パックエックス通信

株式会社ノースランド、澤田修宏専務 TOPから学ぶ

澤田修宏/株式会社ノースランド 専務取締役。富山県下に24店舗を展開。スタッフに求めることは、企業理念の実践。とにかく理念追求、実践にこだわる。

本日の『TOPから学ぶ!』は、株式会社ノースランドの澤田専務です!企業、そこで働く個人にとって、生き方や考え方の「背骨」となる企業理念の大切さ。そして、それを実践されているご自身の経験をお話頂きました。

澤田専務、本日はどうぞよろしくお願いします!澤田専務は私が1年目のときからお世話になりっぱなしですね。だいぶご無沙汰しておりました!

ホントに久しぶりですね。あれだけ僕は口下手だから取材は無理だって言ったのに、押し切って来ましたね(笑)何か、強くなったなぁ・・。

すみません。そんなに嫌がられていると思ってませんでした・・!今日は専務のお考えを改めて聞かせてください!まずは、創業35年を迎えられたノースランドですが、専務が入社された頃のお話を教えて頂けますか?

ノースランドは、昭和50年、私が2歳の頃に、今のオーナーである父が始めた会社です。澤田グループは、最初は自転車屋さんから始まった会社でした。自転車、バイク、自動車と事業を拡大して、自動車事業で業績が順調に伸びていたのですが、昭和48年、ちょうど私が生まれたときにオイルショックがあって、車がさっぱり売れなくなりました。

さてどうしよう、と考えながら、父が車を運転してたらしいんですよ。その時に、ロードサイドに一際明るい場所が見えた。駐車場もいっぱいで、人が溢れている。それがパチンコ店だったんです。この商売って、そんなにお客様を集められる商売なのかな、と興味を持ったのが、パチンコ事業を始めたきっかけです。

当時は親族の反対もすごかったらしいんですが、生き残るためにも、周りの反対を押し切って始めたらしいんですよね。私は4人兄弟なんですが、正月になったら、「全員集合!」って父に座らされて、「俺はな、東京大空襲で親戚を尋ねて疎開してきて、余裕もなく、教科書も買えなくて、食べるものもなくて、みんなにいじめられて・・」から始まる武勇伝を、毎年毎年聞かされてました。それが正月の行事でした(苦笑)

その武勇伝と一緒に、創業の話も聞いていて、将来は親の会社を手伝いたいと、漠然に思っていました。それでも、大学を出てすぐに家の仕事をするのではなく、一旦は修行のためにも社会にでようと思っていました。

ただ、父のお兄さん、つまり私の叔父が社長をやっていたんですが、叔父が癌で倒れた時に、戻ってきてくれ、と父に言われたんです。社会人の経験もなにも無い自分が帰って何ができるのか、と随分悩みましたが、つまりは助けてくれっていう親からのSOSじゃないですか。自分が助けになるのなら、と心を決めてノースランドに入社することにしたんです。

私には兄がいて、本来であれば兄が継ぐのでは?とよく言われますが、兄は自分のやりたいことがあって、親と大喧嘩してまで貫いたんですよね。私は逆で、両親の仕事を手伝いたかったので、何で兄貴は嫌なんかなぁ、って思ってましたね。まあ、嫌というよりもっとやりたいことが見つかった、ということなんですけどね。

ただ、やはりすぐに親の会社に入ったので、どこかで修行を積んで揉まれてみたかったなあ、と今でも思います。社会の荒波というか、嫌な上司だとか、なんだこの会社は!!とか、イメージでしかないですが(笑)、そういうところで揉まれてみたかった。それが出来なかったのが、自分のなかである種のコンプレックスというか、悔いになっている部分です。

ただ、そういうことに悩んでた時に、常務に「20代という若さで、社内改革を始め、企画提案の計画・実行と、ほかではやらせてもらえない色んな仕事に取り組んで、成果を上げているではないか。お前の気持ちは分かるけど、外で働いて経験するそれ以上のすごい仕事をやっているぞ。」って言われたんですよね。

何かうまく騙されている気がするな~と思ったんですけど(笑)、確かに、って。

入社されてからはどんな仕事をされたのですか?

