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有限会社須磨エンタープライズ、瀬野裕一代表取締役 TOPから学ぶ

瀬野裕一/有限会社須磨エンタープライズ 代表取締役。熊本県遊技業協同組合青年部会 部会長を務める。また、2010年より九州地区遊技業組合連合会の青年部会長も兼任。昨年11月より代表取締役へ就任。

本日の『TOPから学ぶ!』は、有限会社須磨エンタープライズ(本社:熊本)の瀬野代表取締役にお話を伺いました!熊本県遊協と、九遊連の青年部会長を務める瀬野社長。毎日忙しく飛び回る中でも、出来るだけ朝礼・終礼に参加し、社員の皆さんの顔を見るようにしているそう。<皆さんに求めることは、自分で決断をして欲しい、ということ。一風変わった仕事論、すごく興味深くお聞きしました。

瀬野社長、本日は何卒よろしくお願い申し上げます!瀬野社長は、熊本県の青年部会長と、九遊連の青年部会長を兼任されているとか。お忙しいですね。

光栄なことです。青年部の仕事で色んなところに行く機会が増えましたよ。

最近では、兵庫の権部会長の呼びかけで、全国の青年部との交流会も盛んに行うようになりました。その場では、色んなことをディスカッションしていますが、この業界は、許可営業、風営法下の商売。ご存知の通り、風営法というのは法令の条文及び運用解釈に幅があります。他県の話を聞くと、やはり営業の仕方、それに対する取り締まりの事例に差がありますので、それを踏まえて自分達はどうしたらいいか、と考えることが出来ますね。非常に勉強になります。

大きなテーマでいうと、今後どういう方向性でこの業界を進めていけばいいのかということを話し合うことが多いです。景気が良かった頃は、ただの親睦会でも良かったのでしょうが、今や青年部は、業界の状況を何とか改善していこうと、諸問題を考える場所になりつつあると思います。業界の未来を背負っているという自覚を持って務めさせて頂いています。

もちろんそれ以外にも、例えば大阪の皆さんは、大都市圏で非常に厳しい競争をしつつも、皆さんが本当に元気。大変だと言っているだけではしょうがない、やっぱり商売は元気を出さないと!とパワーをもらえますね。同業者がつながりをもって、ともに業界を盛り上げていく、という意識が強くなっていることは、とてもいいことだと感じています。

ありがとうございます!では、瀬野社長が業界に入られたきっかけを教えていただけますか?

両親がパチンコ店を営んでいたことから、大学を出て自然に入社しました。1986年の話です。昭和39年、僕が2歳の時に設立した会社ですので、玉の音が子守唄、という環境で育ったせいか、特に家業を継ぐということに対して、反発はありませんでしたね。学生の時にアルバイトでみっちりホールスタッフとして働いて、入社してからは営業部長として仕事にあたりました。

仕事を始めた頃に一番大変だったのは、機械トラブルと、お客様とのトラブルですね~。まあ、苦労話は色々ありますけど、今となっては全て笑い話ですよ。当時は、ひ弱な人間でしたから、業界向いてないな・・としょっちゅう思ってました(笑)

そうなんですか!それでもやってこれたのは、何がモチベーションとなっていたんでしょう?

私は少し変わっているかもしれませんが、自分の人間的な成長を面白がるところがあってね。仕事を通じて、自分の変化の度合い、成長度合い、何のために生きているのか、ということを確かめながら、踏まえながら生きてきました。自分が今、前に進んでるな、とか、停滞しているな、とか、そういうところを面白がって生きてきたんですよ。だから、自分にとっては自己を高める、自己を成長させる、そういった活動をする手段が、パチンコの仕事だった、というわけです。

だから、比較的冷静に、パチンコという仕事自体が面白くて仕方がない!とか、つらくて仕方がない、とか思わずに、自分を成長させるための手段・道具として有効である、という視点で捉えてきました。だから、続けていられるんだと思います。冷静に、とは言ってももちろん、目の前にある物事に対して、驚いたり、嬉しいとか悲しいとか感じてきましたが、好きだ、嫌いだ、というよりは、道具として使えるか、使えないかと思っていましたね。

