パックエックス通信

ミリオングループ、三山哲緒専務 TOPから学ぶ

三山哲緒/ミリオングループ 専務取締役。東京でプロのミュージシャンを目指しながら、飲食業やホールで接客・サービスを学び、ミリオングループに入社後、それらを取り入れるべく、組織改革を始める。入社後1年で専務取締役に就任。仕組みやルールのなかった会社に様々な新しいチャレンジを取り入れ、組織化を進めている。パチンコ情熱リーグのプロモーション委員会 委員長を務め、アミューズメントジャパンに記事を連載中。

今回はミリオングループの三山専務です。環境整備チェックの導入など、組織改革や三山専務が考える会社の“スピリット”についてのお話を伺いました。

三山専務、本日は宜しくお願いします。ミリオンに入社されたのは2006年のこととお聞きしましたが、それまではプロのミュージシャンを目指していらっしゃったそうですね。

はい、東京で音楽活動をしていました。バンドを組んでいて、オーディションで準グランプリをとったり、いいとこまでいったんですよ!ただ、プロに近づき、関係者の人たちとの関わりが出来てくるにつれ、その業界の内情が見えてきたんですよね。プロの世界は売れてなんぼ。売れるためには、自分のやりたい音楽ではなくて、プロデューサーから言われたものを作ったり、やったりしなければいけませんでした。

僕が見たのはごく一部のことかもしれませんが、なんだか、自分がやりたいこととは違う、これじゃ楽しめないな、と感じて、辞めることにしました。それから、実家のパチンコ店に入ろう、と決めて戻ってきたんです。

音楽をやりながら、時給が高いし、実家もパチンコ店やし、ということで、ホールでアルバイトをしました。26歳くらいの時です。実は、その時が僕のパチンコデビューなんですよ。それまでは興味がなくて、一切やったことがありませんでした。バイトもしてるしやってみよう、と思って遊技して、勝っちゃったんですよねぇ。それからしばらくはまりましたね(笑)それが僕のパチンコ初体験。

ええ!そうなんですね!ご実家に戻られてからはどんなことをされましたか?

戻ってから1年間は、販社さんにお世話になりました。釘を覚えたり、業界の勉強をさせてもいました。その後、自社に入社し、部署も役職も、元々なかった「企画課長」というポジションを作ってもらったんですが、宙ぶらりんですよね。何をするかも何にも決まってなかったし、誰も教えてくれませんでしたから。

皆からしたら、跡継ぐ人やし、気を使うし。息子やからっていきなり入ってきて、何ができんねん。という思いもあったと思います。

とにかく人の仕事を見て、自分でやることを見つけていくしかなかったですね。この会社での自分の役割とは?何をするべきなのか?をずっと考えながらやっていました。

その当時の会社は古い体質の組織で、いわゆるトップダウンで動いている会社でした。そのせいか、自分で考えてアクションする、ということに慣れていない人、新しいことにチャレンジする、ということに拒否反応を示す人が多く、僕の提案もなかなか受け入れられない、ということが多々ありました。

例えばサービス、接客について。僕は音楽をやりながらパチンコホールやバーで働いていたのですが、接客には結構自信がありましたし、こうやったほうが絶対にお客様が喜んでくれる、もっとお店を好きになってくれる、という思いがありました。

それを自店でも取り入れて行きたいと、一生懸命提案していたのですが、当時の業界の常識、接客なんて通用しない、そんなものは必要ない、という固定概念から、まったく受け入れてもらえなかったですね。でもここ2年くらいで、だんだん変わってきました。すごく良くなってきています。

そうなんですね!状況が変わってきたのはいつ頃からでしょうか?

丁度30歳になる年に、専務取締役という役職をもらい、経営サイドに立つことになりました。より広い視野で会社のことや、自分の役割を考えて行かなければ、と意識するようになり、考え方も変わってきました。それまでは、言ってやらせようとばかりしていたんですが、まずは自分がやろう、と決めたんです。

だから、朝一にお店に出て、誰よりもいい笑顔で、誰よりも元気にお客様に挨拶をしました。会社の中で一番感じのいいスタッフになれる自信がありましたし、何より、お客様と接するのが好きなんですよね。だから楽しんでやれました。スタッフには、その姿を見て欲しかったんです。感じのいいサービスってこういうこと、笑顔ってこういう顔、仕事を楽しむってこういうこと、というのを、僕の姿を通して感じて欲しかったんですよね。ああだこうだ言うよりも、自分が出来ることをやる。その行動している姿こそが1番のメッセージになると信じていました。

トップ自らが行動で見せてくれると、言葉で言うよりもずっと響きます。サービス面の他にも、色々と改革されているんですか?

