パックエックス通信

株式会社ナミ・エンタープライズ、吉原純浩常務 TOPから学ぶ

吉原純浩/
株式会社ミナミ・エンタープライズ 常務取締役。立命館大学大学院を卒業後、株式会社日本エル・シー・エーに入社。その後株式会社MS&Consultingを経てご実家が経営する株式会社ミナミ・エンタープライズへ入社。ぱちんこ情熱リーグ副理事長としても活動している。

今週のパックエックス通信は株式会社ミナミエンタープライズの吉原常務です。入社までの経緯やこれからの目標などについてお伺いしました。

本日はよろしくお願いします。まずは入社の経緯から教えていただけますか?

僕自身は2年前の10月1日に入社しました。兄弟の中で男一人だったので、小学生の頃くらいから当たり前のように「継ぐ」という意識がありましたね。いやだという気持ちもなかったです。ただ、「なるのが当然」という状況から、高校大学と進んでいくうちに「なりたい」に変わっていきました。

大学を卒業してその後大学院に行きました。パチンコ屋を極めたいというよりは経営を極めたいと思っていて、大学卒業の頃に、同世代や上の世代の方々がどういうルートを辿るのかを見ていたら、親しいホールさんに修行に行くとか、販社さんに行くとかだったんです。すごく生意気な話なんですけど、それが嫌だったんですよね。同じルートを辿ると、同じような特徴しかもてないような気がして。そして経営を極めるためには経営者にたくさん会えて且つ机上の空論ではなく現場改善までできるようなところがいいと思って、現場主義型のコンサルティング会社に入社しました。外食事業部に配属されてたくさんの経営者の方々とお会いさせて頂いたのですごく良い経験をさせていただきましたね。その後、所属の事業部が分社独立したMS&Consultingまで含めると、5年半勤めて今に至ります。

「継ぐ」ことに向かっての5年半だったんですね。やはりその頃のいろいろな経験が今も活きていますか?

パチンコ業界に戻ってきて、目にする数字の桁が違ったり商品の差別化が難しい中でまだ戸惑いはありますが、考え方という部分では活きていると思います。僕自身、現場経験はほぼ無しで今の立場にいます。現場を知っている人間は会社にたくさんいるので、僕自身はもう少し外を見たり、他の業界を見たりして、固定概念に囚われている部分を壊していければいいかなと思っています。

会社に戻って来られて、店長さんや現場の方の反応はどのようなものでしたか?

元々関わりはあったので、「いつ戻ってきてくれるんですか」という人もいましたし、「何も知らないのに」という人もいました。それはそれでリアルな反応だから、特に気にもしなかったですね。最初の半年~1年くらいは、基本的に観察をしていました。経営企画室長の役職で入社したので、本部会議では発言していましたが、現場に対してはパチンコ業界を知らない自分が現場に対して言えるだけの自信もなければ根拠も無い。会社が長く続いてきたのには何かしらの根拠があるわけですし、最初はやはり外部から来た人間として、そっちを理解し尊重すべきだと考えていました。

業界として、「現場を知らずして」というのがすごく根強い気がするのですが、そこに対しての考えを教えていただけますか?

僕は元々社長に言われていた役割が人事と財務だったんです。営業をしらなくて良いというわけではないですが、現場を知っていれば全てOkというものでもないと思います。営業を理解していて、僕と遠慮なしに対等な立場で話せる人間が社内にいればそれほど問題ではないかなと考えています。

―なるほど。人事面として具体的にどのようなことをされているんですか?

入社半年ほどでサイボウズを導入して情報共有の仕組みを作りました。会議の度に分厚い資料を持ってきて、全て読む前にシュレッダーなんてことも多かったんです。そしてその後評価制度を変えるところからはじめました。新店ができない限り副店長は店長に上がれないという認識を持っている社員が多かったんです。でもそうではなくて、店長にふさわしい人間が店長になればいい、社歴や年齢なんかも関係ないし下克上もあるんだよということを知ってほしかった。そこで第一段階として、店長陣には「理想の店長像」というレポートを書かせて、副店長以下には「理想の店舗像」をチームごとに作成してもらいました。それを元に新しい評価制度を作成しました。

最初は現場の反対や慣れないという意味での混乱も多かったですし、下克上ありというのは異論も多かったです。でも、やってみないとわからない!ということでやってみました。やってみてぶれている部分は当然ありましたが、「後出しジャンケンみたいで申し訳ないけど、ここはこういう理由で変えるよ」と修正していきました。

異論がある中で評価制度を変えて、退職された方とかはいらっしゃらないですか?

