パックエックス通信

玉川物産グループ、玉川昌義専務 TOPから学ぶ

玉川昌義/玉川物産グループ 専務取締役。1988年、23歳の時に父親が経営するパチンコ店へ入社。現在8店舗を展開。(石川県7店舗、大阪府1店舗)第一回ぱちんこ情熱リーグ優勝し、日本一に輝く。(金沢駅前 駅前ペリカン店)

今週のTOPから学ぶは、玉川物産グループ(本社:石川県)の玉川昌義専務にお話を伺いました。また、新卒1期生として2002年に入社された谷村聖一次長にもお話をお伺いしました。過去があったからこそ今の当社がある。と、過去の苦労や経験、自身と会社にとって転機となった新卒1期生の入社など、今に至るまでのエピソードをお話頂きました。もちろん日本一に輝いたぱちんこ情熱リーグのお話も!

玉川専務、谷村次長、本日はどうぞよろしくお願いします。まずは玉川専務が業界に入られた頃のお話からお聞かせいただけますか。

玉川専務)私がこの業界に飛び込んだのは22年ほど前でしょうか。社長である父親が病気で倒れたのをきっかけに入社をすることになったのですが、その頃はバブルの時期、お客様を客と呼んでいた時代です。従業員は偽名を使って入ってくるような脛に傷持つ人たちが沢山いて、【接客】なんてものは全くありませんでした。

【お客様は暴れるもの】【お客様とお店は喧嘩するもの】従業員は給料が出れば突然いなくなるもの】【人は裏切るもの】

これが当たり前だと思っていました。それこそ、戦場のような環境の中でスタートしましたので、『パチンコ業界って、こんなもんや。』と思いながら、それでも、負けてたまるか。という気持ちで踏ん張る毎日が、7~8年続きました。人が入社しては去っていく、その繰り返しで、自分の知り合いや後輩を誘って、会社を手伝ってもらったりもしました。仲間達が入社してくれた結果、徐々に従業員の質、お店の質は上がり、それに伴ってお客様も昔のように【お店と喧嘩をするもの】ではなくなってきました。

しかし、私の前では一生懸命仕事をしている人でも、裏ではそうでなかったり、私利私欲に勝てなかったり・・。結局、少しずつ良くなったように見えたお店でしたが、従業員にとっては【やらされ仕事】でしかなかったんですね。人を信じるわけにはいかない、と思っていましたし、従業員にしても、怒られるから仕方なくやる。という状況でしたから、そこに信頼関係はありませんよね。

また裏切られた。と感じる出来事がなくなることはありませんでした。その当時から当社の人材不足は深刻で、私は【取締役】という肩書きがありながらも、ずっと現場を兼任していました。そんな環境だったが故に、不正をした従業員に対して叱り飛ばした後、宥めすかして、また働いてくれと頼んだりしていました。こんな【矛盾】は正しくないと感じながら、こんなものだ、これが業界だ、という諦めの中、それでもやるしかない、とある意味腹を括っていました。

そんな毎日の中、他を気にする余裕もないほどに忙殺されていましたが、ふと他社の状況を伺ってみると、間違いなく自社より人材が揃っていたんです。これでは、いけない。とにかく人材を確保しなければ。そうしないと、もう身体がもたない状況で、この会社を辞めようと思ったこともありました。

新卒採用に踏み切ったのは、そんな理由でした。人材の確保が第一の目的で、新卒に特別な期待をしたわけではありません。『どうせ大したことはできんやろう。』業界に対する諦めのようなものが、人に期待することも忘れさせていたんですね。

ところが、第1期生の入社により私の価値観は大きく変わりました。そして、当社はこれまでと全く別の会社に生まれ変わったのです。まるで、地獄から天国へ変わるように。業界に飛び込んでからの15年間。何度も言いますが、私は人を信じたくても信じるわけにはいきませんでした。ただ、それを嘆き悲しむ暇もなく、「この業界は裏切りと矛盾に満ちている。それが当たり前。」と受け入れ、がむしゃらに走るしかありませんでした。