最近、環境整備チェックというものを導入しました。

掃除や挨拶、身だしなみなど、本当に基本的で当たり前のことをお店で実践できているか、チェックをするんですが、これに関しても、チェック項目作りと月1回の全店チェックは、僕がやっています。チェック項目は、最低限、現場で実行して欲しい項目を16個。そしてチェックは、日時を前もって伝えた上でお店に行くんですよ。

専務が来ると分かっていてやるのは意味がない、という声も、当然出ました。でも、最初はそれでいいんです。なぜなら、僕が見に来ると分かっていても出来ない店もあるから。中には「専務が来るときだけじゃなく、常に出来ている店にしたいから、あえてやりません。」という店長もいました。信念を持ってやっているんですね。でも、結果を見ると、ただやっていない、やれていないという事実だけしか残らないんです。

だから彼と話をして、「まずは、俺が来るときだけでもいいから、徹底してやってみて欲しい。そこからがスタートや。」と伝えました。もともと信念を持っている店長なんでね、やり始めたらすごく良くなっていますよ。

まずは、自分達の感覚でいいから、それぞれの項目で良い点が取れるようにやってくれ、という段階からスタートするんですが、僕の見る視点、認識と、店舗のみんなの視点には、やっぱりズレがあるんですね。例えばホールがきれいという状態はどういう状態か、きちんとした身だしなみはどういうものか。その価値観をすり合わせていくのが、大きな目的なんです。

見る視点や価値観、あるべき姿をどんどん現場と共有していきたいと思っています。それが出来た店舗は、さらに次のステップに上がっていて、僕が見る項目以上のことを実行しているんですよね。そしてチェックでお店に行ったときに、「専務ここも見てください!」と、すごく楽しんでやってくれています。

「こんなところまでやってくれたのか!」「確かにここもやった方がいいな!」と僕自身も気付きをもらっています。

それをまた他の店舗に伝えて共有したり、競争意識を高めたりしながら、全体のレベルを底上げしています。環境整備チェックを始めたことで、お店のレベルが上がってきたのはもちろんですが、それ以外にもいいことがあったんですよ。チェックするために、全店を回るわけなんですが、その時に現場のみんなとコミュニケーションが取れるんですよね。みんなの考えを直接聞けたり、逆に僕の想いを直接伝えることができたり。僕にとってそれはものすごく意味のあることで、始めてよかったと思っています。

「環境整備チェック」が現場の皆さんとのコミュニケーションのきっかけになっているんですね。チェックを始めてから、まずは決まったことをやる、という段階から、自ら楽しみながら進んでやる、という段階にステップアップされているとのこと、素晴らしいですね!

僕の考えの根本にあるものは「人生を楽しむ」ということです。仕事も同じで、やらされている仕事よりも、楽しんでやる仕事のほうが何倍もいい結果が出ると思います。

「ハッピーNO.1(楽しむことが一番)」という言葉を会社のスピリットとして定めているのは、皆に仕事を、人生を楽しんで欲しい、という思いからなんです。そのベースがしっかりと根付いていれば、やり方は人それぞれでいいと思っているんですよ。型にはめるようなやり方ではなくて、個の力が生きるような組織を作って生きたいと思っています。

そう考えるようになってから、徐々に会社が変わってきたように思います。

以前、㈱マルハンの韓社長とお話させて頂いたときに、「組織を変えていく時、徐々に変化が見られて、ある臨界点を過ぎると、急激に変わるよ。」とおっしゃっていたんですが、僕もそのイメージを持って組織改革をしています。徐々に共感してくれる人も増えてきて、良くしていこう、楽しんでやろう、と、特に上層部の社員から変わってくれているんですよね。

これは一気にいくな、と。その臨界点がくるのを楽しみにしているんです。僕、思い込みが激しいんでね(笑)、確実にうちの会社良くなるな、と思っていますよ。

それはとっても楽しみですね。それでは、三山専務が考えるTOPに必要なことはどんなことでしょう?

