パックエックス通信

株式会社共栄、増田光均社長 TOPから学ぶ

増田光均/株式会社共栄 代表取締役社長。パチンコホールグループを経営する傍ら、日本青年会議所の支援団体・アミューズメント部会の代表を務め、今年のテーマである「アミューズメント力で日本を元気に」実現に向けた活動を行う。現在はパチンコ業界だけでなくアミューズメント業界全体に裾野を広げ、店舗視察や著名人を招いての講演会などを主催し、情報交換を活発に行っている。

今週のパックエックス通信は株式会社共栄の増田社長のインタビューです。新卒でリース会社で3年間働かれた後、販社へ転職。全く別の業界で働かれた理由や社長として大切にしているものをお聞きしました。

本日はよろしくお願い致します。まずは株式会社共栄の社長に就任された経緯からお話を伺いたいと思います。

30歳の時に父親である前社長から社長を引き継ぎました。今年で40歳になるので、ちょうど10年目ですね。

社長を継ぐというのはいつ頃から意識されていたんですか?

小学校高学年くらいです。家族の中で男は自分だけなので、自分が手伝うのだろうとなんとなく思っていました。学生時代に父親が経営するホールでアルバイトをしたのですが、それもホールがどんなものか関心があったからです。他店に派遣スタッフとして働いていたこともあります。ちょうど業界の変換期といえる時期で、たくさん勉強させていただきました。

大学卒業後入社されたのですか?

いえ、最初はリース会社に就職しました。大学3年生くらいになって、自分には他に何が出来るんだろうと思い始めたんです。周りの友達が就職活動を始めだした頃だったので、友達がどんなところに就職するのか気になりましたね。このままだと自分の考えは狭いのではないかという意識が芽生え始めました。

そこで自分は何がしたいのかもう一度よく考え、マスコミ業界で何かを作り出すような仕事をしたいと思うようになったんです。しかし、何社か面接を受けましたが、どこからも内定はもらえませんでした。周りの友達はしっかり就職活動の準備をして成長しているのに、自分は遊んでばかりで危機感が無かった事を痛感しました。それがきっと面接でも現われていたのだと思います。

その後、会社を経営するためには金融を勉強する必要があるという考えから、金融業界を受けるようになり、銀行とリース会社から内定を頂いたのですが、リース会社の方に入社することにしました。

まったく別の業界で働くというのは珍しいですよね。

関わりのない業種をやってみたかったんです。世間が狭かったと大学時代に感じたので、自分自身を開拓したかった。知らないことばかりで大変でしたけど、その分楽しかったですね。

何年くらい働かれたんですか?

3年です。最初から3年とは決めていたわけではないのですが、仕事は集中してやりました。リース会社なのでパチンコ店の負債の情報なども入ってくるんです。やはりパチンコ店の情報は気になりましたね。おかげで自社についても客観的にみることができました。

3年目くらいのときに、金融の世界で勉強したことをパチンコ業界で活かそうと、退職することにしました。

リース会社を退職された後に御社に入社されたんですか?

いえ、販社に勤めました。違う角度からパチンコを勉強したかったんです。その後共栄に入社しました。

その頃苦労したことは何ですか?

自分が思い描いている店舗運営と現実とのギャップを感じたことですね。特に気になったのはスタッフの対応でした。お客様、販社さんや営業さん、上司が部下に対してなど、改善すべき点があると感じました。

アルバイトとして働いている頃から、スタッフがいきいきと仕事をしてくれるような職場にしたいと意識的に考えていたんですね。だから特にそういった部分が特に気になりました。周りはあまり危機感を持っていなかったですが、3年先、5年先を考えると、このままではだめなのではないかと思いました。大きく言うと社風を変えていかなくてはいけないと感じました。私が違う業界に勤めたからこそ感じる事ができたのかも知れません。

当時は社長のお考えに共感される人は少なかったということですか?

最初はいなかったですね。言い続けることで徐々に増えていきました。1店舗目で店舗オペレーションが分かるようになり、2店舗目で働き始めた頃から、自分の考えを伝えていくことができるようになりました。

その当時、お店を良くしていきたいという気持ちを強く持ってくれているスタッフがいたんですよ。そういう人が育ってきたことは大きかったですね。自分の心が折れそうになった時も、そういう仲間がいるとよりよい会社にしていかないといけないと思います。

その後副社長を経て社長に就任しました。最初に社長になるという話をもらった時は、まだ自分には早いと思って断りました。社長就任を決めたときも実力不足だと感じていましたが、決意があればできると信じて引き受けました。

社長になって変わった部分はありますか?

