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株式会社金馬車、高濱正敏社長 TOPから学ぶ

高濱正敏/株式会社金馬車 代表取締役。 昭和47年早稲田大学政経学部卒業。大手レストランチェーン入社を経て、昭和51年に株式会社金馬車入社。フード総括本部長を務めた後、昭和53年取締役に就任。同62年4月専務取締役、平成7年7月取締役副社長就任。同12年代表取締役社長に就任し現在に至る。更生保護法人茨城保護観察協会副理事長、更生保護法人有光苑理事、一般社団法人日本遊技産業経営者同友会理事相談役、ライオンズクラブ国際協会333-E 地区名誉顧問会議長、日立市観光協会監事など公職に就く。

こんにちはPX通信編集部のとみおかです。今週は茨城県を中心に・関東に20店舗を運営されている株式会社金馬車の高濱社長です!

御社のパート、アルバイトの方の評判がいいとよく耳にしますが、何か特別な事をされているんですか。

当社はパートとアルバイトをクルーという呼び方をしています。クルーの中で一番高い役職をスイングというのですが、社員が居ない場合でもお店を回せる教育を行なっています。

クルーの研修はマクドナルドの研修を参考にしています。パーラーの時給って高いじゃないですか、最低でも時給千円はある。そういう高い人件費を使って採用しているわけですから、採用されたからにはそれなりの仕事をしてもらわないと困るわけです。だから当社は徹底的にクルーを研修しています。これから入ってくる人に対しては、毎月1回本社に集合してもらい、昇格時も本社で直接辞令を渡す、そんな対応をしたいと考えています。クルーの教育をしっかりすれば、人件費も下がると思いますよ。なんだかんだ言ってここは当社の強みですから、今まで以上に強化していこうと思っています。

昨年は「セル」という女性社員の役職をつくりました。顧客満足と従業員満足、これらを両方達成しようというものです。

当社のクルーの6割くらいが女性なのですが、店長は男でしょう。そうすると店長に女性店員はなかなか相談できないんですよ。

そこでセルの女性がクルーの相談にのって、従業員満足を達成しようと考えたんです。年間セルを育成してきましたが、まだ5人しかいない状態です。考えてみたらまだ24~25歳の女の子ですから、様々な年齢・環境のクルーをまとめるのは難しいんですよね。

そこでクルーのスイングの中でもセルを作ろうと今考えています。店舗で起きた問題は店舗で解決できるようにしないと、円滑な運営は難しいですよね。そしてこれらの計画が進めば、もっと企業として成長できる気がします。こう思うとやることって限りなくあると思いますね。

よくパートアルバイトさんを成長させる仕組みをここまで作っていることが凄いと言われるんですけれど、実際はまだまだ足りない点もたくさんあるんですよね。

パチンコホールというものはどのような場所だとお感じでしょうか。

パチンコホールは、その地域の老若男女のストレスを発散させる力を持っていると私は思います。自己実現ができるものと言ってもいいですよね。パチンコをすることで力が湧いてくる、そういうものだと思います。だから少しくらいパチンコにのめり込んだっていいと思うんです。こう考えると、パーラーは本当に庶民のささやかな楽しみの場所ですよ。営業も真摯に行えば、お客様も楽しめますし、人と人が触れ合える場所にもなる。

震災のときにこの部分を凄く実感しました。日立の店舗が1店舗、海岸線の近くで津波の影響を受けまして。店舗は大丈夫だったのですが地下のキュービクルが全部飲み込まれてしまったんですね。

停電と断水、そしてキュービクルの復旧に1ヶ月くらいかかってしまったんです。この間に「まだお店を開けないの?いつ開店するの?」と毎日いらしたお客様もいらっしゃいました。いざ開店すると「俺たち他に遊ぶところがないからさ」とおっしゃるわけです。そして店舗では「無事だったか」と確認し合う人達、まさに地域コミュニティですよ。「やっぱりこれがパーラーの姿だよな」と感じました。これがパチンコの道であるし、基本だなと。こういう姿を見て、うちの企業の体制を見直したところもありますね。

今後どのような店舗作りをしていきたいとお考えでしょうか。

癒しを得られるような遊技環境をテーマに、店舗作りを行いたいですね。今のパーラーって閉じた雰囲気があるので、もっと気軽に入れるような雰囲気にしないといけないですね。最近は全店に花壇を設置しました。スタッフが花を管理できるかという問題もありますが、それも教育だと思うんですよね。きちんと栽培できるのであれば、接客もできるだろうし。

日立市の観光協会監事もされているそうですが、こちらではどのような活動をされているのでしょうか?