そんな中、新卒第1期生が入ってくれて働く姿を見たとき、私は感動せずにはいられませんでした。店を良くするために!接客はどうしたら良くなるのか?真剣に話し合いをしているんですね。時には涙を流しながら議論しているんです。

これまで、自分の得しか考えない店舗責任者としか接したことが無かった私にとっては、本当に衝撃でした。お客様のために!お店のために!会社のために!自分からやる!そうやって一生懸命頑張る彼らに、心から感動し、感謝しました。

常に、部下や自分自身にも言い聞かせているのが、【前向きな失敗ほど美しいものは無い】という言葉です。【成功】よりも【前向きな失敗】の方が素晴らしいんだよ。とよく言います。彼らは本当に前向きに失敗を何度も繰り返してくれました。

失敗したら普通叱るでしょう?ところが、叱れないんですよ。前向きな姿だけで結構!そんな気持ちになるほど、一生懸命頑張ってくれてたんですね。その日から今に至るまで、日々感謝。日々部下に会いたいな。という気持ちでいっぱいですよ。

【地獄から天国】。ものすごい変化だったんですね。1期生で入社された谷村次長は、戦場のような会社に入社されたわけですよね。自分達が会社を変えてやろう!と思われていたんですか?

谷村次長)

いえいえ、専務を前にして言うのはアレなんですが・・(笑)初めからそんなにやる気満々だったわけじゃないですよ。そこまで強い意志があったわけでもなかったですし、私は他の人に比べて能力が高いわけでもなかったので、お店を変える、会社を変える、なんてことは出来ないと思ってました。ただ、なぜここまで自分を奮起して頑張れているかというと、経営者である専務が現場に来て、「頑張れよ。」と末端の社員にまで声をかけ続けてくれた、ということですね。

私が当社の社風として一番好きなところが、専務もよく言うのですが「企業は人なり。部下に対して一度預かったからには、いち社員として接するのではなく、いち人間として、自分の子どものように接する。」という所です。そうやって育ててもらってきましたので、もうだめだ・・と思ったことも何度もありましたが、専務の背中を見ながら、ここまでこれましたね。そして、育ててもらった私自身も、自然と自分の部下に対して家族のように接しています。

社員さんの一生懸命さに感動した玉川専務と、玉川専務の愛情に支えられた社員さん、お互いに信頼して、刺激しあう関係が出来たんですね。そしてそれが受け継がれているんですね。

玉川専務)そうですね。私自身が初めてそんな気持ちを味わって、その喜びや感謝を彼らに伝え続けたこと、そして彼らがそれを粋に感じて頑張ってくれた、それが上手くマッチした結果として、今の当社が成り立っていると思います。もし私が、初めから恵まれた環境で働いていたら、彼らの眩しいほどに真っ直ぐな姿に気付きもしなかったかもしれません。

それまで感じていた矛盾、戦場のような経験があったからこそ、ありがたいと感じられたのだと思います。裏切られ続けた15年間は、当時は免疫が出来て慣れてしまっていましたが、今考えるとゾッとしますね。純粋に一生懸命頑張る彼らと出会い、信頼関係を築けた今、もう二度と過去には戻りたくないと思いますし、戻りたくないからこそ、社員に対して、大切にしたい、本当に有難い、と思います。

全ては、過去がもたらしてくれた産物ですね。

過去があっての、今なんですね。ありがとうございます。ぱちんこ情熱リーグでは、日本一に輝かれましたが、ご感想をいただけますか?

玉川専務)

オファーを頂いた方の想いと志に感動して、協力する気持ちで参加をしましたが、正直言うと初めはどっちでも良かったんです。私は、彼らと出会ってからの10年間、外で自慢ばっかりしてたんですね。「うちの会社は日本一ですよ。業績も規模も日本一じゃない、何もかも中途半端ですが、社員だけは日本一ですよ。こんなにグレーだと言われているパチンコ業界に、こんな美しい人間がいるなんて、信じられないでしょ。一度見に来てくださいよ。」と、そこら中で言ってました。社内でも、社員たちに「お前達は日本一。」と言い続けてきました。本心からそう思って、言い続けてきてましたので、「俺が日本一だと認めているのだから、それでいいじゃないか。」と、情熱リーグの結果には関心がなかったんです。

でも、実際に決勝大会の練習をしている姿を見て感動しましてね、結果優勝したときは、ものすごく嬉しかったですね。そして気が付いたんですが、社員も私に日本一と言われるより、世間様に認めてもらうほうが当然嬉しいんだな、「俺だけじゃダメだった!」って(笑)でも自分が言い続けてきた「日本一」ということが、公で認められたということは、嬉かったですね。

玉川専務が社員さんたちに接する際、トップとして心がけてらっしゃることはありますか?