最初は本部で、給与計算とか保険手続きをやっていました。徐々に慣れてきたら現場も見てくれ、ということになりましたが、正直戸惑いました。

まず最初は、新規オープンのお店をサポートすることになったんですが、店には店長もいるし、自分の役割が明確ではなかったので、何したらいいんだろう・・って。毎日、営業が終わった頃に店に行って、店長と一日の営業状況について対話したりしましたが、その頃は、行かされている、やらされている感がありましたね。店に行っても自分は釘も触らないし、設定もしないし。自分って本当にこの店に役に立ってるのかな、と。

その時に思ったのは、経験では前からやっている人には絶対にかなわないけど、この店を絶対に良くするんだ、という気持ちだったらこの人達と勝負できる、その気持ちだけは折れないようにしよう、って思ったんですね。それから、自分の出来ることをやるしかない、と仕事を探して、例えばポスターの位置なども、お客様の導線を考えたらこっちの方がいいんじゃない?とか、細かいことも積極的に指示して、店作りに関わっていきました。内心「みんなうざいって思っとるやろなー。」と思いながらも、店長やスタッフの皆と対話を続けて、とにかく諦めずにやりました。

やがて、新規オープンする別の店をサポートする為、異動することになり、その店で最後の日。「今日は、専務のお別れ会の焼肉パーティします。本当にありがとうございました。」って、スタッフが送別会を開いてくれたんですよ。俺、涙出てしまって。ああ、報われたなって。そのときに、自分が信じて続けたことは間違いじゃなかったんや、伝わってたんやっと思いました。

報われた瞬間だったんですね。店長もされていたとお聞きしましたが、その頃一番大事にされていたことはどんなことですか?

人、仲間、チームワーク、という部分ですね。初めて一人で、店舗責任者として店を見ることになったのは、お恥ずかしい話、前店長の不正が発覚して、急遽店舗を任せられることになったのがきっかけでした。

180台くらいのお店で、お客様もまばら。10人とか、いいときで20人とか、まあひどい状態で・・。何からやろうか、って思った時に、まずはスタッフと話そうと。一人の力なんて結局一人でしかないですし、スタッフのみんなの力がないと、いい店って出来ないですよね。私は口下手ですけど、やっぱ対話しないと気持ちが伝わらないと思って。

今はこうだけど、絶対地域ナンバーワンになろう、みんなして頑張ろうよって伝え続けました。それから、戦場の美化からだ!ということで、お店を整備したり、みんなで頑張り続けて・・・。そうしたら、本当に約1年で、パンパンにお客様が入ってくれる店になったんですよ。その年の年1回の表彰の時に、MVPをもらえて本当に嬉しかったですね。それから4年連続とかでMVPもらえて、本当にみんなのおかげですよね。やっぱり自分一人じゃ何もできませんから、何よりも仲間、チームワークが大切だと思います。

それと、色んな部分で諦めないこと。諦めてしまったら終わりです。特に現場は、毎日毎日が勝負。困難にぶつかっても、諦めるのではなく、絶対出来るんだ、出来るにはどうしたらいいんだ、という思考を持つことですよね。

私が店長をしていた時に、一番嫌だったのは人のトラブルでした。トラブルで辞めてしまうのは簡単ですが、一期一会で出会ったからには最後まで一緒に働きたい、というタイプなんですよね。だから諦めずにとことん対話をしていましたね。

現場を卒業する時は、寂しかったなあ・・。自分が手掛けて、皆で作った店を後継者に渡すわけじゃないですか。愛着がものすごくあって。あれは寂しかったですねぇ。

前回、大切なのは諦めないこと、というお話がありましたが、澤田専務が「諦めない理由」って、何ですか?

