パックエックス通信

森腰産業有限会社、森腰英信専務 TOPから学ぶ

森腰英信/森腰産業有限会社 専務。宮崎県遊技業協同組合 副理事長、青年部会長を務める。業界活動、社会活動に積極的に参加。自らが代表を務めるパチンコパチスロ廃棄台解体業を主とした企業㈱WIN TO WIN を設立し、障害者雇用促進にも取り組む。

本日の『TOPから学ぶ!』は、森腰産業有限会社(本社:宮崎)の森腰専務にお話を伺いました!森腰専務がお店作りをする上で大切にしていることは他店との『差異性』。他とは違う。ここにしかない。そういう差異性を積み重ねることで、お客様に選ばれるお店、何度も足を運びたくなるお店を目指しているのだと語ってくださいました。

森腰専務、本日はよろしくお願いします!専務が業界に入られたのはいつでしたか?

大学を卒業して23歳で入社しました。私、結構賢かったので(笑)東京の大学を出て、そのまま東京で就職するつもりだったんですよ。

それが、ちょうど卒業の頃に姉が結婚して家を出たり、父が肋骨を骨折したり(庭の木の剪定をしていて落ちたそうです)、とにかく実家の方で色んなことが重なって、帰ってきて欲しい、と連絡があったんですよ。いずれは戻ろうと思っていましたけど、こんなに早くにとは思っていなくて、何だかだまされたというか、はめられたというか・・複雑でしたね(苦笑)

入社してからはまず現場でみっちり働きました。東京から田舎に帰ってきたものだから、なんだか生意気そうに見えたんでしょうね。結構お客様に絡まれたり、けんかしたり・・・血気盛んでした(笑)

大学生の頃はパチンコが大好きでいつもやっていました。今はあまりやらないかな、時間的な問題もありますがやはり昔と比べてお金がかかる遊びになってしまった、と感じています。4円パチンコだと特に。1円パチンコなどの低玉貸営業によって、お客様がまたホールに足を運んでくださるようになったという現状がありますが、本来あるべき姿に戻っているのかな、と感じます。

お店では50銭パチンコをされているそうですね。

私が一番大切にしていることは、他社との「差異性」です。うちのお店が、低貸に関して出遅れてしまったんですよね。近隣で1円パチンコを等価で始めたところがあって、これは後追いをしてもだめだな、と。何か差異性を見出さなければ、お客様に選んで頂けないと考えました。

当初は、50銭パチンコなんて利益にならないだろう、と初めから考えてもいませんでしたが、色々とデータを見てみると、意外と利益を生み出すことができるということが分かり、4円と併設して50銭パチンコをやっています。お客様の層はやはり4円とは全然違いますよね。時間のある方が1日中ゆっくりと、お金をかけずに遊べるのが50銭パチンコ。景品も増えましたから、そこでも他店との差異を出すチャンスがありますね。

ただ最近では低玉貸でも、周りの状況を見ると完全にパワーゲームになっているように感じます。新台入れ替えを頻繁に行ったり、交換率にしても。単純に考えて、1円貸しだと四分の一の売り上げしかないのに、機械代は変わらないわけですから、新台入れ替えをするということは、結局お客様に負担をかけることになりますよね。この高コスト体制をどうにかしなければいけない、という思いはずっと持っています。

4円パチンコにしても、とにかくお金がかかりすぎているから、射幸性をもっと低く、客単価を抑えたほうがいいと言い続け、店舗でも色々とトライしたんですよ。これならあまりお金を使わなくても遊べるんじゃないか、という機械を導入したり。

でも、当時はお客様に受け入れられなかったですね。お客様も含めて、射幸性を求めていたのかもしれません。機械メーカーも、そういった仕様の機種を本腰入れて作ってなかったんでしょうね。あまり面白いと感じる台が少なかったように思います。

差異性を大切にされている、というお話でしたが、具体的にどのようなことを実践されていますか?

