パックエックス通信

株式会社阪神観光、道風益定社長 TOPから学ぶ

道風益定/株会社阪神観光 代表取締役。大学卒業後、株式会社平和に入社。2年弱修業後、株式会社阪神観光に入社。

今週のパックエックス通信は株式会社阪神観光の道風社長です。社長になられた経緯や社員さんに対する想い、また今後の目標などをお聞きしました。

本日はよろしくおねがいします。まずは社長になられたきっかけから教えていただけますか?

以前は父が経営をしていて、兄がその跡を継ぐことになっていました。ですので私は自分の進路を自由に決めることができる立場にあり、当時やっていたアメフトに関連する企業から内定も貰っていたんですよ。

ですが父があまりに厳し過ぎて兄が体を壊してしまって。それで急遽私が継ぐことになったんです。

では大学卒業後すぐに跡を継がれたのですか?

いえ、卒業後は修行のために2年間という約束で㈱平和に入社しました。そこで機械のことや営業を学びながら仕事をしていました。昼間は工場で働いて、夜はホールから応援要請が来るのでそちらに行っていました。ホールから呼ばれるのは閉店後なので、23時をすぎるんですね。次の日は朝8時から工場で仕事だから先輩方はあまり行きたがらないんです。

だけど私はつい最近まで夜中まで飲んで次の日はグランドで走っているような生活だったので、それくらいなら余裕だったんですよ。だから率先してホールへ行っていました。それに、行った先でお礼としてこづかいを貰えたんです。これは2~3件くらいまわったら良い金になるなぁと思って続けていました(笑)。

その内よく行くホールのオーナーに、「経営者の子供なんだから、経営感覚あるだろう?」って言われて、「あります」ってつい勢いで言っちゃったんです(笑)。それがきっかけで、そのホールの遊技台の整備をやるようになりました。

でも実際はデータの見方ひとつ分からないから、全て聞きながらやっていると、他の人が15分で済むところを2時間かかるんですよ。その話が店長からオーナーに行ったんですが、オーナーは私が丁寧に仕事をしていると勘違いしたようで(笑)。それがきっかけで他店のオーナーにも紹介してもらい、最終的には3店舗まわるようになっていました。

では2年間の修行後、御社に入社されたんですか?

いえ、実際は途中で父に呼び戻されました。父と幹部の人たちと簡単な入社式を済ませた後、父と15分くらい話をしました。話が終わったら父がおもむろに実印と銀行印を僕に渡して、『後は好きにしろ』って出て行っちゃったんですよ。その15分が引き継ぎ式でしたね。

それから父は死ぬまで会社の敷地をまたぐことはありませんでした。

ではその際に社長に就任されたのですか?

阪神大震災前までは営業部長という肩書きでしたが、実際には経営は私に任された状態でした。

それは大変苦労されたのではないですか?

かなり大変でした。何をすればいいのかまったく分からないので、周りの従業員に聞きながらやっていたのですが、それが数日続くと、従業員が舐めてくるんですよ。これはマズいと思い、『俺の右腕になるのか、それとも辞めるのか決めろ!』って脅したことがあったんです。そうしたら全員辞めちゃいました(笑)。

誰もいないので次の日から店が開けられない状態で、どうしようかと思っていたら、夜中に1人戻って来て、謝ってきたんです。「今後真面目についてくるなら許すぞ」という態度は取りましたが、内心「助かった~」と思いましたね(笑)。その後もう1人戻ってきてくれて、どうにか営業することができました。

先代に相談はされなかったのですか?

何を聞いても『忘れた、好きにしろ』しか言ってもらえませんでした。ただ1つだけ、兵遊協青年部に入れというアドバイスは貰いました。青年部の先輩方に経営のことを詳しく教えて頂けたので、結果的にそれでかなり助けられました。

震災後に正式に社長になられたのは何か理由があったのですか?

