本日の『TOPから学ぶ!』は、豊栄興産株式会社(本社:兵庫、屋号:Dino(ディーノ))の権社長(前編)です!

突然パチンコ店の経営を任されることになった10年前。
初めは全体を把握することでいっぱいいっぱいだったとおっしゃる権社長。
その頃のモチベーションは?とお聞きすると、「目に見えておかしいことが沢山あったので、とにかくそれを片付けたい。という気持ちだけ。モチベーションなんてたいしたことじゃなかったですよ。」
と、1日18時間以上働いていた頃のことを振り返ってくださいました。

社員の皆さんには、この会社で仕事を通して自己実現してくれることが望み。
かつてのご自身のように、何十時間も体を壊すほど働く必要はないけど、常に「社長の代わりを務めている」という気持ちで仕事をしてほしいそうです。
社長の代わりをしている、という責任とプライドを持って、それを成長につなげてほしい、ということ。
職場環境の整備、持ち家制度など、社員の自己実現をサポートするための制度も充実させていらっしゃいます。
お話から、とても温かい社風が伝わりました。

ではどうぞ!

権 和人さん プロフィール

豊栄興産株式会社

代表取締役 社長

兵庫県遊技業協同組合青年部会 部会長も務め、社会貢献活動など業界認知、活性化に尽力。

趣味はスポーツ、音楽全般。

座右の銘は「人間万事塞翁が馬」。

TOPから学ぶ!!


―権社長、本日はよろしくお願いします!こういった取材を受けることは多いですか?

企業経営者としてはほとんどないですよ。青年部会長としては何度かありますけどね。

―権社長は兵遊協青年部の青年部会長をされているんですよね。どんな取り組みを?

社会貢献活動や、勉強会をやっています。

例えば障害者施設の皆さんに来て頂いて、パチンコ競技大会を2年に1回開催しています。それ以外にも、障害者と健常者が垣根を取り払って一緒に楽しめるようなイベントとしてはーとふるふぁんどフェスタを開催しています。それはパチンコとは関係のない内容ですが、現場で青年部の部員が実際にスタッフとして動き回っています。

また、授産施設で作られたものを端玉景品として採用することで、微力ながらそこで働く方の賃金のアップ、業績アップに貢献をしたいと思ってやっています。

私は青年部の部会長をやらせてもらって2期目になります。

青年部は50歳で定年なんですが、いま、大量定年退職時代を迎えています。精力的に活動をして青年部を引っ張ってくださった先輩方が抜けてしまわれるので、若手の皆さんを勧誘しているところです。

―本業と青年部のお仕事と、時間的にどの程度の割合でやっていらっしゃるのですか?

本業の方に割いている時間の方が多いですが、3割くらいは青年部の活動をやっています。

業界に入りたての頃は、朝の8時から夜中の2時まで働く毎日を過ごしていましたが、さすがにそんな生活はもうやめようと思ってますので(苦笑)

―そんなに大変だったんですね・・・業界に入られたきっかけは?

色んな事情があって突然、私が家業を継承しなければいけない、という状況になりまして。嫌だなんて言っている余裕はありませんでしたし、この会社があって我々一族の生活が成り立っていますから、好きも嫌いもない、とにかくやらざるを得ないという感じでした。今から10年ほど前のことです、34歳になる直前くらいの頃ですね。

まあでも、告げられたのが新婚旅行から帰ってきて、これから身内でお祝いをする、という時だったので、「いま言うか~?人が浮かれ倒してるときに・・」とは思いましたけどね(笑)

私は四男でまさかこうなるとは思ってもいませんでしたので、当時は全く別の仕事をしていたんですよ。色なことをやっていました。学習塾を経営したり、建材輸入の事業をやったり。

ホールでの経験といえば、20年前に半年間アルバイトをした位でしたので、全く分からずに飛び込んだという形でした。

まず、全体の把握をすることからでしたね。必要なものと、不必要なものを選別し、少しずつ変えていきました。

例えば、当時は寮と食堂があったのですが、それを廃止しました。

寮があってまかないがあると、そこが家なのか、職場なのかがあいまいになります。そうすると、ホールに出るときに、家の顔のままで降りてきますよね。家でくつろいでいる顔のままでお客様の前に出ていたんです。