仕事を始めてから1年後に、空手をはじめたのですが、それも同じく、道具。道具だから、使うものですよね。使えなくなったら交換したり、修理したりしなければいけない。パチンコの仕事は25年、空手は24年。自分を高める道具としては十分使いこなしていると思います。

少し自分でも考え方が変わっているのかな・・という気がしていますが(苦笑)決して誤解してほしくないのは、「道具」だからと言って気楽にポンポンと変えるのではなくて、自分を高めるものとして使えているかどうか、という視点で見なければいけないということです。

とても興味深いお考えです。社員の皆さんにも同じように仕事を捉えて欲しいと?

価値観を押し付けることはしませんが、私の姿勢そのものを見てもらっているかな、という気はします。共感してくれたのであれば、同じように捉えてほしいですね。社員の皆さんには、自分で努力して、人の意見をしっかり聞いて、勉強して、そして、最終的には、自分で決めなさい。自分で考え、納得した結論に従って動いてほしい。と話しをしています。

その結果、失敗・成功とありますが、それに対してとやかくは言いません。人から言われたことだけをやればいいか、という人には、決して向上はありませんからね。店舗が比較的小さいので、社員の皆さんとは常に接触するようにしてます。朝礼、終礼。仕事で外すとき以外は必ず出るようにしています。

数字は当然大切ですが、社員の顔を見て、今日も元気そうだとか、何かあったのかな、とか自分の目で確かめるようにしています。売上や、利益だけでは会社は成り立ちませんからね。

さて、代表取締役に就任されたのは、2010年の11月のことだと伺いました。それまでは専務でいらっしゃったそうですが、ご自身の中に変化はありますか?

実際にやっていることは、全く同じですからあまり気負いはなかったですね。ただやっぱり、代表取締役、というのは会社のトップですから、偉いんだぞという意味ではなくて、最終決断を強いられる立場ですから。「帰って、上と相談します」が今月から使えなくなった!という良いプレッシャーはありますね(笑)

そして、この業界があまりよくない状況ですからね、店舗としての努力もさることながら、業界をどこに持っていかなければいけないのか、ということをさらに意識するようになりました。

業界の方向性ということだと思いますが、どういうことを意識されていますか?

やはり、原点回帰しなければいけないんだと思います。昔はホールも良かったんですが、特にお客様にとって楽しめた娯楽で、裾野の広い娯楽でした。いまや業界は一部のヘビーユーザーのみに支えられていて、はっと気付くと、非常に裾野の狭い業種になってしまった、と感じています。1円パチンコは、4円の行き詰まり感を打開するための妙策だったと思いますが、それも差別化を図るあまり、高交換率化が進んで、4円と同じことを繰り返してしまっている現状があります。

例えば、商店街がある町の郊外に、大手スーパーが進出して地元の商店街が廃れてしまったという例が多くありますが、今は、大手のスーパーも苦戦している時代です。

自由競争を完全な是だとしてしまった結果が、どういう末路をたどるのか。他の業界が証明しているんですよね。そういう意味では、まだこの業界は良くなる余地があります。本当にこの業界を愛して、守ろうとしている人間が集まって話し合うことで、打開策が見えてくると思います。

ありがとうございます。では、瀬野社長がトップとして心がけていらっしゃることは?

努力。他者から学び取る謙虚さを持つこと。それから、自分で考えて、自分で決断をするということです。どれもがつらいことですが、でもトップだからこそ、その3つはやらなければいけないことだと思います。

また、トップとして、というわけではありませんが、私が恐れていることは、決め付けてしまうこと。何事も決め付けるのは簡単なんですよ。例えば人に対して「あの人はこういう人だ。」と結論付けてしまうと、その先の検証はありません。考えなくていいから楽でもあるんですよね。

ただ、決め付けずに、常に検証を続けることによって、「あの人にはこういう面があったんだ。」とか、「この物事にはこういう側面があったのか。」と新しい発見することができます。

