本日の『TOPから学ぶ!』は、株式会社オーイズミ(本社:神奈川)の大泉代表取締役副社長と、がろぱ氏こと、有限会社ASH石塚社長とのスペシャル対談後編をお送りします。

後編では、リリース当初、プレスの間では「あの機種はダメ」と酷評されながら、ファンから絶大な支持を集め、欲しくても手に入れることが困難になったという機種「ひぐらしのなく頃に 祭」の開発秘話、広く愛される機械作りにシフトしたきっかけ、そしてオーイズミが目指す機械作りと今後の展望を、余すところなく語って頂きました。

今回の記事は、がろぱさんの有限会社ASHが運営するファンサイト「HAZUSE」でも紹介され、プレイヤーの皆さんから大きな反響を頂いております。

自らがプレイヤーとしてパチンコ・スロットにのめり込み、顧客心理を知り尽くした大泉副社長が、機械を作るうえで大切にしていることとは?

必見です。

 

がろぱ:HAZUSEのプレイヤー間でも、ひぐらしはかなり支持されています。ひぐらしを肴にお酒を飲めば朝まで語れる、という方ばかりですよ(笑)「オーイズミでしか出来ない技術介入性」とは具体的にはどういうことですか?

大泉副社長

ひぐらしレベルの、「プレイヤーのチャレンジ精神を少しくすぐる」くらいの技術介入性のある機械ですね。ARTばっかりではなくて、他と違う機械を作りたいんですよ。

・・・私は実は、ものすごいパチンカーなんです。

昔から、めちゃくちゃ打つんですよ。特にスロットをずっとやっていて、自分が本来作りたい機械というのは、すごくマニアックな機械なんです(笑)。

それこそ初めの頃、1号機から3号機くらいまでは、ものすごくマニアックな機械を作りました。

今までで一番難しい機械を作ろう、そこにチャレンジしようと。チームメンバーも自分で集めて、もちろん開発の全工程にタッチしてやりましたね。

これが、思いとはうらはらに非常に苦戦しました。

結局、自分の作りたいもの、自分の趣味に合ったものを作っていたせいで、市場にマッチングしなかったんですよね。

がろぱ:あ、もしかして、エルレボ(エルレボリューション)も副社長が??

大泉副社長

そうです、そうです!その他で言うと、特にスペックAは超お気に入りです!

がろぱ:それを聞いただけでどれだけスロット好きかが分かりました(笑)
今まで色んな台が名機だと言われていますが、私の中ではエルレボは神レベルです。

大泉副社長

がろぱさんありがとうございます、すごく嬉しいです。少数の方にそう言って頂けるんですが、それは残念ながら少数意見なんですよね。私は正直それがすごく嬉しいんですが、やっぱり広く愛される機械を作らないとだめだよねということで、それからどういう機械を作ったらいいのかわからなくなって、かなり迷走しましたね~。テーブル型スロットを作ったり。会社にもすごく迷惑をかけました。

迷走から一歩抜け出せたきっかけは、オリンピアさんと組ませて頂いて、パチスロ鉄拳伝タフという台を作ったときです。

その台がうちにとっては過去最高ヒットになったのですが、その時にやっぱり裾野は広く機械作りをしなくてはいけないと感じたんです。その中で一部、奥深さがあるのはいい。ただ、その奥深さもプレイヤーが見つけられるものでないと意味が無い。深すぎると結局自己満足になるので、見つけられるレベルではないといけない、ということを学びました。

あぁ、こういう機械作りをしてたんだ、とオリンピアさんにはすごく勉強させてもらいました。

がろぱ:そうだったんですか。私は副社長のマニアックな機械が大好きですが、確かに裾野を広げて沢山の人に支持されることは必要ですよね。

大泉副社長

そうなんです。それまで機械作りの工程全てに口出しをしていたのですが、今では最初の企画会議に入るだけで、仕上がるまでは見ないようにしているんですよ。どうしても口を挟みたくなりますから・・・。

企画会議で結構細かいところまで詰めるので、そこにはタッチしていますが、それ以降は任せるようにしています。ひぐらしも、初めの企画レベルではARTは嫌だよね、RTにしよう。目押しはあり、でも初心者でも打てるものにしたいよね。というところから、それ以降は技術者がほとんど作りました。

がろぱ:打ち方として、中押しなどありますよね。そういう所は、恐らくプレイヤーはそういう風に打つだろう、と想定してらっしゃったんですか?

大泉副社長

基本的にスロットは順押しが面白くないといけないと思っています。

ただ、私自身もはさみ打ちとか変則的な打ち方で楽しんでいたので、そういう風に打ち方で面白みが見つけられると、ひぐらしのような機種は特に、より楽しめるのではないかと思いました。

がろぱ:ご自身がスロットを打ち込んでいらっしゃるからこその発想ですよね。他に気を配られた点はありますか?