うちは常連のお客様が非常に多い店舗です。「○○さんがいるから、私はこのお店に負けても来てるんだよ。」といかに沢山のお客様に言って頂くかが、非常に大切です。

例えばお客様が吸っているタバコの銘柄を覚えておいて、呼ばれたらすぐにそれを持っていってあげるとか。そういったことの積み重ねが、差異性になり、この店ならではの良さ、お客様が選んでくださる理由になっていくのだと思います。お客様の情報を覚えようと、スタッフがメモを片手にホールに出ている姿を見ると嬉しいですね。

それから、初めてこられるお客様に、「この店いい店だな」と思って頂くことってすっごく難しいと思いますが、スタッフにはそこを頑張りなさい、と言っています。第一印象は大切だとよく言いますが、次もまた来て下さるかどうかは、初来店時の印象にかかっていますよね。特に、負けたお客様は、ほとんどスタッフと接することなく帰られますから、そこで何か残そうと思うとすごく難しい。

常連さんとは会話をして欲しいですね。そこに憩いを求めて来てくれている方も沢山いますから。ただ、話し込んでしまうと、一見のお客様には居心地の悪い空間になってしまう。要はバランスですよね。親密さ、平等性、バランスよくやることが一番難しいのかもしれませんね。色んなことを一度にやろうとしてもなかなかうまくいきませんから、今年はこれだけやろう、と年間スローガンを私が決めて発信してるんですよ。

今年は、「目配り、気配り、心配り」。とにかく、いかに他店との差異性を出すか。そのために、今お客様が何を欲しているのかという部分に目配り、気配りしよう。また、ゴトに関してもしっかりと目配りをして、防止しよう。

そして、心配りに関しては、社員間のコミュニケーションがあってのチームワーク。ベクトルを一つに向けて、力を合わせなければお客様には伝わらないということ。「目配り、気配り、心配り」をすることによって、すべて差異性につながっていくと思っています。

スローガンは毎年変えるんですが、面白いですよ、過去を辿ってみると。全部覚えてはいませんけどね。一番最初は、差異性にもつながるけど、「非存在のデメリット」という言葉を掲げました。講演で聞いた言葉なのですが、存在することによって、人がメリットを感じる企業は沢山ある。

しかし、これから生き残ることができる企業というのは、この企業、この店がなくなったことによって、デメリットを感じる人がものすごく沢山いる。そんな企業が生き残る。それを「非存在のデメリット」という言葉を使って説明されていました。すごく共感しましたね。要は、無くなったときにお客様が困るような店舗でありたい、ということ。そういう店にしましょう、と今でも言い続けています。

森腰専務がトップとして心がけていらっしゃることはどんなことでしょうか?

私はトップとして、自分が常に人間力の向上をすることが会社のためになる、必要である、思っています。人間力とは何かと言えば、私は「感性」という言葉を大事にしているのですが、花を見てきれいだと感じる感性とは別に、直観的に物事を判断する能力、という意味での感性が人間力を表すと思っています。

例えば自分が住む場所ではないところで大震災が起きたとします。そういった時に、「何かしなければ」と感じる。「何が出来るだろう、何をしよう」と感じる。そういう感性。例えば、今この業界の状況は良くないと感じているなら、どんな行動や発言をしなければならないのか。どんな働きかけをすれば状況が好転するのか。そういう感性。

人間力が向上すると感性は変わっていくと思うんですよ。何を幸せと感じるのか、ということに関しても感性がすごく影響しますよね。お金をたくさん儲けて、高級車に乗ってキレイな女性とドライブすることが幸せ。そういった感性の人もいれば、大変な人、困っている人の手助けをして、その人にありがとう、と言ってもらうことが幸せ。と感じる人もいます。

どちらが人間力が高いかというと、私は後者だと思います。人間力とはそういうことで、それにともなって感性が変わり、発する言葉や行動も変化していきます。スタッフに発する言葉一つとってみても、「なぜ利益が上がらないのか」と言うのと、「お客様のために出来ることはなんだろ」と言うのかでは、受け取る相手の納得度やモチベーションも大きく変わりますからね。

私はトップとして、人間力を向上させる努力をし続けて、利益だけではなく、お店として「非存在のデメリット」になるために自分達はどういったことをしなければいけないのか、それを示していきたいと考えています。

人間力を磨くための努力とは、例えばどんなことができるのでしょうか?

