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株式会社平成観光、東野昌一専務 TOPから学ぶ

東野昌一/株式会社平成観光 専務取締役。大学を卒業後に入社以来、他社との差別化のために地元の大手企業とタイアップし、ショップインショップ形式の出店をすすめる。トレンドをいち早く取り入れた営業戦略で、顧客のニーズを確実に掴み大きな支持を得ている。

本日の『TOPから学ぶ!』は、株式会社平成観光の東野専務です!「夢と感動のおもちゃ箱カンパニー」株式会社平成観光は、緻密な数値管理と巧みなブランド戦略で、地元のお客様から大きな支持を得ている企業様です。東野専務が思う理想の組織と、それを実現するための仕組みや制度についてお伺いしました。

東野専務、本日はよろしくお願いします。まずは平成観光の出店形式について聞かせてください。ショップインの形式での出店が多いですね。こだわりがあるのでしょうか?

2店舗しかない頃に、色んな企業さんの勉強させて頂いて、これはかないっこないな、と思ったんです。お店が流行れば横に他店が来るだろうし、普通に出店しても勝ち目はない、と。だったらうちの強みをどう作ろうか、と考えたときに人の集まる場所に店を作るのがいいだろう。と思ったんです。駅中、ショッピングセンターくらいしか思い浮かばなかったんですけどね。

ショッピングセンターと言えば、東海圏で一番大きいユニーさんしかない、と思いました。無理だろうと思いながらも、当たって砕けろで門を叩き3年くらいはお願いに通いました。必死な思いが通じたのか、じゃあやってみろ、という話を頂いて、ショッピングセンター「アピタ」のテナントとして出店をすることになったんです。

それが実現したことよって、色んなことが大きく変わりましたね。とにかくユニーさんと言えば、東海圏ではブランド力が非常に大きな企業さんですので、お客様も、「ユニーのパチンコ店」ということで安心感を持って来てくださったと思います。また、出入り業者、メーカー、金融機関の目もガラッと変わり、当社に入社してくる社員の質も変わりましたね。

岐阜、愛知中心に店舗展開されていましたが、昨年東京、山梨、石川と立て続けに出店をされましたが、出店の基準はあるのですか?

別にどこに作ろう、っていうのはないんですよ。チェーンストア理論のドミナント戦略は非常に大事で、ばらばらに作ってしまうとロスが多いというのは理解しています。ただ、名古屋地区だけでやると、お客様はブランドだけでお見え頂いていると思いますので、ブランド力が低下したときに、一気に転落してしまいます。ある程度よそのエリアに広げておかないと、復活するのが難しくなると考えています。よそに出る、と考えた時にやっぱり人が多く集まるエリアということで関東に拠点を置くのは必要だろう、と考えていました。

また、ユニーさんが出られるタイミングだったので、一緒に出ようということで山梨へ。そして石川に関しては、当社の社長が富山で育っているので、北陸は思い入れがある土地なんですよ。景品を一緒にやっているドン・キ・ホーテさんが出られるとのことだったので、悪くは無いと踏んで出店をしました。

出店基準については人口とか、立地とかタイミングとか色々あって、それももちろん大切ですが、最終的にはその時の「風向き」ですね。そしてその土地が陰なのか、陽なのか。それを経験で判断するだけです。

今後は、ドミナントということを念頭に、その周辺から地元地区までつないでいこうと考えていますよ。やはり、お客様に当社のことをご存知頂いているエリアに出店するのと、知らないエリアに出るのとでは、全く違うことを実感しました。

苦戦している面もありますが、その3店舗を任せている3人は、非常に優秀で他社さんだとエリア長を任せられる程の人材なんで、彼らがなんとかしてくれるだろうと思っています。

「夢と感動のおもちゃ箱カンパニー」であるというミッションで始まる御社のイズムは、どれをとっても“平成観光らしい”ですよね。平成観光イズムはこちら⇒(http://www.heiseikankou.com/company/contents/book/01.html)イズムを作ったきっかけは何だったのでしょうか?