大泉副社長

基本的に機械作るときは、原作を大切にしたいと心がけています。版権を使う場合は、作品を全部見ますよ。

がろぱ:確かに原作ファンからの目線は大切ですよね。HAZUSEでも、原作を無視したような作りの機種に関しては、厳しい意見が上がっています。

大泉副社長

ひぐらしに関してはそういったクレームはほとんどありませんでしたね。特に熱烈なファンが多い作品で、ファンの方はキャラクターに愛情を持っていらっしゃるので、少し心配していましたが大丈夫でした。

プレイヤーの方のご意見は、すごく気になりますよ。パチンコブロガーの方を10名くらい集めて、座談会をやったり、やっぱり自社の機械について書かれている掲示板やサイトなんかは、気になって見ています。そこに書いてあるご意見はやはり無意識に頭に残っていて、何らかの形で開発に影響していると思います。

がろぱ:そして、ずばりお聞きしたいのですがひぐらしは仕上がった時点で手応えを感じていらっしゃったんですか?

大泉副社長

正直ありました。これはいけるんじゃないか、と。

がろぱ:私はプレスに行かせてもらったんですが、そこでは圧倒的にダメだ、という意見が多かったんですよ。技術介入で機械割が100を超える、とプレスで言うなんてどういうことだ?おかしい!という声が多かったんですが、蓋を開けてみるとそれが正しかった。さすがだな、と思いましたよ。

大泉副社長

あれは、ビタ押しのレベルの按配で、先ほど話した「あまり深すぎてはいけない」という技術の象徴ですよね。ただ、そうは言っても難しい。実際あれは失敗する、と思っていたんです。完全攻略できれば確かに100%を超えますが、恐らくできないだろうと。

そこに関しては、今まで自分がスロットが好きで、ひたすら打ってきた経験が役に立ったと思っています。

完全攻略は出来ない故に機械割りは落ちる、だけど攻略したいというチャレンジ精神をくすぐることでファンにはうける、という確信がありました。

がろぱ:お話を聞いていてもそうですが、御社の機種を打っていると、プレイヤーがどういう風に打つのか、どこで面白みを感じるのかをよく分かった人が作っている、というのが伝わりますよ。

大泉副社長

ありがとうございます。その面白みという部分で、これからは液晶演出のクオリティも向上させて行こうと思っています。液晶を作っていく上で、これまでは作り手の感性次第という面が大いにありました。だから液晶を作っている部隊A、Bがあるとしたら、やっぱり差が出てきてしまうんです。そこのクオリティを統一したいと思っています。

今進めていることなのですが、今後は感性で液晶作りをするのではなく、それをロジックに落とし込みたいと思っています。

これは誰がみても面白い、ドキドキする、という感覚の部分をロジックに落とし込む。それが出来れば、だれもがヒット機種を作れるようになります。そこを目指して機械作りをやってきて、その仕組みが出来上がりつつあります。

来年には、完全にシステムに落とし込む予定です。そうなれば、駄作というのはなくなると考えています。

がろぱ:今後の御社の機種がとても楽しみです。

今回の記事を見てスロットファンは、どうしてオーイズミがああいう機械を作っているのか、納得がいくと思います。

開発のボスである副社長のスロット愛、ポリシーがぶれないんですね。

大泉副社長

私はメーカーの人間の中で、一番パチンコ・パチスロが好きだと思いますよ!

大好きですね、本当に。どうすればプレイヤーの心に響くか、それは常に考えていますね。

それと、うちのスロット開発部門はプロパー社員がほとんどで、外部からの入社はほとんどないんですよ。そういうこともあって、ポリシーもぶれないのかもしれません。

がろぱ:新卒社員も増えているとか。入社条件はやはりパチンコ・パチスロ愛でしょうか?

大泉副社長

それは、絶対条件です。絶対!

最終面接は全て私がやらせて頂いているのですが、開発や営業をするのに、愛がなければ話になりませんよね。

がろぱ:ありがとうございます。業界人として、またいちファンとして、これからも御社の機械を楽しみにしております。

大泉副社長

TOPから学ぶ!!

開発者の願いは、長くお店に置いて頂きたいということです。1年も2年もかけて一生懸命作ったものですから、プレイヤーに演出を一つ残らず全部見て欲しいんですよ。

正直に言うと、全ての機械が良いものであれば、別に売れなくてもいい。評価してくれる人が評価してくれれば、それでいいと思っています。

ハネスロが好き、あるいはひぐらしのような機種が好き、などプレイヤーの価値観はそれぞれ違います。でも、私達はそれぞれの機械開発に全力で取り組みます。

そしてその機械に合う価値観を持っている人が共感してくれればいい。だからこそ、同じものさしで他社に並ぶ機械を作らなくていい。自由な発想で色んな機械を独自に作っていこう。その全てに全力投球しよう、というポリシーを持って、これからも良い機械を作っていきます。

―ありがとうございました!

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