店作りから人事面、総務面など、全部自分でやればいいんでしょうが、そうではありません。だから各店、各部署との連携は必須なんです。各店、各部署のトップとナンバー2、3くらいまでの人とは、ダイレクトに意見を言い合えるようにしています。上司が必ず正しいとは限りません。何度も議論を重ねて、部下の方が正しければ、それを聞き入れ変わるべきなんですよね。

意見を出し合う際の機軸は、『お客様に喜んでもらえるいい店にするために感じたこと』。人を泣かせて発展した会社って、ほとんどないんですよね。人を喜ばせた会社が儲かって発展するのだと思います。そして、儲けるために人を喜ばすのではなく、人を喜ばせるために何を提供できるのか一生懸命考えて努力した結果、お客様に支持されて、儲かる会社になるのだと思います。

例えば会社の目的が利益を得ることだけであったら、悪いことでも何でもありになってしまいます。でも私はそうではないと思います。目的は利益ではなく、企業理念(ビジョン)を実現すること。そして、目的を達成するためには会社が存続しなければいけませんから、暴利ではなく、適正な対価をお客様から頂きます。だからこそ、お客様に何が提供できるのか、喜んでもらうために何が出来るかを議論し続けなければならないと思います。店作りで言えば、新台入替も、広告宣伝も、接客も、全てお客様に喜んでもらうためものでなければいけません。だからこそ、どうすればより喜んで頂けるのか、足を運んで頂けるのかと意見を出し合うことがとても大切です。以前は、意見を言い合える雰囲気ではなかった。そこでまずは意見を言いやすい雰囲気、人間関係を作ることから始めました。

具体的にはどのように社員の皆さんと関わられているのですか?

単純ですが飲みニュケーションや、雑談の機会を出来るだけ増やし、意見を言ってもらえる雰囲気、関係を作るようにしています。会議は議題があるので、その話しかできませんからね。それよりも、私がフラッとお店へ行って、ちょっとお茶を飲みながら話をしたときの方が、本音を言ってくれたりします。最近どう?から始まる、本当に他愛のない話です。地道に積み重ねていくしかないと思っています。また、会社の行事として、『接客サービス向上運動』をやっているんですが、私を含めた本社幹部7名が、8月からの3ヶ月間で全店を回って接客サービスを審査し、優秀な方を表彰しています。

TOPから学ぶ!!-受賞2
TOPから学ぶ!!-受賞1

 

本当は全スタッフと話をしたいのですが、なかなかそうもいきませんので、こういったプロジェクトで現場スタッフと触れ合えることはとても嬉しく、今後も継続していこうと思っています。でもやっぱり、本当は全スタッフひとり一人と飲みに行ったりしたいですね~。

スタッフの方も嬉しいと思います!それでは、店長さんにはどんなことを求めていらっしゃるのですか?

私が心掛けていることと全く同じことを求めています。経営者と店長は、仕事上では役割が違いますが、『対ヒト』ということに関しては、同じだと思います。もちろん業務的なことがきちんとできていなければ店長にはなれませんから、それができている上での話しです。

本社で私が幹部と話をするのと同じか、それ以上に、店長は現場スタッフと話をしなければいけないと思っています。忙しくてなかなか時間がとれないとは思いますが、ここは絶対に手を抜けないところなので、最低月に1~2回、全スタッフと1対1のミーティングの時間をとってもらっています。これが出来ていない=仕事をしていない、という判断をします。店長は大変だと思いますが、一番大切なことですからね。

意見を出し合える関係、雰囲気を作る、ということ以外にも、スタッフそれぞれの特性を活かした人事配置をすること、そして頑張りを正当に評価する、という目的もあります。一番大切な会社の財産は人です。店舗が燃えたら建て替えればいいし、お金が盗まれたら頑張って稼げばいい。だけど人の変わりはいません。その大切な人材を正当に評価し、成長させるために、そのスタッフのことをきちんと把握しなければいけませんよね。これまで曖昧だった人事制度に関しても、整え始めました。やり始めたばかりでまだまだこれからなのですが、フィードバックも含め上司と部下がしっかり話をすることから始めています。

新台を見に行くことも店長の大切な仕事ですが、自店のスタッフにしっかり目を向けることは、何よりも大切な仕事です。暇さえあれば、部下と話をして欲しいですね。

意見を言い合える雰囲気作りを心掛けてこられて、会社は変化しましたか?

少しずつですが、実感していますよ。良い意味ですごく楽になりましたね。遠慮はいらないですし、思ったことを言えますから。以前にはない雰囲気を作れていると思います。

例えば、本社と現場の軋轢ってよく聞きますよね。現場はやりたいことがあるけど、本社が動かない、というように、見えない壁があってうまく協力できないという話。弊社も以前は、営業現場と総務がよくぶつかっていました。お互いがお互いの都合を言い合って交わらなかったのですが、今では違います。お互いの仕事をフォローし合う関係ができました。営業の仕事を、いつのまにか総務が手伝っていたり、総務の仕事に営業がかんでいたり、うまくクロスオーバーできていると思います。

社員の皆さんには、どんな気持ちで働いて欲しいですか?