信じる力と覚悟、です。

特に、信じること、についてはすごく意識しています。出来るんだ、やれるんだ、と自分を信じること。そして、部下に対しても、この人なら出来る、変われる、と強く信じること。もともと僕は、どちらかというと否定的、というか、冷めているタイプの人間だったので、ダメだ、と決め付けてしまいがちだったんですよね。

だけど、色んな人の講演を聞いたり、セミナーに参加したりすると、みんな同じようなことをおっしゃるんですよね。それは、どんなことも前向きに、肯定的に考える、ということ。出来るんだ、やれるんだ。困難が降りかかっても、自分を成長させてくれるチャンスととらえて、その状況さえも楽しむということ。

僕はバカ正直なんで(笑)、素直に受け止めて、意識して前向きに考える癖をつけています。そうするとね、不思議といろんなことがうまくいき始めるんですよ。こうなるんだ、と信じて、イメージしたようになっていくんですね。

だからこそ、皆が変わってきた瞬間を見るとすごく嬉しいですよね。今僕がチャレンジしていることの一つに、笑顔で挨拶と、握手をする風土作り、があります。

握手をすれば、自然と笑顔になるし、お互いに目を合わせるようになりますよね。以前バーで働いていた時、外国人のお客さんと接していると、握手やハグが当たり前なんですよ。それによってすぐに仲良くなれたり、密接なコミュニケーションが生まれることを実感したんです。そういう風土、雰囲気を会社に根付かせたいと思ったんです。

最初は僕と幹部、店長の間でやっていたんですが、最近では、環境整備チェックの項目に、社員・アルバイトスタッフ全員が握手で挨拶する(上司から率先!)という項目を追加して、店舗でも取り入れるようにしました。すると、店長会議の場で2店舗の店長が、「握手、笑顔で挨拶をすることで、すごくお店の雰囲気が変わった、笑顔が増えた」と報告してくれたんです。

それがめちゃくちゃ嬉しかった。やってよかったと思った瞬間でしたね。

それは嬉しいですね。セミナーや講演に参加されている、とのことですが、強く影響を受けた方はいらっしゃいますか?

僕は、高橋歩さんが好きなんですよ。大学時代に、映画「カクテル」に憧れて大学を中退し、お金をかき集めてバーを作ったり、自伝を書きたい!と思い立って出版社を作ったり。やりたいこと、楽しむことを全力で実行する人なんですけどね。

先日その方の講演会に参加したんですが、その時に大震災について話をされていたんです。高橋さんは、NPO法人「ON THE ROAD」を立ち上げて、被災地のボランティア活動をされているんですが、

「自分に何が出来るとかそんなこと考える前に、自分のために(ボランティアへ)行ったほうがいい。例えば何年後かに、自分の子供に、その時どうだったの?と聞かれたて、こうだった、ああだった、と言えるか、ニュースで見たことしか言えないのか、その違いは大きいと思わない?」

とおっしゃったんですよ。

その言葉にガツンと衝撃を受けて、すぐボランティアに参加しました。行ってよかったと思います。本当に言葉を無くすような光景を目の当たりにして、色々と思うことがありました。

人の役に立つことの喜びをダイレクトに感じました。自分にとってはほんの些細なことが、相手にとっては泣いて喜んでくれるようなことだったりする。人の役に立つってすごい。そして、僕らはいらないものを欲しがりすぎている。いらないものを持ちすぎている、と自分の生き方についても、考えさせられました。すごくシンプルにさせられました。

楽しむこと、生きるということに全力を尽くそう。そうやって自分達が全力で前向きに生きることが復興につながる、と感じました。

自分の生き方、考え方にすごく影響を与えた経験でした。また行こうと思ってます。

ありがとうございます。それでは、今後の夢は目標を教えてください。

会社の理念にも定めていることですが、社員の夢を実現させること、です。一人でも多くの社員の夢を、一秒でも早く実現させたい。

2年前に、共育キズナ部という部署を立ち上げました。こうなりたい、という想いを仕組み化して、実行レベルに落とし込むことが必要だ、ということで、そこを担う部署として立ち上げました。

経営者の想いを現場に伝える架け橋、社員教育や現場の問題解決に奔走して頑張ってくれているのですが、その部署は来年の独立に向けて動いています。キズナ部以外でも、もっと多くの社員の夢を叶えたいのですが、まだまだ夢を描けていない人が多いのも現実です。そこに対しても、夢を自由に描けるような心のゆとり、人間性を育てられるような環境にしていきたいと思っています。それが僕の夢です。

三山専務の口癖や座右の銘は?

口癖は「サイコー!」と、「楽しもう!」。

座右の銘は、会社のスピリットでもあり僕の大好きな言葉、「ハッピー NO.1」。

僕の人生では、楽しむ、ということがキーワードですね。

最後に読者メッセージをお願いします。

人生を諦めないで、思い切り楽しんでください!

三山専務、ありがとうございました!

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