ひとりもいません。まだ制度変更による昇格・降格はないですし、退職といった話も出ていないです。給料と直結というよりは、評価は評価、その後に給料なので、そこは長い目で見ています。一人の社員を店長・副店長・本部で査定するので、本部としても「店舗での評価はこうですけど、本部から見た評価は実はこうなんですよ」というのがわからないといけないので、本部の人間が店舗を回る機会や時間も増えました。半期に一回の評価が終わった段階で店長は一人ひとりとフィードバックの面談もしています。現場からすると、モチベーションになるのかプレッシャーになるのかはわからないですけど、見られてる感はだいぶ増えてきたと思います。

今は会社としてどのような目標に向かっていますか?

出店は積極的にしていきたいですね。こちらは縁とタイミングもあるので何年で何店舗という目標は立てていませんが、寡占化が進むであろう業界の中でそれなりのポジションを築くためには不可避だと考えています。また様々なポストを増やすためにも必要なことだと思います。

またその過程で優秀な人材を確保するためにも新卒採用をやっていきたいと思っているので、その受け入れ体制を作っていくことが当面の目標です。

では吉原常務個人の目標は?

正直、役員という立場になると会社の目標イコール個人の目標というこが多いですよね。なので、社員からアルバイトまで含めて弊社で働く人たちが、うちで働けて良かったとか、うちのお店で喜んでくれるお客様が増えたとか、より良い環境づくりという部分で貢献をしたいという想いです。

何をする上でも経営者として最終意思決定をする場面も増えてきたので、その軸というか判断基準を持つためにも、ドラッカーのマネジメントを勉強しています。ドラッカーの素晴らしさ、先見性や本質のとらえ方は、昔読んだ時よりも数倍実感しているし、自分の足りない部分が見えてくるのでお奨めですよ。

また自社だけで出来ることは限られているので様々な業界団体がありますが、僕はぱちんこ情熱リーグを通してより良い業界を創るための貢献をしていきたいと思っています。

ぱちんこ情熱リーグも創業から関わってらっしゃいますよね?

最初はMS&Consultingのいち担当者としての参画でした。ご縁ですよね。今では副理事長です。弊社の店舗も第一回決勝大会で壇上に上がったんですよ。日本一には届かなかったけど、やってきたことが評価されたのは彼ら彼女らにとっても良い経験でしたし、お客様はもちろん業界関係者にも評価される店づくりをするための目標にもなっています。(マックスアリーナ

情熱リーグの副理事長としての目標もありますか?

「共に実践、共に感動、共に成長」という理念のもと、ぱちんこ店で働く全ての人に光をあてること、ぱちんこ店から日本を元気にすることが目的ですので、その想いに共感してくれる仲間をたくさん創ることが目標です。私自身、この業界に入る前から携わらせて頂いて、夢と希望を持ってこの業界に入ることができたので、情熱リーグを通じてそんな想いになれる人を増やしていくことが使命だと考えています。

一方で、僕個人の意見で言えば、「情熱リーグはいつ解散できるか?」ということも考えています。というのは、情熱リーグがなくても現場に光が当たる、スタッフが誇りを持って働ける、そんな業界になればいつでも解散して良いと思うから。そういう状態が作れれば良いと思っています。ドラッカーの言う体系的廃棄ではないですが、元々業界関係の本業を持つ方々が時間のない中で手弁当を持って運営しているような状態ですし、直接雇用もないわけだからゴーイングコンサーンである必要もない。目的を達成して、本業に集中する方が生産的ですよね。まだまだやるべきことは多くて期限が切れないのが現状ですけど、目的の実現に向けて一歩一歩進めたらと思います。

では最後に座右の銘を教えてください。

よく「喜努会楽」という言葉を使っています。パチンコ屋さんほど、喜怒哀楽という4つの感情が混在している場所って無いと思うんですよね。そしてそこで働くスタッフたちは一番人間の理屈ではない本性に近い場所で働いている。人間力を高める上ですごく良いじゃないですか。ただ、パチンコホールとして怒っているお客様や哀しんでいるお客様を極力減らしたいと思っていますので、「怒」ではなく「努」、「哀」ではなく「会」にして、「喜努会楽」を伝えています。自分が喜ぶため、人に喜んでもらうために努力をしてほしい。そして愛する仲間との時間や愛する仕事を楽しんでいこう、と。

もちろん最初はパチンコが好きだから、お給料が高いからという理由でパチンコ業界に入っていても良いんです。でもそれ以上に学べるものや得られるものもあることをもっともっと伝えていきたいし、創っていきたいと思っています。

ありがとうございました!

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