企業理念の中に、「私たちは、共に働く人々の、人間力の向上と、真なる幸福を探求します。」というものがあります。色んなきっかけでこの会社を選んでくれたのだと思いますが、社員の皆さんにとって、自分のレベルをあげる場でありたいと思っています。理念の中の言葉にもある「人間力の向上」を目指し続けて欲しい。ちょっと大げさに言うと、死ぬ間際に満足しているような人生を送ってほしいのです。そのために、まずは仕事を楽しむこと。そしてお客様にも喜んで頂くこと。そこに喜びを感じて欲しいです。

また、自分を高める夢を持って欲しいと思います。人間は本来、俗っぽい生き物です。「南無妙法蓮華経」という言葉も紐解いていくと、お金持ちになりたい、だとか、旨いものを食べたい、だとか、俗っぽいことを唱えているのだそうです。だから、俗っぽい夢を持つことも大切です。それと同時に、一つ崇高な夢を持って欲しいと考えています。人の役に立ったり、社会への貢献を通して、自分を高めることができるような夢です。

当社では、昇進のタイミングで夢を尋ねることがあります。聞かれて、すぐに答えられる人は少ないですが、自分でじっくり考えた夢を持って欲しいですね。お店のトップである店長は特に人間力が求められますので、自分を高めるための夢が必要だと思います。

ちなみに、大倉社長の夢はなんでしょうか?

現職に就任したときに、「社長の夢をみんなに話してくれ。」といわれ、じっくり考えたことがありました。その時に決意した夢です。帝国データバンクを見ればわかりますが、かつて石川県下ナンバーワンだった当社は、いまそうではありません。今48歳でいくつまでやれるかわかりませんが、株式会社オークラを北信越ナンバーワンの会社にしたいと思っています。自他共に認めるナンバーワンです。

一度、トップの座から降りているからこそ、返り咲きたい。そのきっかけを現職であるうちに作りたいと思っています。そうなれるくらい、頑張って仕事をしているヤツが、当社にはたくさんいます。本気で仕事をしています。そんな仲間達と一緒に頑張れば、不可能じゃない夢だと思っています。

(写真は、社員さんが作ってくれたいちごでコーポレートマークをデザインしたのケーキ)

TOPから学ぶ!!-ケーキ

 

あとは、俗っぽい夢になってしまいますが・・健康でいることです。創業社長である私の父親は、19年前に亡くなりましたが、私が高校生、大学くらいのときから身体の調子が悪く、悩んだ時に相談をしたり、仕事の話をしたりすることができませんでした。

息子が3人いますが、叶わなかった想いをぜひ息子達とやりたい、と思っています。一緒に酒を飲みながら、ああでもない、こうでもない、と仕事の話をしたい。そのために、健康でいたいんですよね。・・と言いながら、健康を維持するためのことはやれていないんですが・・(苦笑)頑張ります!

もう一つ、死ぬまでにサッカースタジアムを作りたい!と思っています!!小学生の頃からサッカーをしていまして、サッカーを通じて色んな方と知り合えたり、今でも息子がやっていたりと、サッカーにだいぶお世話になっています。天然芝で、たくさんお客さんが入れて、ここ一番の大切な試合で使用するスタジアムを作りたいのです。お金もとんでもなくかかるようですが・・・サッカーに対する感謝を込めて、叶えたいですね~!!

素敵な夢を、ありがとうございます!オークラサッカースタジアム、是非作ってください!!それでは、ここで業界に対する思いをお聞かせいただけますか。

業界の社会的地位を上げたい、その手伝いがしたい、と思っています。業界の経営者の方とお話をすると、幼少期に、パチンコ屋の子どもだということで、いじめられたり、偏見を持たれた経験がある方が多くいらっしゃいます。パチンコ店で働いているからという理由で、理不尽な目にあった方も沢山いらっしゃいます。先人達のおかげで、今ではそんな状況はだいぶ変わってきましたが、それでもまだ、誤解されている部分はあります。

例えば私の息子達くらいの若者達が仕事を選ぶ際に、積極的にこの業界を選んでくれるのか、というと疑問です。この業界の素晴らしさ、面白さが伝わらないまま、パチンコ店だから、と門前払いをされるのは、とても残念に思います。一方で、マルハンさんが学生の就職したい企業ランキングの100位以内に入るなど、認められている企業もあり、世間の見方が変わってきていることも感じます。

もっと、この業界の素晴らしさを伝えていきたい。当社も含め、多くのパチンコ企業がこのランキングに入れるようになれば、と思います。そうなるくらい、本気で頑張っている人はこの業界に沢山いますからね。

最後に読者の方へメッセージをお願いできますか?

この業界の大多数が、当社と同じ中小企業で、苦戦を強いられているお店が多いかと思います。そんな皆さんに向けて、一言。

『苦しいときこそ、元気でいてください。』

特に、店舗責任者の皆さん。苦しいとき、厳しいときこそ空元気でいいので、笑顔と元気を忘れないでください。あなたがため息ばかりついていると、周りも元気をなくします。お店での接客も同じです。元気な笑顔は、お客様にも伝わります。

私は元々楽観主義者で、なんとかなる!という性質なのですが、それでも会社に相当のダメージを与えるような出来事が起こったときには、難しい顔をしてしまうことがありました。すると、周りの社員もみんなが暗い顔をして、社内の雰囲気が暗くなって、ますます悪い方向へ進むような気が。これではいけないと、トップである自分が笑顔でいることにしました。元気でニコニコしていると、不思議と外からいい事が舞い込むものですよ。

ありがとうございます!沢山のお写真からも、社風が伝わってきました。大倉社長、貴重なお話をありがとうございました!

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