パック・エックス通信を御覧の皆様、こんにちは!
編集長のまつしまでございます。

本日の『TOPから学ぶ!』は、ピーアークホールディングス株式会社の庄司社長(前編)です!

庄司社長にインタビューさせて頂くことになったのは、
【TOPから学ぶ!vol.9 http://ameblo.jp/e-px/entry-10591961601.html
の㈱マルハンの韓社長からのお話がきっかけでした。
実は、マルハンさんがモデル店の立ち上げの際に、
全メンバーで視察に行き、最も影響を受けたお店がピーアークさんだったそうです。

「業界初」と言えば、ピーアーク!というイメージの同社。
1円パチンコ、ペアシート、アンチパチンコ宣言・・など、
次から次へと新しい取組みを展開される真の理由。
そして、マルハンさんが参考にしたという【0から1を生み出す力】の源になっていることとは?

業界内外問わず幅広い分野で活動、貢献し、
この業界の産業としての認知に尽力されている庄司社長に、たっぷりとお話を聞きました。ではどうぞ!!

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庄司  正英さん プロフィール

ピーアークホールディングス株式会社(http://www.p-ark.co.jp

代表取締役

青山学院大学経営学部卒。

三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)を経て、

1984年辰巳商事(現ピーアークHD)設立後、代表取締役社長に 就任。

社団法人日本遊技関連事業協会元会長、現相談役。社団法人関東ニュービジネス協議会 副会長。

TOPから学ぶ!!

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―庄司社長、本日はよろしくお願いします。

ピーアークさんと言えば、イチパチ(1円パチンコ)(イチパチは、ピーアークの登録商標)や50銭パチンコ、「アンチパチンコ宣言」など業界初の取組みを次々と展開されていらっしゃいますが、0から1を生み出す力はの源泉となっているものはなんでしょう?

今回の取材のお話をご紹介頂いた、韓社長率いるマルハンさんが「業界を変える」というビジョンを掲げていらっしゃるように、ピーアークにも企業ミッション、企業カルチャーがあります。
それは、Fun for theCustomer、Fun for the Area、Fun for the Staffの3つのFun(ピーアークの行動指針)からなるクレド(信条・信念)「Funfor Life ~私たちの仕事は世の中を楽しくすること~」を経営の錦の御旗として、一つのやり方にこだわらず、多様な成長モデルを示し続けていくことだと考えています。これまでのあり方を否定するのではなく、これからさらに新しい様々なやり方があるということを指し示す立場として存在する、ということです。

そういう意味で、私たちは業界初の色々な取組みにチャレンジしてきました。例えばイチパチ(1円パチンコ)。1年かけてプランを練り、2006年ピーアーク三田でトライアルを開始しました。イチパチをはじめてみて何が起きたかというと、たとえば、それまで飲み会の2次会ならカラオケに行っていた人たちが、連れ立って1円パチンコを打ちに来てくださるようになったこともありました。今は「連れパチ」と呼んでいます。
これこそが、ピーアークのやりたかったことでした。今は当たり前に展開されていますが、単なるデフレ対策の「単価の変更」ではなく、業態そのものを変えてしまうこと、つまり、潜在ニーズを発見し、新しい業態を確立することこそ、私たちがイチパチをスタートした狙いでした。
そして2008年からは、竹の塚のピーアークジョイタイムで、これまた全国初の「50銭パチンコ」を実施しています。そこで遊んでくださったお客様を見ていると4円パチンコとは違って一般景品の出庫が非常に多く、駄菓子など沢山の景品を持って帰ってくださいます。そして、それを近隣の公園で戦利品として、お友達の皆さんに配ったりされているんです。この光景には感動しましたね。ある意味、これが、本来のパチンコのあるべき姿、国民的大衆娯楽のあり方だと思います。それは私がずっとやりたかったこと、見たかった光景でした。
そして、パチンコが大好きだけど、遊びの単価が高過ぎて出来ない、というファンの方たちにやらせてあげられなかった業界としてのふがいなさ。これは私も経営者として反省しなければいけないことだと思っています。
また、ピーアーク銀座では、「アンチパチンコ宣言」を掲げて、パチンコを敬遠されるお客様の「けむい、うるさい、わからない」という声に応えたい!という取組みを2007年から実施しています。わざわざこの店舗を選んで、遠方からお見えになる方もいらっしゃいますし、海外旅行客の中にもパチンコを楽しみにしてお越し頂くお客様もいらっしゃって、とてもありがたいですよ。

このように、多様なバリエーション、新たな成長モデルを世に示していくことこそが、ピーアークミッションだと思っています。私は「遊びの民主主義」、という言葉をよく使いますが、それは常々1つのものだけをお客様に提供するのはよくないと思ってきたからです。これはこうだ、と遊び方を強制することも良くないし、パチンコのいわゆる射幸性ばかりを追いかけていては、この産業の裾野は広がらないと思うんです。やはり、お客様目線での選択肢の多さやメニューの提示は必要不可欠だと思います。
もちろん100%うまくいっていることばかりではありませんよ。ですが、ピーアークでは1つのサクセスストーリよりも、100のチャレンジ、100のトライ&エラーを繰り返しながら、新しい可能性を見出していくことに価値を置いています。それがピーアークの企業カルチャーであり、ゼロからイチを生み出す力の源なのです。

―新しいことをやると後続がどんどん出ますよね。真似されることに違和感はありませんか?