店舗責任者である以上、部下やスタッフ、仲間達の生活を背負っている。そして、その仲間の家族も含めると、何十人もの生活を背負っているということなんですよね。その覚悟が諦めない理由じゃないかなと思います。店長をやっている時は、実績を出さないと、彼らも評価してもらえない。彼らの生活、彼らの家族の生活を守るために、ここで諦めたらダメだ、と思っていました。

あとは、自分がやると決めたわけだから、諦めてしまったら自分にも負けることになります。自分との戦いでもあるんですよね。・・・自分って、ドMなんやなぁ、と思います(笑)

ドMな専務に続けてお聞きします。今経営者として大切にされていること、必要だと感じていらっしゃることはどんなことでしょうか?

店舗責任者をやっていた頃と、あまり変わらないですよ。第一には社員やスタッフの皆を守ること、つまり会社を存続させること。常にみんながもっと幸せに、ハッピーになれれば、ということを願っています。そうすればお客様もハッピーになれると思うし、それが会社の発展につながっていくと思うんです。

また、大切にしているのは、「感謝」。働いてくれる人、家族、協力会社の皆さん、全ての人に感謝の気持ちを持つこと、そしてそれを伝え続けること。人って、生きている、のではなくて、「生かされている」んだと思うんです。服が着れること、お茶が飲めること、息が出来ること、全てに感謝。生かされている自分には、何が出来るんだろう、っていつも考えること。この考え方を凝縮したものがノースランドの企業理念と行動指針なんです。

例えば、うちはよく寄付をさせてもらったりするんですが、最近でいうと口蹄疫の問題ありましたよね。全然違う場所だけど、自分達がその場所にいたら?相手の立場に立ったときに、せめて自分達が出来ることは何だろう?出来ることをやって行きたいと思っています。

TOPから学ぶ!!
 
 
 
 

企業理念やそういった専務の想いを、社員の皆さんにはどう伝えるんですか?

対話して伝え続けるしかないと思っています。あとは、自らが率先垂範していくことですね。規模が大きくなってしまうと、自分一人で全員と話をするのは時間的にも難しいので、自分の分身、つまり考えを意識・共有・理解してくれる人を何人つくれるか、その人たちと一緒に伝え続けるってことが大切だと思います。

お店でも同じですよね。トップと役職者がしっかりと対話して、それをスタッフに伝え続ける。組織が大きくても、小さくてもやることは一緒なんだと思います。企業理念が背骨であって、会社の考え方であり、自分自身なんだということを意識して欲しいと思っています。澤田グループの一員、仲間になった以上、まずは企業理念が自分の背骨。それを理解、共有して下さい、ということは常に伝え続けています。

新卒採用とかの会社説明会でも、理念のことしか言わないんですよ。ここに共感してくれる人と、僕は仕事をしたい、っていう話だけです。

「感謝」という言葉が専務のお考えのベースにあるような気がしますが、いかがでしょうか。

そうですね。自分の性格とか考え方って、絶対幼少期につくられたもの。そのルーツを探ってみよう、と振り返ったときに、小さい頃に頂いた愛情だとか、両親への感謝の気持ちというものが、今の自分を作っていると気付きました。

一つは、私が幼い時は、パチンコ事業を始めたばかりの頃で両親が忙しく、小学校くらいまで近くに住んでいたご夫婦に面倒を見てもらっていたんです。保育園にもそのばあちゃんが迎えにきてくれて、小学校の頃は学校からばあちゃんちに帰って、夜お父さんかお母さんが迎えにきてくれる、という生活をしていました。自分達の子供のように優しく、愛情もって育ててくれていたのをすごく感じました。私が悪い事したときも、私達がちゃんと見ていなかったからすみませんでした、ってうちの両親に頭下げてくれて、完全に私が悪いんですけど、そんな姿を思い出すと、全然血も通っていないのにすごく愛してくれてたんだな、って。