色々あると思いますが、私は社会活動などの他に、本をよく読みますね。一番心に響いたのは、「人間の格(著・芳村思風)」という本。ある方に頂いて読みましたが、そこに私が大切にしている「感性」のことがたくさん書いてあるんですよ。高価な本なので、なかなか手が出ないかも知れませんが、すごくお勧めの一冊です。

それと座右の書にしているのは「7つの習慣(著・スティーブン・R・コヴィー)です。最初読んだ時はよく分からなくて、4回くらい繰り返し読み込んでようやく理解できるようになりました。あの本の中にも色んな哲学があって、仕事ってこういうものなんだという発見、学びがありました。

やはり社員の皆さんにも人間力の向上を求められますか?

そうですね。仕事だけではなく人生を豊かにすることであると思うので、努力して欲しいですね。インプット、アウトプットが積極的にできるようになってほしいですね。

現状、現場から意見が上がってきたり、主体的に動くということがなかなか出来ていないんですよ。というのも、昔は完全にトップダウン体制で、全て私の意見でバンバンやっていました。当時はすごく業績が良かったんですよね。ただ、会社としてそれでは成長しない、トップダウンではなくボトムアップの組織に変えていきたいという思いもずっと持っていました。そういうことを社員にも少しずつ話し、ここ何年かはボトムアップの仕組み作りをしてきました。

ミーティングをやるようになったり、自分達で目標を立てるようになってはきましたが、そう簡単には変わるものではありませんからね。じっくりやっていこうと思っています。店長にも、外に目を向けて積極的にインプットして欲しいですね。ずっと事務所にいるだけではなく、他店を見たり、本を読んだり、他のことをしないと、新しい発想は出てこないと思います。とにかくアンテナを張らないと何にも入ってこないし、アウトプットもありませんからね。

まずはアンテナを張って情報を得ようとすることが大事ですね。それでは、森腰専務の今後の夢や目標を教えていただけますか?

何度も言いますが「このお店が無くなったら困る」と、一人でも多くのお客様に言って頂けるようなお店にしていくことです。そのためには、他店との差異性を出し、お客様に選ばれるお店にならなければいけないと思います。私が座右の銘にしている言葉は「成功の秘訣は、思うことの一念」というものです。

流れ星に願いを言ったら叶う、というのは、一瞬流れた星に咄嗟に願えるくらい、常にその願いを強く思っているから、実現するんだと言われています。>沢山のお客様がうちの店に対して「なくなったら困るんだ」と言って通ってくださるイメージを明確にもち、そうなりたいと強く思い続けていこうと思います。

ありがとうございます。確かに一瞬の流れ星に願えるほど常に強い思いを持っていれば、実現できそうです。それでは最後に読者メッセージをお願いします。

一人じゃできないことかもしれませんが、業界で働くみんなでお客様が求めていることを理解しましょう。お客様の中には当然、ギャンブルとしてやっている人もいるし、逆に余暇として楽しんでいる人もいます。それを同じステージで全部バランスよく体現させてあげられる。余暇で、お年寄りがどうやって時間を使っていいか迷ったときに、パチンコしてくる。と選んでもらえる。それが業界の存在意義だと思っています。

お年寄りに毎日でも遊んで頂けるように、低コスト体質に変えていかなければならないと思います。お客様が求めていることをアンテナ張って敏感に。そうすることで業界全体が良くなると信じています。

業界の存在意義こそ、他業界との差異ですよね。そこを大事にして、ファンに愛される業界でありたいと思います。森腰専務、本当にありがとうございました!【END】

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