玉川専務)意識して心がけていることことはないですよ。ただ素の自分で接しているだけです。日本一だと言い続けたとお話しましたが、それはね、本当にそう思っているからなんですよ。なにも社員を元気付けよう、とか、モチベーションをあげようと、意識して言っていることは一つもないんです。頑張っている社員がいれば、頑張っているな。と声かけたくなるでしょう?わざわざ意識して声かけしているわけではないんですよ。

だから、しいて言うなら、頑張っているな、と思ったらそれを伝える。素敵だなと思ったら、声を大にして発信する。腹を割ってありのままの自分を伝えること、ですかね。

素晴らしいですね。特に言いづらいことだと、思っていてもなかなか口に出せない人が多いと思いますが、腹を割る、ということはすごく大切なんですね。

玉川専務)組織のリーダーとしても、人としても必要なことは、まず自分から腹を割ることでしょうね。自ら腹を割らずして、相手に伝わることはないと思います。自分と言う人間をさらけ出せるかどうか。それが信頼関係を築くための第1歩じゃないでしょうか。その第1歩が出来なければ、関係が続くわけがない、と思っています。これは、大きな組織ではできないことかもしれませんが、先ほど谷村次長も言ったように、ありのままの自分でぶつかって、部下を家族だと思って欲しい。

当社で唯一自信を持てることは、全員が腹を割って話せる、という環境でしょうか。思ったこと、感じたことはありのままを伝えるし、部下にもそれが言える環境を作ってあげる。家族なら当たり前の環境を、職場でも作るようにしています。

だから、経営者である私の発信が、末端のスタッフまで、少しも曲がることなくそのまま伝わるんです。それは自慢ですね。ただ、本当の家族とは違う面もありますね。それは、【評価する・される】という関係であること。その面では、当然シビアな目も必要になります。それ以外は、家族と同じ気持ちで接する。それに部下が応えるかどうかは別として、リーダーとはそうあるべきだと思います。

今、評価という言葉が出ましたが、玉川専務が社員さんを評価される際に大切にされているポイント、求めていらっしゃることはどのようなことでしょうか?

玉川専務)私は、経営者としては失格かもしれませんが、その時の売上・数字、つまり結果だけでは絶対に判断しません。結果だけを見てしまうと、たまたま成功したのかもしれない。たまたま失敗しただけかもしれない。そう考えます。たまたま成功した人は、正直いらないんですよね。それよりも、日々裏表なく必死で努力しているかどうか、結果に至るプロセスを重要視します。

当社の昇格人事も、現時点での実力ではなく、1年後どう成長するか、それを見越して決めています。実力があってたいして努力していない人よりも、全く実力がなくてもやる気満々の人、壁にぶつかっても気持ちが折れない人。そんな人間を見つけたら、店長を飛び越して、いきなり課長、なんて事もありますよ。本人は嫌がりますけど、やらせます(笑)

やらせると、必ず伸びます。やる気と強い気持ちがありますから、壁にぶつかっても、必死で努力し吸収し、成長してくれます。ここにいる谷村次長も含め当社の幹部は、今言ったようないきなり人事ですが、全員がズバリ期待に応えてくれていますよ。

日々の努力をしっかり見て、1年後の成長を信じて任せる。社員さんを信頼していないと、なかなかできることではないですよね。逆に、任される側の谷村次長、プレッシャーはありませんか?