そしてもう一つは、高校に進学したときですね。男子校で全寮制で、軍隊みたいな学校だったんですけど(笑)、洗濯とか身の回りのこととか、親元を離れて自分でやってみて、初めて親の有り難味を感じましたね。今まで生きてこれたのは、両親に育ててもらっていたからなんだな、っていう実感というか、本当に心から感謝をすることができました。

その二つのきっかけが「感謝」を大切にするという自分のベースになっているし、いずれは親の跡を継ぎたい、力になりたい、という思いにつながっていると思います。

澤田専務のこれからの夢や目標はなんでしょうか?

とにかくみんなが幸せに、自分らしく生きられる世の中にしたいんです。お互い笑顔で、みんなが楽しく生きられる世の中。今、親が子供を殺したり、子供が親が殺したりとか、考えられない事件が多いじゃないですか。

自分らしく生き難い世の中になっているのかもしれないな、ってよく考えます。素のままでいられないから悩んだり、ストレスを溜めてしまったり、少しずつおかしな方向へ進んでしまうんだと思います。

だからこそ、自分らしく生きれる世の中にしたい。せめてまずは自分の会社の社員さん、スタッフの方には、自分を殺して気を遣ったりせず、自分らしく生きて欲しい。そういう社風を作って行きたいと思っています。

そのためには、やっぱりうちの場合は企業理念。とにかく、人の理解、人との共有を大切にしています。企業理念を実現することで、人として憧れられる人、尊敬される人、愛される人、すごく素敵な人になります。そういう人が多くなればなるほど、皆が幸せに、楽しく仕事ができる会社になると思っています。

そして、ノースランドでそういう素敵な人を沢山育成して、いろんな可能性にチャレンジして言って欲しい。どんな形でもいいから、いずれは世の中に送り出しもっと素敵な人になって活躍して欲しいんです。本当は、良い人材を企業は手放したくないわけですが、どんどん送り出したいですね。そういう風にできれば、もっともっと、素敵な世の中になるんじゃないかって考えているんですよ。

澤田専務の口ぐせとか、大切にしている言葉はなんですか?

やっぱり「感謝」。あとは「生かされている」とかかな。よく言いますね。今日もいっぱい言ってますね(笑)

確かに、5年前からずっとおっしゃってますね!最後に読者の方へメッセージをお願いします。

伝えたいことは、せっかく一つの命を両親から授かったわけだから、その命に対して感謝する。生かされているという想いを忘れないでください。

そして、一度しかない人生を、いかに笑顔でハッピーに過ごせるか、そのためにはどうしたらいいのか、常にそんな思考でいて欲しいと思います。辛いこと、壁にぶつかることもあります。私自身も、大きな壁にぶつかった時は、「うわぁ、ひでぇなあ。」と思わないようにしようと心がけてます。これは必然なんや。これを乗り越えたとき、自分は人間的にレベルアップする、感謝や。と思ってます。・・心が折れそうになることもありますけどね(笑)

でも、こんなご時世だからこそ、下ばかり向かず常に前向きでいよう、ってことを伝えたいですね。また、業界に対しては、もっともっと横のつながり、つまりホール間の協力体制を強化できればと思っています。やっぱりせっかく60年の業界の歴史がある産業ですから、これも一つの文化であって、存続していくのは我々の使命でもあると思います。みんなでこの業界を守っていかなければならないと思うんです。情報共有やスタッフの人事交流なども、もっと活発に行って、ホール間でのつながりを強化すること、加えてメーカーさんとホール、協力会社さんとホールがタッグを組んで、こんな時代だからこそ、皆で協力し合いながら、生き残っていかなければならないと思います。

大きな壁にぶつかっても、感謝して乗り越えることで、今より一つレベルアップできる。そう考えると、むしろ壁が楽しみになりますね。澤田専務、本当にありがとうございました!

関連記事