パックエックス通信

ボネールグループ、福井章社長 TOPから学ぶ

福井章/ボネールグループ 代表取締役。昭和58年以降、ホール運営に積極に参画し、大阪・神戸に7店舗まで拡大。昭和63年にボネールグループ代表者に就任。過去にはアメリカのホテル買収を始め、様々な事業を展開し、現在も不動産業・飲食業・遊戯事業など多角的に経営展開を行っている。

今週のパックエックス通信はボネールグループの福井社長のインタビューです。トップとして心掛けていることや今後力をいれていきたいこと等をお聞きしました。

福井社長、よろしくお願いします。まずは、トップとして心がけていらっしゃる事を教えてください。

現在の自分や会社の価値を常に把握することに気をかけています。挑戦と進化というのが当社の理念でもありますが、挑戦し進化することでお客様は新しい価値を感じる。会社に進化がないと、新しいサービスも提供できないし、会社が進化するためには自分やスタッフも挑戦して進化しないといけないと思います。

今はバブルの時とはお客様の価値観も多様化していると感じます。お客様が何に価値を求められているか、その価値にいかに応えられているか。当たり前のことのようですが、そんな当たり前のことを日々真剣に考えていくことが大切だと思います。

逸早く情報を掴んで、それを素早く噛み砕いて現場に反映させられるか。常に一歩二歩先を考えないといざとなったら、後がないということになり兼ねない。営業は企業価値をいかに上げるか、これを会社の方向性として考えていかなければいけないですね。昔みたいにどんぶり勘定では成り立たない現状ですし、日本全体の経済がそうですから。

それぞれの価値を見出せるかが、とても重要になってきますね。

そうですね。例えば事務所の雰囲気も今の場所に移ってから変わりました。数年前までは旗艦店の隣に本社事務所がありましたが、低貸営業が広がりつつある時にこのままではまずいと思い事務所部分を改装して店舗増床を行いました。そして本社を大阪のビジネス街のど真ん中に移しました。店舗の近くに本社を置くことも考えましたが、パチンコ以外の事業の模索もしていかないといけないと思い、あえて金融・不動産・IT等等まったく違った分野の情報が入ってくる環境に身を置きました。

結果として本社スタッフの視野も広がったと思います。営業店舗の状態を客観的に見ることができるようになったんじゃないかなと感じています。働く場所によっても物の見方が変わるし、考え方も変わる。

それに、若い顧客層の創造ができる業種ではないですから、今後伸びる業界かどうかも分からないと将来を危惧しています。今ソーシャルゲームに夢中な若い人が、パチンコに流れてくるかといえばそうともいえない。流れてもパチスロでしょうが、カジノができた時に現在のパチスロは通用しなくなるかもしれない。色んな外部環境を大局的に捉えて、地道に営業を続けていくしかないです。本当に世の中、全てのものの価値の幅が広がったと実感しています。

社長の口癖などはありますか?

一つ目は「天の時 地の利 人の和」ですね。

時代やタイミング、立地、そして頼れるパートナーやスタッフ、これら3つが揃って物事が成し得るということでいくら頑張っても1つ欠けるとダメだということで、まさにその通りだと思います。

二つ目は「気を遣う人間ではなく、気が利く人間になれ」ですね。

気を遣うと自分も相手も疲れてしまう。気が利くというのは最大の褒め言葉だということです。気遣いはできますが、気が利く人間にはなかなかなれない。

そして三つ目が「手仕舞いせねば、雨が降る」という言葉です。

これは私が若いときの恩師に教えられた言葉で、つまり「出来ることは今やっておけ。そうしなければ次の日には状況がガラッと変わってしまって、もう手遅れになってしまう。」ということなんです。たった一日の差で人生が変わることもあるのです。

社会問題になっているパチンコ依存症についてはどう思われますか?

僕は単純に依存症と一言では言い切れないと思っています。パチンコ依存症の相談窓口であるリカバリーサポートの代表者である西村さんという方に、僕は実際会いに行ったことがあるんです。西村さんは、「彼らが病気になるような家庭環境がまず問題」だと言って、依存症になるような環境にないか、まず調べるんです。調べる時に電話されるのですが、2時間くらいずっと話を聞いてるんですよ。それを横で見て大変な仕事だなと思いました。

遊技に来店されるお客様が全員依存症になっている訳ではないので、やはり依存症になられた方の置かれている生活環境も少なからず依存症に影響していると私も思います。ただ、お客様ひとりひとりの生活環境まで把握することは不可能なので、正直、依存症の方を見極めて注意を促すとか、本当に難しい問題だと思います。最近はあまりにも過剰に遊技しているお客さんがいらっしゃるとできるだけスタッフから声掛けするようにしているのですが、今後お客様の反応をスタッフから吸い上げて声掛けの方法とか検討していくことは多々あると思います。警察でも大きな問題とされているようですので、引き続き業界全体で対応策を模索していくしかないと思います。

ただ、パチンコ絡みの事件が起きると、パチンコが原因だとマスコミが誘導する傾向が強い気がするので、その辺はもう少し慎重にお願いしたいと思いますが。

パチンコホールを経営される以前から飲食店はされていたんですか?