4店舗まで作ったとき、自分の手で、目で、耳でこの4店舗以上を運営するには限界があると思いました。これ以上店舗を増やすとしたら、「組織」が必要になってくる、分身を作らなきゃと思ったんです。一緒にやっていく中で、オーナーの言葉、会社の思いを入ったばかりのアルバイトさんにまで伝えられる分身を何人つくれるか。

会社のモットー、軸となることを言葉にしたものが社訓だと思うのですが、ただ飾っている社訓では意味が無いので、それにはどんな意味があるのか、言葉の中に込められた想いはどんなものなのかを理解したうえで、それにまつわるイズムを作らなければ、と思いました。直接会って話をしていればいいけど、社員数が増えると不可能だし、店舗が増えてからやっていては、浸透するのに時間がかかりますからね。

4店舗しかない今から始めれば、絶対に成長スピードも速いから準備をしよう。とやり始めました。それまでの家業経営から、企業への変革をスタートしたんです。その間4年間出店も止めて、色んな組織作りをしていきました。

それまでの古い体質の社員も当然居ましたので、変われるか、変われないかを見極めなければいけませんでした。変化できる社員もいましたが、変われないまま去っていく人もいましたよ。

箱の中のりんごが一つ腐ってしまうと、他もみんな腐ってしまうので、まずは腐らないようにみんなで努力をしなければいけないけど、もしだめだったら、腐ったりんごは箱から出さないといけません。人が辞めていくことは決していいことではありませんが、組織を形成するためには必要なプロセスでした。

会社作り、組織作りを進める上で大切にしたことは、社員を中心に置いた会社、組織であるかどうかということでした。いくら資金力があろうが、オーナーに力があろうが、店舗を支えているのは社員なんです。彼らの能力が高いと会社は成長します。社員が成長できない会社は、いくらカリスマ的なオーナーがいても大きくなりません。

当社は後発の会社なので、業界上位の会社に少しでも近づこうとしたら、彼らが10年かかってやったことを、3年でやらないといけませんでした。

だからこそ、4店舗のうちに色んな改革に着手し、社員の成長をバックアップするような体制を作りました。中心となっているのは、もちろんイズムですね。

なかでも、「エブリディ学園祭」というバリュー(行動指針)が個人的にとても好きです。

誰もが経験したことがあると思うのですが、体育祭や文化祭って、準備段階からとってもワクワクしていませんでした?徹夜も厭わずクラス全体で頑張ってましたよね。そして、成功しようが失敗しようが一体感がうまれて、また次も頑張ろうね、ってチームの絆が固くなるイベントでした。しかも、あれって無報酬なんですよね。見返りがなくても、あんなに楽しくて一生懸命できるって、素晴らしいじゃないですか。

お店作りも同じだと思うし、そういうものを取り入れたいと考えて作ったのが「エブリディ学園祭」という言葉。完全に造語ですね(笑)私自身も学園祭や、サークル活動の達成感って、すごく充実していて楽しかったですから。対価とかそういうことだけじゃなくて、共に切磋琢磨できる仲間がいるかどうかが大切。会社が未来に向かっていくなかで必要なことだと思いました。

4店舗の頃に、組織改革を始められたとお聞きしましたが、参考にされた企業はあったのですか?

イズムという言葉を使っていることからもお分かりでしょうが、マルハンさんを非常に参考にさせて頂きました。日本の産業が外国で考えたことを真似して、それ以上のものを作り上げて成長してきたように、後発の当社も、まずは他社さんのいい所を徹底的に研究して、取り入れようと思いました。

まだ2店舗の頃に色んな企業さんの勉強をさせて頂きましたのですが、財務面でいうとダイナムさん。そして、営業、お客様視点の店作りと考えると、やっぱりずっとマルハンさんが頭の中にありました。渋谷のマルハンパチンコタワーを初めて見たときの衝撃は、今でも覚えているくらいです。

でもそのまま真似したんじゃ勝ち目はないので、オリジナリティを出すために、うちではこうした方がいい、ああした方がいい、と試行錯誤しながら他社さんのいい所を取り入れていきました。マルハンさんとは全く違う規模なので、ああなろう、ああなれるとは思っていませんが、私達がお客様に求められている部分を達成するためには、必要なスパイスがマルハンさんにはあるんです。

お客様への接客もマルハンさんを参考にされたのですか?

