TOPから学ぶvol.51
富國物産株式会社 薛 博夫 常務取締役 前編

今週は埼玉県内に4店舗を運営されている富國物産株式会社の薛常務です。
前編ではパチンコ事業を立ち上げたきっかけ、苦悩、理念やビジョンに対する考えをお伺いしました。

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プロフィール
薛 博夫さん
富國物産株式会社 常務取締役 ( http://www.fukokubussan.com/index.html )

一般社団法人 日本遊技産業経営者同友会 副代表理事( http://www.e-pachinko.com/index.html )

機械商社の営業を経て富國物産株式会社へ入社。現場を経験し、その後、常務取締役へ就任。同友会の副代表理事も兼務され、業界の成長発展に尽力されています。

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―薛常務、本日は宜しくお願いします。早速ですが、まずはパチンコ事業を始めるきっかけをお伺いできますでしょうか。

パチンコ事業を始める前は貿易と不動産の会社でしたが、世代交代があり、新たな事業を行おうという転換期があったんです。
当時の専務(現社長)も色々考えたようで、アメリカまで行って患者さんをお客さんとして扱うような病院を見て、医療関連をやろうと思ったり、知り合いのパチンコ店を見学させてもらったり、色んな選択肢の中から、たまたまパチンコ店経営を選んだようです。

―薛常務はパチンコ店の立ち上げ前から会社にいらっしゃったんですか?

その時は、自動車メーカーに機械を降ろしている商社で営業をしていましたが、お店を創るから戻ってこないかと声をかけられました。

―そうだったんですね。戻ると決めてからはどのようなことをされたんですか?

開店の直前だったので、1週間釘の学校に通った後、いきなり社員の採用面接。
私も素人でしたが、全員素人で新しい店を創ろうと決めていましたので、主婦を中心に未経験者を採用しました。
面接などしたことがなかったので、誰を採用すればいいのかもわからなかったですけどね(笑)。
採用後は社員研修をしなければなりませんが…当時は研修をしてくれる会社もなく、僕自身もパチンコ未経験で教えられる状況ではありませんでした。
それでも、研修プログラムを自前で作り、公民館で勢いだけの挨拶の練習などを行いました(笑)。居酒屋さんでの入社式も印象的でした。ま、ドタバタですね。

-やはりその当時が一番大変な時期でしたか?

振り返るといつでも、「今」が一番大変な気がします。
今生き残るにはどうすればよいか、と。確かにお店をオープンして一年間の記憶は強烈に残っていますが、それも楽しい思い出で、結局いつでも一番大変なのは今現在のような気がします。

―なるほど。確かにそうかもしれませんね。では質問を変えさせて頂きますが、現在会社または経営者として、特にどういったところを大事にしていらっしゃいますでしょうか?

我々がパチンコに進出した時は基本的には素人でした。
素人なら素人なりにサービス業、レジャー業としてやっていこうという風に考えていましたので、パチンコの常識にとらわれず、他業種にも学ぼうと考えました。

社員には一流のビジネスマンになれと言っています。当社には、紙に書いた「社訓」や「理念」はありません。そういうものがあると読み上げてしまい身につかないと社長が言っています。
先日の社員研修でも、我社の良いところは何か?を、社長が社員一人一人に聞いていました。
「嘘をつかない営業」「ロボットになるな」だとか、いろんな合言葉が社員の口から出ていました。
実務の中から理解して、合言葉という形で、会社の理念が共有されていると思います。

―文字で理念を掲げないという方針は珍しいですね。以前、理念カードを持たせることが流行りましたが、その際もカードを作ろうといった動きはなかったのでしょうか。

ないですね。その分どう社員に伝えていくかというのが難しいですけどね。ですから日々の仕事の中で店長がみんなに話をするとか、先輩が後輩に伝えるということを行っています。
会議は長時間で、一つの事例をああでもないこうでもないと延々と議論する感じです。「手作りの営業」という合言葉もあり、トップダウンではなくてみんなで仕事のやり方を考える会社です。なので一番発言権がないのが社長なんですね(笑)。

―そのようなお考えがあったんですね。御社は離職率が非常に低いとお聞きしたのですが、なにか秘訣はあるんですか?

最初の10年くらいは特に離職率が低かったですね。
他の社長さんたちと話した時に、辞めた人間の名前を言っていたのですが、皆さんからは「辞めた人間の名前は全部覚えてないよ」と言われました。
ここ10年くらいは正社員から契約社員まで幅広く採用していますので、すべてを把握できませんが、確かに弊社は離職率は低いと思います。正社員だと50人社員がいて、ここ1年で辞めたのは1人かな。その1人は農業をやると言って、社員総会の檀上でみんなに胴上げされていました。出戻り率も高いですよ(笑)。
ただ、うちはマニュアルなどがないので即戦力になる人間をすぐに作れないですね。新入社員が即上手な接客が出来る店も多
くなりましたが、弊社はうまくできません。それでも2~3年いると最初は笑顔が出せなかった子でも自然と笑顔が出るようになります。先輩やお客様が社員を育ててくれているんだと思います。どうも形から入らないので時間がかかります。何事も本当にゆっくり進む会社です(笑)。

―続きは後編で!

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