パックエックス通信

ダイコク電機株式会社、栢森秀行副社長 TOPから学ぶ

>栢森秀行/ダイコク電機株式会社 代表取締役副社長。京都大学大学院を休学し、ダイコク電機株式会社に入社。その後卒業。代表取締役副社長として経営にあたる。グループ会社(DAXEL株式会社、元気株式会社)の代表取締役を兼任。

今週のパックエックス通信はダイコク電機株式会社の栢森副社長です。ファン向けの取り組みやトップとして心掛けている事をお伺いしました。

栢森副社長、本日はよろしくお願いします!栢森福社長が入社された当時のお話を聞かせていただけますか?

大学院の修士論文だけを残して入社しましたが、仕事をしながら論文も仕上げて卒業しました。一度しかない人生ですから、自分で何かやろうか、とか考えた時期もありましたけど、この会社に入って頑張って、色んな事業をやってみることが一番のチャレンジなんじゃないかなと思って、入社を決めました。

初めは当然ですが権限も無く、色んなことを勉強しながら、という感じでした。家庭用ゲームソフトを作らせてもらったり、色々やりましたよ。現在は基本的に、ダイコク電機のオーナー的な立場で、経営を見ています。

御社はファン向けのサービスもすごく充実させていらっしゃいますよね?

そうですね。ファン向けの部分はロボカードの時代からやっているんですが、実際カード配ってどうなるかというと、ホール様にとっては顧客のリスト作りにしかならず、弊社にとってはカードを配ったからといって、お客様と直接何かやり取りができるわけではないんですよね。

じゃあどうやってファンにリーチしていくか、となったときにやはり携帯のサイトであるとか、今でこそスカパーの番組などもやっていますが、映像事業であったりとかですね。

ファンと直接のやりとりが出来る接点を広げていこうということで、ファン向けサービスに取り組んでいます。

そういった取り組みはやはり、近年のファン数、投資金額の減少など、そういったところを見据えての取り組みでしょうか?

そこまで大それたことではないんですがね。

それにパチンコ業界全体の話で言えば、ファンの数が何分の一になったとか、ものすごく減少しているかのように言われることが多くありますが、実際のファンの数はそこまで減っていないんですよね。産業規模を考えると、4号機から5号機の時だとか、近年の不景気の中で減ってきているのは事実ですが、ファンが極端に減っているという実態は、どう冷静にデータ見ても、やっぱり出てこないですよね。

あくまでアンケート上で、年に一回パチンコをしましたか、というアンケートに答えた人数だけをカウントして、ファンの数が何分の一になりました、というのはあまりにも実態から離れていて、実際に週に一回以上、遊技をしているファンがどれだけ減ったのか、というと、そこまで減ってはいないんです。

それに伴って、業界のイメージも、公表されているファンの人数が何分の一になってるから、じゃあ一人のお客さんから何倍もとっているんだろうとか、ね。それにプラスして、今は、初当たりが遠い機械が多いから、一人のお客さんから一日に何万円も巻き上げて、それでパチンコ店が成り立っているんだ、という風なイメージを持つ人、誤解している人が多いと思うんですよ。

それは、業界外の人もそうですが、業界で働く人たちの中にも多いと思います。自分たちの商売は、そんな風にして成り立っているんだっていう誤解。実態として考えれば、パチンコはこの10年くらいずっと、大体1時間当たり7~800円ぐらしか利益を得ていない。勝った負けたを全部ならせば、ですね。もちろん1パチが出る前の話ですよ。

4号機がちょっと射幸性が高くて問題だ、といわれた時代でも実はそれぐらいしかとってないんです。映画やボーリング、カラオケだとか、他の業界と比べても、決してそんなに時間当たり単価が高いわけじゃないんですよ。

最近始まった1円パチンコだと、その半分くらいですから、1時間当たり3~400円ぐらいしかとってないところが多いですから、漫画喫茶で漫画を読むより実は安いんですよね。ではなぜ、ここまでイメージが悪いのかというと、初当たりまでの投資金額がすごくかかるという点。この部分が誤解を生んでるいるし、これからパチンコを始めようかという人にとって、敷居を高くしている点でもあると思います。

だから、機械作りもね規制等色々と厳しい面もありますけど、お客様が気軽に長い時間楽しめるような機械作りをしていかないと、と思いますね。

そういう想いを実現していきたいなという事で、スロット開発にも着手されるようになったんですか?