接客に関しては、もちろん参考にはしましたが、マルハンさんがホテルマン並みの接客をやっている以上、同じことをやってもダメ。だったらそれはしない、という選択をしました。

まず考えたのは、パッと見たときの衣装。今も割りと派手ですけど、当時はもっと派手でしたよ。きちんとした接客よりも、何でもいいからとにかくお客様に注目して頂こうというのが出発点でした。そしてお客様に対しては、その人その人に会った接し方を考えるように教えています。

だからと言うわけではありませんが、当社には、きちっとした接客マニュアルは未だにありません。マニュアルよりも、どうしなきゃいけない、の方が大事なんです。接客の目的は、来てくださってありがとうございます、という気持ちを伝えることで、お辞儀の仕方や挨拶の言葉は手段でしかありません。そういう気持ちを持ってお客様に接すること、その気持ちを表すことが大切だということは教えますが、表現の仕方に関しては、教えませんしマニュアルもありません。

スーツをきたサラリーマン、農作業の合間に来てくれた方、主婦の方と、大学生のお客様。お店には色んなお客様がお見えになりますが、それぞれのお客様に対して、挨拶の仕方が一緒ではおかしいんじゃないか?と思います。それであれば、型通りの挨拶よりも、いつもお客様のことを見ているスタッフが、それぞれのお客様への接し方を考えた方が、気持ちも伝わると思いますし、“平成観光らしい”ですからね。

パチンコ店にある商品は全部どこへいっても一緒なんですよね。お客様に選んで来て頂くためには、選んでいただけるツールがそのお店にいくつあるか、それだけだと思います。ラーメン屋さんを選ぶときと一緒ですよね。ラーメン食べたいな、と思ったら一つか二つくらいしかお店って浮かばないじゃないですか。他のラーメン屋は出てきませんよね。

パチンコ店も同じように、お客様がパチンコに行こうかな、と思った時に頭のなかにパッと出てくる1番か2番でないとダメだと思います。そのためのツールをいくつもっているか。例えば色を見たらその会社を思い浮かべるとか、数字を見たらその店が浮かぶとか。いくつお客様の頭の中に浸透させられるか、ですよね。

出玉を限界まで出して頑張ったり、新しい機械を入れたりなんてことは、どこでもやっていること。それ以外、よそのお店がやっていないことをいかに考えて、やっていくかが大事だと思っています。

それが“平成観光らしさ”につながるんですね。オレンジを基調にしたお店作りや、頻繁に芸能人イベントを開催されているのは、御社らしい!と思います。

そうですね。芸能人イベントも、来てくださるお客様に対する感謝の気持ちもそうですが、パチンコをやらない方に、どうやってパチンコ店に足を踏み入れてもらうか、ということが出発点でした。来てもらうためには何かきっかけが必要なんですよね。

うちの場合は特に、田舎にお店が多いので、芸能人を見る機会が少ないでしょう。芸能人に会えるんだったら店の中に入ってくれるんじゃないかって。もちろん旬な方をお呼びすることは必須ですよね。来て頂いて、その時はパチンコをしないかもしれないけど、帰ったときに「KEIZに○○が来ていたんだよ。」って言ってもらえるのが、一番のコマーシャルですから。そしてその人が将来パチンコをやろうと思ったときに、あ、昔あの店に入った時、イメージしてたパチンコ店みたいに汚くもなかったし、スタッフも元気で感じがよかったな、というイメージを持ってご来店頂ければ、きっとその後もお客様になって頂けますしね。

