パックエックス通信

株式会社高尾、内ヶ島隆寛副社長 TOPから学ぶ

内ヶ島隆寛/株式会社高尾 代表取締役 副社長。平成5年に入社。亡き父の遺志を継ぎ、兄(現社長)と共に会社を牽引するリーダー。自身も大のパチンコ好きで、企画・開発にかける想いは熱い。

今回のパック・エックス通信はパチンコメーカー・株式会社高尾の内ヶ島副社長にお話をうかがいました。副社長の機械開発にかける熱い想いや人気機種の開発秘話から、TOPとして心がけられていることなどお話いただきました。

内ヶ島副社長、本日はよろしくお願いします。まずは、業界に入れられた経緯を教えて頂けますか?

平成5年の11月に高尾に入社しました。それまではサラリーマンでSEをやっていたんですよ。この業界には小さい頃から家業として接しており、パチンコ店にも慣れ親しんでいました。

兄(現社長)がいますので、どうしても戻ってこなければいけない、という意識はありませんでしたが、平成3年に父が亡くなったことがきっかけで入社を考えました。当時は今よりももっと小さな会社でしたから、父はきっと、会社をもっと大きく成長させたかったと思います。

志半ばで亡くなった父の遺志を形にしたいという思いと、その時既に入社をしていた兄の力になれれば、という思いで入社を決意しました。父と一緒に仕事が出来なかったことは残念ですね。

入社されてからは、開発に携わっていらっしゃったそうですね。

ええ、もともとSEだったということもあり、開発を手がけることになりました。前職で一緒に働いていた仲間が、現在何人か高尾にいるんですよ。

それは素晴らしいご縁ですね!それでは、自社の機械へのこだわりや、機械作りへの想いを教えて頂けますか?

私たちが作っているのは、「遊び」の機械です。だからこそ、自分たちが「楽しい」と思える機械を作りたいと、いつも考えています。

というのもね、感銘を受けたエピソードがあるんです。「スター・ウォーズ」という映画があるじゃないですか。あの映画を製作した時に、監督のジョージ・ルーカスが「興業成績も大事だが、自分たちが見て楽しめる映画を作りたい」と言ったんだそうです。そして、実際に同じ気持ちの仲間が集まり、あの映画を製作した。結果、大ヒット作が生まれました。私はこのエピソードにとても感銘を受けました。

私たちは遊びを提供するための機械を作っているんだから、まず自分たちが遊び心を忘れないように、遊技されるお客様の気持ちを忘れないようにしないといけない、と思っています。そして、社員の皆に言っているのは「稼動を大事にしなさい。」ということです。

稼動をしっかりと確保できる機械でなければ、売上も利益も生むことができません。そうなると、結果、遊技されるお客様も楽しめないわけですから、稼動を一番に考えた機械作りを、と伝えています。

「稼動を考えた機械作り」というと、具体的にどういったことでしょうか?

遊技をするにあたって、やはり大当りしている時間が一番楽しいと思うのですが、大当たりしている時間は、他の演出の時間に比べて、すごく少ないわけですよね。だから、いかにその他の時間を楽しんで頂けるか。楽しんで頂いた上で「またこの機械を打ちたい」とリピーターになって頂けるか、ですよね。

もちろんこれ、という正解はないものですから、毎回試行錯誤しながら機種を作っています。社員の皆には、自ら遊技をして色んな気付きを得て欲しいと思っていますし、気付きから生まれたアイディアは、なるべく機械に反映したいと思っています。

そういった個々の意見を吸い上げて形にする、というスピード感が弊社にはあると思っています。小さい会社だからこそ、の特色でしょうか。あまりにもひどいものは、さすがに止めますけどね(笑)

機械作りをする上で、自らが遊技をする、ということは絶対に大切ですよね。

副社長から見て、皆さん頻繁に遊技されていますか?高尾の社員は、ほとんどがパチンコ好きばかりなんですよ。会社としても遊技を奨励していて、就業時間中に行っても構わないことになっています。

私自身もパチンコが大好きで時間が空けば出来るだけ遊技するようにしています。やっぱり自分が打たないと、開発会議に参加しても内容が分からなくなりますからね。週に10時間は遊技したいと思っていますが、なかなか達成できていないですね。

私もパチンコが好きでよく遊技をしますが、御社の機械は、後を引くというか、癖になる台が多いような気がします。

それはすごくうれしいご意見ですね。それぞれの機械についての開発会議も、非常に密にやっています。「一騎当千」の会議では、公序良俗に反しないように「このパンチラはNGだ!」など、一見すると「我々は何の話をしているんだ??」という時もありますけどね(笑)

一騎当千、大好きです!そんな裏話があるとは(笑)!原作のある作品は苦労が多いとお聞きしますがいかがでしょう?