やはり社員の人生を預かるわけですから、社員を大切にしないといけないという使命感や、企業を継続していかなくてはならないという意識が芽生えましたね。<それまでは社員やアルバイトが急に辞めてもしょうがないと割り切っていた部分もあったのですが、社長になってからは自分自身に原因があるのではないかと考えるようになりました。私自身の魅力や、経営手腕がまだまだ足りないことを痛感し、自分が変わらなければいけないと感じました。

辞めていく原因として1番多いのは人間関係なんですね。社員が楽しく仕事ができ、成長できる環境に整えたいと考え、今年の2月から「共栄共有プログラム」を始めました。

毎月3日間の講義をするんですが、全員一緒には難しいので、社員を3つのグループに分けて行っています。

講義はどのような内容ですか?

私自身がTA(交流分析)を勉強して、社員に講義をしています。社員にはエゴグラム(性格診断法)をつけてもらい、自分を知る、相手を知ることで不要な誤解を取り除いて理解し合えるよう努力しています。

その他には、経営理念、ビジョン、組織論、権限と責任、社員の心得、計数管理、マーケティングなどの講義です。経営理念は私が話しますが、その他は担当を決めて話をさせています。講義をしようと思うと勉強しないといけないので、講義を聞く側だけでなく、する側も成長できるんです。

本番前に練習会(経営幹部が講義を聞くリハーサル)を行っているのですが、予想以上によい講義をする社員もいますよ。そこで改めてスタッフを評価できるし、私たち自身も勉強になります。

12月には区民ホールを借りて社内発表会をする予定なんです。社員を6グループに分けてそれぞれお芝居や音楽、地域清掃の活動報告など、自分たちで決めた出し物をやって、それをアルバイトスタッフに観てもらうという企画です。

『最高のサービスを』と言っても口だけで終わってしまうので、まずはアルバイトに体感してもらいたいと思っています。表現方法は何でも良いので、観に来てくれたスタッフが楽しかったと思える事をグループそれぞれ自由にやらせようと思います。

グループというと、店舗ごとに分けるのですか?

店舗ごとだとどうしても縦割りの関係になってしまうので、横の繋がりを深めるために各店舗から1人ずつ集めてやらせています。人間関係をよくしろと言っても、なかなか難しいですよね。だからコミュニケーションを取れるような仕組みをバランス良く合わせて作ってあげないといけないと思っています。効果がすぐに表れるものではないですが、こういったことを続けていくことで社風は改善されていくのだと思います。

今年は身内だけですが、来年は大きいホールを借りて、お客様や地域の商店の方を招待したいと思っています。お客様との繋がり、地域との繋がりがあってはじめて、地域密着型営業として確立されるものと思っています。

実はさらに、その次にやりたい事も決まっていまして(笑)。大和川で花火を上げたいと考えているんです。地域の町内会さんや所轄の警察を始めとした協力が必要ですので、そう簡単ではないと思いますが。実はマネージャーの1人が発案者なんです。私は是非一緒にその夢を叶えたいと思っています。

ここ最近社員が自分の持っている可能性に気づき、自信を持てるようになってきているんです。だから新しいことにチャレンジさせてたいですね。せっかく人生の中の大事な時間を会社と共有してくれているので、色んな経験が出来る場所にしていきたいと思います。

増田社長が日頃大切にしていることはなんですか?

感性を大事にしたいと思っています。理論や理屈も大切ですが、人が発信している内なる想いに気づいてあげる事が重要だと思います。

業界が成熟期の中で、変革と創造を行うためにはリーダーシップが必要です。社員には、リーダーシップをどんどん発揮してもらいたいですし、合っているか間違っているかは別にして、自分が思っている事を発信できる会社にしていきたいです。

最後に読者の皆さんへメッセージをお願い致します。

ピンチはチャンスとよく言われますが、その通りだと思います。広告規制の問題などありますが、射幸性に頼る営業からの脱却というの考えは健全だと思います。それらを否定的にとるのではなく、チャンネル(考え)を変えて自分たちができる事を考えるべきだと思います。

お店で働くスタッフがお客様にどんなメッセージを伝えているかが重要で、店長はもちろん、そういった部下を育てる事が大切な事ですね。我々自身がお客様に影響を与える存在となる事が、将来につながっていくと思います。

繁盛店には、お客様が行きたくなる理由が必ずあります。その答えはお客様が持っているものですので、それをいかに見つけ出すかですね。例えばお客様がスタッフと話すのが楽しくて来店してくださるとか、お客様に明日への活力を感じて頂ける場所にしていく必要があると思います。これからのパチンコ業界では、そういった「価値の創造」をしていける、リーダーシップを持った人材を育成していくことが重要だと思います。

経営者も万能ではありません、スタッフ皆の力が必要です。特に店長の力が必要だと感じています。そういう意味でも店長の皆さんには、自信を持って経営者に対してはもちろんの事、部下に向けても、どういった店づくりをして行きたいかを発信して欲しいと思います。それがお客様にもつながっていきますから。

本日はありがとうございました!

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