確かにパチンコをやらない人でもひと目見たい!という芸能人の方ばかり呼ばれていますよね。

少し話しは戻りますが、マニュアルがない、ということはそれぞれがそれぞれのやり方でやる、ということですか。
そうですね。接客に限らず、決裁権限もほぼ店に与えていますし、自由にやってくれ、というスタンスです。逆に言うと、うちの会社には言われたことだけこなせばOKという環境に慣れている人は向かないでしょうね。自分で考えて結果を出す。もちろんどうしなさい、という考え方は教えるけど、何をしなさい、ということは一切言いませんから。

平成観光らしさを出していくためには、働いているスタッフのそれぞれの「らしさ」が必要なんです。言われたことをこなすだけでは、「らしさ」は出てきません。例えば、新しく人を採用するときにも、うちにいま居るメンバーに無いモノを持っているかどうか、を基準に面接をします。無難に平均点を取れる人ではなく、この部分は全くダメだけど、こっち側にすごく光るものを持っている、とかそういう部分を見ますね。

組織は色んな「らしさ」の集合体ですから、とにかく自分の強みを伸ばして、足りないものは周りがフォローすればいいと思います。戦国時代の戦術と一緒です。織田信長が自分の部下を配置する時もそれぞれの部下の強み、弱みを考慮して配置をしましたね。一つの店も同じく、例えば店長が営業面に強ければ、数字が弱かったりするんですよね。だから数字が得意な人、人材育成に強い人を部下につける、というように総合力で勝負するんです。

平均点の人が何人集まってもお店は平均点です。それなら何か一つでも100点に近いものを持っている人が集まった方が、絶対に強いお店になります。そして自分達で考えた戦術で戦っていくんです。失敗したら店長のせい、上手くいったら俺の手柄(笑)よく言ってます(笑)

俺の手柄ですか(笑)ということは、店長さん自身も強みを持つことと、部下の強み弱みを見極めて、強みを伸ばす力が必要ですね。

そうですね、店長自身も完璧である必要は無いと思っています。店長に求めることと言えば、それよりも人が持っていないものを持つ、ということ。ワールドカップで本田選手が見せた無回転シュートのように、周りがハッとするような強みを持って欲しいですね。それぞれ持っているものが必ずあるはずなんです。それを周りがいかに引き出せるかが重要。

だから店長は、自分の部下達のそういう部分をいち早く見つけて、活かしてあげることが必要だと思います。お店のトップである以上は、一国一城の主なんですよね。特にパチンコ店の店長は、小さな上場企業の社長より売上の大きな仕事をしている場合もありますから。それを見ている部下に、この人が自分達のリーダーだ、と思わせなければならないと思います。

そしてそんな部下達を、自分の命を掛けてでも守ってやる、という上司じゃないと。その気持ちの伝え方も、その人次第でそれぞれです。こうしろ、というのはありませんが、見せて欲しいですね。そして部下が一人でも退社しないように。店長の評価項目の中にも、「退社比率」というものを入れています。辞めようかな、と常に不安に思っている社員はいっぱいいると思うんです。

そんな社員に、何にも声かけないから、水が溢れるよう不安がこぼれだして辞めよう、と決断するんです。溢れる前に気付いてあげて、悩んでないか?話聞こうか?という一声で、救われる人は沢山いると思います。それが出来ていなくて、お店の退社比率が高い店長は評価できません。結局お店を守っているのは、お金でも何でも無く、人ですから。

評価制度に「退社比率」ですか!初めて聞きました。他にはどのような項目があるのでしょうか?

当社の評価制度では、業績はあまり見られません。事業計画どおりに実行したかどうかは、六分の1しかないんですね。他でいうと、自分の部下がどれだけ資格・等級があがったか。それと先ほどお話した退社比率。横の評価は完全にイズムが基準です。自分がどう実践しているのか、そして部下とどういう風に共有しているか。これだけです。

数字だけをみたら不公平ですからね。業績のいいお店いったら評価も上がる、っておかしいでしょう?業績の悪い店に転勤となったら、行きたくないじゃないですか。悪い店に行って、そこの業績を上げたほうが高い評価でないとおかしいですから。

それと、年功序列型の給与体系は絶対やりたくありませんでしたので、実績が反映されるものにしています。そうした方が毎年チャンスは沢山ありますし、目標も持ちやすいと思いますよ。社員の中には、自分の目標は社長っていう人もいれば、一番悪いヤツは、目標はオーナーって言ってますよ。僕らを追い出して乗っ取るって(笑) 悪いですよね。

すごいですね(笑)冗談抜きで「社長の座」は社員さんにもチャンスがあるのでしょうか?