谷村次長)ないと言えば嘘になりますけど、役職や給料のために仕事をしているわけではないですからね。やれることをやるだけです。あと、プレッシャーを感じる暇もない、というのが正直なところですね(笑)次はどうする?!を常に考えています。

充実感が伝わってくるお言葉ですね。ありがとうございます。それでは玉川専務、読者の方へのメッセージをお願いします。

玉川専務)『素の自分』を貫いてください。自分の信念を上司・部下に伝え続けてください。

私は経営者ですから、素のままに、好きなようにやることは、比較的簡単なことでした。ただ、そうでない方、特に中間管理職の方は、接する上司や部下によって、自分を武装したり、駆け引きを試みたり、殻に閉じこもったりしたくなる場面が日々起こると思います。そんな時にも、決して屈せず素の自分を貫いて欲しいと思います。それは最も難しいことですが、鉄の意志さえ持てば、簡単なことなんですね。

だから、私は社員に「意志を支える何かを背負え」と言っています。それは家族だったり、仲間だったり、自分の夢だったり、人によって様々ですが、●●のために、この信念をぜったいに貫き通す、という何かが弱い意志を鉄の意志に変えて、それを支えるんです。

私の場合は、父親です。辛くて辛くて、もう折れてしまおうか・・と思った時に必ず、「親父だったらどうするか。絶対に折れないな。」と思うんです。もう19年も前に亡くなりましたが、一度も折れることのなかった父親を想うと、こんなことで負けられない。と、自分の意志、折れそうな信念を支えてくれるんですね。だから自信を持って素の自分を出すことが出来る。素の自分を貫き、信念を伝え続けることで、周囲の共感を得ることが出来ると思います。

誰かのためだったり、夢や目標のためなら頑張れるということなんですね。ちなみに谷村次長はどんなものを背負ってらっしゃるのですか?

谷村次長)やっぱり部下ですね。私の全てのモチベーションは部下の頑張り、それ以外の何でもないです。私も上司の背中を見て、頑張らないと、という思いでやってきましたから、今度は部下にも自分の背中をみて欲しいと思っています。私の背中を見て部下が励まされる、頑張れるように行動しようと思うと、どんなときも折れてはいられない。百の説明より、一の行動で見せていきたいですね。

玉川専務の背中を見て育った谷村次長を、また部下の方が見て育つ。次の世代に受け継がれているんですね。

玉川専務)素の自分を出すと楽だし、楽しいですよ。言いたい放題言い合えますから。(笑)私は、自信のあること、ないこと、出来ること、出来ないことは、常に部下にさらけ出すべきだと思います。そこで自分の弱さを見せたら、部下がついてこないんじゃないか・・と思うようであれば、それはコミュニケーションがとれてない証拠ですよね。出来ない自分を変に隠そうとするから、逆にどんどん距離ができてしまうと思います。

私も、分からないことは教えてくれ!と社員に素直に聞きます。彼らを信頼しているからさらけ出して聞ける、ということもありますけどね。最近では、会議で私の意見が、ガンガン却下されます。嬉しい反面、さびしいような腹立たしいような気持ちで暴言を吐くこともありますが(笑)、それだけ彼らが信念持って、責任を背負ってやろうとしている、と思って認めるようにしています。

谷村次長、経営者の意見を却下って・・すごいですね。。

谷村次長)初めはやっぱり専務に「ダメだ」と言われたら、「分かりました・・」と引き下がっていました。だけど、本当に自分が自信を持って、やった方が良い、と思ったことを曲げるということに、『俺の意志はそんなものなのか。』と思うようになりました。責任を背負うことから逃げていたんだと思います。

私が専務の顔色を伺ったり、そんなことだけで仕事をしていたら、部下も私に対してそうなってしまう、と思ったんですね。というか、実際にそうなっていました。そう気が付いたとき、専務に一度却下されても、やらせて欲しい、という意志をぶつけることにしました。その結果失敗して怒られることもありますけど(笑)

勇気ある行動!ですね。背負っているものがあるからできることなんですね。

玉川専務)失敗が負けではないんです。自分の意志、気持ちが折れたときが負け。折れずに最後までやりきることができれば勝ち。大切なものを背負って、鉄の意志を持って、気持ちを折れずに頑張る。

これは、仕事においてだけではありません。人生のちょっとだけ先輩として、私が教えたいことですね。

玉川専務、谷村次長、素晴らしいメッセージをありがとうございました!とても勉強になりました!

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