元々親父が15店舗ほどレストランやっていましたが、人間は1日2~3回しか食事をしないのに、そのタイミングだけを狙った商売では正直儲からないと思いました。それでパチンコ業界に入ったんです。僕がパチンコ屋をやるといったら、最初オヤジも反対しましたが、最後は好きにしろと言われました。

今現在、飲食店は1店舗だけ創業の地で営業していますが、やはり状況は厳しいです。スタッフもおりますし、何とかしなければと思いますが。

会社規模はどのくらい拡大されたいと思っていらっしゃいますか?

店舗数は今くらいがちょうどいいですね。あまり店舗ばかり増やして借金が増えても仕方がないし、社会情勢も見ないといけないし。店舗が増えたからといって、企業が大きくなったわけではないと私は思っています。

店舗数より経営の基盤をしっかりと築くというのが私の考えで、機械を手形で買わず現金で買うとか、そのようなこと一つ一つを確かめながら運営できるように変えてきました。いつどこでお金が入り、いつどこに支払うか。これらをしっかり管理することが基本ですね。簡単なように思えるかもしれないけど、結構これが大変なことなんですよ。

店舗を増やしたいとは思われませんでしたか?

ありましたよ、バブルの時代は借金も資産のうちというほど今では考えられない状況で、店舗を増やすだけ増やして借金が莫大に膨れ上がりました。それらを返済していくことの苦しみを嫌というほど味わいましたので、今は新たに借入してまで店舗を増やすという計画はないですね。

昔、某大手スーパーの3店舗の家主をやっていた時代は、数億という借金は簡単にできましたからね。そのスーパーも倒産の危機に陥り、その時に「本当の資産てなんだろう」と考えました。その時に小さくなることが、一番資産を大事にするという事になったんです。

福井社長の考えはどのように社内へ伝えていらっしゃいますか?

月2回の店長会議です。もちろん店舗に顔を出して個別に話をすることもあります。うちの店長によく言っているのは、機械を買う時に自分たちがどう活かしていくのか、いかに価値のあるものか、よく考えなさいという事です。そのお店の特色に合わせて買うものを考えないといけないですよね。

周りに釣られて買った結果、ダメでもしょうがないなんて言ったらキリがないですから、そんなこと言う店長はクビですわ(笑)。あと営業部とは夜にその日のデータが出ると電話して明日の方針を話したりします。営業部は6人いますが、店長も含め会社の収支をみんなが把握していないとダメですね。

そこで、大事になる事はどんな事だとお考えですか?

経営者は内に入るより外から会社を見ていた方が、社員が気づかない事にもアドバイスできし、無駄な指示をせずに済みますし、ポイントを的確に大きい視点から指示を出せると思います。

今後やっていきたい事業などはありますか?

やっぱり、パチンコ以外に事業の柱を作ることです。富士フィルムやシャープもそうですが、フィルムや液晶が売れなくなった。では、他に価値のあるものをいかに見いだせるか。富士フィルムは化粧品や他の精密機械に幅を広げて業績を伸ばしている。社長は、フィルムがなかったらどうやって、やっていけるかというのを考えろと社員に言ったそうです。

フィルムの会社というタガを外して、10年先まで考えてどうするか価値を他に見出せた結果ですよね。パチンコを否定するわけではないですが、パチンコがなくなる可能性もあるという前提で話しています。今ある組織が他の業種で働いていても、なんらおかしいことはないと思います。

お陰様で財団法人の理事やアドバイザーなど様々な業界からお誘いを受けているので、他業界の情報を聞く機会が多くなりました。例えば地域の消防活動の繋がりから、電力会社の社外エネルギー団体のメンバーにも誘われたり(笑)。日遊協の皇居勤労奉仕に団長リーダーとして4日間参加した時には、天皇陛下皇后陛下にお声を掛けて頂いたり。スケジュールは大変な時もありますけど、何らお互いに利益を求めてだけ会うということばかりではないので、逆に色んな情報を教えて頂いて楽しんでるところもありますよ。

とてもお忙しそうですね!

忙しいといっても、本業以外の業界活動にもお誘い頂けるのは恵まれていると思いますね。この業界をどうしようと考える時にも他業界の情報などが役立つ時もありますし、大局的に考えるためには忙しくてもこういった人たちとの交流は欠かせないと思います。

他にはどのような事に力を入れられていますか?

スタッフの育成には気をかけています。小さい会社ですが、なんでも出来るようになってもらいたいんですよね。
今の時代専門性を求める若者も多いようですが、やはり視野を広く持っておかないとどこかで行き詰った時に対応できなくなったり、若いうちに幅を持たせてあげたいというか。だからマニュアル通りに動くための教育とはちょっと違うんです。

そういうベースがあって、みんなに言うのは、自分の役割を示せということで、示さなければどこに行ってもダメだという事です。役割というのは自分で見出してアピールしていくことも大切です。その為にも自分の幅を広げていって欲しいです。

読者へメッセージをお願いします。

今業界を取り巻く環境は決して良いといえる状態ではないと思いますが、お客様のパチンコに対する価値観を理解しながら、営業を維持していければと思います。特に若い世代には自分の価値・会社の価値・今やっていることの価値・これらを考えながら、パチンコだけではない柱にもどんどん目を向けていって欲しいなと思います。

ありがとうございました!

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