もちろん。社長のポストは全然空いてますよ。例えば将来、私の息子が入ってきたとしても、息子だから社長をやるっていうのもおかしい話ですから。能力がないのに息子だから社長をやる、っていうのは理不尽でおかしな話ですよね。能力、実力がある人が務めるべきです。ホンダの伊東さんのように、なるべくしてなるものだと思いますよ。

家業でやっていた頃ならそれでいいかもしれませんが、企業として成長しようとしていく以上、いつまでも血族だけでやっていては持たないと思いますからね。私の夢は、なるべく早く引退して家族とぼーっとすることですから、後継者に早く育って欲しいですね。

今当社には、部長という役職がいません。うちの店長や課長は、おそらく他社さんであれば部長や役員というポジションを担える人材だと思います。ただ、部長や取締役となると、もう経営者の感覚で働かなければならないと思いますが、まだそこには至ってないのかな、という感覚です。早くそこまで来て欲しい、と常に思っていますよ。

では、引退されるまでに、どんな会社にしていきたいですか?

先ほど、うちの店長や課長はおそらく他社さんであれば部長や役員というポジションを担えるとお話しましたが、そっちの方がよければ他社さんに行ってくれたらいい、と思うんです。でもみんなこの会社が好きで、私達経営陣も彼らが好きで、皆で頑張っていきたい。だからこそ、彼らが今どうのこうのというよりも、将来結果としてここにいてよかったな。ってそういう会社にしたいですね。

例えば自分の子供たちに、私が働いている会社、すごくいいよ、お前もこいよ!って言えるような会社。
お父さんやお母さんの姿を見て、日常会話の中で会社の様子を聞いて、自分も行きたいな、という職場になって行きたいですね。実は、当社の人事課長の娘さんが来年入社してれることになったんです。もう、すごく嬉しい。

だって、人事の人って、会社のことあんまり好きじゃない人が多いでしょ?(笑)その娘さんは、今まで家に帰ってきたお父さんの姿を見て、大嫌いだったんだって。いつも疲れてて、全然楽しそうじゃなかったそうで。それが、うちの会社に入ってから、家で楽しそうに仕事の話や会社の話をするようになったんだそうです。その姿を見て、自分も平成観光で働いてみたいと思ってくれたそうです。

・・鳥肌が立ちました。。自分の子供に誇れる仕事・会社というだけでも素晴らしいのに、入社してくれるなんて、究極ですね。本当に本当に素晴らしいと思います。

そうでしょ。本当にありがたいことです。どんな会社にしたいか、あとは社員みんなに聞いてほしいですね。会社は自分だけのものじゃありませんし、何より、私はもう十分なんです。

負債10億を背負ってからスタートした当初は、会社をどうしたいどころか、明日のことさえ考えられませんでしたから。辛いとか苦しいとか、愚痴を言う余裕さえなかったのかもしれません。とにかく生きていくのに必死でした。それが今では業界でもお客様にもある程度認知して頂けるようになった。十分過ぎるくらいです。

だから、社員のみんながどうしたいか、それを実現していくのが経営者の仕事だと思っています。みんなが50店舗にしろと言えば、やりましょう。店舗数増やさないと、店長のポストが増えませんからね、そのためにも出店はしていきたいです。社員がこうなりたい、ああなりたい、と将来の夢があると思うので、それを叶えてあげられるような環境を整えたいですね。そして当然、お客様に喜んで頂くために。店舗を増やすことで、今まで車で30分かけて行っていたのが、家の近所に出来て助かる、と言ってもらえれば嬉しいです。

東野専務は現場はよく見られますか?