それは接客業の性質上、あまりよくないと思って廃止しました。自営業の人とは別ですからね。

もちろん寮に住んでいた方にはひとり一人に話して、退職をされる方には退職金を支払ったり、誠意を尽くしたつもりです。

そうすることで、スタッフが入れ替わり、若返っていかないと先がないと思っていたのもありました。

―家の顔、ではなくお客様を迎える顔、でないと。ということですね。お店を拝見しましたが、すれ違う際にしっかりとお辞儀をして頂きました。

接客に関しては、満足行くレベル、隙がないというレベルにはなかなか何年たっても行かないものだなぁと思います。

どうしても人によって、また日によって、今ひとつ覇気がないと思うことも多いですよ。

常に笑顔で前向きに接客をしている人というのは、私が突然お店にいっても、全く動じないんですよね。お客様に対するものと同じ笑顔で、にこっと「おはようございます!」。もうすでに顔が出来ているので、この人は常にこうなんだ、と分かります。

逆にそうじゃない人は、私の顔を見た瞬間に「あっ、しまった!」という顔をしますからね(苦笑)それから顔を作るので笑顔が出るまでにタイムラグがあるんですよ。

―接客に力を入れる、ということは入社された当初からおっしゃっていたのですか。

もう昔のことだから、どう考えていたというのは思い出せないんですが・・とにかく、職場としてまともな職場にしていかないといけないと思っていました。当時は、改善しなければならないこと、どう考えてもおかしいということが、目に見えて沢山ありましたから。それも大変なことではなくて、散らかった本を本棚に戻すくらいのレベルのことです。

それを一つずつ片付けて、企業としてこうなっていきましょう、ということは示してきたつもりです。

―どうなっていこう、と思われていたんでしょうか?

例えば「仕事」について社員にどう考えてもらうかについては、今でもよく話すんですが、

『あなたたちは私と雇用契約を結んでいます。その雇用契約を簡単に説明すると、あなたたちは私(社長)の代わりに仕事をしてください、そのお礼として給料を払います、という意味です。

私はパチンコ店を4店舗経営していて、全部一人で出来れば、一人でやって全部私のお金にします。でもそれは無理なので、申し訳ないですが私の代わりにある一定の仕事をしてください。その代わり適正な報酬をお支払いします。ということです。あなたたちはそれに納得して来てくれているわけですから、社長の代わりを務めている、と思ってやってください。』

と伝えています。

そういう考えのもとで、私の代わりに仕事をしてくれている人が、劣悪な生活環境にいるのは嫌なんですよね。

こんなパチンコ店ですけど、自分に自信を持って、仕事を通して自我を確立する、自己実現をしてもらえるような状態を用意したいと思っています。

例えば、中学校しか出てないとか、大学でたけど結局就職がきまらなくて5年くらいフラフラしていた、とか色んな人がいますが、ちゃんと頑張ってやる気になれば、能力発揮してくれるんですよ。

自分に自信が持てなかったり、やる気はあるけど何をしたらいいかが分からない人達に、こういう順番で覚えていくといいですよ、という資料やマニュアルを整備することもそうだし、ここまで頑張るといくらになりますよ、と給与体系を示すこともそうだし、何から覚えていいのかわからへん、何やもうわけわからへん!という状態にならないように、努力しようと思えば頑張れる環境を用意したいと思っています。

そして、社員にはやっぱり、家を持ってもらいたいと思っていて、持ち家奨励制度を設けています。自分と家族が住む家を、自分の名義で買ってローンを組む場合は、月々支払いの3割を負担しているんです。

そうやって、自立というか、自己実現を支援できるような会社でありたいと思っているんです。

社員の皆さんには、ここでの仕事があって、家族との時間やプライベートがあって、バランスの良い充実した人生を送って欲しいです。

めちゃくちゃに仕事ばっかりしてもらわなくていいんです。モーレツ社員みたいなのは、それはそれで気持ち悪いし。(笑)

―すごく素敵なお考えですね。社員の人生を充実したものにするための支援、という考えで色んなことを整備されているんですね。

接客をうるさく言うのも、やっぱり人間として成長できると思うからなんですよね。

にっこり笑って挨拶が出来る人って、友達が多いですよね。周りに人が集まってきて、より豊かな人生を送っている人が多いと思います。

例えば子供が出来て、その子の運動会なんかで、他の保護者ににっこり笑ってこんにちは、って言えれば、感じいいでしょ。むすっとして目も合わせないようなら、○○君のお父さんって何考えてるかわからへんな、って言われてしまうと子供がかわいそうですからね。にっこり笑顔であいさつが出来るって、やっぱり人としての成長だと思います。

働きやすい職場、相応の報酬、しっかりとした生活がある人生。そういう充実した人生を送って欲しいと思っています。

やっと少しずつ整ってきて、目指す方向に何とか向かうことが出来てるかな、と思います。

―社員の皆さんへの思いがすごく伝わって、温かい気持ちになりました。ありがとうございます!(後編へ)

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