経営も軌道に乗り、アクセル全開でいこう!と勝負をかけていた時期に震災が起きたんです。被害を免れたのは1店舗のみで、建設中の新店も含め、系列店はほとんど壊滅状態でした。

他にも別の事業を行っていたのでどうにかなるという気持ちはありましたが、このままではマズいという危機感から覚悟を決め、会社関連で名義が父のままになっていたものをすべて自分にしました。

いろいろな事業をされている中で、パチンコ事業のおもしろさは何だと思われますか?

他の事業では一流大学出身者を新卒で採用する事があるのですが、その社員たちは最初から私よりもレベルが高い(笑)。もちろん教育はしますが、もう既にある程度のレベルにあります。

パチンコ事業の社員には教えなくてはいけない事が多いのですが、これまで社員教育があまりされてこなかったと感じる面があります。でもその分伸びしろがありますし、教育の場を与えて人生や自分自身を見つめる機会を作ってあげると進歩がものすごく早いんです。そういうところがこの事業のおもしろいところですね。

従業員の方たちが育っている実感はありますか?

非常にあります。以前は社員の間でパチンコ=サービス業という意識は低かったのですが、今はずいぶん意識が高まっていますね。そういった成長を実感できるのも楽しいです。

私は全ての仕事はサービス業だと考えているんですよ。だから社員には、もっとお客様との接点を増やし、会話をして関係を築いていこうという話をしています。

今目指していることや、目標にしている事はありますか?

社員のモチベーションを上げる方法は何かと考え、ポストが空席だらけの組織図を作ったんですよ。今までになかった役職を設ける事で、社員がこのポストに就きたいとがんばるようになるかなと思っての事でしたが、目に見えてみんなの目が変わりましたよ。今はこの組織図を全部埋めるのが目標です。

単に役職を増やしたいのではなく、今の組織図のポストが埋まるようになれば、みんな人間として成長していると思います。さらに新しい社員が入ってきたときに、その人たちが成長するためのポストを用意したいので、役職はどんどん増やしていこうと思います。

素直で頑張り屋が多いのですが、頑張り方を分かっていない人間が多いんですよ。 目標を達成するためにはどうしたらよいか、闘いに勝つためにはどうすればいいかを短期的に考えるのではなく、長期的に考える事を覚えさせる事も大切だと思います。

それを継続させるためには、営業所もポストも増やさなくてはならないし、当然利益も出さないといけません。私自身のモチベーションになっています。

社員の方とのコミュニケーションはどのように取られていますか?

毎週1回は勉強会で社員たちに話をするようにしています。1年半前から毎日40~50本ほど、社員からボイスメールで報告を受けているのですが、話すテーマはそれを聞きながら考えています。

例えば「部下をまとめる上司としての考え」についてです。部下が言う事を聞かないとか、愚痴を言うのは簡単だけど、愚痴というのは自分が駄目な人間だと宣言しているようなもの。他人のせいにするのではなく、自分の事に置き換えて、人のためにどうしたら良いかを考える事が道徳であり、それこそが強者の考えだ、といった話です。

うちは飲み会も多いですよ。幹部には毎月飲み代を渡して、使い切れなかったら罰金を取っています。酒を飲んで本音を言い合う事で普段分からなかった事が見えてきますから。みんなが話やすいように、店選びなどを工夫してくれればランチでもいいんです。どの幹部が誰を誘ってどのような話をしたかを把握する事で、評価にも反映させる事が出来ます。

普段は上司と部下が同じ高さの目線で話す事が出来ないですから、業務としてそういう機会を作ってあげたいと考えました。最初はお互いに目線を合わせたフリだけでもいいんですよ。それを10回続ければ本物になりますから。そういう機会を増やしてあげたですね。

現場での話や、飲み会もそうですが、積み重ねが結果を生むと思います。僕の右腕としてやってくれている社員は、50歳前にして急に変わりました。元々の能力は僕より高い。僕が気づけた事ならいつか気づくだろうと確信していました。人間は変わる瞬間があるんです。

今の若い人は、元々の能力は高いと思うんです。ただ、スイッチがどこにあるのかが分からない。そのスイッチを見つけてあげて、オンにしてあげる事が大事なのかなと思います。自分のために頑張り、そして最後には人のために頑張れるようになって欲しいですね。

ありがとうございました!

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