それが自分の幅を広げること、成長につながると思います。かつては性格上、すぐに決め付け、レッテルを貼っていました。それですごく損をしてきたと思っています。新しい発見を逃してしまったという失敗、自分の見方、思考を広くオープンにしておかないと、入ってくるものも入ってこないことに気がついたんですよね。

これは先ほど言った、自分で決断をする、ということにとつながります。決断をした後には、あとは結果しかありませんから、そこに至るまでに、沢山の情報を得て様々な側面から検証しないと、決断も高次なものになりません。

しっかりと検証をするためにも、何事も決め付けず、フレキシブルに考える広い視野を持ちたいと考えています。

では、店長にはどんなことを心がけてほしいですか?

同じですね。自分で考えて、自分で決断をしてください、ということ。決断する、ということは、その後の全責任が自分にかかるということです。もちろん会社の方針に従わなければいけないとか、自分の主張を抑えなければいけない部分がありますから、一概には言えませんが、言われたことに従う、ではなくて自分で検証して、納得して、そのことを実践してほしいんです。

もし、どんなに調べても、検証しても、上司の考えは違うんじゃないか、と思ったら。その時は勇気をもって進言してほしい。上司にとっては、自分の意見を覆すとか、自分にとって嫌なことを言う社員の方が、大切な社員ですから。

もちろん役職があがるごとに責任も重くなるし、厳しさを感じると思います。なかなかその立場に立った人しかわからない厳しさがありますからね。

でも、その立場をまっとうすることが、自分自身の人生を一つステップアップさせるんだと思います。先ほども言いましたが、仕事は道具です。いつか仕事は辞めますからね。

でも、死ぬその日まで人間を辞めるわけにはいかない。だからこそ、仕事を通して少しでも自分を高めて欲しいと思っています。

では、瀬野社長の夢や目標を教えてください。

非常に抽象的な言い方になりますが・・・

今目の前にある道は、自分なりに切り開いてきた道です。この先に続く道筋も、自分なりの実力で歩んでいきたい。それが私の目標です!

好きな言葉は、努力。

偉人達の言葉や、これは、と思う言葉は切抜きにしたりして分厚いファイルになるほど集めています。でも、たくさんある言葉の中でも、やっぱり一番好きな言葉は努力ですね。人生は努力そのもの。人生が終わるときに、努力が終わり、努力が終わるときに、人生が終わる。死ぬまで努力をしたいと思っています。

最後に読者メッセージをお願いします!

この業界で働いていて、毎日やりがいを感じていて楽しくて仕方がない!という方には特にメッセージは必要ないと思いますので、逆に苦しんでいる方へ。

私のなりの人生観ですが、例えば登山をするとします。当然頂上を目指すわけですが、その山には、登山口がたくさんあります。いろんな人が色んなところからスタートしていて、自分が立っている登山口が合っているのか?本当に頂上にいけるのか?と不安になります。

でも、上っていくうちに、いつか道は一つにつながるんです。人生も一緒で、登山口が0歳としたら、だんだんと道はつながっていきます。その道をただ、一生懸命登れば、大丈夫なんです。

生きていれば、果たしてこの仕事でよかったんだろうか。この選択で合っていたんだろうか。と、迷うこともあると思います。でも、その選んだ道を一生懸命に登れば、やがて10本だった道が5本になって、4本が2本になって、いずれは頂上へつながる1本の道になります。

選んだ道を一生懸命に登る、ということが大事なんです。いい加減な登山家は、いつまでたっても上に行けないんですよね。苦しくても、歩みだけは止めないでください。必ず景色が変わってきますから。背負っている荷物の重さは、人それぞれ。でも、もう背負えないと思ったら、降ろせばいいんです。荷物は荷物であって自分自身ではないんですから。それでも、歩みだけは止めないでください。

でも、どうしても、どう頑張ってみても辛かったら、道具(仕事)を変えるという選択もあります。それは自分で考えて、自分で決断をしてくださいね。人生は短く、時間には限りがあります。仕事にしろ、プライベートにしろ、自分を高めるために充実させていきましょう!

瀬野社長、ありがとうございました!とても勇気をもらえるメッセージでした。

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