お店はよく見て回りますよ。戦場は現場です。本社では何も分からないんですよ。データを分析して今後にいかすためにはもちろん大切ですが、あくまで参考資料なんです。数字で出てくるものって遅れてくるでしょう。

例えばお客様が「もう二度とこない!」と言って退店されても、その人が機嫌を悪くするだけの売上って、数字にのっってるんですよね。それが本社に来たときにはもう遅いわけです。対応の仕様がないでしょう。お客様の様子にその時点で気付いて、現場が対応してくれたら、また明日ご来店頂けるかもしれない。

結局大切なのは、現場の店長が風向きを読む力なんですよね。戦でもそうでしょう。2万以上の今川軍が、3千弱の織田軍に負けるわけだから。風向きをよんだ方が勝つんです。現場での、あれ、これはまずいぞ、という空気、ニオイを感じ取らないと。視覚・嗅覚・聴覚でお客さまを、お店を見ないといけないと思います。

五感を研ぎ澄ますことが大切なのですね。

そうですね。普段の生活の中でも、世の中の動き、流行りもの、旬なトレンドには常にアンテナを張って敏感でいなければならないと思っています。どんな話題でも、うっすらでもいいのでついていかないと。

日経新聞を毎日読んでます、政治・経済ばっちりです!といっても、それだけの知識しかなかったら、ご来店頂いているお客様のニーズは掴めないし、会話もできないですよね。イベントや景品にしても、流行の色や話題のものを取り入れることで、お客様の心に響くと思います。

例えば、名古屋ではいま、東京より少し遅れて出店したクリスピークリームが大行列なんですよ。お客様は食べてみたいけど並ぶのが嫌だから食べていない、という人が沢山いらっしゃいます。だったらお店でご用意して差し上げようと、朝からスタッフが並んで買ってきまして、50箱用意したら10分くらいでなくなりました。

新しく話題のショップやホテル、レストランが出来たら、そこを見に行ったり、とにかく常にアンテナを張って、トレンドをつかまえることが大切ですよね 。うちの社員は大変だと思いますよ(笑)テレビも見なきゃいけないし、新聞も読まなきゃいけないし、色んなところに行かなきゃいけないし(笑)

確かに専務のお話も政治経済の話から、戦国武将の話、AKB48の総選挙まで、話題が幅広すぎて驚いています!!それでは、東野専務が大切にしている言葉、口ぐせはありますか?

好きな言葉は、「首尾一貫」。初めから終わりまで変わりなく筋を通す。結果としてそういう人生でありたいですね。社内でよく言っているのは、「みんな」ということかな。みんなどう思っている?みんなどうしたい?って。トップダウンで決めてしまうことは、ほとんどありません。出店のタイミングと、新店のデザインくらいですね。

ありがとうございます。最後に読者の方へのメッセージをお願いします。

せっかく今いらっしゃる会社で頑張って、一生懸命働いていらっしゃるわけですから、一回きりの人生、やれることをとにかく頑張ってみてください。これだけしかできないんだ、と思ったらそこで止まってしまいますからね。棺おけの中に入ったときに、ああすればよかった、と思わないでいいような人生を送ってください。夢とか目標も当然大事ですが、今「その時」にやれることをとにかく全力でやることが大切だと思います 。

例えばお店の天井にクモの巣が付いていても、後で取ればいいや、と思うのと、今取ってしまおう、ってやるのでは、次の日の稼動が変わるくらい、大切なことだと思うんです。「その時」が大切。今が「その時」だ、と思ったときに、躊躇せず、一歩踏み出してみてください。

あとは、一回しかない人生を、ずっと死ぬまで笑顔でいられるように。生き方って人それぞれですから、楽しみ方はどんな風でもいいと思います。でもとにかく、常に笑顔で。仲間に大事にされて、大事にして、自分の横に居る人が困っていたら気づいてあげられるような人であってください。

東野専務、とても素敵なお話を本当にありがとうございました!大変勉強になりました(終)

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