こちらも先代がずっとやっていまして、同友会と同じく10年ほど前から行なっています。花火大会など、もっと地域密着を意識し皆さんが参加できるような仕組みを作った方が良いと訴えているのですがなかなか現状は変わらないですね。理事は現在20数人いるのですが、来年の任期までに理事をはじめとした組織を全て変えようと思っています。

日立にはくめ納豆や梅まんじゅうをはじめ名産がたくさんあるのですが、宣伝がヘタなんですよ。外にあまりアピールしようとしない。それではもったいないということで、私は色々な所で皆さんに商品をご紹介し、アピールをしているんですけどね。

同友会に入られてどれくらいになるのでしょうか。

平成12年1月に先代が脳梗塞で倒れました。当時同友会の理事をしていたので、その代わりということで理事会に出席するようになりました。そこからなので、12年ほどになります。

同友会では、我々も含めみんな情報開示しています。台の品質管理方法や、どうやって稼働をあげてるだとか。業界を良くするということは自分の企業を良くするということですからね。それぞれの企業が強くならなかったら、結果的に業界は強くならないですよね。最近の同友会は若い人が多いし、そういう面でも色んな意見を聞くことができて面白いですよね。

昨今の現場について、何か感じるところはございますか。

現場の人たちは、粗利を凄く意識していますよね。粗利がないと会社が存続できませんし、非常に大事なことではあります。弊社としては、「数字を合わせる」という考えが前提となっており、売上は落ちても粗利は同じ額を確保しようという考えでした。

でも僕はいつもお客様は敏感だよって言うんです。このような経営を続けてはいけないとずっと言ってきているのですが、一部の店舗はまだ続けているんですよね。なぜ続けるのかというと、粗利はコントロール出来てしまうからなんです。ここが重要なところで、ほかの商売は粗利をコントロールできないんですよね。

小売業の場合、それぞれの商品の粗利率は決まっているので、店長が粗利率を変えるとすれば、利幅の多いものをたくさん売るということしかできません。ところがパチンコの場合は、それぞれの機械である程度粗利をコントロールできるので、そこだけを注視してしまう、しかしそれではダメだと思うんです。ようやく最近このような考えも変わってきてはいますが、中間層が粗利だけは確保すると言い張る、そういったところがまだありますね。

大幅な社内改革をされているそうですね。

当社では毎月店長会議をしているのですが、不振が続いている機種があったので、状況を聞くと「え?」という反応をしたことがあったんです。自店舗の数値を把握していないんですよね。

店長が自店舗のデータを全て把握しているのは当たり前なのですが、それができていない人が多いんです。

昔は店長自ら台の品質管理をしていましたが、今は店長職とは別に、品質管理のスペシャリストというポジションを作って、その業務してもらっています。平成8年~11年の4年間で9店舗オープンできたのは、この方たちがいたおかげなんですが、一方で店長が実務を疎かにしがちになってしまったんです。

そういった現状に対してどのような改革をされているのでしょうか?

昨年業務改善委員会というものを設立しました。委員会メンバーが各店舗を回ってどのような業務をしているのか調査をしたところ、様々なことがわかりました。店長の実務が少なく、どうでもいいことばかりやっていたんですよ。売上と利益に繋がるような仕事を店長がしないといけないと強く思いましたね。今改善を進めている状態です。

2年ほど前からもっと自ら動くように言い続けたのですが、なかなか直らないですね。店長もホールに立ってお客様とお話しながら情報をいただきなさいと伝えています。

「店長は高尚な仕事をやる」という風潮が自然に定着してしまったんですよね。これではダメだなと。目線をもっとお客様に向けないと・・・私は今痛烈に感じています。

社員一人一人から改善提案を出してもらえるように、私に直接連絡が繋がるホットラインも作りました。

昨年からは店長のデベロップメントプログラムを組み、ステップアップするにはどのような業務をすればいいのかというのをまとめました。これまで店ごとだったOJTも、会社全体で統一化しようと動いている最中です。

僕は金馬車の常識は、他の会社の非常識だとよく言うんです。他の企業では店長自ら台管理をするし、自らホールに出てお客様の動向を見ながら業務をしている。うちはそうじゃない、みんな部下におまかせ。この現状を変えるため、改革を始めました。

今まで降格ということはしてこなかったのですが、今は業務を遂行できない店長は降格すると伝えています。全部が全部ではないですが、気がつくとものすごく甘い体質の会社になってしまっていたんです。やはりここはメスを入れていかないとダメだと強く思っています。

もちろん優秀な社員もいますし、全員が全員頼りないというわけではないです。新卒採用の際もきちっと人間性を確認し、適性検査もしていますからね。みんなある程度のレベルはあるのに、仕事に対する熱意・・・無茶苦茶やってみるとか、そういう熱い部分が足りない人が多いんですよね。パッと見の応対はいいので、外部の人にも評判はいいんですけどね。中を覗くとまだまだ足りない部分が多いです。

こういう現状になったのはマンネリ化も原因のひとつなんですよ。新しい店舗が増えていない中、自分の立場、役職、業務に変化がなくマンネリになってしまう。このような状況が広く伝染してしまった部分もあるかと思います。

しかし店舗が増えなくても社員が成長することは可能なんですよね。厳しい時代ではありますが、伸びている店舗は店長がいいです。多業種のチェーン店などは、店長によって業績が全く違うということはあまりないと思うのですがパチンコ店だけは違いますよね。店長がお店の業績を左右する割合が高いと思います。

最後に座右の銘をお聞かせください。

孟子の言葉で「天が人に指名を与える時には、窮乏させたり体を痛めたりやろうとすることをことごとく失敗させたりする。しかしそれはその人が物事を達成するための試練である。物事を成就させるための訓練なのだ」というものですね。

厳しく、辛い目にあっているときには、天がその人を試しているのだから、やり遂げれば必ず希望が見えるという意味です。この言葉に勇気をもらっています。

ありがとうございました!

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