全くありませんし、大歓迎ですね。むしろ、それが狙いと言ってもいいでしょう。この産業の大きな問題は、ワンレーンを1万3千店がひたすら走っている、ということだと思います。しかも、今はだいぶ変わりましたが、射幸性というレーンを走り続けてきました。

先ほども言いましたが、産業としての成長性というのは、ファン層の裾野が広がらなければ可能性がないと思います。そして、ワンレーンを全パチンコ店が走り続けた結果、限られたお客様にしか受け容れられない産業になっています。店長の仕事は、近隣店からお客様を奪うことだ、という話を聞くと、そこに携わっている者としてはすごくさびしい思いになりますね。

そういう意味でも、もっともっと多くの人に認知される産業として、広げなければと思います。未来に向けて、本来の産業としての魅力や付加価値を形作っていく、つまり進化していかなければならないのです。

―前回インタビューをお受け頂いたマルハンの韓社長がモデル店を作られた際に、メンバー全員で視察し、最も影響を受けたのがピーアークさんの店舗だったそうです。

ピーアーク溝の口のことですね。実に光栄なことです。1990年頃、ちょうどプリペイドカードの導入が始まった時期でした。溝の口は、私たちが「時間消費型レジャー」を具現化する店としての第1号店です。お客様が遊んでくださるプロセスを商品化しようとしました。ロケーションは、大型スーパーの隣だったので、ターゲットは買い物帰りのお客様。生鮮品が悪くなってしまうので冷蔵ロッカーを用意したり、パウダールームを作ったり、全部顧客視点でビジネスモデルを組み立て直しました。

有難いことに、マルハンさんのように沢山の業界の方やメディアの皆さんにも注目していただきました。もう20年前のことですが、画期的な取組みだったと思います。ただ、成功体験に浸っていては前に進めませんから、一度全てを壊して、全く新しい店にしましたよ。昨年の話しですが。―――人はどうしても成功体験にこだわりたくなると思いますが?

ピーアークは、一つのビックサクセスでワンモデルは否定しますから、成功体験に浸っていてはいけないんです(笑)。それが、ピーアークの企業体としてのビジョンであり、カルチャーなんですね。

クレドである「Fun for Life」を実現するために、この業界はもっと裾野を広げなければならないし、私たちももっと進化しなければならない。そのために業界の多様な成長モデルを示すこと、ゼロからイチをうみだすことが、ピーアーク当社のミッションであり得意技だと思っています。

先ほども触れましたが、【1個のサクセスストーリーではなく、100のチャレンジ、100のトライ&エラーを。】 そして、【1人の天才ではなく、100人のプロフェッショナルを。】 これが合言葉のように根付いている言葉ですね。

―まさに「ゼロからイチを生み出し続けている企業」という印象です。前例のないことをやるのはリスクがつきものだと思うのですが、それでもそこにこだわる理由は何でしょうか。

いえ、むしろリスクヘッジなんですよ。進化というのは、生き延びるためにリスクを回避するということだと思います。大昔、恐竜が絶滅したように、世の中の変化に対応できない企業がどうなるのか。ましてや、100年に1度の不景気と言われたリセッション(景気後退)を皮切りに、これだけ想定外のことが次から次と起こっている世の中では、1つの成功モデルを大きくし続けることの方が、リスクが高いと思っています。絶対に失敗のない正解があれば別ですが、そんなことは誰にも分からないですよね。

であれば、進化の源泉である多様性を培っていくこと、具体的には、様々な業態の店を展開し、仮説検証を繰り返して、リスクを減少させることができると思うんです。最適解を更新すること、より良いもの、お客様の期待価値を創造することを目指しています。

お客様の期待価値というのは常に要求水準が上がり続けるもので、一定のレベルになったら次を求められます。変化し続ける水準に対応するために、いろんなバリエーションを広げることこそが究極のリスクヘッジなんです。

競争相手はもはやこの産業ではありません。インターネット、家庭用テレビゲーム、ケータイのモバイルカルチャーやアニメなどのサブカルチャーといった遊びのバリエーションにしろ、色んなアミューズメントにしろ、全てがお客様の選択肢であり、私たちの競争相手なんです。ここを越えていくには、業界内だけの発想では、間違いなく行き詰まると思います。もっと社会全体を見ながら、自分達が業態を変えていこう、という意志が必要条件ですよね。

―チャレンジがリスクヘッジ、という発想には目からウロコです。100のトライ&エラー、ゼロからイチを生み出すという言葉に象徴されている企業カルチャーは、どのようにして根付いてきたのでしょうか?

まず、全員がこの会社の企業価値を共有・共感している、ということがスタートでしょう。新卒採用に関しても、まずピーアークのカルチャーがはじめにありきで、それを大切にしていこうという考え方です。恋愛と同様でインタレストな想いが、「事(コト)」のはじまりですね。

10年ごとに長期ビジョンを示しているのですが、全員でミッションを共有して、ビジョンを共有して、ステップを上がってきています。そういうプロセスに価値観を見出しているし、チャレンジをすることによって自分達も自信を持ち、そこに「一生懸命」が生まれます。私の役割は、ビジョンを共有するために社内LANでメッセージを発信するくらいですよ(笑)。社内の主要な会議などは、社員がほとんど自分達で企画・実行するから、面白いんでしょうね。すごく盛り上がっていますよ。私がテーマにしているフレーズは「任せて託す」ですからね。

―庄司社長ありがとうございます!(続きは後編へ)

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