本日の『TOPから学ぶ!』は、有限会社サンエイ(本社:長野、屋号:ニュー東京)の安田常務取締役(後編)です。

前編では、入社してから現在に至るまでの失敗や成功、苦しい時に気付いた周囲の助けや部下との絆について伺いしました。
今回は、組織化を進める上で始めた取り組みをお聞きしました。
「以前はとにかく売上や店舗数を伸ばすことだけを考えていましたが、今は、人が育ってこそ出店ができる。人の成長があってこそ企業の成長がある、と思うようになりました。」とおっしゃる安田常務。
ご自身もセミナーや他社との交流など学びの機会を増やし、それを社員とも共有するために「常務塾」を始めたそう。

そして、トップとしての心構えや店長に求めることを、福沢諭吉の一つの詩に例えて教えてくださいました。厳しさを備えた商人の心得、ぜひ読んでみてください!

ではどうぞ!

―前回人材育成のお話しが出ましたが、どんな取り組みをされているのでしょうか?

会社としては研修や制度を設けていますが、ひとつ私が個人的に始めたものがあります。

社員の成長をサポートしたいと思い、昨年の4月から「常務塾」というものをやっています。ネーミングは適当につけました(笑)

会社での仕事を部下に任せて、時間を作れるようになってから、他社との交流やセミナーに参加する機会が増えて、自分自身が色んなことを学びました。これをどうにか社内にもシェアしたいと思い、店長候補の中間管理職の社員を対象に、仕事ではなくプライベートとして勉強会をすることにしたんです。自主参加で呼びかけたのですが全体の四分の三くらいは参加してくれています。4班くらいに分けて月1回開催しています。

内容はというと、経験シェアです。

最初に秘密保持契約を交わすんですよ。班内の話しは、他には絶対に漏らさない。その代わり、個人、家庭、仕事という3項目について、1ヶ月の間で良かったこと、問題や悩み全てを発表します。

その中から、トピックスを1つ決めて、それに関して全員で経験シェア。アドバイスはせず、それぞれの経験だけを話すんです。

例えば、部下から辞めたい、と相談を受けました。という悩みがトピックスにあがるとします。そうしたら、こうすれば?というアドバイスではなく、自分はそういう時にはこうやって解決しました、という体験談を語るんです。

最後に私からアドバイスも含めて、全体で3~4時間くらいですね。

やっていくうちに、もっと勉強しなきゃ、成長しなきゃ、という意識が芽生えてきたと感じています。また、店長という同じ目標を持つ仲間同士での連帯感、みんな勉強してるんだな、とか同じ悩みを抱えてるんだな、とか。横のつながりも深まっていると感じます。

私自身もすごく勉強になったんですよ。それまでは、じっくりと話す機会がありませんでしたので、彼らが仕事に対して本当に一生懸命考えていることや、もっともっと仕事をやりたいという思いがあることに初めて気がついたんです。店長にもフィードバックして、もっと彼らがチャレンジしやすい環境を作ろう、と話しをしています。

あとは、みんなの家庭の悩みも参考になります(笑)

―すごく面白い取り組みですね!常務塾、第2期からも参加者が増えそうですね。それでは、安田常務がTOPとして心がけていることを教えてください。

業界が厳しい中でも、社員が夢を持てる状態にしなければいけない、と思っています。

2年前に、遅ればせながら企業理念を作ったんですが、当社は「夢と幸せが溢れる会社」を目指しています。

夢を持って、夢が叶うことに幸せを感じて欲しい。

仕事を通して夢を持たなければいけないというわけじゃなくて、夢があるからそれを叶えるために仕事をする、目標を持つ。それでいいと思っています。

1年前から全スタッフを対象に、目標設定という取り組みをしていますが、始めてから夢を持っていないスタッフが多いことに気がつきました。まずは夢や目標を持つ必要性を説くことに時間がかかってる状態です。

夢も含めたライフプランを持って欲しいですね。

また、3年前から組織化を進めていますが、当社はまだまだ発展途上の会社で、未完成な部分が多いです。もっと進化するためには、まずTOPである自分がもっともっと変わらないといけないんだ、と思っています。

今年の目標として、自分自身が変わる、ということを設定しました。

明確なビジョンを持って、それにがむしゃらに向かう姿勢をもっと出していきたいと思っています。

ちょうど8年前にお店をやらせてもらったあの頃の強い思い、がむしゃらさを思い出して、もう一度。

ただ、あの頃と違うのは、今は支えてくれる仲間がいるということ。その人達と一緒にどう進むか、ですね。

―ありがとうございます。それでは、御社の店長に求められることはどんなことですか?

