パック・エックス通信を御覧の皆様、こんにちは!
編集長のまつしまでございます。
本日の『TOPから学ぶ!』は、ひぐちグループ(本社:長崎)の樋口専務(後編)です!

樋口専務がパチンコを打つ理由。
それはもちろん仕事として、ということもありますが、
パチンコを遊技しに来てくださるお客様は業界で働く我々プロよりも、
パチンコが大好きで、パチンコをよーーーく分かっている人たち。
そんな人たちを相手に商売をさせて頂いているのだから、
自分達がパチンコをやり込んで、勝った時の気持ちも、負けた時の気持ちも分からなければいけないよね。
とおっしゃってました。

とはいえ、大負けしすぎて、奥さんに呆れられることもよくあるとか・・・(笑)

後編では、お客様がパチンコ店に求める価値、パチンコ店の敷居、業界が抱える問題点についてお話頂きました。
では、どうぞ!

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―パチンコが大好きでお金を使ってくださるお客様に、何が提供できるのかを考えることは絶対に必要ですね。

そうですね。それから、お客様は業界で働く我々よりパチンコが大好きでよく分かっているお客様がたくさんいる、ということを理解することが必要ですよね。

例えばマッサージでも、触られた瞬間にそのマッサージ師が上手いか下手かすぐ分かる人がいる。プロ以上の感覚を持ったユーザーさんがいるんですよね。パチンコもそうなんですよ。

自分達は釘をやってる、一番分かってる、プロなんだ。と思っているようではダメで、自分達よりももっとパチンコがもっと大好きで、もっと分かっている人たちがいる、ということを理解しないとダメ。それを分かった上でご提案する、それが本当のプロだと思います。

初めにも言いましたが、だからこそ私はパチンコを打ちます。大負けもします。でないと、お客様の気持ち、心理は分からないからですよ。

引き出しから沢山のモノを出して、初心者の方、目の肥えた方、それぞれのお客様に合わせるように、色んな提案を出して上げれるかどうか。

パチンコというのは大衆の娯楽だし、そういった意味で敷居を低く、奥行きの深いビジネスができればと思います。

―敷居という言葉が出ましたが、やはりパチンコは敷居が上がっているのでしょうか?

そうですね。本来大衆の娯楽であるはずのパチンコが、手軽には遊んでもらえなくなっていると思います。敷居が高くなっている原因として、大きくは二つ。

一つはパチンコの機械自体が面白くないと言われています。いま、1円パチンコが支持されていますが、それはつまり4円で打つ価値がない、とお客様に思われているということですよね。1円だったら打ってもいいけど、4円だと高いよね、と思われているんです。台自体を変えていかなければいけない、というのが一つ。

もう一つは収益構造。4号機の時には1台当たり8千円の利益をあげていたとします。それが5号機になって4千円になった。その差額の4千円をどうするか、となったときに、収益構造を変えずにそのままパチンコにオンしたんですよね。

そのオンした部分は、ヘビーユーザーだけでカバーしていて、その人たちが「はあ、もう疲れた。」と言って、パチンコから離れだしたときに、やっと業界が危機感を持ち出したんです。

しかし、長い間やってきたことの結果ですから、いちホールだけではもう解消出来ない状態なんですよね。

ホールも、メーカーも、設備業者も一緒になって収益構造を改革しなければなりません。

例えば1台辺り5千円としたら、3千円まで落とさなきゃいけない。その差額の2千円を誰がどう補うか。ホール側が1000円を負担します。500円は設備やさん、500円はメーカーさんが負担する。というように、みんながファンの方を向いて努力し、それがより固まって継続できる状態をつくっていかなければ難しいのではないかと考えています。

敷居を低く、というのは収益構造を下げるということ。お客様が入りやすく、遊びやすいようにしなければいけません。

―それが変わらなければ、遊技人口は今後も減っていくのでしょうか。

減るかどうかは分かりませんよね。

でも、お客様はパチンコ以外の、「日常の中での非日常の興奮」を得るための他の方法を見つけるのかもしれませんよね。

もっと興奮できるもの、もっと楽しいものがあるなら、お客様がそちらへ移るのは当然のことです。

「音楽を提供するもの」が、レコードからCDになり、今はダウンロードが出来るようになりましたよね。音楽を通じての価値が変わっているんです。それと同じように、お客様がパチンコ店に求めているものが、他で代用できるものがあれば、そこに変わるのだと思います。

だからこそ、今を守ろう、という発想ではなく、企業として、どう必要とされているのか、お客様にどう映っているのかということを、常に考えないといけないでしょうね。

こだわり、守ろうとするのではなく、お客様がどういった価値を我々に見出して、参加してくださるか。

一人と言う時間を有意義に使いながら、短い時間でもいいから、ほどほどの興奮を楽しめる。

そこをどういう風に提供していくか。

だって、人の価値って、変わるじゃないですか。

お客様の価値が変わるのであれば、提供する側もそれに合わせて変えないといけませんよね。

―いつまでも今にこだわって縛られていては、お客様が求めている価値を見失う、ということですよね。

それでは、樋口専務は夢や目標はありますか?