もちろん、それ実現していきたいとういうのもありますし、会社経営のリスクコントロールという面でも、スロットの開発を進めています。

一般的に、「リスクを考える」ということは、普通はいかにリスクを減らすかということばかりに目が向けられますが、リスクコントロールというのは、リスクを減らすことではなく、企業の規模として適切なリスクをとり続ける、ということなんです。そういう意味でのリスクコントロールは、常に念頭において経営にあたっています。

リスクを抑えすぎると成長がなくなってしまうし、リスクを取りすぎるとちょっとした波で転覆してつぶれてしまう。だから、会社として常に、規模に合った何かしらのリスクをとってチャレンジし続けなければいけないと思っています。うちにとってのそれが、スロット開発事業なんです。

まあ、開発ばかりに投資がかかって、実際には台が売れていませんので、今が一番しんどいとこなんですけどね(苦笑) けれど、夢を描けば、年間数十億くらいの利益が出る可能性は十分にありますからね。

適切なリスクを取り続ける、ということが組織の成長につながる。つまり、リスク=チャレンジ=成長、ということなんですね。

リスクゼロで成長する仕事なんてないですからね。

リスクゼロで儲かりますってなんて話がたまにありますけど、そんな話を他がほっとくわけがありません。むしろ失敗する可能性が50%あります、という方が、他社に先駆けられる事が出来るかもしれないでしょう?

栢森副社長がトップとして心がけていらっしゃることはどんなことでしょうか?

そうですね。まぁ、私はオーナーの一族ですからね。やっぱり自分の任期だけ勤め上げればいいって訳じゃないですよね。会社をいかに次世代に繋いで、30年40年先を見据えて、成長し続けられるかっていうところを考えるのが自分達の役目だと思っています。

ただ、そうするとどうしても、なかなか私たち経営者の視点は、社員の皆さんにはピンとこないところがあって、社員の皆さんにとってみれば、5年後10年後のことを考えたって仕方ない、そんな先のことを考えてどうするんだみたいな、どうしても日々目の前の仕事をやっていると、そういう風になってしまうと思うんですよね。

実際経営者としては、当然会社全体のことも考えながら、足元の業績も無視できないし、短期、中期、長期、全部考えなければいけないですよね。けれど社員の方にしてみれば、長期に渡っての視野を持てっていうのとね、かといって、日々の業績もしっかり頑張れって言われたって、俺どうすればいいのって思っちゃうのが一般的な考えでしょうから、どうしてもズレが生じてしまう。企業としては5年後、10年後に、今の地位を維持できてるか、あるいはより大きなステージに上がれているかというのが大事ですから、その見解の相違をうまく調整することがトップとしての役割だと思います。

うまく説明して納得してもらうか、説明しても分かってもらえないところは少々強引にでも推進せざるを得ない。社員の皆さんを大事に、モチベーションも上げていかなければいけないし、かといって多数決みたいな経営をやっていたのでは軸がぶれてふらつきますから、バランスが大切だと思いますね。

世間的一般には、ワンマンで、俺が引っ張っていく!というタイプの創業者って多いですが、会社が大きくなるにつれ、やっぱりそれだけではしんどい面はありますし、2代目、3代目までそのスタイルで続けられるところってほとんどありませんよね。2代目以降は強引に引っ張るところと、任せるところと、あるいはモチベーションを上げるためにやらなきゃいけないところと、ちゃんとバランス感覚もってやらなければならないと感じています。

今後の夢や目標を教えて頂けますか?

ダイコク電機が独自の立ち位置をしっかり確保して、業界を良くするため、色んなお手伝いが出来たらと思います。やっぱりある程度規模がないと分析力は出てこないし、それなりに優秀な社員を抱えないと業界に対して提案もし続けられませんから、優秀な社員を抱えようと思ったら、しっかりと利益を追求していかないといけません。

地に足をしっかりつけて、いい商品作って、安定して利益を出すことでいい社員雇って、きっちり分析できる体制を持つ。それで業界全体が良くなるような提案をし続けたいなと思います。スロットはやっぱり、それなりの安定収益が上がるような中堅メーカー目指したいですね。そのためにはやっぱり、腹をくくって、売れなくても良いものを作り続けていこうと思っています。

良いもの作るのと、メーカーとしてひとり立ちするのと、どちらが先だと言ったら良いもの作るのが先だと思っていますので。美味しくない料理を出し続けて、「いつか繁盛したら美味しいものを出しますよ」なんて言っているレストランなんか、いつまでたってもうまくいかないでしょう。それと同じで、ホール様にちゃんと検討していただけるような良い台を作り続けるっていうのが絶対ですね。

会社としては今、最大のリスクをとってやっている事業がスロット事業ですから、当然これに注力して、グループ全体として、総支援体制で頑張ります。

ありがとうございます。最後に読者メッセージをお願いいたします。

業界のすべてを支えているのはホールの皆さんです。私自身も誇りを持ってやっていますが、国民に良質な娯楽を提供しているんだ、という誇りを持ってやっていきましょう。

いかにファンに楽しんでもらえるかが、この業界のすべて。本当にその部分を支えているのはホールの皆さんなんです。皆さんのおかげでこの業界が成り立っているんです。それから、普段からお客様の顔を見ている皆さんじゃないと気づかない事って沢山あると思いますから、そういった中でのご意見をどんどんぶつけて頂ければと思います。

栢森副社長ありがとうございました!

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