オーナー意識を持って欲しいですね。店長は、一番過酷なポジションであると思います。

その中で、やりがいや魅力って何だろう、と考えると、それはオーナーと限りなく近い権限があって、自分のやりたいことを実行できるということ。そこにやりがいを感じてもらいたいと思っています。

自分の給料も、部下の給料も、役員の給料も俺が稼いでる、役員は俺が食わせてやってるんだ、とそれぐらいの気持ちでやって欲しいですね。私が現場にいた頃、そう思ってましたから(笑)

とはいえ、まだ当社では権限委譲が完全に出来ていないのが現状で、模索しているところです。ここも早く進めていきたい部分ですね。

福沢諭吉の「商人の道」という詩があります。すごく好きで、弱気になったら読むようにしているのですが、

(「商人の道」全文はページ下部分に記載)

店長もこういう考えを持っててもいいんじゃないかなと思っています。

新しいことをやろうとする時、特に厳しいときにはどうしても石橋を叩いて叩いて、結局渡らなかったりします。

そういうときにこれを読むと、渡らなければといけない、チャレンジしなければいけないんだと思うんです。

安定とか現状維持を意識した瞬間に成長は止まってしまいますから。厳しい営業状況の中でも、これでいい、という結果はないんです。もっとよく出来たんじゃないか、という向上心、探究心を持って欲しい。それが成長するための原動力だと思います。

―ありがとうございます。最近は遊技をしない店長が多いと聞きますが、その点はどうお考えでしょうか?

店長はもっともっと自分でパチンコ・スロットを遊技するべきだと思っています。お客様目線、お客様の体感を学ぶためには、絶対に必要なことです。

店長に、「今のパチンコ・スロットは面白いですか」と聞くと、面白い、という人はすごく少ないと思います。

でもそれって、店長をやる資格がないと思うんです。

自分が面白くないと思っているものを、どうやってお客様に楽しんでもらうんですか?ということ。

昔の方が内規的にも楽しかった、ということはあるにしても、現状は今ある機械を使って商売をしていかなければいけません。それを「今の機械は面白くないんです。」というのは単なる現実逃避ですよね。

それらを使ってどうやってお客様を増やすか。今のパチンコ・スロットをどうやったら面白いと感じるのかを、考えないといけないですよね。それを考えるためには、まず自分が遊んでみないと。

時間やお金の問題は確かに現実的にあるのかもしれないけど、大切な仕事だと思います。面白いと思える方法を見出さなければ、逆に言うとどうやってお客様を増やすんですか?ということですよね。

―確かに、お客様目線とは、そういうことですよね。それでは、これからの夢・目標を教えてください。

企業理念を全社員が体感できるような会社にしたいです。

例えば地元の人に、ニュー東京にうちの子供を預けたい、と言ってもらえたり、社員の子供が「お父さんの会社で働きたい」と入社してくれたり。

また、退社していった人が再就職をした時に、ニュー東京にいた人なら大丈夫だ、と言われて、ああ、この会社で働いてよかったな、と思ってもらえるような会社にしていきたいですね。

―最後に読者の方へメッセージをお願いします!

大それたことはなにも言えないんですが・・・

TOPから学ぶ!!

仕事を通して、自分自身が成長する喜びを大いに味わってください。自責の元での自立自走がないと、成長はないと思うので、その中での喜びを大いに味わってください!

―安田常務、ありがとうございました!(おちゃめなひとコマ)⇒

 

「商人の道」 福沢諭吉

農民は連帯感に生きる。商人は孤独を生甲斐にしなければならぬ。
総ては競争者である。
農民は安定を求める。商人は不安定こそ利潤の源泉として喜ばねばならぬ。
農民は安全を欲する。商人は冒険を望まねばならぬ。絶えず危険な世界を求め、そこに飛びこまぬ商人は利子生活者であり隠居であるにすぎぬ。
農民は土着を喜ぶ。大地に根を深くおろそうとする。
商人はどこからでも養分を吸い上げられる浮草でなければならぬ。

その故郷は住むところすべてである。自分の墓所はこの全世界である。

先祖伝来の土地などという商人は一刻も早くそろばんを捨て、鍬を取るべきである。
石橋をたたいて歩いてはならぬ。人の作った道を用心して通るのは女子子供と老人の仕事である。我が歩むところそのものが道である。他人の道は、自分の道でないということが商人の道である。

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