そうですね。でも世界観は構築しやすいですよ。オリジナルは全部自分たちで考えないといけないので、それはそれで大変です。

少し前に弊社から発売した「CR元禄義人伝浪漫」という台があるのですが、キャラクターはモンキーパンチ先生に描いて頂き、その他はすべて自社で製作しました。完成までの制作期間は約2年。ストーリー展開や設定もかなり練り込んで、なかなか苦労しましたが、オリジナルで制限がない、という点では、大いに弊社の持ち味やアイデアを反映できた作品となりました。この作品を制作したのは、一騎当千やカイジシリーズと同じチームなんですよ。

そうなんですね。遊技してみたくなってきました!機械作りも含めて、内ヶ島副社長が考えられる「高尾らしさ」とは何でしょうか?

会社としては、先ほども少し触れましたが、自分の意見を言いやすい自由度の高さ、風通しの良さが特徴だと思います。機械に関わる様々な部署の人間の意見も取り入れます。

あとはパチンコ好きの人間が本当に多いこと。社内のいたる所でパチンコ談義に花が咲いていますよ。機械作りの面でいうと、他の会社では絶対できないと言われるようなこと、例えば、「CRカイジ」で、なかなかパチンコでこんなモチーフは見かけない・・というような、心臓やギロチン役物を躊躇なく搭載したり。最初はギロチン演出も、もっとリアルなものを作っていたんですが、版元さんにNGを出されました(苦笑)

これらを含め他社ではなかなか作らないような演出も、高尾では「アリ」なんですよね。限りなくユーザーに近い目線でのリアルを追求していく。私はこれが高尾らしさ=高尾クオリティだ、と考えています。

高尾クオリティ、とはいい言葉ですね。内ヶ島副社長にとって思い入れの強い機械は何ですか?

すべての機械に思い入れはありますが、特に「CR子連れ狼」と「CR弾球黙示録カイジ」ですかね。「子連れ狼」までは、私自身がかなり開発に関わっていました。「カイジ」に関しては、実は当初、別の版権を扱う予定だったんですよ。ただ、色々あって、当初予定していた版権が扱えなくなり、代わりに提案を受けた版権が「カイジ」だったんです。

今となっては福本先生の代表作であり、有名な作品ですが、当時は今より知名度が低かったですからね。でも本当にここからだと思います、うちの機械が変わったのは。版権を提案されたときは二つ返事でOKしました。そして完成した機械を試打して「これは絶対にヒットする」という確信を持ちました。

これはヒットする、と確信されたのはどんなところだったんですか?

世界観もそうですし、今までの機械との差別化もできるだろうと思いましたが、一番は直感ですね。「これは絶対にいける!」という思いしかなかったです。これが世間に受けないなら、これからどんな機械を作ればいいんだ、というくらい自信がありました。開発メンバーも、全員同じ思いでしたね。

発売後に実際ホールで打ってみると、反省点も結構多かったんですけどね。

ありがとうございます!それでは、内ヶ島副社長が考えるTOPとして大切なこと、心がけていらっしゃることはなんでしょうか?

TOPというのは決断することがとても多い立場です。重要な決断も多い。その決断をするまでのプロセス・・・いかに多くの情報を仕入れ早く決断を下すか、そこが一番大事だと思います。TOPは、右、左、どっちにも進めるけど、必ず正しい選択をし、正しい方向に導かなければいけない。そのような感性を磨くことが必要なんだろうと思います。

正しい決断、選択をするために、私はなるべく多くの情報を仕入れるようにしています。そのうえで選択しているのですが、必ずしも良い決断ばかり出来ているとは思っていません。

情報を仕入れる、というのはなるべく外に出て収集されるということでしょうか?

外に出るのも大事だと思いますが、私としては社内の現場の声を聞くことも大切にしています。頻繁ではありませんが、社員と食事や飲み会の機会も作るようにしています。

それでは、TOPに立たれて人材を育成する、という面で大切にされていることはありますか?

社員に私から言っているのは、「一歩、二歩、気を使いなさい。」ということです。あとでミスをした場合に、もう一つ、二つ考えてやっていれば防げたんじゃないか、と思うことが私自身にもよくあることなんですよ。

それとやはり、何か起こった時には早急にトラブルに対応すること。先延ばしにしていいことは絶対にありません。手を抜くと、必ずしっぺ返しがきますからね。

そうやって気をつけて経験を積んでいけば、誰でもいずれトラブルを予見し、未然に防げるようになると思います。

これからの夢や目標を教えてください。

「過去の名機」という言葉がありますよね。高尾として、一世を風靡した機械、名機として人の心に残り、遊技史に名を残すような機械を作りたいですね。やはり、これでいいやと現状に満足したら終わり。立ち止まったら終わり。動き続けないといけないと思います。

ありがとうございます。最後に読者メッセージをお願いします。

高尾は現場の声を大切にしています。私たちは今後も、出来る限りホールさまへお伺いしてご意見を頂きたいと考えています。実際機械を使われての率直な感想、忌憚無きご意見を頂ければ幸いです。

高尾の台は、噛めば噛むほど味のある台です。どうぞご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

内ヶ島副社長、ありがとうございました!

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