その質問、困るんだよね~。

はじめに、父のことがあまり好きじゃなかった、って話しましたが、そういうわけで、父の会社に入社する気もなかったんですよ。かといって、何になりたいとか夢もありませんでした。

子供の時に、こんなことがあったんですよ。姉がピアノをやりたい、と言って習わせてもらったのを見て、私はチェロに興味があってやりたいなあ、と思っていたので、「ラッキー、自分も習えるかも!」と思ったんですよ。

ところが父に頼んでみると、「お前は商売人になるんだぞ。そんなものは必要ない。」って言われて習わせてもらえなかったんです。

その時に、「ああ、僕は自分の夢を持っちゃいけないんだ、自分で夢を描けないんだ。」と思ったんですよね。

だから、夢はなんですか?って言われるのがすごく辛かったですね。

最近でもセミナーなんかで「あなたの夢は?」と問われることがありますが、答えられない自分がいて、ここ数年ずっと考えているんですよね、実は。

―私も、小さい頃から「将来の夢は?」という質問がものすごく苦手でした。樋口専務のおっしゃっていること、すごく分かります。

でも、一番自分が自分らしくいられる瞬間、ってあると思うんですよ。それって何なんだろう、自分をもっと高揚させるものって何なんだろう?それが夢につながると思いますよ。

それがもし自分でなくても、人の夢に乗っかってもいいと思うし。大好きな人がいて、その人の夢を聞いてそれに共感したら、それを応援することが夢でもいいと思うんですよ。

―なるほど。自分らしくいられる、ってすごく大切ですよね。

そうだよね。私は、人を育成するときにも、どうしたらその人がその人らしくいられるか、その人のいい所を引き出せるか、ということを考えます。

例えば、私と松島さんって全然違うでしょ。

でも、私は松島さんになれないし、松島さんは僕になれないんです。でもお互いいい所がありますよね。

だから、私と同じように、私の言う通りにやってください、というのはおかしいと思うんですよ。

個の存在というのはすごく大事。

松島さんのいいところをどれだけ引き出すか、松島さんらしく楽に居られる状態を引き出してあげることが大切。

それが育成だと思っています。

社員さんであれば、その人のいいところが、我が社にフィットすれば私はそれで良いと思っています。

個を大切にしてあげないのに型にはめて、強制しても、ものすごく不自然でしょ。

それよりももっと自由にどんどん伸ばしてあげたほうが、むしろ効率的だし、その人を壊さないと思います。

個を大切に出来る組織。そういう組織になりたいなと思っています。

かといって、最低限のベースは大切でそこだけはきちんと教えますが、そのベースを出来るだけ小さくできればいいなと思います。

基本的に会社は個人が成長できる場でなければならないと考えています。

―ありがとうございます!では、最後に読者の方へメッセージをお願いできますか?

自分達のやっている仕事って、世の中に本当に価値がある仕事なんだって、もう一度再認識してほしいと思っています。そしてみんなが本気になって、もっと面白いこと、もっと新しいお店をみんなで作れたらすごく楽しいと思います。

その為には業界の暗いイメージを払拭させることは不可欠なのではないのでしょうか、例えば、毎月9の日をクリーンデイにして、全国のパチンコホールのスタッフが、自分のお店から、隣のお店までの道路を掃除する(日本を綺麗に運動!)とか、業界の全員で日程を決めて献血をする(パチンコ1万人献血運動!)とか。利益を上げる、お金儲けをすること以外に、世の中に価値を感じてもらえるような取組みもそのひとつではないのでしょうか。

この業界、まだまだやれることはたくさんあって、可能性もチャンスもまだまだ沢山あります。不況だ、と言われて久しいですが、今こそ業界全体で力を合わせるチャンスだと思います。

各ホール色んなところで、一緒に話ができるようになるといいですよね。

―業界全体で一斉に何かできれば、すごいことが出来そうですね。

樋口専務、ありがとうございました!とても勉強になりました!

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